コルドバCF戦の結果と監督の采配

プレシーズン第3戦となるコルドバCFとのアウェイマッチは、スコアレスドローの末にPK戦へ突入し、相手のテオ・ジダンのミスによりセビージャが第4回プエルタス・デ・コルドバ杯を獲得しました。ルイス・ガルシア・プラサ監督は前半にカンテラ主体のメンバーを起用し、後半からトップチームの選手を投入する完全なターンオーバーを実施しました。監督は試合の評価について『前半と後半で全く異なるイレブンだったため評価は難しいですが、後半はトップチームの選手たちで支配することができました。チームは後ろから形になりつつあり、残留を争うチームにとって守備の安定は生命線です』と手応えと課題を口にしています。(via ElDesmarque)

トップチーム&カンテラ選手の個人評価

10点満点の選手評価では、守備陣とカンテラーノの健闘が光りました。

アルベルト・フローレス(8): 仕事は少なかったものの、ハーフタイム直前にPKをストップする大仕事。

イケル・ムニョス(7): スタメンの守備陣で最高の出来。カットも後方からのビルドアップも的確。

スアソ(6): 興味深い攻め上がりと良い守備を披露。今季の成長が期待される。

アグメ(6): 相手の遅れたタックルを受けながらも真剣にプレーし、チームの羅針盤となった。

ミゲル・シエラ(6): 後半から出場し、攻撃で最も献身的な働き。鋭いクロスやシュートでゴールに迫り、PKも成功。

ヘスス・クルス(6): 最初のチャンスに絡み、アクティブな動きを見せた。

ホルヘ・モレノ(6): 右サイドでコルドバの危険な攻撃陣にしっかり対応。

マリオ・ディアス(6): ムニョスと共に守備ラインで堅実なプレー。

セルヒオ・マルティネス(5): 守備で苦戦したものの、攻撃参加は良好。

マヌ・ブエノ(5): Bチーム登録ながらトップチーム常連としてキャプテンマークを巻くも、存在感は薄かった。

ニコ・ギジェン(5): ファンが最も期待する逸材。ゲーム理解度の高さを見せたが、不要なPKを献上。

ジェスリー(5): チームのために動き回ったが、前半の攻撃陣は見せ場を作れず。

マヌエル・アンヘル(5): 前戦から唯一の連続スタメン。あまり見せ場はなかった。

イブラ・ソウ(5): セットプレーの守備などで奮闘するも、前線では何もできず。

オディッセアス(5): 見せ場はなく、PK戦でも1本も止められなかった。

フアン・イグレシアス(5): 左センターバックに入り、多用性と真面目さを示した。

サンガンテ(5): キケ・サラス不在の中、右サイドで起用され闘志を剥き出しにプレー。

オソ(5): 危険なクロスを供給するも、足を引きずって試合を終えた。これがセビージャでの最終戦となる可能性がある。

ペケ(5): トップ下でアクティブに動き、多くのファウルを受けたが実を結ばず。

グリディ(5): 存在感なし。絶好のシュートを宇宙へ放つ。PKでは『ハゲ、ハゲ』と叫びながら見事に成功させた。

イサク・ロメロ(4): 1対1の決定機をトラップミスで逃す。ボールロストが多すぎたが、最後のPKは決めた。

カルモナ(4): 終盤に相手選手との衝突で退場。ただし主な原因は彼にはなく、右サイドの攻め上がりは良かった。(via ElDesmarque)

