カルロス・エスピの電撃獲得と詳細条件
レバンテから21歳のスペイン人ストライカー、カルロス・エスピを移籍金2500万ユーロの契約解除金を支払って獲得した。契約期間は5年間で、2031年6月30日までとなる。年俸はレバンテ時代の42万ユーロ(月給3万5000ユーロ)から360万ユーロ(月給30万ユーロ、週給7万5000ユーロ)へと大幅に引き上げられた。
ジョゼ・モウリーニョ監督は、エリア内での強さに加え、ボールをキープしてウイングを走らせることができる、昨季のゴンサロのようなプロファイルを持つ大型フォワードを求めており、エスピの獲得を強く要望していた。エスピの身長は1.90メートル(一部では1.94メートルとも)で、空中戦やポストプレーに優れているだけでなく、足元の技術も高く、プレーをクリーンにする能力がモウリーニョの求めるスタイルに合致した。
マドリードは2年前の2024年3月にもカスティージャへの加入オファーを出していたが、当時のレバンテSDフェリペ・ミニャンブレスがポテンシャルの高さを理由に拒否しており、今回は2度目の挑戦での獲得実現となった。レバンテにとっては、ジェフェルソン・レルマ(3000万ユーロ超)に次ぐクラブ史上2番目の高額売却であり、カンテラ出身選手としては過去最高額の売却となった。
エスピはすでにバルデベバスに到着しており、黒いバンの後部座席に乗って施設入りした。ワールドカップに出場して休暇中のビニシウス・ジュニオールやキリアン・エンバペよりも早く、水曜日には予定を2日早めてトレーニングに合流した。現時点で背番号は未定だが、オーストリアのヴェルターゼー・シュターディオンで行われるフィオレンティーナとの親善試合(18時キックオフ)で初出場を果たす可能性がある。
この移籍発表後、彼のSNSのフォロワー数は約10万人から瞬く間に24万4000人以上に急増した。彼のエージェントであるペップ・セレール(元バレンシア、ビジャレアル、バルセロナの下部組織出身)は、エスピがアルシラのユースでプレーしていた頃からその才能を見抜き、レバンテとアラベスからのオファーがあった際にも地元に残る決断を後押しするなど、身体的・精神的な成長を支えてきた。エスピはタベルネス・デ・ラ・バルディグナ出身で、大学でスポーツ科学(体育学)を専攻し、優秀な成績を収めている。(via Mundo Deportivo, SPORT, MARCA, Estadio Deportivo)
カンテラーノの大型売却とフルハムの動向
マドリードはカンテラ出身選手の売却で巨額の資金を得ている。昨季トップチームに定着していたゴンサロ・ガルシアを、アルバロ・アルベロアが新監督に就任したイングランド・プレミアリーグのフルハムへ売却した。移籍金は4000万ユーロで、保有権の70%を譲渡する形となる。
さらに、同じくカンテラーノのミッドフィルダー、セサル・パラシオスも1000万ユーロでフルハムへ売却し、こちらも保有権の70%を譲渡した。これらを含め、マドリードはカンテラーノの売却によって約2億ユーロの収益を見込んでいる。
フルハムのアルベロア監督は、2029年までの長期契約を結んでおり、ベルナベウで培った努力、勇気、個性、そして最後まで走るというメンタリティを新天地でも植え付けようとしている。就任最初のスピーチでは『努力なき才能は無価値だ』と選手たちに語りかけた。マドリード在籍時はトップチームを率いて28試合で18勝2分8敗という結果に終わり、コパ・デル・レイでのアルバセテ敗戦やチャンピオンズリーグ準々決勝でのバイエルン敗退、リーグ戦2位無冠という成績で解任された過去があるが、フルハムではゴンサロやパラシオスといった教え子を呼び寄せている。
アルベロアはさらに、フランコ・マスタントゥオーノやフラン・ガルシアの獲得にも関心を示している。マスタントゥオーノはリーベル・プレートへの復帰を拒否しており、イタリアやフランス、スペインの複数のクラブからオファーを受けている状況にある。
また、マリオ・マルティンはヘタフェに売却されている。(via SPORT, MARCA)
ディオマンデとロドリの交渉状況と夏の補強
マドリードは今夏の移籍市場で非常に活発に動いており、すでに1000万ユーロの売却益(フラン・ガルシア400万、マリオ・マルティン、ゴンサロ4000万、パラシオス1000万で計5750万ユーロの収入)を得ている一方で、大規模な投資を行っている。
フリーエージェントでベルナルド・シウバとイブラヒマ・コナテを獲得したほか、デンゼル・ダンフリースを2000万ユーロ、マルク・ククレジャを5500万ユーロ、そしてカルロス・エスピを2500万ユーロで獲得し、これまでに1億ユーロを支出した。
さらに、2人の大物選手の獲得に動いている。1人目はRBライプツィヒに所属するコートジボワール人ウイングのヤン・ディオマンデ。移籍金は約1億ユーロに達する見込みで、契約に関する最終的な詳細と書類の署名を待つのみとなっており、来週中には5年契約が正式発表される予定である。
