バレンシア 対 セルタ
試合サマリーと得点経過
- 試合日時: 2026年8月22日 19:30キックオフ(ラ・リーガ第2節)
- スタジアム: メスタリャ
- スコア: バレンシア 0 - 0 セルタ
- 得点者: なし
2027年夏のノー・メスタリャ移転を控え、100年以上の歴史を誇る聖地メスタリャでの最終章(ラストシーズン)を迎えたバレンシア。その記念すべき開幕初戦は、クラウディオ・ヒラルデス監督率いるセルタを迎えての緊迫したスコアレスドローに終わった。
試合は立ち上がりからホームのバレンシアが主導権を握ろうと仕掛ける。カルロス・コルベラン監督が選択した変形5バックのもと、新加入の日本人MF佐藤龍之介とハビ・ゲラが流動的に動き、攻撃のタクトを振った。前半10分、ペペルのロングフィードを佐藤龍之介がエリア内で巧みに収め、前線へ走り込んだアルナウト・ダンジュマへ絶妙なラストパスを供給。アルノート・ダンジュマが決定的なフリーの体勢から放ったシュートはわずかに枠を外れたものの、メスタリャを大いに沸かせた。
対するセルタも徐々にパス回しのテンポを上げ、反撃に出る。前半25分、アレクシ・フェバスのスルーパスからヨネス・エル・アブデラウイが抜け出し、飛び出したバレンシアのGKストーレ・ディミトリエフスキをかわして無人のゴールへ流し込むが、カバーに入ったセザール・タルレガが間一髪のクリアで阻止。さらに前半41分にはハビ・ロドリゲスが強力なミドルシュートを放ったが、ストレ・ディミトリエフスキが鮮やかな手応えで枠外へ弾き飛ばした。直後の45分にはバレンシアもハビ・ゲラの推進力からフィリプ・ウグリニッチがシュートを放つも、セルタのGKイオヌツ・ラドゥの正面を突いた。
後半に入ると、戦術的修正を施したセルタが試合を完全に支配する。後半開始からの20分から25分間、セルタは高い位置からのプレッシングと素早いボール循環でバレンシアを自陣深くへ押し込んだ。ヒラルデス監督はイアゴ・アスパス、パブロ・ドゥラン、ハビ・ルエダ、ウィリオット・スウェドベリらを次々と投入し、勝ち点3を奪いにかかる。65分にはパブロ・ドゥランが鋭いグラウンダーのシュートで脅かしたが、ストレ・ディミトリエフスキが冷静にセーブした。
耐えるバレンシアはカウンターからアルノート・ダンジュマが抜け出す場面を作ったものの、セルタのベテランDFマルコス・アロンソの粘り強い対応に阻まれる。88分にはそのマルコス・アロンソがセットプレーの崩れから強烈なシュートを放つも、惜しくもポストのわずか横へ外れた。アディショナルタイムにはギド・ロドリゲスのシュートをラドゥが落ち着いてキャッチし、ホイッスル。枠内シュートの少なさと消極的な試合運びに業を煮やしたメスタリャのスタンドからは、試合終了とともに激しいブーイングが響き渡った。
※本試合は0 - 0の引き分けで終了したため、得点シーンはありません。
両チームのスタメンと交代
ホーム: バレンシア(1-3-4-2-1)
- GK: ストーレ・ディミトリエフスキ
- DF: セザール・タルレガ、ペペル、ユスティン・デ・ハース
- MF: ヘスス・バスケス、ギド・ロドリゲス、フィリプ・ウグリニッチ、ホセ・ルイス・ガヤ
- FW: ハビ・ゲラ、佐藤龍之介、アルナウト・ダンジュマ
主な交代・変更:
- 46分: ユスティン・デ・ハース out → ムクタル・ディアカビin(デ・ハースの足首打撲および前半の警告による交代)
- 57分: 佐藤龍之介 out → ウマル・サディク in
- 69分: ホセ・ルイス・ガヤ out → パブロ・マフェオin(パブロ・マフェオのバレンシアデビュー)
- 69分: フィリプ・ウグリニッチ out → アマドゥ・ディエン in
- 82分: アルナウト・ダンジュマ out → ウゴ・ドゥロ in
アウェイ: セルタ(3-4-3)
- GK: イオヌツ・ラドゥ
- DF: ハビ・ロドリゲス、ヨエル・ラーゴ、マルコス・アロンソ
- MF: セルヒオ・カレイラ、ミゲル・ロマン、アレクシ・フェバス、ハビ・ガラン
- FW: ヨネス・エル・アブデラウイ、ウゴ・アルバレス、フェラン・フトグラ
主な交代・変更:
- 56分: ウゴ・アルバレス out → ウィリオット・スウェドベリ in
- 63分: フェラン・フトグラ out → パブロ・ドゥラン in
