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セビージャFC vs バレンシア

ラ・リーガ / jornada-5 / Estadio de Sevilla / 2026年9月12日(土)

セビージャFC 1-0 バレンシア

試合サマリーと得点経過

試合日時:2026年9月11日(金)21:00キックオフスタジアム:エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスフアンスコア:セビージャFC 1 - 0 バレンシアCF得点者:セビージャ=フアン・イグレシアス(81分)

ラ・リーガ第5節、開幕から3勝1分と勢いに乗るセビージャFCが、1分3敗の最下位に沈むバレンシアCFをホームのラモン・サンチェス・ピスフアンに迎えた伝統の一戦は、終盤の劇的な決勝ゴールによりセビージャが1-0で辛勝を収めました。

試合は序盤から激しい攻防が展開されました。10分、セビージャの今夏の新戦力ルーカス・スタシンがペナルティエリア内でホセ・ルイス・ガヤのタックルを受けて倒れ、ホームの大歓声とともにペナルティキックを主張します。しかし主審のブスケツ・フェレール氏とVARのデル・セロ・グランデ氏の協議の末、ノーファウルの判定となり場内は騒然とします。24分にはバレンシアのセンターバックであるセサール・タレガがアクシデントによる筋肉系の負傷で早々の交代を余儀なくされ、イケル・コルドバがスクランブル投入される波乱の展開となりました。

前半終了間際、バレンシアはハビ・ゲーラの絶妙なスルーパスからアルナウト・ダンジュマがセビージャの守護神オディッセアス・ヴラホディモスと1対1を迎える千載一遇の好機を得るも、放ったシュートは敵GKの正面を突き先制ならず。セビージャもフェリックス・コレイアの左クロスからアイザック・ロメロがボレーで狙うも枠を捉えきれず、前半はスコアレスで折り返します。

後半に入るとセビージャが圧巻の猛攻を仕掛けます。キケ・サラスの鋭いヘディングシュートをバレンシアのGKストレ・ドミトリエフスキが間一髪で弾けば、直後のコーナーキックからルーカス・スタシンが放ったシュートはゴールポストを直撃。アウェイのバレンシアも77分、途中出場のダビド・オトルビが右サイドを破り、強烈な一撃を叩き込みますが、打球は無情にもクロスバーを直撃し、どちらに転んでもおかしくない緊迫した展開が続きました。

そして81分、ついに試合の均衡が破れます。

【得点シーン:81分 フアン・イグレシアス】*起点:バレンシアの途中出場パブロ・マフェオが自陣右サイド深くで不用意なファウルを犯し、セビージャにFKが与えられます。交代投入されたばかりのセビージャのMFギオルギ・コチョラシュヴィリが右足でゴール前へ高精度なカーブクロスを供給しました。*経由:バレンシアのディフェンスラインにおいて、主将ホセ・ルイス・ガヤがオフサイドラインを押し上げきれずに残ってしまったことでオフサイドトラップが解除され、セビージャの攻撃陣に完全なゴール前の自由空間が生まれました。*決めた方法:絶妙なタイミングでフリーで走り込んだセビージャの右サイドバック、フアン・イグレシアスが叩きつけるような渾身のヘディングシュートを放つと、ボールはGKストレ・ドミトリエフスキの差し出した手を弾いてネットを揺らし、熱狂の渦を巻き起こしました。

このリードをセビージャが最後まで守り切り、勝ち点3を手中にして暫定3位へ浮上した一方、バレンシアは泥沼の開幕5試合未勝利で最下位から抜け出せない苦境が続いています。