2人目はマンチェスター・シティのスペイン代表MFロドリ。シティとの直接交渉が進行中であり、シティ側は7500万ユーロを要求している。一方、マドリードは5000万ユーロにボーナスを加えた条件での妥結を目指しており、両者の評価額には約2500万ユーロの開きがある。先日予定されていた会談は数日延期されたが、8月中の獲得実現に向けて強い意志を持っている。ロドリ自身はマドリードへの加入とスペイン復帰に関心を示しており、2027年6月までの契約を残すシティからの契約延長オファーをすべて拒否している。シティは彼を手放す場合、総額で1億ユーロ近い取引になると見込んでいる。(via Estadio Deportivo, SPORT)
モウリーニョ新体制の戦術と予想フォーメーション
ジョゼ・モウリーニョ新監督の基本フォーメーションは4-2-3-1となる見込みである。守備の堅固さと、アタッキングサードで違いを生み出す才能の自由度を両立させるシステムである。
ゴールキーパーはティボ・クルトワが不動のレギュラーを務める。
ディフェンスラインは大きく刷新される。右サイドバックには機動力と推進力に優れるダンフリースが入るが、インサイドでのビルドアップに関与できるトレント・アレクサンダー=アーノルドも強力なオプションとなる。センターバックはアントニオ・リュディガーと、足元の技術に優れるディーン・ハイセンのコンビが予想される。エデル・ミリトンはコンディションが100%であれば絶対的なレギュラーだが、過去の負傷と継続性の欠如が懸念されている。イブラヒマ・コナテは昨季の不調からどれだけ復調できるかが鍵となる。左サイドバックはマルク・ククレジャが、そのインテンシティと豊富な運動量でビニシウスの動きを補完する役割を担い、アルバロ・カレラスがバックアッパーとなる。
中盤のダブルボランチは、ロドリが加入すれば彼がゲームメイクとバランスをもたらし、その隣でフェデ・バルベルデがラインブレイクやプレッシング、エリア内への侵入など自由な役割を与えられる。これにより、オーレリアン・チュアメニやエドゥアルド・カマヴィンガは控えに回る可能性が高く、放出の可能性もゼロではない。また、ベルナルド・シウバはダブルボランチの一角、右ウイング、トップ下など複数のポジションでプレー可能であり、重要な役割を果たす。
トップ下にはジュード・ベリンガムが入り、ライン間でのプレーや2列目からの飛び出しでフィニッシュに絡む役割を担う。アルダ・ギュレルは昨季素晴らしい活躍を見せたが、前線の層の厚さと新戦力の影響でスタメン定着は難しい状況にある。
前線は、左ウイングに契約延長が前提となるビニシウス、右ウイングに背後への抜け出しを武器とするディオマンデが入り、右サイドの攻撃力不足を解消する。そしてセンターフォワードにはキリアン・エンバペが配置される。モウリーニョはエンバペに対しても守備時のプレッシングや献身性を強く求める方針である。
ディオマンデとロドリの両名が加入した場合、トップチームの登録枠25名が埋まってしまうため、選手を放出してスペースを空ける必要が生じる。(via SPORT, Mundo Deportivo)
エンドリッキの去就と代表組の状況
カルロス・エスピの電撃加入により、ブラジル人FWエンドリッキの立場が非常に危うくなっている。パルメイラスから加入し、スペインでの3年目を迎えるエンドリッキだが、カルロ・アンチェロッティ監督時代には37試合で7ゴール(うち5ゴールはコパ・デル・レイ)と結果を残したものの、クラブワールドカップを欠場する怪我を機に出場機会が減少した。続くシャビ・アロンソ監督の下でも出場は3試合にとどまり、昨冬にオリンピック・リヨンへレンタル移籍していた。
リヨンでは21試合で8ゴール8アシストという好成績を残し、自信を取り戻してマドリードに復帰したが、モウリーニョ監督にアピールする前に新たなライバルが加わった。ゴンサロの移籍で空いた枠にエスピが入り、さらにロドリゴ、ブラヒム、マスタントゥオーノ、ギュレルといった選手たちとの競争も待ち受けている。
エンドリッキはワールドカップでノルウェー代表にラウンド16で敗れた後、金曜日にビニシウスとともにチームに合流する予定となっている。マドリードは2024年に彼を獲得するために支払った6000万ユーロをまだ回収できておらず、完全移籍で売却するか(保有権の一部を残す形など)、再びレンタル移籍させるかの決断を迫られている。(via SPORT, Mundo Deportivo)
フラン・ガルシアのベティス移籍の真相
フラン・ガルシアはレアル・マドリードを退団し、ベティスへ400万ユーロで移籍した。彼はラジオ番組で移籍の理由について語った。
『トップチームでプレーし、タイトルを獲得するという夢を果たし、環境を変える時期が来たと感じた。左サイドバックが4人もいて、私にとってサッカーは楽しみ、競争することだからだ』と出場機会の確保が最大の理由であったと明かした。