スタンドでのコルドバファンの挑発とセビージャファンの応援

試合前のスタンドは両チームのファンが混ざり合い、冗談を言い合うなど友好的な素晴らしい雰囲気でした。しかし、前半半ばにペナルティエリア付近でニコ・ギジェンが絡む小さな衝突が起きると空気が一変します。主審がメガホンで暴言を許さないと警告した直後、コルドバの熱狂的なゴール裏がセビージャファンを挑発し始め、最大のライバルを称える『ベティス、ベティス、ベティス』というチャントを大合唱しました。ピッチ上でも選手同士の衝突や口論が起きるなど熱を帯びましたが、現地に駆けつけた約500人のセビージャファンは挑発に乗ることなく、純粋に自分たちのチームへの応援を継続しました。セビージャファンは試合の1時間以上前から陣取り、カンテラ主体のスローペースな試合展開や暑さの中でもチームを鼓舞し続けました。なお、昨年と同様にボード陣、特にデル・ニド・カラスコ会長に対する辞任要求のチャントや厳しい言葉も歌われています。(via ElDesmarque)

アコル・アダムス売却とストライカー補強の急務

クラブはアコル・アダムスをヴェネツィアへ売却しました。移籍金は固定1700万ユーロに加え、変動ボーナスで最大2350万ユーロに達する非常に優れた取引となりました。しかし、これにより前線の頼れる選手がイサク・ロメロのみという危機的状況に陥っています。この事態を受け、ガルシア・プラサ監督はホセ・イグナシオ・ナバロSDに対し、スタメン級のストライカー1名と、ロメロとポジションを争う補完的なストライカー1名の合計2名の獲得を強く要請しました。監督の希望は、ラ・リーガを熟知している選手、できればチームのスペイン化路線に沿うスペイン人ストライカーです。現在、スポルティング・ブラガに所属する28歳のバレンシア出身FW、フラン・ナバロが候補に挙がっています。監督はプレシーズンに間に合わせるため少なくとも1人を早急に合流させるよう求めており、クラブは買い取りオプション付きのローン移籍を基本線として交渉を進めています。(via Estadio Deportivo)

フリオ・ディアスとの個人合意とアトレティコとの交渉

飽和状態の左サイドバックにおいて、クラブはアトレティコ・マドリードに所属する21歳のフリオ・ディアスと4年契約で個人合意に達しました。彼は昨季アトレティコのトップチームでラ・リーガ4試合(計311分)に出場し、サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦ではアシストも記録しています。実はレバンテが100万ユーロで彼の保有権の50%を獲得する寸前でしたが、セビージャの関心を知った選手本人が移籍をストップさせました。これに激怒したレバンテは交渉を打ち切り、代わりにセルタからマヌ・サンチェスをローンで獲得しています。

選手本人の同意は得ているものの、2028年まで契約を残すアトレティコ・マドリードは交渉を急いでいません。アトレティコは新ルールでのローン制限を回避するため、保有権の50%を売却して現金化しつつ、将来性を手放さない方針です。1部下位や2部上位の複数クラブからの関心も受けており、オークション形式で最高入札者を探る構えを見せています。また、セビージャ側も彼を獲得するためには、オソとペドロサを放出して枠と資金を空ける必要があります。(via Estadio Deportivo)

アドリアン・リソ獲得に向けたサラゴサとの駆け引き

ウイングの補強も急務となっており、クラブはレアル・サラゴサに所属する21歳の左ウイング、アドリアン・リソに熱視線を送っています。彼は昨季ヘタフェで1部デビューを果たした実力者ですが、サラゴサとの契約は2029年まで残っています。サラゴサのラロ・アランテギSDは『彼のような1部での経験を持つ選手が、1部RFEF(実質3部)でプレーするのは不可能です。しかし市場はまだ1ヶ月半残っており、決めるべきことはたくさんあります』と語り、要求額の500万ユーロから譲る気配を見せておらず、長期戦を覚悟しています。

セビージャを含む多くのクラブは500万ユーロを支払う意思がなく、買い取り義務のないローン移籍を提案しています。選手本人はラ・リーガでのプレーを強く希望しており、マジョルカ(2部)や、ベルギー、オランダ、ギリシャ(オリンピアコス)からのオファーを拒否しています。次点としてイタリア(ヴェネツィア、パルマ、ジェノア、トリノ)も視野に入れていますが、国内ではラージョやレバンテがセビージャの最大のライバルとなっています。エルチェ、アラベス、オサスナ、バレンシア(すでに撤退)、そしてボルダラス監督が高く評価するヘタフェも関心を示しており、激しい争奪戦が予想されます。(via Estadio Deportivo)

