2026年11月3日(火) | 朝夕刊エディション
La Liga Journal & Media Analytics EL CLÁSICO DIARIO エル・クラシコ・ディアリオ | スペイン現地報道・定点観測ジャーナル

ラ・リーガ / 第8節 / エル・サルディネロ / U-NEXT・DAZN / 2026年10月12日(月)

ラシン・サンタンデール 対 バレンシア

ラシン・サンタンデール 2-2 バレンシア

ほかの公式ハイライト: DAZN Japan(8:00)

この試合のコンテンツ(2)タブで切り替えて読めます

試合サマリーと得点経過

  • 試合日時:2026年10月11日
  • スタジアム:カンポス・デ・ス波・デ・エル・サルディネーロ(観客数:22,633人)
  • 最終スコア:ラシン・サンタンデール 2 - 2 バレンシアCF
  • 得点者:
  • ラシン・サンタンデール:ヤシル・ザビリ(32分)、イバン・マルティン(47分)
  • バレンシアCF:ダニ・ラバ(2分)、デビッド・オトルビ(65分)

ハビエル・アギレ新監督の就任初戦となったバレンシアCFが、アウェイの地エル・サルディネーロでラシン・サンタンデールと対戦した一戦は、めまぐるしく主導権が入れ替わる白熱の展開となった。試合は開始わずか2分、前体制での不遇を吹き飛ばすダニ・ラバの電光石火のゴールでバレンシアCFが先制する。しかし、ホームで勢いに乗るラシン・サンタンデールもポゼッションを高めて反撃に出ると、32分にエースのヤシル・ザビリが同点弾を叩き込み、さらに後半開始直後の47分にはイバン・マルティンのミドルシュートで一気に試合をひっくり返した。

逆転を許したバレンシアCFだったが、アギレ監督の積極的な采配が功を奏する。後半途中に投入された18歳の新星デビッド・オトルビが65分に見事な同点ゴールを決め、試合を再び振り出しに戻した。終盤は互いにリスクを冒して勝ち点3を狙うオープンな攻防が繰り広げられ、アディショナルタイムにはバレンシアCFのウーゴ・ドゥロが決定機を迎えるも惜しくも生かせず、見ごたえ十分の攻防は2-2のドロー決着となった。

各得点シーンの詳細:

  • 0-1(2分:ダニ・ラバ): バレンシアCFのエリア内への展開から、センターバックのユスティン・デ・ハースが頭で落として起点を作る。これを受けたダニ・ラバが相手DFパブロ・ラモンとの対峙で絶妙なフェイントを入れ、カットインで相手を振り切ると、右足でグラウンダーの鋭いシュートをゴール右隅へ流し込んだ。
  • 1-1(32分:ヤシル・ザビリ): 中盤でボールを持ったイニゴ・ビセンテが起点。バレンシアCFの守備陣の隙間を見逃さず、中央へ精緻なスルーパスを通す。絶妙なタイミングで飛び出したストライカーのヤシル・ザビリがこれを受け、GKストーレ・ディミトリエフスキとの1対1を落ち着いて冷静にグラウンダーで沈めた。
  • 2-1(47分:イバン・マルティン): 後半立ち上がり、エリア前への高い浮き球に対してバレンシアCF守備陣の対応が後手に回る。このこぼれ球に詰めたイバン・マルティンが起点でありフィニッシャーとなり、バウンドしたボールをダイレクトで強振。ドライブがかかったシュートは反応の遅れたGKストーレ・ディミトリエフスキの手を弾いてゴールに吸い込まれた。
  • 2-2(65分:デビッド・オトルビ): 中盤のアリオゥ・ディエンからボールを引き継いだハヴィ・ゲラが起点。ハヴィ・ゲラは力強い推進力で相手ディフェンダー3人を引きつけ、右サイドの広大なスペースへ完璧な浮き球のスルーパスを供給。走り込んだ交代出場のデビッド・オトルビを経由し、ダイレクトで叩き込む豪快なシュートでネットを揺らした。

両チームのスタメンと交代

ホーム: ラシン・サンタンデール(4-2-3-1)