- 63分: ヨネス・エル・アブデラウイ out → イアゴ・アスパス in
- 63分: ハビ・ガラン out → ハビ・ルエダ in
- 76分: アレクシ・フェバス out → イライシュ・モリバin(アレイス・フェバスの脚の痙攣による交代)
戦術・采配のポイント
バレンシアのカルロス・コルベラン監督は、右サイドバックの層の薄さ(ミゲル・フルキエらの不在や新加入パブロ・マフェオの合流直後という事情)を考慮し、左利きの中央寄りの選手であるヘスス・バスケスを右ウイングバックに据え、ボランチのペペルを3バックの中央に配する1-3-4-2-1(5バック可変)を採用した。前半は中盤のハビ・ゲラとシャドーの位置に入った佐藤龍之介のアイディア溢れる絡みから、前線のアルナウト・ダンジュマのスピードを生かした攻撃で一定の手応えを得た。しかし、前線での決定力不足が響き、先制点を奪うには至らなかった。
一方、セルタのクラウディオ・ヒラルデス監督は3-4-3の陣形を選択。前半はバレンシアの変形システムへの対応にやや時間を要したものの、ハーフタイムに修正を施すと、後半は圧倒的なポゼッション(試合全体で56%を記録)でバレンシアを自陣に押し込めた。63分にはイアゴ・アスパス、パブロ・ドゥラン、ハビ・ルエダの3人を同時に投入する積極的な采配で攻撃のギアを上げ、両サイドの深みを突いてチャンスを量産した。
コルベラン監督の交代策は後手に回る形となった。前半に足を痛めたデ・ハースに代えて怪我明けのディアカビを投じざるを得ず、さらに攻撃のアクセントとなっていた佐藤龍之介を57分という早い時間帯で下げてウマル・サディクを投入した決断は、メスタリャのサポーターから大きな疑問と不満のブーイングを集めた。終盤に投入した新加入のパブロ・マフェオやウゴ・ドゥロも流れを変えるには至らず、組織的な完成度を見せたセルタに対して守勢に回る展開を余儀なくされた。
現地メディアの選手採点・評価比較
現地メディア(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo,El Desmarque)の評価を総合すると、決定打を欠いた試合展開を反映し、両チームともに守備陣や中盤のキーマンに高評価が集まる結果となった。
主な主力選手の評価と採点比較
ハビ・ゲラ(バレンシア / MF)
- 採点: 8点(El Desmarque) / Mundo Deportivoのバレンシア側MVP
- 評価のポイント: 中盤で異彩を放つ圧巻のパフォーマンス。推進力溢れるドリブルと配球でバレンシアの攻撃を単身引っ張った。SPORTやEl Desmarqueも「彼にボールが渡るとロックンロールが鳴り響く」と称賛し、満場一致でバレンシア最高の選手に挙げられた。
佐藤龍之介(バレンシア / MF)
- 採点: 7点(SPORT, El Desmarque, Superdeporte)
- 評価のポイント: バレンシア公式戦初出場を果たした初の日本人選手として強烈な印象を残した。前半を中心に相手ライン間で巧みにボールを受け、アルノート・ダンジュマへの決定的なラストパスを供給。SP ORTは「前半のバレンシアの光」と絶賛し、El Desmarqueも「最高の攻撃アクションの起点」と評価。それだけに後半57分での交代には現地メディアも驚きを示した。
ストーレ・ディミトリエフスキ(バレンシア / GK)
- 採点: 7点(SPORT, El Desmarque)
- 評価のポイント: 安定したセーブでクリーンシートに貢献。ハビ・ロドリゲスの強烈なシュートを防いだ場面や、アレイス・フェバスのシュートを確実に処理したプレイが高く評価された。
アルナウト・ダンジュマ(バレンシア / FW)
- 採点: 4点(El Desmarque)
- 評価のポイント: 移籍騒動の中で先発起用されたが、前半の佐藤龍之介からの絶妙なパスを枠外へ外すなど、複数の決定機を逃したことで厳しい低評価となった。SPORTは運動量自体は評価しつつも、決定力の欠如を指摘した。
マルコス・アロンソ(セルタ / DF)
- 採点: 高評価 / Mundo Deportivoのセルタ側MVP
- 評価のポイント: 3バックの左で経験豊富な守備を披露し、バレンシアの攻撃を完封。終盤には自ら前線へ上がり、ゴールを脅かすシュートを放つなど攻守両面で存在感を示した。
