マラガCF
UDアルメリアとの昇格プレーオフ決勝第2戦に1-2で勝利し、8年ぶりとなるプリメーラ(1部)昇格の悲願を達成した。第1戦をホームのラ・ロサレダで0-0と引き分けていたマラガは、勝利のみが昇格の条件という重圧のなかで敵地に乗り込んだ。試合前にはマラガのチームバスが一部のファンから投石を受け、窓ガラスが割れるという深刻な事態が発生。試合開始が30分遅延したが、フアン・フランシスコ・フネス監督はバスの中に閉じ込められた選手たちに向け、『人生は我々に学ぶ機会を与えてくれている。今日の試合では非常に忍耐強くなる必要がある。その忍耐こそが成功を掴むチャンスをくれる』と落ち着かせた (via ElDesmarque)。
前半は両チームとも無得点に終わったが、53分にセンターバックのディエゴ・ムリージョがルーズボールの競り合いで膝を負傷し、涙を流しながらピッチを退くというアクシデントに見舞われる。ここでフネス監督はアドリアン・ニーニョを投入し、イサン・メリノを最終ラインに下げる攻撃的な布陣への変更を決断した。これが功を奏し、64分、相手のクリアミスをダニ・ロレンソが拾い、ホアキン・ムニョスがディフェンスラインの裏へ絶妙なパスを供給。これに抜け出した“チュペ”ことカルロス・ルイス・ルビオがクロスシュートを沈めて先制に成功する。さらに70分、チュペのパスからカウンターを仕掛けたダビド・ラルビアがトップコーナーに突き刺す鮮やかなシュートを決め、リードを2点に広げた。終盤に1点を返され、10分以上の長いアディショナルタイムには両チームに退場者が出る大乱戦となったが、リードを守り切って歓喜の瞬間を迎えた (via Estadio Deportivo)。
11月に降格圏を彷徨っていた時期に就任したフネス監督は、アカデミー出身選手14人を擁するチームをまとめ上げ、奇跡的な昇格を実現。試合後には『彼らを毎日見られたのは贅沢だった』と選手を称えた。また、キャプテンのラモンは試合前のロッカールームで、『明日、マラガの少年少女たちはマドリードやバルサではなく、マラガCFの選手になることを夢見るようになる。我々は歴史を作るために戦う』という魂のスピーチでチームを鼓舞していた (via SPORT)。
UDアルメリア
レギュラーシーズンを3位で終え、あと一歩で自動昇格を逃していたUDアルメリアは、プレーオフ決勝でマラガに敗れ、無念のセグンダ残留となった。第1戦の敵地での0-0の引き分けを経て、ホームのUDアルメリア・スタジアムで迎えた大一番だったが、プレッシャーからか本来のパスワークが機能しなかった。64分と70分に立て続けに失点し、追い詰められた75分、ルナのクロスをエンバルバが頭で流し、レオ・バチスタンが膝でコントロールしてGKをかわし無人のゴールへ流し込んで1点を返した。しかし反撃もここまでで、無念の敗退となった (via MARCA)。
ルビ監督は試合後、『私のキャリアで圧倒的に最も辛い日だ。達成できると確信していたが、手からこぼれ落ちてしまった。相手もプレーしており、彼らが勝利を掴んだ』と落胆の表情を浮かべた。試合終了間際には、プレーが止まっている間にハビ・モレオの顔面を殴打したタリスが一発退場となる後味の悪い場面もあり、同選手には来季開幕から4〜12試合の重い出場停止処分が科される見込みとなっている。今季63失点という守備の脆さが最後まで響く結果となった (via Mundo Deportivo)。
セルタ・フォルトゥナ
セルタのBチームであるセルタ・フォルトゥナが、史上初となるセグンダ(2部)昇格の快挙を成し遂げた。SDポンフェラディーナとのプレーオフ決勝第2戦をホームのバライードスで迎え、4-1という圧倒的なスコアで大勝した。第1戦の0-0の引き分けを経て迎えたこの試合、フレディ・アルバレス監督率いる若きチームは、ベテラン揃いでファウルを多用する相手の堅守を前に、持ち前の才能とテクニックでこじ開けた (via SPORT)。
