デポルティーボ・ラ・コルーニャ vs バレンシア
ラ・リーガ / jornada-3 / Estadio de Deportivo / 2026年8月31日(月)
試合サマリーと得点経過
2026年8月30日、ラ・リーガ第3節。エスタディオ・アバンカ・リアソル(リアソル)で行われたデポルティーボ・ラ・コルーニャ対バレンシアCFの一戦は、ホームのデポルティーボが3 -1でバレンシアを破り、8年ぶりとなる1部復帰後初の記念すべき白星を飾った。
ピッチに立ったデポルティーボの選手たちを後押ししたのは、サポーターとフロント経営陣との歴史的な和解だった。開幕から続いていた経営陣とサポーターグループのスタンド入場規制措置に関する深刻な対立が試合前に解決し、ボイコットは完全に終結。リアソルの空には、満員のファンが叫ぶ伝統のチャント「DaleDé」の地鳴りのような大声援が響き渡った。この熱狂的な雰囲気に乗ったデポルティーボが序盤からバレンシアを圧倒し、前半だけで3ゴールを奪う猛攻を見せて試合を決定づけた。
試合の命運を分けたデポルティーボの得点シーンは、いずれも新システムがもたらした完璧なコンビネーションから生まれた。
先制点の起点となったのは、中盤の底に位置するロレンツォ・アマトゥッチである。アマトゥッチが相手のプレスをいなしながら正確な縦パスを中央に送ると、トップ下のマリオ・ソリアーノを経由して、右インサイドMFのルイスミ・クルスへとボールが渡る。この「小柄な魔術師たち」による細かなパスワークにバレンシアの守備陣が惑わされ、センターバックのムクタル・ディアカビとセサール・タレガの間に一瞬の迷いが生じた。その隙を見逃さず、エースのピエール=エメリク・オーバメヤンが鋭い動き出しでディフェンス裏のスペースへスプリント。ルイスミ・クルスから放たれた極上のスルーパスに反応したオーバメヤンは、吸い付くようなトラップで前を向くと、対峙した相手DFをあざ笑うかのような鋭いシュートをネットに突き刺した。
続く追加点でも、デポルティーボの中盤ダイヤモンドが躍動した。左インサイドMFのリキが自陣でインターセプトに成功し、ショートパスを繋いでビルドアップを開始。アマトゥッチ、マリオ・ソリアーノとワンタッチでテンポよくボールが動き、バレンシアのファーストプレスを完全に無効化する。ソリアーノの落としを受けたリキがサードマン・ランニングでバイタルエリアへ侵入し、右サイドから中央へ絞ってきたルイスミ・クルスへ展開。クルスが相手を引きつけてからディフェンスラインの背後へ浮き球のパスを供給すると、流動的にポジションを変えていたビル・ンソンゴが屈強なフィジカルで相手を抑え込みながらこれをキープ。走り込んできたオーバメヤンとの阿吽の呼吸のパス交換から、最後は再び相手守備ラインを切り裂く崩しを見せて追加点が生まれた。
バレンシアが返した唯一の得点は、デポルティーボ側の自滅に近い形からもたらされた。前半の終盤、デポルティーボの19歳のポーランド人DFブライト・エデが、自陣エリア付近で向こう見ずなドリブルによる持ち出しを試みる致命的な判断ミスを犯した。これを執拗に追っていたバレンシアのウマル・サディクが鋭く泥臭くかっさらい、そのまま無人のゴールへと押し込んだ。このゴールにより、バレンシアは1969-70シーズン以来となる「開幕3試合連続無得点」というクラブ最悪タイ記録の回避に成功した。
しかし後半、3-1とリードを広げたデポルティーボが守備ブロックを敷いてスペースを消すと、決定打を欠くバレンシアの攻撃は沈黙。デポルティーボは守護神レオ・ロマンの冷静なセービングと、ンソンゴの献身的なキープ力で時計を進め、リアソルに熱狂的な勝利の勝ち吼えをもたらした。
戦術・采配のポイント
アントニオ・イダルゴ監督率いるデポルティーボは、これまでのウイングを主体とするシステムを大胆に変更し、中盤に小柄ながら技術に優れた4人のMFを配置する「180cm未満」のダイヤモンド・ロンド(4-4-2)を採用した。アンカーのアマトゥッチがゲームをコントロールし、マリオ・ソリアーノがトップ下、左にリキ、右にルイスミ・クルスが並ぶ。この俊敏でインテリジェンスの高い4人は、バレンシアの中途半端なハイプレスをことごとくいなし、ハーフスペースでの短いパス交換からバレンシアの守備組織を完全に解体してみせた。
