新シーズンの実質的開幕戦 決定力に泣きベティスに1-0の痛恨黒星
ラ・リーガ・EAスポーツの第2節として、アウェイのラ・カルトゥハで行われたレアル・ベティス戦。本来の第1節が延期となっていたため、これがレアル・ソシエダにとって実質的な新シーズンの開幕戦となりました。8月開催とは思えないほどの非常に高いインテンシティと激しいペースで展開されたゲームは、後半63分に相手のロドリゴ・リケルメに手痛いボレーシュートを突き刺され、1-0という悔しい敗戦でのスタートとなりました。
試合は終始、お互いがインテンシティ高くプレスを掛け合う展開となりましたが、ソシエダは決定的なチャンスを何度も作り出しながらも、最後の精度を欠いて得点を奪うことができませんでした。前半30分には、ヤンゲル・ヘレーラからの素晴らしいスルーパスに抜け出したOrri・オカルソンがGKと一対一になる絶好の機会を迎えましたが、ループシュートは無情にもゴール枠を越えて外れました。
後半に入ると、さらにチャンスが訪れます。後半68分、途中出場のミケル・オヤルサバルのラストパスからルカ・スシッチが放った強烈な左足のシュートが右ポストを直撃。そのこぼれ球に反応したセルヒオ・ゴメスのシュートもサイドネットの外側を揺らすにとどまりました。さらに終盤の82分には、再びオヤルサバルの魔法のような極めて鮮やかなパスからオカルソンがゴール至近距離で決定的なシュートを放ちましたが、相手GKの驚異的なビッグセーブに阻まれました。アディショナルタイムにも、18歳のアレックス・マルシャルが右サイドから送った絶妙なクロスにオカルソンが合わせようとしましたが、相手ディフェンダーが頭で間一髪クリア。最後までゴールネットを揺らすことは叶いませんでした。
試合後、中盤で粘り強く戦い抜いたヤンゲル・ヘレーラは、敗戦の悔しさをにじませながら次のように語りました。
『今日の試合は非常に拮抗した素晴らしいゲームでした。相手に2つの決定機があったのと同様に、私たちにも2つの決定的なチャンスがありました。しかし、彼らはチャンスを確実に得点に結びつけ、私たちはそれを生かせなかった。1部リーグ(プリメーラ)という高いレベルにおいては、決定力の差がそのまま結果として重くのしかかり、手痛い代償を払うことになります。ただ、私たちは最後までプライドを持ってピッチ上で素晴らしい戦いを見せ、堂々と立ち向かいました。今は新加入の補強選手について騒ぐべき時ではありません。市場の締め切りまでは、まだあと2週間残されています』
決定力の差に泣いて初戦を落としたものの、チームが見せた競争力は次戦に向けての土台となります。次節のレアル・マドリード戦という大きな挑戦に向けて、一刻も早く攻撃陣の連携と決定力を高めることが望まれます。(via Mundo Deportivo)
久保建英の戦い 負傷明けの厳しい状況で見せた献身性と現地メディアの冷徹な評価
チームの攻撃のキーマンである久保建英は、今夏のプレシーズン終盤で負傷を抱えていたこともあり、コンディション調整が万全ではない中、先発メンバーに名を連ねました。
久保はいつものように右サイドに入り、彼ならではの卓越したドリブルやパスを駆使して、チャンスを作ろうと奮闘しました。後半51分には、アラムブルとの鋭いパス交換からエリア内に侵入して決定的なチャンスを自ら作り出しましたが、放ったシュートはディフェンダーに阻まれ、その後のこぼれ球を押し込もうとしたアラムブルのシュートも相手キーパーにキャッチされました。
しかし、この日のソシエダは中盤からのクリエイティブなパス供給が少なく、攻撃のアイデアを欠いていたため、久保は自ら低い位置まで何度もボールを引き取りに下がらざるを得ませんでした。さらに、相手の左サイドバックであるフラン・ガルシアが非常にアグレッシブに攻撃参加を繰り返したため、久保は守備面でもセルヒオ・ゴメスを頻繁にサポートし、懸命に自陣深くを走り回る守備のタスクに追われました。
