2026年11月3日(火) | 朝夕刊エディション
La Liga Journal & Media Analytics EL CLÁSICO DIARIO エル・クラシコ・ディアリオ | スペイン現地報道・定点観測ジャーナル

ラ・リーガ / 第2節 / エスタディオ・デ・バジェカス / U-NEXT・DAZN / 2026年8月21日(金)

ラージョ・バジェカーノ 対 デポルティーボ・アラベス

ラージョ・バジェカーノ 1-1 デポルティーボ・アラベス

試合サマリーと得点経過

ラ・リーガ第2節(2026年8月20日開催)、ラージョ・バジェカーノ 1 - 1デポルティーボ・アラベスの一戦は、エスタディオ・ムニシパル・デ・ブタルケで行われ、互いに一歩も譲らない激闘の末に勝ち点1を分け合う結果となった。マドリード州当局による本拠地エスタディオ・デ・ヴァジェカスの安全基準未達成に伴う閉鎖処置を受け、近郊レガネスのスタジアムを借りて代替開催された本試合。クラブ経営陣に対するサポーターの抗議ボイコットも重なり、観客数はわずか4,280人という異例かつ重苦しい雰囲気のなかでキックオフを迎えた。

試合は立ち上がりから、ホーム扱いのラージョ・バジェカーノが積極的な立ち上がりを見せて主導権を握った。ウナイ・ロペスの鋭いミドルシュートやアンドレイ・ラチウのヘディングシュート、セルヒオ・カメジョの決定機など、立て続けにデポルティーボ・アラベスのゴールを脅かす。前半にはコーナーキックからペライヨ・フェルナンデスがネットを揺らす場面もあったが、VARの長い介入の末に直前のハンド判定でゴールが取り消される不運に見舞われた。一方のデポルティーボ・アラベスも黙ってはおらず、トニ・マルチネスがサイドネットを揺らしたほか、ルカス・ボジェの個の打開からトニ・マルチネスが放った鋭いシュートがポストを直撃するなど、両者譲らない見ごたえある攻防が繰り広げられた。

試合が動いたのは後半開始直後の47分だった。ラージョ・バジェカーノは中盤からのテンポ良いパスワークで崩しにかかると、ペナルティエリア正面でボールを受けたFWセルヒオ・カメジョが起点となり、素早いファーストタッチで相手DF陣の間へ突破。そのまま右足を振り抜き、グラウンダーの鋭いシュートを相手GKアントニオ・シベラの届かないゴール右隅へ流し込んで先制点を奪った。セルヒオ・カメジョ自らがボールを引き出し、ドリブルでシュートコースを創出して仕留めた見事な崩しであった。

しかし、先制したラージョ・バジェカーノをアクシデントの連鎖が襲う。前半15分に攻撃の核であるイシ・パラソンが左太ももを痛めて早々の退場を余儀なくされていたのに加え、56分には守護神アウグスト・バタジャがトニ・マルチネスと激しく激突。右脛骨折という重傷を負い、担架で搬送された末に救急車で病院へ運ばれる事態となった。これによりベニャト・サン・ホセ監督は後半60分未満の段階で全3回の交代ウィンドウ(および交代枠)をすべて使い果たし、ロスタイムを含めた終盤の約40分間を交代不能の極限状態で戦うこととなった。

猛追をかけるデポルティーボ・アラベスが実を結んだのは84分。ラージョ・バジェカーノのDFアンドレイ・ラチウが自陣深くでGKへ向けて送った不用意なバックパス(頭でのクリアミス)を、前線で鋭いプレッシングを見せていた途中出場のFWマリアーノ・ディアスが見逃さずカット。緊急投入されていたGKダニ・カルデナスの頭上を抜く冷静な処理でゴールへと流し込み、土壇場で1-1の同点に追いついた。試合はそのままタイムアップを迎え、ラージョ・バジェカーノにとっては目前で勝利を逃す痛恨の引き分け、デポルティーボ・アラベスにとっては途中交代策が実を結んだ貴重なアウェイ勝ち点1となった。

両チームのスタメンと交代

ホーム: ラージョ・バジェカーノ(4-3-3)

  • GK: アウグスト・バタジャ
  • DF: アンドレイ・ラチウ、フロリアン・ルジューヌ、ペライヨ・フェルナンデス、ホシュア・フェルトラウト
  • MF: パテ・シス、ウナイ・ロペス、イシ・パラソン
  • FW: フラン・ペレス、ホルヘ・デ・フルートス、セルヒオ・カメジョ

主な交代・アクシデント:

  • 15分: イシ・パラソン(左太もも負傷により退場) → ランディ・エンテカ投入
  • 54分: フラン・ペレス → アルバロ・ガルシア投入
  • 54分: パテ・シス → オスカル・バレンティン投入
  • 56分: アウグスト・バタジャ(トニ・マルチネスとの接触で右脛骨折の重傷。救急車で病院へ搬送) → ダニ・カルデナス投入※56分時点で全3回の交代ウィンドウおよび全交代枠を消化したため、終盤約40分間は交代枠なしの状態で戦い抜いた。

アウェイ: デポルティーボ・アラベス(4-4-2)

  • GK: アントニオ・シベラ
  • DF: ナウエル・テナリア、ヴィレ・コスキ、ジョニー・オットー、アンヘル・ペレス
  • MF: アブデ・レバシュ、アントニオ・ブランコ、パブロ・イバニェス、ミケル・ロドリゲス
  • FW: トニ・マルチネス、ルカス・ボジェ

主な交代・アクシデント:

  • 後半途中: マリアーノ・ディアス投入(前線からのチェイシングで相手ミスを誘発し、同点ゴールを記録)

戦術・采配のポイント

本試合は、両指揮官の戦術的アプローチと交代策の運用が明暗を分ける大きなポイントとなった。

ラージョ・バジェカーノのベニャト・サン・ホセ監督は、前節から先発3人を変更した4-3-3を選択。中盤のパテ・シスとウナイ・ロペスを軸に高い位置からアグレッシブなプレスを掛け、フラン・ペレス、ホルヘ・デ・フルートス、セルヒオ・カメジョのスピードあふれる前線で相手守備陣を押し込んだ。しかし、前半15分にインサイドハーフ兼アタッカーの核であるイシ・パラソンが負傷退場したことで修正を余儀なくされた。さらに、試合の主導権を決定づけるべく54分にアルバロ・ガルシアとオスカル・バレンティンを投入した直後の56分、GKアウグスト・バタジャの重傷という最悪のアクシデントが重なる。60分未満で交代枠を完全に使い切ってしまったことで、後半終盤に運動量が大幅に落ちたフィールドプレーヤーの疲労を交代で補うことができず、最終盤の守備の乱れと集中力欠如へとつながった。

対するデポルティーボ・アラベスのキケ・サンチェス・フローレス監督は、前節から先発2人を入れ替えた4-4-2を採用。中盤に抜擢された20歳の若手ミケル・ロドリゲスがパス成功率93%・キーパス供給とハイレベルなゲームメイクを披露し、前線のルカス・ボジェとトニ・マルチネスの物理的強さを活かしてラージョのセンターバック陣に強い負荷を与え続けた。そして指揮官の最大の勝因となったのが、後半の選手交代である。相手が交代枠を使い果たし脚が止まりつつある展開を見逃さず、開幕節でもゴールを決めて勢いに乗るスーパーサブのマリアーノ・ディアスを前線へ投入。マリアーノ・ディアスのフレッシュな運動量と前線からの猛烈なプレスが相手DFアンドレイ・ラチウの判断ミスを直接誘発し、土壇場での同点劇を生み出す完璧な采配となった。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディア各紙は、アクシデントに翻弄されたラージョ・バジェカーノと、敵地で粘り強く勝ち点を奪ったデポルティーボ・アラベスの双方に対して多彩な視点から評価を展開している。

ASは「マリアーノはまさに稲妻(ラージョ)の衝撃」との見出しを掲げ、途中出場から2試合連続ゴールを決めたマリアーノ・ディアスの圧倒的な勝負強さを大絶賛。同紙の名物採点(ピカス評価)においても、マリアーノ・ディアスおよび先制点を挙げたセルヒオ・カメジョに対してチーム最高峰の評価を与えた。一方で、痛恨のバックパスミスで勝利を反故にしたアンドレイ・ラチウに対しては非常に厳しい低評価を付けている。

Mundo Deportivoは「マリアーノは暇つぶし(ラチウ)に来たのではない(Marianono ha venido a pasar elRatiu)」というダジャレを効かせた見出しで、不死鳥のごとく復活を遂げたマリアーノ・ディアスの得点感覚を大きく報じた。また、デポルティーボ・アラベスの中盤で先発した若手ミケル・ロドリゲスの巧みなプレイメイクを「チームで最も光った存在」と高く評価。ラージョ・バジェカーノのセルヒオ・カメジョについては、見事な先制点を評価しつつも「終盤は疲労によりプレイの精度が急激に低下した」とスタミナ面の課題を分析した。