対するバレンシアのカルロス・コルベラン監督は、守備の安定を狙って5バックシステムを導入。ディアカビ、タレガ、そして本来ミッドフィールダーであるペペルを3バックの中央に据える布陣を敷いた。しかし、デポルティーボの中盤での圧倒的なパスワークと、前線のオーバメヤンおよびンソンゴの流動的なサードマン・ランニングに対し、ディアカビとタレガは誰がマークに付くべきか終始「迷い」を露呈。バイタルエリアでのプレスの距離感を詰められず、後手に回り続けて前半だけで3失点という悪夢の守備崩壊を招いてしまった。
後半、コルベラン監督は状況を打開すべく、ハーフタイムに低調だったウーゴ・ドゥロや負傷したデ・ハースを諦め、後半早々には大腿四頭筋の負傷から復帰したばかりのルイス・リオハをピッチに送った。さらに、19歳の新星ダビド・オトルビを投入。オトルビはその馬力のあるドリブルと縦への突破力で、デポルティーボが固める右サイドの守備ブロックに風穴を開け、停滞していたバレンシアの攻撃陣に大きなdesequilibrio(不均衡・変化)をもたらした。
イダルゴ監督は、後半に相手がボールを保持して攻勢を強めてくると、無理に前へ出ずに深い守備ブロックを構築する現実的な対応を選択。前線にフレッシュな選手を投入しつつ、ロングボールの基準点として機能していたンソンゴの身体を張ったキープ力を活かし、攻撃の芽を摘み取りながら主導権を渡さずにタイムアップまで逃げ切る見事な采配を見せた。
現地メディア de 選手採点・評価比較
この一戦の後、現地スペイン各紙は勝者デポルティーボを絶賛し、敗者バレンシアに対しては容赦のない酷評を下した。
デポルティーボの評価において、各紙が最高得点を与えたのはエースのピエール=エメリク・オーバメヤンだ。SPORTは「8.5点」の最高評価をつけ、公式戦3試合連続ゴールというクラブ史上ベベトとラバデしか成し遂げていない偉大な記録に並んだ快挙を称賛。「ワールドクラスのクオリティを誇る絶対的なフィニッシャーであり、前線からの守備貢献も含めて完璧」と手放しで絶賛した。MARCAやMundoDeportivoも、過去にバルセロナやアーセナルに在籍した時代にメスタージャでハットトリックを達成した歴史に触れ、「バレンシアの天敵としての恐ろしさは、37歳となった今なお健在」と畏敬の念を示している。
中盤を統支配したロレンツォ・アマトゥッチにも、SPORTは「8.0点」と極めて高い採点を下した。現地紙は「完璧なポジショニングでセカンドボールをすべて回収し、相手のプレスを何事もなかったかのようにいなしたゲームの心臓」と評価。対照的に、致命的な失点ミスを犯した19歳のDFブライト・エデに対しては「5.5点」と厳しい評価に留まった。ASは「対人やボールの持ち出しにおける才能は疑いようがないが、自陣での無謀なプレー(temeridad)は1部リーグでは命取り。大きな経験不足を露呈した」と、才能を評価しつつも手厳しい課題を突きつけている。
バレンシアCFに対しては、厳しいトーンの評価が並んだ。ゴールを挙げたウマル・サディクに対してのみ、SPORTは「6.0点」をつけ、「泥臭くミスを突いてクラブのワースト無得点記録を防ぐゴールを決めた」と最低限の仕事を評価。しかし、試合後にサディクがハムストリングを痛めて2ヶ月の長期離脱を強いられたことについて、ElDesmarqueは「今季初のゴールという唯一の光が、最大級の悲劇と引き換えになってしまった」と悲痛に報じた。
守備ラインの選手たちへの採点は極めて辛辣で、負傷明けのムクタル・ディアカビには「4.0点」の最低採点が下された。Relevoは「オーバメヤンのスピードとンソンゴのフィジカルの前に完全に圧倒された。迷いから判断を躊躇し、失点の最大の原因となった」と断罪。5バックの右を務めたセサール・タレガにも「4.5点」がつけられ、「デポルティーボのテンポの早いパスワークに対してマークの受け渡しが一切できず、バイタルエリアを相手に明け渡した」と評された。
さらに、左サイドで先発したアルナウト・ダンジュマに対しても「4.0点」と厳しい批判が集まった。ASは「移籍市場の閉幕を直前に控え、PSVへの移籍報道などの雑音がプレーに影を落としていた。消極的なプレーが目立ち、ゲームから完全にフェードアウトしていた」と、モチベーションの低さを手厳しく指摘している。