その後、後半59分にチームの主将ミケル・オヤルサバルと若手カンテラーノのアレックス・マルシャルが投入されるタイミングで、アンデル・バレンネチェアとともに交代し、ピッチを後にしました。
現地メディアによる個別評価では、決定力に欠けた攻撃陣全体の低調なパフォーマンスを反映して、彼の評価は「5」にとどまりました。アイデアを欠くチームの中で、ピッチ上で最も何かが起きそうな雰囲気( desequilibrio )を感じさせたものの、決定的なゴールやアシストに至らなかったこと、そして守備の負担に忙殺されたことが要因とされています。(via ElDesmarque)
補強ゼロで揺れる移籍市場の裏側 アゲルド獲得見送りの真相と次なる補強ターゲット
レアル・ソシエダは、ラ・リーガで唯一、この夏の移籍市場において未だ「新戦力補強ゼロ」という異例の状況に直面しており、サポーターの間で不安と焦りの声が広がっています。
この深刻な事態を受け、アペリバイ会長とエリック・ブレトスSDは、チームのベティス遠征(ラ・カルトゥハ)に同行せず、サンセ出身のレジェンドであるシャビ・プリエトや取締役のホセ・ラモン・フェルナンデス・デ・バレーナ氏らに代表役を託し、9月1日の市場締め切りまでに交渉を成立させるべく、獲得交渉に全精力を注いでいます。
特に注目を集めていたのが、ウェストハムに所属するモロッコ人センターバック、ナイエフ・アゲルドの獲得でした。交渉は移籍合意の直前まで進み、あとはメディカルチェックを残すのみという段階にありましたが、土壇場でまさかの破談となりました。マタラッツォ監督はこの件について、異例の形で詳細な理由を明らかにしました。
『通常、私は他のチームの所属選手について公に話すことはしませんが、今回のアゲルドに関しては、事実を整理するために例外とします。私たちはメディカルチェックを受ける10日ほど前から、本人と非常に良好で素晴らしい対話を重ねていました。しかし、その後のメディカルチェックにおいて、医師側の評価と選手側の見解との間に、白黒つかない非常にグレーな解釈の相違が生じました。その結果、クラブとしてこの非常に不確実な要素を抱えたまま、巨額の契約に踏み切ることは決して賢明なアイデアではないと最終的な判断を下しました』
アゲルドの獲得見送りを受け、クラブは急ピッチで守備陣の他のターゲットに的を絞っています。
現在浮上している主な候補として、チェルシーに所属する20歳、1.94メートルの大型センターバック、ママドゥ・サールが挙げられます。クラブは彼のレンタル移籍を望んでおり、完全移籍での買い取りを画策するサウジアラビアのアル・ヒラルなどと争奪戦を展開しています。さらに、バルセロナの有望な若手右サイドバックであるエクトル・フォルトの獲得も検討。フォルト本人はボルシア・ドルトムントへの移籍を最優先に交渉を待っている状況ですが、ソシエダはバルサ側とコンタクトを維持し、状況の変化を窺っています。また、ウェストハムのミッドフィールダーであるエドソン・アルバレスについても、獲得の可能性について問い合わせを行ったとされています。
一方で、チームの主力であるゴンサロ・ゲデスに対しては、サウジアラビアのアル・ワハダが巨額の資金力を背景に、2029年まで契約のある彼の引き抜きを狙って接触を行っており、市場の最後まで激しい攻防が予想されます。(via ElDesmarque)
マタラッツォ監督が吐露した本音 フロントとの熱い議論と正GK論争への見解
未だに補強が発表されない厳しい現状に対し、2028年夏まで1年間の契約延長を完了したばかりのペレグリーニ・マタラッツォ監督は、自身の胸中にあるリアルな本音を明かしました。
特に、会長やSDとの移籍市場における戦略会議では、激しい意見の対立があったことを素直に認め、以下のように語りました。