  • GK: ジュレン・アギレサバラ
  • DF: ダニ・マンティージャ、パブロ・ラモン、ジャン=ヒュエル・ベロシアン、マリオ・サリナス
  • MF: レアンドロ・プラッティ、アンドレ・アルメイダ、セルヒオ・カナレス、イバン・マルティン、イニゴ・ビセンテ
  • FW: ヤシル・ザビリ

交代選手・変更点:

  • 61分: パブロ・ラモン OUT → アロン・マルティン IN
  • 61分: アンドレ・アルメイダ OUT → アンドレス・マルティン IN
  • 74分: セルヒオ・カナレス OUT → パブロ・ガルシア IN
  • 86分: ヤシル・ザビリ OUT → アシエル・ビジャリブレ IN
  • 87分: レアンドロ・プラッティ OUT → マゲット・ゲイエ IN

アウェイ: バレンシアCF(5-4-1 / 4-2-3-1)

  • GK: ストーレ・ディミトリエフスキ
  • DF: パブロ・マフェオ、ムクタル・ディアカビ、ペペル、ユスティン・デ・ハース、ホセ・ルイス・ガヤ
  • MF: ギド・ロドリゲス、フィリプ・ウグリニッチ、ハヴィ・ゲラ、ダニ・ラバ
  • FW: ウーゴ・ドゥロ

交代選手・変更点:

  • 46分: ムクタル・ディアカビ OUT → アルノー・ダンジュマIN(イエローカード受傷と負傷明け考慮による交替。4-2-3-1へシステム変更)
  • 57分: フィリプ・ウグリニッチ OUT → ハーヴェイ・エリオット IN
  • 57分: ダニ・ラバ OUT → デビッド・オトルビ IN
  • 85分: パブロ・マフェオ OUT → アルナウ・マルティネスIN(筋肉のけいれんによる変更)
  • 85分: ハヴィ・ゲラ OUT → アリオゥ・ディエン IN(疲労による変更)

戦術・采配のポイント

バレンシアCFのハビエル・アギレ新監督は、就任初戦で守備の安定を図るため、ボランチのペペルをリベロに配置した3センターバック(5-4-1)を採用。さらに前監督のもとで干されていたダニ・ラバを先発に抜擢した。開始早々の先制劇で狙いが当たったかに見えたが、中盤のギド・ロドリゲスとフィリプ・ウグリニッチの横のスライドが後手に回り、ビルドアップの局面で苦戦を強いられた。

対するラシン・サンタンデールのホセ・アルベルト・ロペス監督は、流動的なパスワークとポジションチェンジを駆使する関係的フットボールを展開。セルヒオ・カナレスとアンドレ・アルメイダの元バレンシアコンビが中盤で起点を作り、左サイドのイニゴ・ビセンテと前線のヤシル・ザビリの絶妙な連携でバレンシアCFの強固なブロックを切り崩して逆転に成功した。

この苦しい展開を打開したのがアギレ監督の采配である。1点リードで迎えたハーフタイムにカードをもらっていたムクタル・ディアカビを下げ、アタッカーのアルノー・ダンジュマを投入してシステムを4-2-3-1に変更。さらに2-1と逆転された後の57分、フィリプ・ウグリニッチとダニ・ラバに代えてハーヴェイ・エリオットとデビッド・オトルビを同時投入した。

この交代が劇的な変化をもたらす。トップ下に入ったハーヴェイ・エリオットが創造性溢れるパスで攻撃のテンポを上げ、右サイドに投入されたデビッド・オトルビが圧巻の推進力でラシン・サンタンデールの守備陣を切り裂いた。投入からわずか8分後にはオトルビ自らが同点ゴールを奪い、アディショナルタイムにも右サイドを破ってウーゴ・ドゥロへ決定的ラストパスを供給。アギレ監督の素早い交代策とシステム変更が、チームの攻撃を蘇らせ勝ち点1をもたらす決定打となった。