22分、アンタニョンの絶妙なパスを受けたウゴ・ゴンサレスが、相手GKアンドレス・プリエトをかわして先制ゴールをマーク。43分にポンフェラディーナのボルハ・バジェに同点ゴールを許したものの、63分にアルバロ・マリンがペナルティエリア内で倒されて得たPKを、再びウゴ・ゴンサレスが冷静に沈めて勝ち越した。ウゴ・ゴンサレスはこれで今季18ゴール8アシスト(25ゴールに直接関与)という驚異的な記録を残し、トップチーム昇格を猛アピールしている。その後も攻撃の手を緩めず、85分にベルナルド・ソムア、96分にカプデビラがダメ押しのゴールを奪い、バライードスのファンを熱狂の渦に巻き込んだ (via Estadio Deportivo)。
CEサバデル
CEサバデルがサモラCFとのプレーオフ決勝を制し、セグンダ復帰を果たした。第1戦のアウェイで敗れていたものの、ホームのノバ・クレウ・アルタで行われた第2戦では4-0と大爆発し、見事な逆転昇格を決めた。フェラン・コスタ監督の采配が見事に的中し、12,000人のファンが詰めかけたスタジアムは歓喜に包まれた (via 3Cat)。
試合後には市庁舎前のサン・ロク広場に数千人のファンが集結し、盛大な昇格パレードが開催された。その中で主役となったのは、レアル・サラゴサからの関心が報じられているGKディエゴ・フオリだった。黄色いサングラスをかけてバルコニーに立ったフオリは、『最後にやらかしちまったぜ』と地元アラゴン地方の言葉で挨拶。『色々なツケを溜め込んでいるが、今は出さない。後で全部自分に返ってくるからな。それに大半のヤツらは1ヶ月前からバカンスに行ってるしな』と、ストレート昇格を果たしたライバルのエルデンセへの皮肉を口にしてファンを沸かせた。さらに、サバデルSDの義父でありスペイン連盟副会長のジョアン・ソテラス氏の話題に触れ、『ソテラスには感謝しないとな。俺たちをここまで運んでくれたんだから』と皮肉たっぷりに発言。最後にはペドロ・サンチェス首相に対する暴言をファンから引き出すなど、まさに独壇場となった。サバデル側はフオリの引き留めを目指しており、移籍を求めるクラブには80万ユーロの契約解除金満額を要求する強硬な姿勢を見せている (via SPORT)。
レアル・サラゴサ、SDウエスカ、クルトゥラル・レオネサ、CDミランデス
名門レアル・サラゴサが、SDウエスカ、クルトゥラル・レオネサ、CDミランデスとともに、ラ・リーガ・ハイパーモーションからプリメーラRFEF(3部)へ降格するというクラブ史上最悪の事態に直面している。現在のオーナー体制下での度重なる不運と不振が重なり、ついにプロサッカーの舞台から姿を消すこととなった (via SPORT)。
来季のプリメーラRFEFのグループ分けは、東西に分ける案が有力視されており、サラゴサはグループ2に入ることが濃厚。同グループには同じアラゴン州のウエスカやテルエルのほか、カタルーニャ、バレンシア、ムルシア、アンダルシアのクラブが名を連ねる予定。また、アトレティコBやレアル・マドリード・カスティージャといったマドリード勢がどちらのグループに振り分けられるかが鍵を握る。サラゴサはサバデルのGKディエゴ・フオリの獲得に動いているが、サバデル側の要求する80万ユーロの解除金がネックとなっている (via SPORT)。
スポルティング・ヒホン
ニコラス・ラルカモン監督率いるスポルティング・ヒホンは、来季のプリメーラ昇格へ向けて本格的なスカッド再編に着手している。現時点で来季の構想に入っているのは21選手。すでに新戦力として、GKエゴイツ・アラナ(2028年まで)、CBホルヘ・サエンス(2028年まで)、そしてウルグアイ人CBのグラルテ(昇格時には3年延長のオプション付き)の3名の獲得を完了させた (via SPORT)。
しかし、さらなる補強が急務となっており、クラブは少なくとも6つのポジション(左センターバック、両ウイングバック2名、ボランチ、ウイング、センターフォワード)での新戦力獲得を目指している。特に両ウイングバックは深刻で、確実に残留するのは2028年まで契約を延長した右のギジェ・ロサスのみ。パブロ・ガルシアの去就は不透明であり、市場での積極的な動きが求められている。中盤ではアレックス・コレデラ、マヌ・ロドリゲス、ママドゥ・ロウム、ナチョ・マルティンが基盤となるが、ヘスス・ベルナルの退団が濃厚なため代役が必要。前線はホナタン・デュバシン、セサル・ヘラベルト、ガスパル・カンポス、フアン・オテロが残留する一方、ダニ・ケイポとアマドゥは退団の可能性が高く、決定力のあるストライカーの追加補強が必須となっている (via SPORT)。