『私は常にクラブの一員としての自覚を持ち、組織のやり方を支持する人間です。だからこそ、自分の口からメディアに対して特定の選手や補強を声高に要求するようなことはしません。しかし、プロのフットボールの世界においては、常に周囲を気遣うだけの“良い人”でい続けるわけにはいかないのです。私たちは4つのコンペティションを戦わなければならず、チームの戦力バランスを保つためには、どうしても獲得しなければならない選手がいます。そのため、ジョキン(会長)やエリック(SD)とは、時には非常に感情的で、熱い言葉を交わす議論を行うこともありました。ですが、それこそが互いの本気度の表れであり、このビジネスにおいて極めて当たり前で、良いチームを作るために必要なことなのです』
さらに、サポーターやメディアの間で議論を呼んでいるゴールキーパーの正守護神問題についても、監督独自の冷徹なアプローチを示しました。
『私はもう、このチームに絶対的な1番手や2番手のキーパーという固定の序列を設けるつもりはありません。アレックス・レミロもウナイ・マレーロも、非常に優れたゴールキーパーであり、今シーズンはどちらも多くの試合に出場することになります。私の中ではすでに明確なプランと対話があり、選手たちも状況を100パーセント理解しています。だからこそ、今後は毎週のようにどちらが先発で出場するのかといった終わりのない質問に答えることはしません。対戦相手を翻弄するためにも、直前まで誰がピッチに立つのかを明かさないことも、ひとつの戦略的な選択肢です』
監督は、新戦力が不在の中でも手元のリソースを最大限に生かし、戦術的なバリエーションで過酷なリーグをねじ伏せる不退転の決意を示しました。(via DiarioVasco)
カンテラーノの台頭と新シーズン背番号の暫定確定 ルペレスのサンセ降格と18歳マルシャルの公式戦デビュー
補強がない中で、ソシエダの新シーズンを支える背番号の暫定リストが発表され、いくつかの重要な驚きと若手の進退が確定しました。
最大のサプライズとなったのが、23歳の生え抜き右サイドバック、イニャキ・ルペレスのBチーム(サンセ)への完全な再登録決定です。ルペレスは昨シーズンのプレシーズン(ボーンマス戦)で左膝半月板を負傷し、手術を経て昨季最終戦でわずかに出場したのみでした。今夏もトップチームに帯同していましたが、マタラッツォ監督は『彼の成長を考えた時、今最も重要なのはピッチ上で多くの時間プレーすることだ。トップチームでの緊急のバックアップとしてベンチに置くよりも、サンセで全力を注ぐ方が彼自身のためになる』と、クラブとルペレス本人との合意のもとで決定を下しました。なお、23歳に達したルペレスは、RFEF(スペインサッカー連盟)の規定により、一度サンセに所属登録されると、それ以降は1部の公式戦に出場することができなくなるため、今回の決定は彼のトップチームでの起用可能性が今シーズン中はないことを意味します。これに伴い、手薄な右サイドバックの補強の重要性がさらに高まっています。
背番号暫定リストにおける主な変更は以下の通りです。
イゴール・エルストンドが着用していた象徴的な背番号「6」と「25」は、現時点で空き番号となっています。
ジョン・パチェコは、以前の「20」から、昨季カルeta-Carが背負っていた「16」を選択。
ヤンゲル・ヘレーラは、自身の「12」から「21」へと変更。
アルセン・ザハリャンは、空いた「21」から、かつてブライス・メンデスが背負っていた「23」を選択しました。これにより、ザハリャンはソシエダ加入後4年で4つ目の異なる番号を身にまとうことになりました。
若手のジョン・マルティンは、トップチームの戦力でありながら、ライセンス登録枠に空きを残して今後の補強を容易にするための戦略的な理由から、暫定的にカンテラ登録の「31」のままとなっています。
また、プレシーズンで活躍した23歳のジョブ・オチエンには、ファーストチームの公式背番号である「12」が正式に付与され、チームに残留することが確定しました。