試合後の監督・選手コメント
屈辱的な敗戦を喫したバレンシアのカルロス・コルベラン監督は、怒りと恥ずかしさを隠そうとはしなかった。
「サポーターに対して本当に恥ずかしい。私がバレンシアの監督に就任して以来、最悪の前半だった。この不甲斐ないイメージに対して心から恥じ入っている。サポーターの信頼を取り戻すためには、これ以上どんな言葉を並べても無駄だ。我々が示すべきは、ただ試合に勝つこと。それだけだ」
また、後半途中から出場したバレンシアのルイス・リオハも、チームメイトたちの闘争心の欠如に対して厳しい言葉を向けた。
「今日の敗戦は、まったくもって受け入れられない。戦術的なミスを語る以前の問題だ。ピッチ上に気概(pundonor)と競争に対する正しい姿勢がまったく欠けていた。Fallar(失敗する)ことはあっても、100%で戦わないというサッカーに対する倫理的な裏切りは決して許されない。全員がもっと泥臭く戦わなければ、1部リーグで勝てる相手などどこにもいない」
守護神のストール・ディミトリエフスキも「全員がプロとしてのプライドを持つべきだ。もっと男としての玉を出すべきだ(echarlehuevos)」とメディアの前で怒りを爆発させ、空中分解寸前のチームに警鐘を鳴らした。
一方、歓喜に沸くデポルティーボのアントニオ・イダルゴ監督は、何よりもスタジアムのサポーターとの和解を祝福した。
「サポーターとの団結、そして対立が解消されたことは、我々にとって今シーズン最高のニュースだ。これ以上の喜びはない。再びスタジアムが一つになって、サポーターの声援を背に受けて戦うことがどれほど選手たちを強く、勇敢にしてくれるか。このリアソルの熱狂こそが我々をパワフルにし、ラ・リーガで生き残るための最大の武器になる。この勝利をみんなで喜び、さらに前を向いて進みたい」
デビューから得点王ロードを突き進むデポルティーボの殊勲者、ピエール=エメリク・オーバメヤンは謙虚に語った。
「開幕から素晴らしい形でシーズンに入れるよう、この夏は本当にハードなトレーニングを積んできた。それが常に頭の中にあったから、今こうして結果に繋がっていて、とても嬉しく思っている。デポルティーボのファンが僕を温かく迎えてくれたことには感謝してもしきれない。僕はここでゴールを奪い、アシストを記録し、そしてチームに勝利をもたらすためにやってきた。これからもっと強くなって、このクラブにふさわしい場所を目指すよ」
満員のリアソルで得た確かな手応えと、強敵との連戦を前に深く苦悩するバレンシア。この試合を契機に、両クラブが進む今シーズンの命運は、大きく二つに分かれようとしている。
見どころと対戦背景
8年ぶりにラ・リーガの頂点へと返り咲いた古豪デポルティーボ・ラ・コルーニャが、本拠地リアソルに同じく伝統と格式を持つバレンシアを迎え撃ちます。開幕から激動の滑り出しを見せるラ・リーガにおいて、この第3節の対決は、双方にとって今シーズンの行方を占う極めて重要な一戦となります。
ホームのデポルティーボは、開幕節でエルチェと1-1、続く第2節のマラガ戦でも1-1と、昇格組ながら2試合連続で引き分けに持ち込み、勝ち点2を積み上げました。何よりも、新戦力の世界的ストライカー、ピエール=エメリク・オーバメヤンがすでに2試合で2ゴールを挙げるなど抜群の存在感を放っています。さらに、絶対守護神であるレオ・ロマンの驚異的なセービングがチームを救っており、組織的な堅守と世界基準のフィニッシュという、昇格組とは思えない骨太なアイデンティティを示しつつあります。リアソルの熱狂的なサポーターを背に、彼らが目指すのは1部復帰後初の「3ポイント」のみです。
対するバレンシアは、深刻な暗雲が立ち込める中でアウェイに乗り込みます。延期されていた開幕節のレアル・ベティス戦に0-1で敗れ、第2節のセルタ戦でも0-0のドロー。開幕2試合で勝ち点1、さらに未だゴールが生まれていないという決定力不足に直面しています。ベティス戦の敗戦後には、メスタージャに集まったサポーターの怒りが爆発し、フロントへの激しい抗議が渦巻くなど、チームを取り巻く環境は極めて緊迫しています。カルロス・コルベラン監督にとっても、このリアソルでの一戦は自身の進退やサポーターの信頼を取り戻すために絶対に落とせない背水の陣となります。
予想スタメンと負傷・出場停止情報