CDカステリョン
昨季を6位で終え、プレーオフ準決勝でアルメリアに敗れたパブロ・エルナンデス監督率いるCDカステリョンは、来季のセグンダにおいて過酷な移動距離に直面する。総移動距離は昨季の約26,990kmから約28,940kmへと大幅に増加。これは赤道上の地球の円周の約4分の3に相当する距離である (via SPORT)。
移動距離増加の最大の要因は、カナリア諸島(ラス・パルマス、テネリフェ)やバレアレス諸島(マジョルカ)、そして北アフリカのセウタへの海を越える遠征が4回もあることだ。これら4つの遠征だけで全体の3分の1以上となる約10,270kmを占める。さらに、サラゴサやウエスカといった近場のアラゴン州のクラブが降格したことも痛手となっている。一方で、同じバレンシア州のエルデンセが唯一の近隣ライバルとなり、アルバセテ、サバデル、ジローナへの遠征が比較的負担の少ないものとなる見込み。チームの真の戦いはピッチ上だけでなく、空港での乗り継ぎや疲労回復といったロジスティクス面にも及ぶことになりそうだ (via SPORT)。
FCカルタヘナ
イニゴ・ベレス監督の続投が決まったFCカルタヘナは、チームの大黒柱であるパブロ・デ・ブラシスとの契約延長に大筋で合意(未払金の精算完了待ち)するなど、来季の陣容固めを進めている。しかし、ストライカーの“チキ”ことクリスティアン・ボレゴとの契約延長交渉が暗礁に乗り上げている (via SPORT)。
クラブ側は経費削減の方針から、年俸を引き下げたオファーを提示したものの、チキ側からの返答は保留されたままとなっている。チキは昨季35試合で6ゴール1アシストと爆発的な数字を残したわけではなく、シーズン終盤には負傷離脱も経験した。クラブは彼の返答をただ待つことはせず、すでにマルセロ・ドス・サントスやイバン・リベイロといった新たなアタッカーを獲得しており、チキの去就に関わらずチーム編成を前進させている。チキ自身は海外クラブからの好条件のオファーを待っている可能性が高いとみられている (via SPORT)。
コルドバCF&来季のセグンダ対戦相手
イバン・アニア監督率いるコルドバCFは、プロリーグ復帰3年目となる来季の対戦相手の全貌を確認し、戦力分析を進めている。来季のセグンダはアンダルシア州のクラブが減少し、ダービーマッチは6試合となる (via SPORT)。
降格組のRCDマジョルカは、ムリキやパブロ・マフェオ、サム・コスタらの売却で得た豊富な資金力を背景に、1年での1部復帰を至上命題としている。ジローナFCも同様に強力な資金力を持つが、主力の大量流出が予想される。レアル・オビエドもハコボ・ゴンサレスを獲得するなど、早期昇格へ向けてすでに市場で活発に動いている。
その他、プレーオフで敗れたUDラス・パルマスは大幅な血の入れ替えを断行予定。勝ち点72を獲得しながらプレーオフを逃したブルゴスCFは、ルイス・ミゲル・ラミス監督がオサスナへ引き抜かれたため新体制でリスタートを切る。SDエイバルもベニャト・サン・ホセ監督がラージョへ去り新たな船出となる。ADセウタはホセ・フアン・ロメロ監督の下で残留を第一目標に置き、ジェラール・ピケ会長が率いるFCアンドラは終盤の3連敗からの立て直しを図る。最終節で奇跡的な残留を決めたCDレガネスや、安定した成績を残すアルバセテ・バロンピエ、若手育成と残留を目指すレアル・ソシエダB(サンセ)なども曲者として立ち塞がる (via SPORT)。
CDエルデンセ
プリメーラRFEFから見事優勝で自動昇格を決めたCDエルデンセは、セグンダ定着へ向けて素早い補強を展開している。前線にはコルドバ出身のFWマヌ・ニエトを獲得。さらに、エスパニョールで将来を嘱望されている若手、ジャスティン・スミスの獲得交渉も大詰めを迎えている。また、GKの選手層に厚みを持たせるため、ラモン・ビラのローン移籍での獲得も画策しており、資金力に限りがある中で的確な補強を続けている (via Mundo Deportivo)。
