アスレティック・ビルバオ 対 セビージャFC
試合サマリーと得点経過
2026年8月22日、ビルバオのサン・マメスで行われたラ・リーガ第2節、アスレティック・ビルバオ対セビージャFCの一戦は、アウェイのセビージャが3-1で勝利を収めた。得点者は、セビージャがオソ、チデラ・エジュケ、イサック・ロメロ。アスレティックはアイトール・パレデスが1点を返すにとどまった。
新指揮官エディン・テルジッチのホーム初陣となったアスレティックは、試合前にホセ・アンヘル・カルモナの追悼やワールドカップ優勝メンバーのお披露目が行われ、熱気と興奮に包まれていた。しかし、開始わずか11分に左サイドバックのユーリ・ベルチチェが一発退場となったことで、試合の構図は一変する。数的大勢を得たセビージャは、ルイス・ガルシア・プラサ監督が仕込んだ前線からの猛烈なプレッシングと電光石火のリアクションで主導権を掌握。ミスを重ねるアスレティックを守備陣から切り崩し、効率よく得点を重ねて敵地サン・マメスを沈黙させた。
【0-1:15分】試合を動かした先制点は、セビージャの最前線に入ったロビー・ユアの執念深いプレッシングから生まれた。アスレティックのバックパスに対し、ロビー・ユアが猛然とダッシュ。焦ったGKウナイ・シモンのトラップミスと不完全なキックを誘発すると、こぼれ球に詰めていた左サイドのオソが冷静に反応し、ワンタッチで無人のゴールへと押し込んだ。
【0-2:50分】後半立ち上がり、ハーフタイムの交代策が見事に結実する。自陣でボールを奪い取ったオソが推進力をもって中央へ運ぶと、ハーフタイムに投入されたイサック・ロメロへ展開。イサック・ロメロは相手ディフェンスラインのギャップを射抜く絶妙なアウトサイドのパスを前線へ供給した。これに反応して完璧なタイミングで抜け出したチデラ・エジュケがスピードに乗って侵入し、飛び出したGKウナイ・シモンの頭上をふわりと越やす鮮やかなループシュートを決めた。
【0-3:57分】勢いに乗るセビージャは、アスレティックの致命的なミスを見逃さなかった。アスレティックの右サイドバックであるヘスス・アレソが自陣ペナルティエリア内で試みた無謀なヒールパスを、高い位置でプレスをかけていたオソが鋭くカット。オソがすぐさま中央へ折り返すと、完全にフリーとなっていたイサック・ロメロが左足を振り抜き、ゴール右隅へと突き刺した。
【1-3:70分】3点差とされたアスレティックもホームのプライドを見せ、セットプレーから1点を返す。アレックス・ベレンゲルの左コーナーキックに対し、ニアサイドでイエライ・アルバレスが頭でそらすと、ファーポストへ走り込んでいたアイトール・パレデスが力強いボレーシュートで叩き込み、一矢を報いた。
戦術・采配のポイント
アスレティック・ビルバオのテルジッチ監督は、4-2-3-1の布陣を採用し、ローン復帰組の若手であるベニャト・ヘレナバレーナとペイオ・カナレスのコンビをダブルピボットに抜擢した。中盤にフレッシュさとポゼッションの安定をもたらす狙いだったが、開始11分のユーリ・ベルチチェの退場(DOGSO判定)によって戦術プランは破綻。テルジッチ監督は交代枠を使わず、アタッカーのアレックス・ベレンゲルを急遽左サイドバックに下げる強気の配置転換を行った。しかし、数的不利に加えて自陣ペナルティエリア付近での致命的なイージーミス(ウナイ・シモンのキックミス、ヘスス・アレソの不用意なバックヒール)が相次ぎ、守備陣が完全崩壊を起こした。
0-3と追い込まれた58分、テルジッチ監督は痛恨のミスを犯したヘスス・アレソ、疲労の見えるイニャキ・ウィリアムズとゴルカ・グルセタを一気に下げ、アイメリク・ラポルテ、ニコ・ウィリアムズ、マロアン・サナディを投入。ベレンゲルを右サイドバックへ回して守備のバランスを整え、意地を見せる構造を作り直したが、序盤の自滅を挽回するには至らなかった。
対するセビージャのルイス・ガルシア・プラサ監督は、平均年齢22.5歳という若く俊敏な前線(ロビー・ユア、ミゲル・シエラ、ペケ、オソ)を並べ、前線からのハイプレスと縦に速いシンプルな攻撃を徹底させた。特に1トップのロビー・ユアによる泥臭いプレスは、相手守備陣の判断を狂わせる大きな威力を発揮した。
真骨頂となったのがハーフタイムの神采配である。ガルシア・プラサ監督は前半にイエローカードを受けていたホン・グリディ、ペケ、ミゲル・シエラの3人をハーフタイムで一挙に下げ、チデラ・エジュケ、イサック・ロメロ、ニコ・ギジェンを投入した。2枚目の警告による退場リスクを排除しつつ、スピードと決定力を備えたチデラ・エジュケとイサック・ロメロを送り込んだ采配は劇的な効果を生み、後半開始わずか12分間で2ゴールを加える決定打となった。終盤にはフリオ・ディアスとジョゼ・アンヘル・カルモナを投入して5バック気味にシャットアウトし、完璧なゲームコントロールを見せた。
現地メディアの選手採点・評価比較
現地メディア(MARCA, SPORT, Mundo Deportivo,El Desmarqueなど)の選手採点と言及を集約すると、勝者であるセビージャの攻撃陣への絶賛と、アスレティックの退場者・ミスを犯した選手への厳しい評価がくっきりと分かれる結果となった。
セビージャ側で最高の評価を獲得したのは、1ゴール1アシストに加え3点目の奪取にも絡んだオソだ。El Desmarqueでは10点満点中「9点」の最高得点を獲得し、SPORTおよびMundo