両チームの戦力状況は、怪我人の発生と、移籍市場の最終盤におけるスクアッドの再編によって大きく揺れ動いています。
デポルティーボ・ラ・コルーニャイダルゴ監督率いるデポルティーボは、1-4-4-2あるいは1-5-3-2の柔軟なシステムを採用する見込みです。-負傷情報:プレシーズンで負傷したノエ・カリージョが約2ヶ月の長期離脱となっていますが、最大の朗報はエースであるジェレマイ・エルナンデスの完全復活です。恥骨結合炎に苦しみプレシーズンを欠場していた「背番号10」ですが、前節のマラガ戦終盤に途中出場を果たし、待望の1部デビューを飾りました。プレミアリーグのハル・シティやブライトンからの熱視線にさらされながらも残留の意思を固めており、スタメン復帰への期待が高まっています。
- 予想スタメン:
- GK:レオ・ロマン
- DF:シモ・ナバロ、ルカス・ノウビ、ブライト・エデ、アンヘリーニョ
-MF:ディエゴ・ビジャレス、ロレンツォ・アマトゥッチ、マリオ・ソリアーノ、アスプ・イェンセン
- FW:ピエール=エメリク・オーバメヤン、ジェレマイ・エルナンデス
バレンシアコルベラン監督は守備の安定を図るために5バックを軸としたシステムを想定しています。-負傷・出場停止情報:セルタ戦で右足首の外側靭帯を痛めたDFジュスティン・デ・ハースが全治約1ヶ月と診断され、デポルティーボ戦を含む複数試合の欠場が確定しました。さらに、ホセ・コペテ、ディミトリ・フルキエ、ディエゴ・ロペスといった主力も依然として離脱中です。一方で、大腿四頭筋の負傷から復帰したルイス・リオハが前節で途中出場からデビューを果たし、起用可能な状態にあります。-新戦力の動向:守備陣の緊急事態に対し、バレンシアはジローナからキャプテンのDFアルナウ・マルティネスの獲得を急遽合意させました。26日にバレンシア入りしたアルナウは、メディカルチェックを経て2031年までの長期契約を結ぶ予定です。登録が順調に進めば、このデポルティーボ戦でいきなりスタメン、あるいは実質的な即時デビューを飾る可能性が有力視されています。さらに、19歳の若き日本の才能、佐藤龍之介が卓越したクリエイティビティを発揮して今やバレンシアの攻撃の生命線となっており、先発出場が濃厚です。
- 予想スタメン:
- GK:ストーレ・ディミトリエフスキ
-DF:パブロ・マフェオ、セサール・タレーガ、ムクタル・ディアカビ、アルナウ・マルティネス、ヘスス・バスケス
- MF:ギド・ロドリゲス、ハビ・ゲラ、佐藤龍之介
- FW:ウーゴ・ドゥロ、アルナウト・ダンジュマ
監督会見・注目選手コメント
試合に向けた各公式メディア(SPORT, Mundo Deportivo, ElDesmarque, MARCA,AS)の報道によると、試合数日前という段階にあり、公式な試合前日会見自体は執筆時点でまだ行われていません。しかし、前節終了後、あるいは新戦力合流に伴うデポルティーボ戦を直接見据えた最新のコメントが以下のように発信されています。
バレンシアのカルロス・コルベラン監督は、ベティス戦後の会見で守備陣の緊急再編とデポルティーボ戦への展望について明確に語りました。「アルナウ・マルティネスの合流がすぐそこまで迫っている。彼の多才さは我々の守備陣を確実に補強し、デ・ハースを欠くこの局面を埋めるラストピースとなるだろう。これで守備の再建は完了したと言える。私のすべてのフォーカスは、いまだゴールのない攻撃陣を補強し、得点力を高めることに向けられている。デポルティーボ戦に向けて、最高の守備と鋭い攻撃を両立させる準備を進めなければならない。サポーターが求めているのは言葉ではなく、勝利という明確な事実だ」
デポルティーボのアントニオ・イダルゴ監督は、マラガ戦で復帰した絶対的エース、ジェレマイ・エルナンデスがバレンシア戦でさらに重要な役割を果たすことを確信しています。「ジェレマイがピッチに戻ってきたことは、我々の攻撃にとって計り知れない希望だ。彼は3ヶ月の離脱から戻ったばかりで、まだ本来の爆発力を取り戻すためのトレーニングが必要だが、彼の持つ違いを生み出す力は本物だ。マラガ戦だけでなく、次のバレンシア戦、そしてその後のビジャレアル戦でも、彼は我々のピッチにおいて欠かすことのできない最重要戦力だ。ホームのリアソルで、バレンシア相手に我々のフットボールを証明するための準備はすでに始まっている」