レアル・バジャドリード&アルバセテ
昨季は降格圏までわずか6ポイント差という不安定なシーズンを過ごしたレアル・バジャドリード。来季は昇格争いが絶対のノルマとなる中、スポーツディレクターのビクトル・オルタが、レアル・ベティスのウルグアイ人若手FWゴンサロ・ペティのローン獲得へ向けて名乗りを上げた。昨季ミランデスやグラナダへローン移籍し、37試合で8ゴールという成績を残したペティには、バジャドリードのほかにスポルティング・ヒホンやアルバセテ・バロンピエも関心を示しており、セグンダのクラブ間で熾烈な争奪戦が繰り広げられている (via Estadio Deportivo)。
ジローナFC
プリメーラからの降格という憂き目に遭ったジローナFCは、契約満了や高額な年俸がネックとなり、主力の大量流出が避けられない状況となっている。テア・シュテーゲンやエチェベリといったローン組の退団に加え、ダビド・ロペスやクリスティアン・ストゥアーニらもチームを去る見込み (via Estadio Deportivo)。
その中で最も注目を集めているのが、MFイバン・マルティンの去就である。恩師ミチェル監督がアヤックスへ引き抜かれたこともあり、本人も移籍を希望。現在、エスパニョール、セビージャ、アスレティックなどの国内勢に加え、ギリシャのパナシナイコスやオリンピアコス、メキシコのトルーカ、さらには同じくセグンダに昇格したデポルティボ・ラ・コルーニャからも熱視線を送られている。ジローナのスポーツディレクター、キケ・カルセルは引き留めを試みているが、ビジャレアルに支払う売却条項(30%)の補填も含め、移籍金300万ユーロ以上での売却を容認する構えを見せている (via Estadio Deportivo)。
【本日の総括】
マラガCF、セルタ・フォルトゥナ、CEサバデル、CDエルデンセ、CDテネリフェといった勢いのある昇格組がセグンダの舞台に加わった一方で、マジョルカ、ジローナ、オビエドという強力な資金力を持つ降格組が参戦し、来季のLALIGA Hypermotionは過去に類を見ないほど熾烈な昇格レースになることが予想される。また、レアル・サラゴサやウエスカといったかつてプリメーラを沸かせた名門が3部へ転落するという、現代サッカーの残酷な一面も浮き彫りとなった一日であった。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
マラガの昇格劇は、負傷交代という不測の事態を逆手に取ったフネス監督の柔軟な配置転換が勝敗を分けました。最終ラインを下げて攻撃的な布陣へシフトし、中盤の距離感を最適化したことで、相手のクリアミスを逃さない鋭いカウンターが機能しました。一方で、アルメリアは守備の脆さが最後まで露呈し、プレッシャー下でのパスワークが停滞。戦術的な噛み合わせ以上に、局面での判断の速さと、交代策による構造変化の成否が、昇格と残留の明暗を分けたと言えるでしょう。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
マラガの昇格は、単なる勝利以上の意味を持ちます。バスへの投石という過酷な状況下で、監督が選手に説いた「忍耐」の精神が、チームを一つにまとめ上げました。対照的に、アルメリアのルビ監督が語った「キャリアで最も辛い日」という言葉には、クラブが抱える重圧と、期待値との乖離が滲みます。昇格組の勢いと、降格組の再編の苦悩。クラブの空気が結果に直結するセグンダの厳しさを、改めて突きつけられた一日でした。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
来季のセグンダは、降格組の主力流出と昇格組の積極補強が交錯する激動の市場となります。特にジローナのイバン・マルティンを巡る争奪戦や、カルタヘナのチキとの交渉停滞に見られるように、クラブは経費削減と戦力維持の狭間で難しい舵取りを迫られています。サラゴサのGKフオリに対する強硬な解除金要求など、各クラブが限られた予算内でいかに編成の整合性を保つか。この夏の補強戦略が、そのまま来季の昇格レースの行方を左右することになるでしょう。