さらに、ベティス戦の後半59分には、18歳のアタッカー、アレックス・マルシャル(背番号29)がトップチームでの公式戦デビューを果たしました。彼はピッチに入ると素晴らしいスピードと技術を見せ、試合終了間際には、あわや同点ゴールという絶妙なクロスをオカルソンに供給。短い出場時間ながら、非常に大きな可能性をファンに証明しました。(via ElDesmarque)
31歳で逝去した愛された栄養士イオン・ゴメス氏への哀悼の意と久保建英との忘れられない絆
レアル・ソシエダのすべての関係者に、非常に悲しく痛ましいニュースが届きました。チームのBチーム(サンセ)の栄養士を務めていたイオン・ゴメス氏が、長い病気との闘いの末、31歳という若さで逝去しました。
イオン・ゴメス氏は2020年にソシエダの栄養部門に加わり、その誠実で温かい人柄と仕事ぶりから、ユースやトップチームの多くのカンテラ出身選手たちから深く愛されていました。
彼の闘病中、チーム全体で様々な支援を続けていました。特に印象深いエピソードとして、過去のレバンテ戦において、久保建英がゴールを決めた際、ベンチから預かった『Eutsi Iongo(踏ん張れイオン、僕らは君と共にいる)』と書かれたTシャツを掲げ、ピッチ上でゴールセレブレーションを行ってゴメス氏を公に勇気づけたことがあります。
彼の急逝を悼み、この日のベティス戦では、トップチームの全選手およびスタッフが腕に黒い喪章を巻いてピッチに立ちました。試合開始前にはスタジアムで黙祷が捧げられ、彼が愛したクラブの歴史的な一歩の日に、全員が心から祈りを捧げました。ズビエタの練習場でも、多くのスタッフやカンテラの若手選手たちが集まり、1分間の深い沈黙の中で、あまりにも早すぎる死に哀悼の意を示しました。(via NoticiasDeGipuzkoa)
ワールドカップを制したエースの凱旋 29日にアノエタで予定されているオヤルサバルへの壮大なオマージュ
ソシエダが誇る絶対的なエースでありキャプテンのミケル・オヤルサバルは、今夏スペイン代表としてワールドカップに参戦し、チームを優勝へと導く5ゴールを挙げる大活躍を披露しました。
この歴史的な偉業を祝うため、8月29日にアノエタで行われる今シーズン初のホームゲーム、エスパニョール戦において、特別なセレモニーが開催されることが決定しました。
スペインサッカー連盟(RFEF)のラファエル・ロウサン会長は、ソシエダを含む世界チャンピオンの所属クラブに対し、優勝トロフィー(ワールドカップ・トロフィー)をスタジアムに持ち込み、ファンの前で直接お披露目することを提案。ソシエダ側もこれに同意し、アノエタのピッチに世界一の黄金のトロフィーが登場し、スタジアムを埋め尽くすファンとともに、偉大なキャプテンへの凱旋オマージュを捧げることになります。
オヤルサバル自身は、W杯による疲労のためベティス戦では後半途中からの出場となり、驚異的なラストパスでスシッチのポスト直撃シュートやオカルソンの決定機を演出するなど、すでにチームにおいて別格の存在感を示しています。ホーム初戦でのセレモニーは、今シーズン最高の盛り上がりを見せるに違いありません。(via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
実質的な開幕戦となったアウェイのベティス戦で、チャンスを活かしきれず1-0の完封負けを喫したレアル・ソシエダ。久保建英の献身的な奮闘や若きマルシャルの公式戦デビューといった明るい兆しはあるものの、補強ゼロで揺れる移籍市場のプレッシャーがチームを覆っています。また、若き栄養士イオン・ゴメス氏の早すぎる悲しい訃報に、選手たちは喪章を巻いて団結を誓いました。29日にはW杯覇者オヤルサバルの凱旋セレモニーをアノエタで控えており、心身ともに再起を図り、難敵レアル・マドリード戦へと臨むことが期待されます。