アレクシス・サンチェスの退団と今後の動向

昨季30試合で4ゴール2アシストを記録したアレクシス・サンチェスは、6月30日の契約満了をもってクラブを退団しました。アコル・アダムスの売却やタンギ・ニアンズの退団など、昨季から計9名がチームを去る中、彼だけはクラブが引き留めようと交渉を続けていました。ガルシア・プラサ監督も彼のクオリティを評価していましたが、クラブが提示した約50万ユーロの年俸と、サブとしての役割を本人が受け入れず、決裂に至りました。

現在フリーのサンチェスは、欧州5大リーグでのプレー続行を第一希望としています。しかし、条件を満たす魅力的なオファーが届かない場合、チリの移籍市場が閉まる8月15日までに、父親がファンだった母国のウニベルシダ・デ・チレに19年ぶりに復帰する計画を立てています。メキシコ、アルゼンチン、MLS、サウジアラビア、そして1月にも関心を示していたブラジルのコリンチャンスやインテルナシオナルからのオファーも手元にあり、今後の決断が注目されます。(via Estadio Deportivo)

オソ、ペドロサ、エジュケの放出状況

フリオ・ディアス獲得の鍵を握る左サイドバックの放出は難航しています。オソに対してはオリンピアコスからオファーが届いていましたが、セビージャはこれを拒否しました。その後、オリンピアコスのオーナーであるエヴァンゲロス・マリナキス氏が800万ユーロの提示額を引き上げることを拒否したため、交渉は完全に停滞しています。一方のペドロサは、エルチェでのローンから復帰したもののガルシア・プラサ監督の構想には入っていません。コルドバ戦の遠征メンバーから外され、明日からはホアン・ジョルダンやラファ・ミルらがいる戦力外グループと共に別メニューでの調整を命じられる予定です。

また、チデラ・エジュケもコルドバ戦の遠征メンバーから外れました。表向きは戦術的理由ですが、実際は移籍交渉を解決するためです。CSKAモスクワからフリーで加入した彼は、2027年までの契約を残しており、クラブは400万から500万ユーロの移籍金を得てキャピタルゲインを生み出す計画です。アンデルレヒトのほか、サウジアラビアやカタールのクラブが関心を示しており、数時間以内に交渉がまとまる可能性があります。(via ElDesmarque / Estadio Deportivo)

ラファ・ミルとホアン・ジョルダンの停滞する去就

クラブの悩みの種となっているのが、高額年俸を受け取る選手の放出問題です。ホアン・ジョルダンはプレシーズン2日目から別メニュー調整を命じられていますが、姿勢を全く崩していません。年俸約700万ユーロを受け取る彼は、昨季クラブから契約の見直しと減給を求められた際にも拒否しています。彼が居座ることでサラリーキャップが圧迫され、オソやルベン・バルガスの交渉、そして待望のストライカー補強がブロックされている状態です。32歳で残り1年の契約を全うしてフリーで退団し契約金を狙うか、出場機会を求めて退団を受け入れるか、本人の決断が待たれます。

一方、ラファ・ミルは1ヶ月間公の場から姿を消していましたが、SNSでセビージャの練習施設で単独トレーニングを行う写真を投稿しました。クラブも本人も、チームメイトと一緒にいる姿が双方にとってマイナスであることを理解しており、単独調整を受け入れています。彼がスペイン国内のクラブへ移籍することは事実上不可能となっており、法的問題が解決するまでは、契約解除による海外クラブへの移籍のみが唯一の選択肢となっています。(via ElDesmarque)

