レアル・ベティス 対 レアル・ソシエダ
試合サマリーと得点経過
2026年8月21日、熱気あふれるエスタディオ・ラ・カルトゥハ(観客数59,490人)にて、ラ・リーガ第2節レアル・ベティス対レアル・ソシエダの一戦が行われ、ホームのレアル・ベティスが1-0で接戦を制しました。
21年ぶりにチャンピオンズリーグ(CL)に参戦するマヌエル・ペジェグリーニ監督率いるレアル・ベティスと、昨季国王杯覇者でありペジェグリーノ・マタラッツォ監督が指揮を執るレアル・ソシエダ。欧州カップ戦出場枠を直接争うライバル同士の対峙は、8月開催とは思えぬほど激しいインテンシティとスピード感に満ちた攻防となりました。前半はベティスが両サイドの素早い展開から主導権を握り、アウェイのレアル・ソシエダはコンパクトな守備ブロックで耐えつつカウンターを伺う構図となります。前半30分にはレアル・ソシエダのオルリ・オスカルソンがGKと1対1になる最大の好機を得ましたが、ループシュートは枠を外れ、前半は無得点で折り返しました。後半に入ると試合はよりオープンな展開となり、62分に一瞬の隙を突いたベティスが待望の先制点を奪いました。
【得点シーンの詳細】62分、レアル・ソシエダのGKアレックス・レミロのロングキックから、前線のオルリ・オスカルソンがエクトル・ベジェリンとの競り合いに敗れます。こぼれ球を拾ったパブロ・フォルナルスが素早く右サイドのアントニーへロングパスを展開。アントニーから中央のクチョ・エルナンデスへとつながると、コロンビア人FWはペナルティエリア手前でタメを作り、相手DFヨン・ミケル・アランブルの背後へ絶妙な浮き球のスルーパスを供給します。ここへ左サイドから鋭く斜めに走り込んだロドリゴ・リケルメが、バウンドさせずに左足ダイレクトボレーで鮮やかに捉えました。低く抑えられたシュートはGKレミロの手にわずかに触れながらも反対側のサイドネットへと吸い込まれ、これがこの試合を決定づける決勝ゴールとなりました。
両チームのスタメンと交代
ホーム: レアル・ベティス(4-2-3-1)
- GK: アルバロ・バジェス
- DF: エクトル・ベジェリン、マルク・バルトラ、ナタン、フラン・ガルシア
- MF: ファクンド・ベルナル、マルク・ロカ、パブロ・フォルナルス
- FW: アントニー、ロドリゴ・リケルメ、クチョ・エルナンデス
【ベティスの主な交代】
- 57分: ファクンド・ベルナル → イスコ
- 72分: ロドリゴ・リケルメ → パブロ・ガルシア
- 78分: クチョ・エルナンデス → ネルソン・デオッサ
アウェイ: レアル・ソシエダ(4-3-3)
- GK: アレックス・レミロ
- DF: ヨン・ミケル・アランブル、イゴール・スベルディア、ヨン・マルティン、セルヒオ・ゴメス
- MF: ヤンジェル・エレーラ、カルロス・ソレール、ルカ・スチッチ
- FW: タケフサ・クボ、アンデル・バレネチェア、オルリ・オスカルソン
【レアル・ソシエダの主な交代】
- 57分: タケフサ・クボ → ミケル・オヤルサバル
- 57分: アンデル・バレネチェア → アレックス・マルシャル
- 72分: セルヒオ・ゴメス → アイエン・ムニョス
- 72分: ヤンジェル・エレーラ → ベニャト・トゥリエンテス
- 86分: ルカ・スチッチ → アルセン・ザハリャン
【負傷・アクシデント・節目の記録】レアル・ソシエダのアンデル・バレネチェアは後半途中に足の筋肉の不快感・疲労を訴えて自ら交代を要請しました。また、途中出場したアイエン・ムニョスはこの試合でレアル・ソシエダでの公式戦通算200試合出場を達成。18歳のアレックス・マルシャルにとってはこれが待望のトップチーム公式戦デビューとなりました。
戦術・采配のポイント