戦術・采配のポイント

【両チームのフォーメーションと戦術的狙い】ルイス・ガルシア・プラサ監督率いるセビージャは、4-4-2(可変型の4-1-3-2)を採用しました。移籍市場最終日に獲得したユスフ・フォファナ、フェリックス・コレイア、ルーカス・スタシンの新戦力3人を一挙にスタメン抜擢。ルーカス・スタシンとアイザック・ロメロの2トップで前線に厚みを加え、中盤ではリュシアン・アグメとユスフ・フォファナの強力なダブルボランチが強烈なハイプレスとフィジカルで中盤のセカンドボールをことごとく回収しました。前半こそ前線の連携にややぎこちなさが見られたものの、後半はバレンシアを自陣に完全に押し込める圧巻のゲームコントロールを見せました。

対するカルロス・コルベラン監督のバレンシアは、前節バルセロナ戦での0-5大敗で破綻した5バックを破棄し、従来の4-4-2へと回帰しました。深刻な負傷者(ウマル・サディク、ギド・ロドリゲス、ムクタル・ディアカビ、ルイス・リオハら)を抱える苦しい舞台裏の中、フィリプ・ウグリニッチとアリウ・ディエンで中央を固め、トップ下に近い位置へハビ・ゲーラを配備。ダビド・オトルビとリュウノスケ・サトウの両ウィングの速攻に活路を見出そうと試みました。しかし、自陣深くでのビルドアップ時にセビージャの激しいプレスを前にパスミスを連発し、スムーズにボールを前線へ運べない構造的な課題を終始抱え続けました。

【監督の交代策と試合に与えた変化】

76分、前線で運動量の落ちたミゲル・シエラとアイザック・ロメロを下げ、ロビー・ウレとチデラ・エジュケを投入。さらに中盤のユスフ・フォファナに代えてキックの精度に秀でたギオルギ・コチョラシュヴィリをピッチへ送り出しました。フレッシュな快速アタッカーを入れて前線の圧力を維持しつつ、セットプレーの質を高める狙いが見事に結実。投入直後の81分にまさにギオルギ・コチョラシュヴィリのプレースキックから決勝ゴールが生まれ、指揮官の交代采配が劇的な勝利を引き寄せました。

24分にセサール・タレガの負傷負傷でイケル・コルドバを入れる不運に見舞われた後、61分には攻めあぐねていたリュウノスケ・サトウとアルナウ・マルティネスに代え、ハーヴェイ・エリオットとパブロ・マフェオを投入して打開を図りました。しかし、強度をもたらすはずだったパブロ・マフェオが命取りとなる不用意なファウルを与えてしまい、結果的にこの交代劇が裏目に出る格好となりました。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディア(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo, El Desmarque, Superdeporte,EstadioDeportivo)による本試合の選手採点と評価は、セビージャの充実ぶりとバレンシアの深刻な不振を如実に反映する結果となりました。

【主要選手の採点・評価対比】

*評価比較:各紙揃って本試合のMVPに選出。SPORTは「右サイドで驚異的な運動量を維持し、連戦の疲労が見え始めた土壇場で劇的な決勝点を奪ってみせた」と絶賛。El Desmarqueも「守備での手堅さに加え、勝負どころでの集中力と勝負強さは現在のセビージャの象徴だ」と手放しで称えました。

*評価比較:移籍後即スタメンとなったフランス代表MFに対し、SPORTは「圧巻のフィジカルとボール奪取力で中盤を完全に制圧した」と高評価。EstadioDeportivoも「彼とアグメのコンビは相手中盤にとって絶望的な壁となっており、チームの安定感を劇的に向上させた」と評価しました。

*評価比較:El Desmarqueは「右サイドで孤軍奮闘し、クロスバーを叩いた場面を含め、沈むチームの中で唯一輝きを放った」と称賛。一方、SPORTは「果敢な突破は見せたものの、周囲のサポートが皆無で孤立し、決定的な仕事をやり遂げるには至らなかった」と組織的な支援の欠如を指摘しました。

