2026年11月3日(火) | 朝夕刊エディション
La Liga Journal & Media Analytics EL CLÁSICO DIARIO エル・クラシコ・ディアリオ | スペイン現地報道・定点観測ジャーナル

ラ・リーガ / 第2節 / RCDEスタジアム / U-NEXT・DAZN / 2026年8月23日(日)

エスパニョール 対 レアル・マドリード

エスパニョール 1-2 レアル・マドリード

試合サマリーと得点経過

  • 試合日時:2026年8月22日 21:30(現地時間)
  • スタジアム:RCDEスタジアム(コルネジャ=エル・プラット)
  • スコア:エスパニョール 1 - 2 レアル・マドリード
  • 得点者:
  • 前半9分:ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)
  • 前半30分:アレックス・カラトラバ(エスパニョール)
  • 後半90分:カルロス・エスピ(レアル・マドリード)

ジョゼ・モウリーニョ監督の13年ぶりとなる第二次政権初陣となったラ・リーガ第2節。熱気に包まれたRCDEスタジアムで、王者レアル・マドリードがホームのエスパニョールを相手に極めて劇的な勝利を収めた。試合は序盤から激しい攻防が繰り広げられ、両チームの意地とプライドが激突する白熱の一戦となった。

先制点が生まれたのは前半9分。左サイドでファールを受けたヴィニシウス・ジュニオールが起点となりフリーキックを獲得。このチャンスにアルダ・ギュレルが左足で絵に描いたような高精度のクロスを中央へ送ると、絶妙なタイミングで飛び込んだジュード・ベリンガムが頭で合わせ、鮮やかにゴールネットを揺らした。

早々に失点したエスパニョールだったが、ホームの大声援を背に徐々に落ち着きを取り戻し、前半21分のダニ・ハルケ追悼の時間を境に反撃のギアを上げる。すると前半30分、自陣からのスムーズなビルドアップでレアルの守備陣を崩し、左サイドへ抜け出したハビ・エルナンデスがペナルティエリア中央へ精度の高いマイナスのグラウンダーパスを供給。これに走り込んだアレックス・カラトラバが、マーカーの追従を許さず左足インサイドで正確に捉え、守護神ティボー・クルトゥワを破る1部初ゴールを叩き込んで同点に追いついた。

後半に入ると、勝ち越しを狙うレアル・マドリードが圧倒的なポゼッションで押し込む展開が続く。フェデリコ・バルベルデの強烈なミドルシュートがポストを叩き、ジュード・ベリンガムの至近距離からのヘディングシュートをGKマルコ・ドミトロヴィッチが驚異的な反応で防ぐなど、エスパニョール守備陣も驚異的な粘りを見せた。試合は1-1のままタイムアップを迎えるかに思われた。

ドラマが訪れたのは後半90分。右サイドでボールを受けたキリアン・エムバペが鋭いドリブルでボックス内に侵入し、ウナイ・ヌニェスを引きつけて強引に打開を図る。相手DFタイリース・ドーランに当たってこぼれたルーズボールに対し、後半80分に投入されたばかりの新加入FWカルロス・エスピが素早く反応。飛び出しをためらったGKドミトロヴィッチの間隙を突き、右足で冷静に押し込んで劇的な勝ち越しゴールを決めた。そのまま試合は終了し、レアル・マドリードが薄氷の勝利でモウリーニョ体制の初陣を飾った。

両チームのスタメンと交代

ホーム: エスパニョール(4-2-3-1)

  • GK: マルコ・ドミトロヴィッチ
  • DF: オマル・エル・ヒラリ、クレメンス・リーデル、ウナイ・ヌニェス、ロヘル・ヒノホ
  • MF: ウルコ・ゴンサレス・デ・サラテ、エドゥ・エスポジト、ハビ・エルナンデス、アレックス・カラトラバ、タイリース・ドーラン
  • FW: ロベルト・フェルナンデス

交代:

  • 65分: クレメンス・リーデル Out → エルヴィン・ドルキッチ In
  • 65分: アレックス・カラトラバ Out → ラファ・バウサ In
  • 74分: ウルコ・ゴンサレス・デ・サラテ Out → ポル・ロサーノ In
  • 74分: ハビ・エルナンデス Out → ペレ・ミジャ In
  • 83分: エドゥ・エスポジト Out → ホフレ・カレーラス In

アウェイ: レアル・マドリード(4-2-3-1)

  • GK: ティボー・クルトゥワ
  • DF: デンゼル・ダンフリース、イブラヒマ・コナテ、ディーン・ハイセン、アルバロ・カレーラス
  • MF: フェデリコ・バルベルデ、ベルナルド・シウバ、アルダ・ギュレル、ジュード・ベリンガム、ヴィニシウス・ジュニオール
  • FW: キリアン・エムバペ