アレクシ・フェバス(セルタ / MF)
- 採点: 7点前後(各紙)
- 評価のポイント: 中盤でのボール回収とゲームメイクで献身的に機能。自らミドルシュートで狙うなどセルタのペースを引き寄せた立役者として評価された。
メディアごとの見解の違い
El DesmarqueやSPORTは、若いハビ・ゲラや佐藤龍之介の見せた輝きをポジティブに捉えつつも、アルノート・ダンジュマやウグリニッチの拙いフィニッシュ、チーム全体の枠内シュートの少なさ(2本)を猛烈に批判した。一方、MundoDeportivoは戦術的な引き締まりと個の戦いに焦点を当て、ハビ・ゲラとマルコス・アロンソのベテラン・若手の対決をクローズアップした。MARCAは、5バックで自陣に引きこもりがちだったカルロス・コルベランの采配と、試合後に解任要求の合唱すら聞こえたメスタリャの厳しい空気を強調し、クラブの不透明な未来に警鐘を鳴らしている。
試合後の監督・選手コメント
カルロス・コルベラン監督(バレンシア)「全体として非常に均衡した試合だった。前半は我々の方が良いプレイができ、コントロールできていたと思う。しかし後半の最初の15分から20分はセルタに押し込まれ、相手のポゼッションに苦しめられた。その後、交代策によってスピードと勢いを取り戻し、カウンターからチャンスを作ることができたが、決めきれなかった。アルノート・ダンジュマについては、チームを弱体化させずに補強を進める過程で起用した。走力と献身性を見せてくれたが、前線での決定力を欠いてしまった。デ・ハースは足首に打撲を受けて交代を余儀なくされた。スタンドからの厳しい声やブーイングについては、サポーターの要求の高さを理解しているし、私はその要求の高さの味方だ」
クラウディオ・ヒラルデス監督(セルタ)「チームが見せたパフォーマンスと成熟度には満足している。特に後半の20分から25分間は非常に良いサッカーを展開し、相手を追い詰めることができた。我々にも勝つチャンスがあったし、相手にもあったので、引き分けという結果は妥当だと考えている。非常に戦術的なゲームであり、指導者として大いに楽しむことができた。私が就任してからの3シーズンの開幕戦の中で、内容としては最高のゲームだった。縦への鋭さやラストパスの精度には課題が残ったが、メスタリャという素晴らしいスタジアムで勝ち点1を得てスタートできたことは正しい道を進んでいる証拠だ。アンドレ・アルメイダに関する噂については、彼がバレンシアの選手であること以外に話せるニュースはない」
ハビ・ゲラ(バレンシア / 試合MVP)「良い試合ができたと思うが、相手のセルタも素晴らしいチームであり、この引き分けは妥当な結果だ。最後にもう一押しして勝利を掴みたかったが、相手の方が終盤フレッシュに見えた。個人としてのMVP賞はありがたいが、本音を言えば勝利と引き換えにしたかった。ファンの皆さんが勝利を求めてブーイングする気持ちはよく理解できるし、僕たちも同じ欲求を持っている。大事なのはチームがピッチ上で全てを出し切ることだ。火曜日にはすぐに次の試合が待っているので、ファンの後押しが必要だ。まだ移籍市場で補強が必要なポジションがあるのも事実だ」
アレクシ・フェバス(セルタ)「チームとして非常に良い試合ができた。メンタル面でも強く戦えたし、特に後半冒頭の支配力は素晴らしいものがあった。ただ、最後の局面での深みや精度が少し足りなかった。個人としてはまだコンディションが100%ではなく、終盤に脚が攣って交代を申し出た。メスタリャという難しいアウェイで良い感触を得てシーズンをスタートできたことは自信になる」
バレンシア 対 セルタ の背景データ
順位
順位表全体を見る両クラブの前後日程を見る
バレンシア
この試合の前
- 8月9日(日) vs ニューカッスル・ユナイテッド 1-2(敗)
この試合の後
- 8月26日(水) vs レアル・ベティス 0-1(敗)
- 8月31日(月) @ デポルティーボ・ラ・コルーニャ 3-1(敗)
セルタ
この試合の前
- 7月29日(水) vs アカデミコ・デ・ヴィゼウ 2-2(分)
この試合の後
- 8月28日(金) vs オサスナ 1-2(敗)
- 8月31日(月) vs アスレティック・ビルバオ 0-2(敗)