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デポルティーボ・アラベス vs バレンシア

ラ・リーガ / jornada-6 / Estadio de Alavés / 2026年9月16日(水)

デポルティーボ・アラベス 0-1 バレンシア

試合サマリーと得点経過

試合情報

監督カルロス・コルベランおよびフットボールCEOロン・ガーレイの電撃解任からわずか2日、激震に見舞われたバレンシアが、Bチームを率いるオスカル・サンチェス暫定監督のもとでアウェイの地メンディソロサに乗り込んだ。ホーム開幕3連勝と絶好調を維持するアラベスに対し、最下位に沈むバレンシアは立ち上がりから並々ならぬ気迫を披露。鋭いプレッシングと縦への素早い展開で主導権を握ると、18分にはハビ・ゲラの絶妙なスルーパスからアルナウト・ダンジュマがネットを揺らした。しかし、これはVARの検証によりミリ単位のオフサイドと判定され、幻の先制点となる。

前半終盤にかけてはアラベスも右サイドのアンヘル・ペレスの突破から反撃に出るが、バレンシアの守護神ストーレ・ディミトリエフスキがアンヘル・ペレスの強烈なシュートやヴィッレ・コスキの決定的なヘディングを好セーブで阻止。0-0のまま緊張感の漂う後半へと折り返した。

試合が動いたのは78分、歓喜と悲劇が背中合わせとなった決定的な得点シーンだった。中盤中央でボールを受けたバレンシアのハビ・ゲラが、相手MFアントニオ・ブランコを鮮やかなターンで振り切り、一瞬の隙を突いて相手ディフェンスラインの背後へ極上のスルーパスを供給。これに反応したのが、63分から途中出場していた元アラベスのルイス・リオハであった。ルイス・リオハは絶妙な動き出しでCBヴィッレ・コスキとナウエル・テナグリアの間を割って抜け出すと、前進してきたGKアントニオ・シベラの頭上を柔らかく浮かせる技ありのループシュート(ピカディータ)を沈め、古巣の網を揺らした。

しかし、勝ち越しゴールを決めた直後、ルイス・リオハはシュートの着地で以前から抱えていた足底の負傷(足底脂肪体の断裂)を悪化させ、自らベンチへ交代を要求。痛みに耐えてチームを救いながらも涙を流してピッチを後にする衝撃的なシーンとなった。その後、アラベスの猛攻を耐え抜いたバレンシアが0-1で逃げ切り、今季初勝利を飾った。

戦術・采配のポイント

キケ・サンチェス・フローレス監督率いるアラベスは、今季ホームでの勝率100%を支えてきた慣れ親しんだ布陣で臨んだ。アンヘル・ペレスの推進力を生かした右サイド突破と、ルカス・ボジェおよびトニ・マルティネスの2トップを狙ったダイレクトなアーリークロスでバレンシアの守備陣に圧力をかける狙いだった。しかし、監督交代直後のバレンシアが採用した戦術的配置に対し、立ち上がりに適応の遅れを見せることとなった。

対するバレンシアのオスカル・サンチェス暫定監督は、前体制の停滞感を打破すべく4-2-3-1を採用。最大のサプライズは、18歳の生え抜きMFアアロン・マジョルを中盤の底で初先発抜擢した点にある。負傷から復帰したギド・ロドリゲスとダブルボランチを組ませることで守備の安定感と中盤の強度を確保。さらにハビ・ゲラを1列高いトップ下(エンガンチェ)へ配置し、アルナウト・ダンジュマを本来の主戦場である左サイドハーフに戻した。この配置により、中盤で数値上の優位(スクエア構造)を作り出し、アラベスのプレッシングを無力化することに成功した。

交代策においてもオスカル・サンチェス暫定監督の手腕が冴えた。63分に前線で孤立していたウーゴ・ドゥロを下し、スピードのあるルイス・リオハを投入したことが78分の決勝点へと直結。また、イエローカードを受け足に痛みを訴えていたギド・ロドリゲスを69分に下げて若いダビド・オトルビを投入し、カウンターの威力を維持した。ルイス・リオハの負傷負傷時には、ヘスス・バスケスを投入して左サイドバックのホセ・ルイス・ガヤと縦に並べる「ダブル・ラテラル」を形成。終盤のパワープレーに対してもイケル・コルドバやアルナウ・マルティネスを投入して守備の鍵を完全に施錠した。

一方のアラベスは、デニス・スアレスやトニ・マルティネスを下げてマリアノやユシ、さらにはエスカランテやアレニャを投入して前線の活性化を図ったものの、要所を締めるバレンシアのコンパクトな低位置ブロックを解体するアイデアを欠いた。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディアの各紙(SPORT, Superdeporte, El Desmarque,ASなど)は、今季初勝利を挙げたバレンシアの主力選手や監督の戦いぶりについて詳細な評価を展開している。

ハビ・ゲラ(バレンシアCF)