*評価比較:見解の違いが顕著に表れたのがバレンシアの主将ガヤです。SPORTは「前半はセビージャのアタッカー陣に対して見事な対人守備を見せ、主将としてチームを鼓舞していた」とポジティブな面を評価。しかしMARCAとEl Desmarqueは、「81分の失点シーンでライン統率を誤り、フアン・イグレシアスを完全にフリーにしてしまった判断ミスは痛恨極まりない」と厳しく糾弾しました。

*評価比較:61分から途中出場したパブロ・マフェオに対し、Superdeporteは「気負い過ぎてゲームに入れず、致命的な失点につながる不必要なファウルを犯した」と最低落第点を提示。El Desmarqueは「球際の激しさをもたらそうという意図は見えた」と一定の理解を示しつつも、敗戦の引き金となったプレーを悔やみました。

*評価比較:両紙揃って最低レベルの低採点を記録。前半終了間際のGKとの1対1という千載一遇の先制機を逃した点、そして後半も粗慢な判断でチャンスを潰し続けた姿勢に対し、「エースとしての責任を果たせず、チームの攻撃不全を象徴していた」と酷評されました。

試合後の監督・選手コメント

【セビージャFC:勝利の手応えと兜の緒を締める指揮官】

「執念を持って戦い抜いた末の勝利だった。ゴールが出るまでに時間を要したが、後半の35分間は非常に高い水準のパフォーマンスで相手を圧倒し、自陣から一歩も出させない時間を作ることができた。開幕5試合で勝ち点10を獲得できたこと、そして勝利への強い欲求を見せてくれた選手たちの姿勢には帽子を脱ぐ思いだ。今、我々は大きな波に乗っている。しかし過信は厳禁だ。前線の選手たちにはまだ向上させるべき余地があり、次のア・コルーニャ戦でも隙を見せれば手痛い仕返しを受けることになるだろう」
「非常に苦しみ抜いた末の勝利だったが、我々の内容にふさわしい勝ち点3だ。今季のセビージャが上位を狙うためには、ホームのサンチェス・ピスフアンを絶対的な要塞にしなければならない。この勝ち点10は、クラブの新しいプロジェクトが正しい道を歩んでいる証明だ」

【バレンシアCF:危機感を募らせる主将陣と追い詰められた指揮官】

開幕5試合でわずか勝ち点1、最下位という惨状を受け、現地ファンからの退陣要求も強まる中でのコメント:「監督としてこの結果には当然大きな責任を感じている。しかし、私にはこの困難な状況を打開するための情熱と力がまだ十分に残っている。システムを変更したことでチームの守備意識や姿勢は前節のバルセロナ戦から確実に改善された。それだけに、セットプレーという細かなディテール一つで再び泣くことになったのは非常に悔やまれる」

ロドリーによる「バレンシアは最悪だ」という酷評発言や前節の0-5大敗を受け、スタジアム外でチームバスを包囲し怒りを爆発させるファンや現地メディアに対し、偽りのない心境を吐露:「サポーターの皆さんがもう口先だけの説明や言い訳にうんざりしているのは痛いほど分かっている。もはや言葉での説明など不要であり、ピッチの上で勝利という結果を出すことだけが唯一の回答だ。ロッカールームの雰囲気は非常に重く苦しいが、外から誰も僕たちを助けには来てくれない。自分たちの力で団結し、次のアラベス戦で何としても勝ち点3を掴み取るしかない」

解任の噂が囁かれる指揮官の進退について問われ、「僕たち選手全員は、死ぬ気で監督とともに戦っている」とカルロス・コルベラン監督への変わらぬ支持と全幅の信頼を強調しました。

決勝点につながるファウルを与えてしまったことについて、「自分のファウルがチームを敗北に追い込んでしまった」と自責の念を込めつつ、チーム全体で泥臭く戦う気迫の必要性を訴えました。

不穏な空気が漂うバレンシアとは対照的に、劇的な勝利でスタジアムを熱狂させたセビージャ。明暗がくっきりと分かれた伝統の一戦は、両クラブの現在の勢いと置かれた立場を如実に映し出す90分間となりました。