【レアル・ベティスの狙いとペジェグリーニ監督の采配】マヌエル・ペジェグリーニ監督は、両サイドの強力なコンビネーション(右のエクトル・ベジェリンとアントニー、左のフラン・ガルシアとロドリゴ・リケルメ)を軸に縦への推進力(Vertigo)を強烈に打ち出しました。新加入の左SBフラン・ガルシアはスピード溢れるオーバーラップで左サイドを活性化させ、同じく新加入のファクンド・ベルナルはマルク・ロカとともに中盤で強固なフィルター役を果たしました。前線のクチョ・エルナンデスは巧みなポストプレーで相手DFをひきつけ、決勝点を見事にアシストしました。
采配面での圧巻は57分のイスコ投入です。ペジェグリーニ監督は守備的MFのベルナルを下げて即座にイスコを投入。この交代によりアタッキングサードでのパス精度と展開力が劇的に向上し、わずか5分後の先制ゴールへと結晶しました。イスコ自身も66分に決定的なシュートを放つなど、試合の流れを完全にベティスへ引き寄せました。
【レアル・ソシエダの課題とマタラッツォ監督の追撃】ペジェグリーノ・マタラッツォ監督は、敵地での開幕戦において無駄なリスクを避け、非保持時に1-4-4-2のコンパクトなブロックを構成してベティスのサイドアタックを警戒。攻撃時にはカルロス・ソレールやヤンジェル・エレーラが下がる3バック気味のビルドアップを試みました。しかし、中盤での不用意なロストから危険なカウンターを招く場面が散見されました。失点シーンでは、アンカーの位置にいたエレーラがバイタルエリアまで下がりすぎてしまい、ペナルティエリア手前でフリーになったクチョ・エルナンデスに決定的なパスを通される守備の課題を残しました。
失点直後、マタラッツォ監督は主将ミケル・オヤルサバルと新人アレックス・マルシャルを投入。ミケル・オヤルサバルが入ったことで前線の流動性とラストパスの質が一変し、ルカ・スチッチのシュートがポストを叩いたほか、82分にはミケル・オヤルサバルの魔法のような足技からオルリ・オスカルソンが至近距離での決定機を迎えるなどベティスを土壇場まで追い詰めました。しかし、最後までフィニッシュの精度を欠いたことが悔やまれます。
現地メディアの選手採点・評価比較
現地主要メディアは、決勝点を挙げたロドリゴ・リケルメ、要所でビッグセーブを見せたベティス守備陣、そして交代出場で試合の質を変えたミケル・オヤルサバルらを高く評価した一方、決定機を外したアタッカー陣には厳しい採点を下しています。
【レアル・ベティス側】
- ロドリゴ・リケルメ: SPORT(8点/10点満点)、El Desmarque(8点)、Estadio Deportivo(7点)。SPORTはダイレクトボレーの技術と前線での圧倒的な運動量を絶賛。E l Desmarqueはオフシーズン中に体脂肪を減らし筋肉量を増やして臨んだメンタルとフィジカルの改革が結実したと称賛しました。
- アルバロ・バジェス: SPORT(8点)、El Desmarque(7点)、Estadio Deportivo(6点)。SPORTは82分のオスカルソンに対する決定的なセーブを「ゴールと同等の価値がある」と絶賛。El Desmarqueは足元のビルドアップにやや不安を残したものの、勝利を確定させるセーブで評価を挽回したと分析しました。
- マルク・バルトラ & ナタン: 両CBともにSPORTで8点の高評価。特にナタンはアディショナルタイム(94分)に頭で失点を防ぐなど要所での強さが評価されました。
【レアル・ソシエダ側】
- ヤンジェル・エレーラ: Diario Vasco(4点/5点満点)、El Desmarque(6点/10点満点)。Diario Vascoはパス成功率93%を記録し中盤のデュエルを制したエレーラをチーム最高選手に選出。Mundo Deportivoも昨季以上の存在感を見せたと評価しました。