交代:

  • 64分: アルバロ・カレーラス Out → マルク・ククレジャ In
  • 64分: アルダ・ギュレル Out → ヤン・ディオマンデ In
  • 80分: ジュード・ベリンガム Out → カルロス・エスピ In
  • 80分: デンゼル・ダンフリース Out → トレント・アレクサンダー=アーノルド In
  • 80分: ベルナルド・シウバ Out → エドゥアルド・カマヴィンガ In

アクシデント・負傷:-レアル・マドリードのディーン・ハイセンが前半、相手FWロベルト・フェルナンデスとの接触で顔面を負傷して流血。ピッチ外で治療を受けて復帰した。

戦術・采配のポイント

13年ぶりにレアル・マドリードの指揮をとるジョゼ・モウリーニョ監督は、4-2-3-1の布陣を選択。アンカーを務めるオーレリアン・チュアメニの負傷離脱に伴い、中盤の底にはフェデリコ・バルベルデと新加入のベルナルド・シウバを配置した。トップ下にジュード・ベリンガム、右にアルダ・ギュレル、左にヴィニシウス・ジュニオール、最前線にキリアン・エムバペを並べる超豪華なアタッカー陣で挑んだ。

序盤はセットプレーからアルダ・ギュレルの精度とジュード・ベリンガムの決定力で先制し、狙い通りの展開を作った。しかし、バルベルデとベルナルド・シウバのダブルボランチは攻撃の組み立てには長けるものの、フィルター役としての強度に課題を残した。特に両サイドバック(ダンフリースとカレーラス)が高めのポジションを取った際、その背後のスペースやバイタルエリアをエスパニョールに使われ、守備のバランスを著しく崩す要因となった。また、ヴィニシウス・ジュニオールが相手DFの執拗なマークや観客の煽りに過剰反応して冷静さを欠いたこともチームの停滞を招いた。

一方、マノロ・ゴンサレス監督率いるエスパニョールは、コンパクトなブロック形成と俊敏なカウンターで王者に対抗。前線のロベルト・フェルナンデスが身体を張り、ハビ・エルナンデスやアレックス・カラトラバがレアルの不慣れなボランチ脇を突くことで見事に同点ゴールを陥れた。

試合を決定づけたのは両指揮官の交代策だった。エスパニョールのマノロ・ゴンサレス監督は、イエローカードを受けていたリーデル、アレックス・カラトラバ、エスポジトを相次いで下げた。これは主審の厳しい基準による退場リスクを避ける判断だったが、攻撃のキーマンを失ったことで後手に回り、終盤にレアルの怒涛の圧力を受ける一因となった。

対するモウリーニョ監督は、64分にククレジャとヤン・ディオマンデを投じてサイドの運動量を上げると、1-1で迎えた80分に勝負に出る。ジュード・ベリンガム、ダンフリース、ベルナルド・シウバを下げ、エドゥアール・カマヴィンガ、アレクサンダー=アーノルド、そして194cmの大型FWカルロス・エスピを投入する圧巻の3枚替えを敢行。キリアン・エムバペを少し引かせた位置に配し、中央にパワーと圧倒的な高さを誇るカルロス・エスピをターゲットとして据えた。このパワープレーに近い采配が土壇場で完璧にハマり、泥臭く泥沼を打開する価値ある勝ち越しゴールを引き寄せた。

現地メディアの選手採点・評価比較

スペイン現地メディア各紙は、苦しみながらも開幕戦を制したレアル・マドリードと、健闘空しく散ったエスパニョールの選手たちに様々な評価を下した。

主力選手の採点・評価集約:-カルロス・エスピ(レアル・マドリード):各紙でMOM(最優秀選手)級の最高評価を獲得。El Desmarqueでは8点(10点満点)、MARCAでも9点と絶賛された。僅か10分ほどの出場時間で勝利を確定させた圧倒的な勝負強さと、ボックス内での野性的な嗅覚から、現地では「ホセル・ジュニア」の愛称で称えられている。-ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード):MARCA(9点)、El Desmarque(8点)、SPORTで高評価。ワールドカップの好調を維持し、先制ヘディング弾だけでなく中盤での圧倒的な推進力を見せつけた。-アルダ・ギュレル(レアル・マドリード):MARCA(8点)、El Desmarque(8点)、SPORTのパワーランキングでも最高値の8.5点を記録。先制点をもたらした高精度のフリーキックやアイデア溢れるパスで攻撃を牽引した。-イブラヒマ・コナテ(レアル・マドリード):新加入ながら落ち着いた守備を披露し、MARCA(8点)、El Desmarque(7点)と守備陣の中で最高クラスの採点を獲得した。-ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード):各紙で最低レベルの厳しい評価(El Desmarqueで3点、SPORTやMARCAでも落第点)。相手の挑発に乗ってイエローカードを受け、審判への抗議や観客との不毛なやり取りに終始したと厳しく指摘された。