プレシーズンの負傷者および休暇中の選手

コルドバ戦では、トップチーム登録の選手がわずか9人しか帯同できない緊急事態となりました。新たな負傷者としてキケ・サラスが大腿四頭筋の軽い違和感により離脱しました。彼に加えて、マルカオ、フアンル、プレシーズン全休が確定しているアルフォン、そしてグループ練習に復帰したばかりのアンドレス・カストリンが怪我のため欠場しています。なお、アルフォンに関しては、セルタが彼の復帰を検討しているとの情報もあります。さらに、スイス代表としてワールドカップでベスト8まで進出したルベン・バルガスとジブリル・ソウは、現在も休暇を継続しておりチームには合流していません。新加入選手はホン・グリディ、フアン・イグレシアス、アルナ・サンガンテ、オディッセアスの4名に留まっており、指揮官の選択肢は非常に限られています。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)

医療部門トップの刷新:フェリペ・セグラの招聘

クラブは医療部門の大規模な刷新を行い、新たな責任者としてフェリペ・セグラ・オルティス氏を招聘したことを公式発表しました。前任のアントニオ・トラムジャス氏は2025年12月の就任からわずか7ヶ月で解任される形となりました。1968年ハエン生まれのセグラ氏は、グラナダ大学医学部を卒業し、マラガ大学でスポーツ医学を専門としたベテランです。CBグラナダ、スペインバスケットボール連盟、グラナダCFを経て、近年はレアル・マドリードでトップチームの医師および医療部門ディレクターを務めていました。彼はマドリード時代にキリアン・エムバペの膝の診断を誤ったことで批判を浴び、マドリードが医療部門を総入れ替えしたことに伴い退任していました。相次ぐ負傷者に悩まされるセビージャの医療体制を、経験豊富な彼がどう立て直すのか注目されます。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)

今後のプレシーズン日程と開幕第2節でのイベント

プレシーズンは、初戦のフベントゥド・トレモリーノス戦(1-0勝利)、第2戦のKSクラコビア戦(0-1敗戦)、第3戦のコルドバCF戦(0-0、PK戦勝利)を終えました。今後は日曜日(7月26日)にエスタディオ・ヘスス・ナバスでADセウタとの無観客試合を行い、その後はオランダへ遠征してNECナイメヘン(7月31日)とFCユトレヒト(8月2日)と対戦します。最後はドイツへ渡り、バイエル・レバークーゼン(8月8日)と激突します。ガルシア・プラサ監督は今後の試合について『来週の試合のうち1つは各グループに45分間プレーさせ、もう1つの試合ではトップチームの選手に70〜75分間プレーさせる計画です。筋肉系の怪我のリスクを避けるため、Bチームの選手の起用も慎重に調整します』とプランを明かしています。

また、ワールドカップの影響で8月22日(土)17時キックオフに変更・延期されたラ・リーガ開幕第2節のアウェイ、アスレティック・ビルバオ戦(サン・マメス)では、試合前に特別なセレモニーが予定されています。ワールドカップで優勝を果たしたスペイン代表のウナイ・シモン、ラポルテ、ニコ・ウィリアムズ、そしてデ・ラ・フエンテ監督への表彰が行われ、さらに亡くなったカルメロ・セドルン氏への黙祷も捧げられる予定です。(via ElDesmarque / Estadio Deportivo)

【本日の総括】

コルドバ戦をPK戦の末に制したものの、度重なる怪我人や放出候補の別メニュー調整によりトップチームの選手はわずか9名という危機的な台所事情が浮き彫りになりました。アダムス売却で得た豊富な資金を元に、監督が熱望するストライカー2名や、合意済みのフリオ・ディアス、交渉中のアドリアン・リソの獲得を急ぎたいところですが、ホアン・ジョルダンらの高額年俸選手が居座ることで移籍市場が停滞しています。医療部門のトップをレアル・マドリードから引き抜くなど体制の立て直しも図っており、開幕に向けてフロントの素早い立ち回りが求められています。