- ミケル・オヤルサバル: Diario Vasco(3点/5点満点)、El Desmarque(7点/10点満点)。コンディションが完全でない中、途中出場でスチッチのポスト直撃弾とオスカルソンの1対1を演出した格の違いが各紙で絶賛されました。
- オルリ・オスカルソン: El Desmarque(4点/10点満点・不合格)、Diario Vasco(1点/5点満点・最低評価)。裏への抜け出しなどの動きは評価されたものの、前半のループシュート失敗と後半82分の至近距離での決定機逸に対し、各紙とも「勝敗を分けた最大の敗因」として厳しい採点を下しました。
- カルロス・ソレール & ルカ・スチッチ: El Desmarque(ともに4点)。中盤でのゲームコントロール不足が指摘され、不合格評価となっています。
試合後の監督・選手コメント
【レアル・ベティス】
- マヌエル・ペジェグリーニ監督: 「欧州枠を争う直接のライバルであるレアル・ソシエダに対し、ホーム開幕戦で勝ち点3を得たことは非常に重要だ。チームの姿勢とインテンシティは最初から素晴らしかった。前半はファイナルサードでの冷静さと精度を欠いたが、全体を通して我々が主導権を握り、勝利に値した。決勝点を決めたリケルメは素晴らしい資質を持っており、常に自己批判をしながら向上しようとしている。イスコは現在30分ほどプレーできる状態だが、彼の投入が攻撃にクリアな視界をもたらした。CLを戦い抜くためにも、移籍市場が閉まる前にもう数名の補強が必要だ」
- ロドリゴ・リケルメ選手(決勝点・試合MVP): 「今、スタジアムにいた6万人の中で、自分が世界で一番幸せな人間だと思う。昨季終了後からメンタルとフィジカルの両面で徹底的に自分を鍛え直してきた。体脂肪を削り、筋肉量を増やしてプレシーズンに臨んだ成果が、ファンが見守るこのホーム開幕戦のゴールに繋がった。最高の自分はまだこれから来ると信じている」
- アルバロ・バジェス選手(GK): 「夢のような開幕戦になった。3ポイントを獲得し、ホームで無失点を維持できた。僕たちゴールキーパーにとって、終盤のような決定的なピンチを防ぐことは、まさにゴールを決めたのと同価値だ。チーム全体が7月から積んできたトレーニングの成果が出せた」
【レアル・ソシエダ】
- ペジェグリーノ・マタラッツォ監督: 「チームは90分間よく戦い、負けに値する内容ではなかったと思っている。特にオスカルソンの同点機を含め、我々にも追いつくチャンスは十分にあった。相手のゴールは見事だったが、全体として我々が敗れるべき試合ではなかった。失点については残念だが、コンパクトに守れたことなど初戦としてポジティブな要素も多い。オスカルソンはFWであり、点が入る日もあれば入らない日もある。思い悩む必要はなく、頭を上げて次の試合に向かえば、必ず次のチャンスで決めてくれるはずだ。補強の言い訳をするつもりはない。現在のメンバーでも十分に戦える」
- ヤンジェル・エレーラ選手: 「お互いにチャンスがある非常に拮抗した素晴らしい試合だった。決定的な場面で相手は決めきり、我々はポストに嫌われるなど精度を欠いてしまった。プリメーラ(1部)という最高峰の舞台では、そのわずかな効率性の差が勝敗を分けることになる」
レアル・ベティス 対 レアル・ソシエダ の背景データ
順位
順位表全体を見る両クラブの前後日程を見る
レアル・ソシエダ
この試合の前
- 7月19日(日) vs ラシン・サンタンデール 1-1(分)
この試合の後
- 8月27日(木) @ レアル・マドリード 4-1(敗)
- 8月30日(日) vs エスパニョール 2-1(勝)