  • アレックス・カラトラバ(エスパニョール):Mundo DeportivoやSPORTでエスパニョールのベストプレーヤーに選出。見事な1部初ゴールを決め、ヴィニシウス・ジュニオールとの駆け引きでも強い印象を残した。

メディアごとの見解の違い:-SPORT:バルセロナに拠点を置くSPORTは、レアル・マドリードの守備組織の崩壊や中盤の強度不足を辛辣に分析。特にチーム最高の出来だったアルダ・ギュレルを64分で早々に下げたジョゼ・モウリーニョの采配に疑問を呈した。また、ヴィニシウス・ジュニオールのペナルティエリア内での倒れ込み(シミュレーション)に対して「2枚目のイエローカードで退場になるべきだった」と主張し、エスパニョールは引き分け以上に値したと論じた。-MARCA:マドリード寄りのMARCAは、チームの完成度には課題を残しつつも、土壇場で試合をひっくり返すレアル・マドリード特有の「勝負強さ」とカルロス・エスピの衝撃的な活躍を強調。一方で、中盤のフィルター不足によるピンチの多さには警鐘を鳴らした。-El Desmarque:選手個々のプレーを客観的に数値化して評価。特にカルロス・エスピの補強について「わずか24時間で決まった費用対効果抜群の大成功補強」と絶賛し、チームの救世主となった点を大きく取り上げた。

試合後の監督・選手コメント

ジョゼ・モウリーニョ監督(レアル・マドリード)-試合総括:「我々は勝利に値したが、エスパニョールも敗北には値しなかった。相手は組織的で、限界まで戦っていた。我々はワールドカップ組の合流が遅く、走行距離も試合勘も足りない。ベンチの魂が掴み取った勝利だ」-ヴィニシウス・ジュニオールについて:「ヴィニシウス・ジュニオールは聖人ではないが、彼が受けている扱いは酷すぎる。これはもはやいじめだ。最初の1分から相手選手が代わる代わるファールを浴びせるフォーマットができあがっている。彼には感情のコントロールを求めた」-カルロス・エスピについて:「彼は実に愉快で素晴らしい若者だ。バルデベバスクラブハウスで私やスタッフと一緒に生活している。途中出場から完璧な仕事をしてくれた」

マノロ・ゴンサレス監督(エスパニョール)-審判への不満と交代の理由:「警告を受けていた選手たち(リーデル、アレックス・カラトラバ、エスポジト)を下げざるを得なかったのは、審判の基準を信用できなかったからだ。片方には厳しく、片方には流す。負けたのは審判のせいではないが、基準の違いには納得がいかない」-モウリーニョ監督のヴィニシウス発言に対して:「触ることもできないというのか。これはサッカーだ。過度なプレイなど一切なかった。マラドーナの時代に比べれば何でもない普通のアクションだ。誰一人怪我をさせにいってはいない」

カルロス・エスピ(レアル・マドリード)-「今、世界で一番幸せ者です。勝ち点3を獲得し、チームを助けられたことに感激しています。ピッチに入るとき、絶対に1回はチャンスが来ると信じていました。ゴール後、チーム全員が抱きつきに来てくれて最高の瞬間でした」

アレックス・カラトラバ(エスパニョール)-「準備してきた計画通りの戦いができただからこそ、土壇場での失点は悔しすぎる。レアル・マドリード相手に初ゴールを決められたことは個人としては嬉しい。ヴィニシウス・ジュニオールとの揉め事は感情が高ぶっていただけで、ピッチ上の出来事に過ぎない」

ティボー・クルトゥワ(レアル・マドリード)-エスパニョール公式SNSのヴィニシウス批判投稿に対して:「他のチームと対戦する時も同じようにSNSで投稿しているのか見てみたいものだ。相手のアレックス・カラトラバだって退場になるべきだった。他人のことよりも、まずは自分たちのプレーを鏡で振り返るべきだ。カルロス・エスピはまさに『ホセル・ジュニア』だ。彼の存在はチームにとって本当に大きい」

エスパニョール 対 レアル・マドリード の背景データ

順位

順位クラブ試合勝分負得失差点直近
3 レアル・マドリード 11 9 0 2 28 10 +18 27 WWWWL
14 エスパニョール 11 3 2 6 13 14 -1 11 WLLDL
順位表全体を見る
両クラブの前後日程を見る