現地メディアの選手採点・評価比較

試合後、現地スペインの各スポーツメディアは双方の選手たちのパフォーマンスを大きく報じた。

特に注目を集めたのが、交代出場から試合の流れを一変させたバレンシアCFの18歳、デビッド・オトルビである。El Desmarqueは彼にチーム単独最高評価となる「9点(10点満点)」を付け、「ジョーカーとして登場し、圧巻の同点弾とチャンスメイクで試合を救った最高峰の出来」と絶賛した。SPORTおよびSuperdeporteも「7点」を与え、そのインパクトを高く評価している。

同点アシストを記録したハヴィ・ゲラに対しては、El Desmarqueが「8点」、SPORTが「6点」をつけ、推進力と局面打開のアイデアを称賛。また、リベロとボランチをこなしたペペルにはSPORTおよびEl Desmarqueの双方から「7点」が与えられ、守備の消火作業とビルドアップの安定感が高く評価された。

一方で、途中投入のハーヴェイ・エリオットについては見解が割れた。SPORTおよびSuperdeporteは攻撃に想像力とテンポの良さをもたらしたとして「7点」の高評価を与えたのに対し、El Desmarqueは「5点」と控えめな採点にとどめている。

守備陣や前線では厳しい評価も目立った。GKストーレ・ディミトリエフスキは前半の好セーブを見せたものの、2失点目の反応の遅れが響き各紙揃って「5点」の及第点。前線で孤立しアディショナルタイムの絶好機を外したウーゴ・ドゥロにはSPORTが「3点」、El Desmarqueが「4点」と厳しい低採点を下した。また、中盤で消えていたフィリプ・ウグリニッチも「3点」から「4点」と酷評された。

ラシン・サンタンデール側では、今季7点目のゴールを決めたヤシル・ザビリに対してMARCA紙がスポットライトを当てた。同紙は「ラミネ・ヤマルやキリアン・エムバペと肩を並べる圧巻の得点ペース」と称え、チームを牽引するエースの決定力を絶賛している。

試合後の監督・選手コメント

・ハビエル・アギレ監督(バレンシアCF):「試合後のロッカールームは怒りと悔しさに満ちていた。選手たちは激しい戦いを繰り広げ、勝利を目前に手にかけていたからだ。しかし時間が経ち冷静に振り返れば、2-1とリードされ相手に押し込まれる苦しい展開から這い上がり、勝ち点1を得たことは悪くない結果だ。最悪の場合、負けていてもおかしくなかった。試合後の選手たちは皆、足をつって疲労困憊で死んでいた。私はまさにそのような姿勢を求めている。勝利を逃したことを悔やみ、ピッチ上で全力を出し切った選手たちを責めることは何一つない。メキシコ流に叫んで彼らの健闘を称えたよ」

・ホセ・アルベルト・ロペス監督(ラシン・サンタンデール):「アギレ監督就任によりバレンシアCFの事前データがない状態だったため、自分たちのフットボールと改善点に集中して臨んだ。よりコンパクトな陣形を保ち、ボールを保持して主導権を握るという意図通りの戦いはできた」

・ダニ・ラバ(バレンシアCF・先制ゴール):「再びピッチに立ち、ゴールという形でチームに貢献できたことが本当に嬉しい。アギレ監督の初戦であり、お互いを知るプロセスの最中だ。このアウェイでの勝ち点1を価値あるものとし、来週のホーム戦に繋げたい。相手DFが詰めてくるのが見えたので、切り返すのが最善の選択だった。アギレ監督の就任によってチームの日常や雰囲気が変わり、ここから間違いなく新しいバレンシアCFが見られるはずだ」

・イニゴ・ビセンテ(ラシン・サンタンデール・同点アシスト):「立ち上がりの時間帯は最悪の入りだったが、そこから見事に持ち直し、内容的には自分たちの方が見応えのあるプレーを見せていたと思う。だが、ここは1部リーグだ。小さなミスや隙を見せれば、すぐに手痛い代償を払わされることになる」

ラシン・サンタンデール 対 バレンシア の背景データ

順位

順位クラブ試合勝分負得失差点直近
16 ラシン・サンタンデール 11 3 2 6 15 29 -14 11 LWLDL
19 バレンシア 11 2 3 6 8 17 -9 9 WLDDL
順位表全体を見る
両クラブの前後日程を見る