Deportivoでも満場一致で試合のMVPに選出。「圧倒的な推進力と守備の献身性を併せ持った完璧なパフォーマンス」と称賛された。また、途中出場でゲームを決定づけたイサック・ロメロ(El Desmarqueで9点、SPORTで8点)とチデラ・エジュケ(El Desmarque・SPORTともに8点)の交代出場コンビも、電光石火の崩しが高く評価された。無得点ながら運動量で退場と先制点を引き寄せたロビー・ユアに対しても、各紙がその戦術的貢献度を高く称えている。
一方のアスレティック側では、評価が極端に乱高下した。10人の中で孤軍奮闘した若手のペイオ・カナレスは、Mundo Deportivoにてチーム最優秀選手を意味する「ElMejor」に選ばれ、El Desmarqueでも「6点」と評価。87%のパス成功率と果敢なミドルシュートで攻め筋を作り出し、同じく中盤で汗をかいたベニャト・ヘレナバレーナとともに「暗闇の中の緑の芽(brotesverdes)」と称えられた。また、追撃弾を決めたアイトール・パレデス(6点)や、途中出場で守備を締めたアイメリク・ラポルテ(6点)も一定の落としどころを得ている。
しかし、敗戦の要因となった選手たちには辛辣な採点が下された。11分で一発退場となったユーリ・ベルチチェにはEl Desmarqueが「0点」をつけ、「試合を壊した」と厳しく糾弾。先制点につながるミスを犯したウナイ・シモンには「3点」、自陣での無謀なヒールパスで3点目を献上し直後に交代させられたヘスス・アレソには「1点」という極めて厳しい評価が下された。
メディアごとの視点の違いも際立った。SPORTやEl Desmarqueがセビージャの圧倒的な効率性とルイス・ガルシア・プラサ監督の交代策の妙、アスレティックの自滅を数値とともにシニカルに掘り下げたのに対し、MundoDeportivoは敗戦の中でも新鋭カナレスやヘレナバレーナの台頭というポジティブな側面に光を当てた。また、MARCAは主審セサール・ソト・グラードによるユーリへのレッドカード判定(DOGSO適用)に着目。元審判のアナリストによる「ミゲル・シエラはボールコントロールを失っており、一発退場は厳しすぎた」という見解を取り上げ、試合の流れを決定づけた判定の正当性について議論を展開した。
試合後の監督・選手コメント
【セビージャFC】
- ルイス・ガルシア・プラサ監督
「2試合連続で勝つことは本当に難しいことだ。0-3までは我々の思い通りの素晴らしい戦いができていたが、失点した後は少しナーバスになり苦しんでしまった。しかし、この開幕2連勝で得た勝ち点6は、もう誰にも奪うことはできない。ハーフタイムでの3枚替えは、カードリスクを避けつつ試合全体を勝ち切るために行った。カンテラ出身の若手たちが誇りを持って戦ってくれた成果だ」
- オソ(最優秀選手)
「サン・マメスという非常に難しい敵地で勝利を収めることができ、本当に嬉しい。前線からプレッシングでボールを奪う形は、プレシーズンから監督のもとで徹底的に準備してきたものだ。チーム全員のハードワークが報われた。勝ち点6を獲得できたが、浮かれることなく次の試合へ向けて準備したい」
- イサック・ロメロ(1ゴール1アシスト)
「クラブにとって特別な意味を持つ背番号16を背負い、ゴールとアシストでチームの勝利に貢献できたことは大きな誇りだ。自分の仕事でチームを助けられて最高だ」
【アスレティック・ビルバオ】
- エディン・テルジッチ監督
「審判の判定について話すつもりはない。自分たちのプレーとパフォーマンスだけに目を向けたい。あまりにもイージーなミスから簡単にゴールを許してしまった。3失点も喫しては勝ち点を持ち帰るのは極めて困難だ。しかし、10人になってもチームが最後まで諦めずに闘志を見せたことには誇りを持っている。デビューとなったカナレスとヘレナバレーナは、難しい状況の中で素晴らしい仕事をしてくれた」
- イニャキ・ウィリアムズ(主将)
「相手の選手はボールを完全にコントロールしていなかったし、ただ倒れ込んだだけに見えた。あれで開始10分にレッドカードを出すのはあまりにも酷だし、試合を決定づけてしまった。ウナイ・シモンのプレーに対する接触も含め、細部がすべて裏目に出てしまったが、10人で80分間戦い抜いたチームの頑張りは1-3という結果以上の評価に値すると信じている」
- ペイオ・カナレス
「10人で80分近く戦うのは本当に過酷だった。個人としては自信を持ってプレーできた部分もあるが、チームとして結果を出せなかったのが悔しい。この苦しい敗戦から学び、次の試合に向けて前を向きたい」
アスレティック・ビルバオ 対 セビージャFC の背景データ
順位
| 順位 | クラブ | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 点 | 直近 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6 | セビージャFC | 11 | 5 | 2 | 4 | 17 | 19 | -2 | 17 | LWLDL |
| 7 | アスレティック・ビルバオ | 10 | 4 | 3 | 3 | 14 | 10 | +4 | 15 | WWLDD |
両クラブの前後日程を見る
セビージャFC
この試合の前
- 8月16日(日) vs ラージョ・バジェカーノ 2-1(勝)
この試合の後
- 8月30日(日) vs アトレティコ・マドリード 1-3(敗)
- 9月7日(月) @ エスパニョール 1-1(分)