El Desmarqueはチーム最高点となる8点を与え、「トップ下に位置を上げたことでチームの攻撃のタクトを完全に握り、幻となったゴールとルイス・リオハの決勝ゴールの双方を演出した文句なしのマッチ・ウィナー」と絶賛した。一方、SPORTとSuperdeporteは7点と評価し、決勝アシストとなったスルーパスの精度と局面打開力を高く評価しつつも、後半中盤にアラベスに押し込まれた時間帯でやや関与が減った点を指摘している。

アアロン・マジョル(バレンシアCF)

18歳でのトップチームデビュー戦となった若手MFに対し、各紙そろって高得点を付けた。El Desmarqueは「プレッシャーのかかる敵地で物怖じしない堂々とした振る舞い(desparpajo)を見せ、中盤に強度と展開力をもたらした」と絶賛。SPORTも「新監督の期待に完璧に応え、中盤のデュエルで存在感を発揮した」と高く評価している。

ルイス・リオハ(バレンシアCF)

短時間の出場で劇的なゴールを決めたルイス・リオハに対し、El Desmarqueは8点を付けて古巣相手の勝負強さと執念を称えた。対してSPORTは6点にとどめ、決定的な仕事をしたことは認めつつも、出場時間が19分間と短かったこと、および得点直後の怪我による離脱を考慮した慎重な採点となった。

アルナウト・ダンジュマ(バレンシアCF)

SPORTは7点を与え、「本来の左サイドに戻ったことで活力を取り戻し、試合を通じて相手右SBナウエル・テナグリアにとって最大の脅威であり続けた」と攻撃の牽引力を評価。一方のEl Desmarqueは6点とし、仕掛けの積極性は認めながらも、終盤の1対1を含め決定機で仕留めきれなかった精度面を課題として挙げた。

ストーレ・ディミトリエフスキ(バレンシアCF)

前半アディショナルタイムにみせた驚異的な連続セーブに対し、El Desmarqueは8点を進呈し「無失点勝利の立役者」と称えた。一方のSPORTは6点とし、空中のボール処理やセービングに破綻はなかったものの、全体としては守備陣の踏ん張りに助けられた面もあるとの見解を示している。

試合後の監督・選手コメント

オスカル・サンチェス(バレンシアCF暫定監督)「大きな幸せを感じている。まさに夢のようなデビュー戦となったが、自分自身のこと以上に、これまで苦しい思いをしてきたバレンシアのファンや、この状況から抜け出したいとともにもがいていた選手たちのために嬉しい。アラベスがダイレクトプレーで圧力をかけてきた時間帯も、チームは全員で耐え抜く(sabersufrir)素晴らしい姿勢を見せてくれた。デビューさせたマジョルには大きな信頼を寄せていたし、痛みを抱えながら志願してピッチに立ってくれたギドやルイス・リオハの献身性には感謝しかない」

キケ・サンチェス・フローレス(デポルティーボ・アラベス監督)「最初の15分間、バレンシアが中盤に作ってきた変則的な配置への対応に手こずってしまった。相手は順位表の順位以上のクオリティを持つ選手たちを揃えており、特に失点シーンにおけるハビ・ゲラのプレーは極めて卓越していた。試合全体の内容としては引き分けが妥当だったと感じるが、一瞬の質の差が勝敗を分けてしまった」

ルイス・リオハ(バレンシアCF・得点者)「足底の脂肪体が断裂しており、厳しい状態でのプレーだった。前節までも無理を押して走っていたが、得点シーンで再び激しく踏み込んだ際に激痛が走り、元に戻ってしまった。かつて自分のホームだったこのメンディソロサで勝利に貢献できたことは非常に価値があるが、これでまだ勝点4に過ぎない。この勝ち点3を反撃の始まりにしなければならない」

ハビ・ゲラ(バレンシアCF・アシスト)「この初勝利を掴むことができて本当に嬉しい。非常に難度の高いアウェイ戦になることは分かっていたが、チームは立ち上がりからアグレッシブで勇敢であり、勝利に値する戦いをした。あの局面でボールを受けた時、裏のスペースへ抜け出すルイス・リオハの姿が見えた。彼のゴールで胸のつかえが下りたよ」

ギド・ロドリゲス(バレンシアCF)「メンタル面において極めて重要な勝利だ。ファンの皆さんが怒りや疲労感を抱えていたのも当然理解している。言葉ではなくピッチ上の結果で示すしかなかった。この勝ち点3をきっかけにシーズン全体の流れを変えていきたい」

ナウエル・テナグリア(デポルティーボ・アラベス)「これまでホームで見せてきた自分たちのサッカーを展開できず、非常に悔しい結果となった。バレンシアはピッチ上で成すべきことを正しく実行しており、今日の勝利にふさわしいチームだったと思う」

今節の勝利により、バレンシアは連敗を止め、新体制下での第一歩を踏み出した。次節メスタージャでのレアル・ソシエダ戦に向け、チームは大きな弾みを着けることとなった。