MARCAは、ピッチ上の攻防にとどまらず、ラージョ・バジェカーノのフロント経営陣と選手・サポーター間の深刻な摩擦を大きく報じた。60分までに交代枠を使い切らざるを得なかったベニャト・サン・ホセ監督の不運と終盤のゲームマネジメントの限界を指摘しつつ、デポルティーボ・アラベスのルカス・ボジェが見せた強靭なキープ力とポストプレイに高い点数を与えた。

El Desmarqueは、試合内容以上にラージョ・バジェカーノを襲った悲劇的な負傷劇にフォーカス。特に右脛骨折で数ヶ月の長期離脱が確定した守護神アウグスト・バタジャの離脱がチームに与える壊滅的な打撃を危惧した。終盤の痛恨の同点被弾シーンについては、アンドレイ・ラチウの不適切な対応とGKダニ・カルデナスとの連携欠如を厳しい口調で痛烈に批判した。

SPORTは、マリアーノ・ディアスの途中出場からの勝負強さと攻撃の鋭さを評価する一方で、本拠地ヴァジェカスを追われて無観客に近い状態で戦わされたラージョ・バジェカーノの精神的・肉体的な疲弊、そして試合締めくくりにおける守備陣の集中力切れを懸念材料として挙げた。

試合後の監督・選手コメント

ベニャト・サン・ホセ監督(ラージョ・バジェカーノ)「非常に悔しく、精神的にも大きなダメージを受けている。勝利を手にしかけていただけに痛恨の引き分けだ。言い訳をするつもりはないが、後半60分未満の段階で交代枠をすべて使い切らざるを得なかったのは極めて厳しい展開だった。不運なアクシデントに見舞われながらも、選手たちはピッチ上で最後まで命がけで戦ってくれた。代替会場を提供してくれたレガネスには深く感謝しているが、私たちのホームはあくまでヴァジェカスだ。次のホームゲームこそは本拠地ヴァジェカスでファンとともに戦えることを心から祈っている」

キケ・サンチェス・フローレス監督(デポルティーボ・アラベス)「開幕節に続き、チームが非常に素晴らしい精神状態とパフォーマンスを維持できていることを心から嬉しく思う。特にマリアーノ・ディアスの見事なスタートは非常にエキサイティングだ。フォワード陣が好調を維持し、ゴールへの貪欲さを発揮してくれていることは、チームが長丁場のリーグ戦で勝ち点を積み重ねていく上で何よりも重要だ」

セルヒオ・カメジョ(ラージョ・バジェカーノ / 先制ゴール得点者)「アウグスト・バタジャとイシの負傷によって交代枠が尽きてしまい、60分の時点でピッチにいた僕たちが最後まで死ぬ気で走り続けるしかなかった。最後は足が限界を迎えて思考や判断が遅れ、不用意なロストでチームに負担をかけてしまった。僕自身がもっとフレッシュであれば勝てていたはずで、自分のコンディション不足には深く落胆している。そして、僕たちの家はヴァジェカスだ。このスタジアム問題は誰も助けてくれず、僕たちは疲れ果てている。僕たち選手は常にファンとともにあり、一刻も早く本来の形に戻ることを望んでいる」

オスカル・トレホ(ラージョ・バジェカーノ前主将 / 試合後の声明)「もうこれ以上は耐えられない。15年間にわたりクラブを指揮してきたラウル・マルティン・プレサ会長をはじめとする経営陣は、選手、スタッフ、そしてサポーターの信頼を完全に失った。ヴァジェカスの問題はその氷山の一角に過ぎない。クラブの尊厳と未来を守るために、経営陣が一刻も早く身を引き、クラブから去ることこそが唯一にして最も誠実な道だ」

マリアーノ・ディアス(デポルティーボ・アラベス / 同点ゴール得点者)「チームの勝ち点獲得に貢献できて非常に嬉しい。敵地で勝ち点1を持ち帰れることは価値がある。開幕からゴールやアシストという形で結果を出せていることに手応えを感じているし、この勢いを維持して、来週ホームのメンディソロサで行われるビジャレアル戦でもチームとともに勝利を目指していきたい」

ラージョ・バジェカーノ 対 デポルティーボ・アラベス の背景データ

順位

順位クラブ試合勝分負得失差点直近
11 デポルティーボ・アラベス 11 3 3 5 15 17 -2 12 LDLLD
12 ラージョ・バジェカーノ 10 3 3 4 15 20 -5 12 WLDDW
順位表全体を見る
両クラブの前後日程を見る