また、モウリーニョ監督とは自身が休暇中であったため、直接会話をせずにクラブを去ったことも認めた。海外クラブからのオファーもあったが、スペイン国内でのプレー、特にベティスへの加入を最優先していた。
『マヌ(スポーツディレクター)とは常に連絡を取り合っていた。クラブが私のために努力してくれることは分かっていたし、彼らがそうしてくれるなら、私も同じようにすると伝えていた。非常にワクワクするプロジェクトであり、初日から全員の親しみやすさに驚かされた』と語っている。
さらに、イスコから加入前に励ましのメッセージをもらったことを明かし、『彼は素晴らしい選手であり、信じられないほど素晴らしい人間だ。みんなが快適に過ごせるように気を使ってくれる』と称賛した。(via MARCA)
カンテラ売却と新戦力獲得に対する有識者の反応
マドリードの移籍市場での動きについて、複数のジャーナリストがラジオ番組で意見を戦わせている。
トマス・ロンセロはゴンサロの放出について『カンテラーノが去るのは辛いが、残っても出場機会が限られていたので理解できる。プレミアリーグで爆発すれば、マドリードは今数百万ユーロを得て、後で買い戻すこともできる』と語った。一方で、エスピの獲得については『驚きの名前だが、モウリーニョが推薦し、イタリアやイギリスでも評価されている21歳で1.94メートルのスペイン人だ。外国人を獲得することに反対はしないが、ゴンサロの代わりにはスペインの若手を起用してほしいと思っていた』と好意的に評価した。また、マドリードのカンテラ売却戦略を『優秀な大学で研究されるべきレベルだ。カンテラーノの売却だけで金庫に約2億ユーロをもたらすだろう』と絶賛した。
一方、ダビド・サンチェスはマドリードの育成方針を厳しく批判している。『シーズンが始まってもいないのに、マドリディスタはすでに祝杯をあげている。タイトルのためではなく、カンテラーノの売却による収支のバランスとキャピタルゲインのためにだ』と皮肉り、『彼らは売りたいから売るのだ。カンテラーノがトップチームで成功するのを見るよりも、彼らが残すお金を優先している。バルセロナがラミン・ヤマルを売却すれば2億ユーロ以上の収入になるが、バルセロナはカンテラーノがトップチームで成功することを望み、マドリードはカンテラーノを売却して帳尻を合わせることを好む』と両クラブの哲学の違いを指摘した。さらに『モウリーニョの時代はチャンピオンズリーグ準決勝進出を祝っていたが、今は移籍とキャピタルゲインを祝っている』と付け加えた。
ロベルト・ゴメスはエスピの獲得を高く評価し、『レアル・マドリードがスペイン人選手を獲得するのは非常に素晴らしいことだ』と強調した。また、直近のスペイン代表にマドリードの選手が選ばれていなかったことを嘆き、歴史あるクラブとして国内の才能に賭け続けるべきだと主張した。(via SPORT, MARCA)
その他のトピック: コンサート目撃情報、バレージ氏への追悼、バジェホの逸話
マドリードのシビタス・メトロポリターノで行われたYe(旧Kanye West)のコンサートにおいて、観客の中にレアル・マドリードのトレント・アレクサンダー=アーノルドとロドリゴの姿が目撃された。
クラブは、ACミランとイタリア代表の伝説的ディフェンダーであるフランコ・バレージ氏が66歳で死去したことを受け、公式に哀悼の意を表明した。声明の中で『彼は1982年スペインワールドカップにおいて、忘れられないサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムでの決勝戦で世界チャンピオンに輝いた』と、マドリードのホームスタジアムでの偉業を讃えるとともに、ご家族や関係者へサポートのメッセージを送った。
かつてレアル・マドリードに所属し、現在はアルバセテで2シーズン目を迎えるDFヘスス・バジェホに関する過去のエピソードが再脚光を浴びている。2014-15シーズン、当時サラゴサを率いていたランコ・ポポヴィッチ監督は、18歳だったバジェホの才能を高く評価し、彼にキャプテンマークを託した。その際、指揮官は『バジェホはバレージやルシオのようなセンターバックの資質を体現している。我々が恐竜のように絶滅させてしまったため、もはや存在しないタイプのセンターバックだ』と、今回亡くなったバレージ氏の名前を挙げて絶賛していた。
UEFAユースリーグ決勝において、レアル・マドリードがクラブ・ブルッヘを1-1からのPK戦の末(5-3)に破った記録も残されている。(via MARCA, Mundo Deportivo, SPORT)
【本日の総括】
カルロス・エスピの電撃加入とそれに伴うエンドリッキの去就、ゴンサロらの売却による巨額の資金確保、そしてディオマンデとロドリの獲得に向けた大掛かりな動きなど、モウリーニョ新体制に向けたチームの血の入れ替えが急速に進んでいます。カンテラビジネスに対する賛否両論の議論も白熱する中、新シーズンの陣容が固まりつつあります。