死闘の末に痛幸のドロー
2026年9月6日に開催されたラ・リーガ第4節、敵地でのエスパニョール戦は、劇的な展開の末に1-1の引き分けで幕を閉じました。前半は互いに手の内を探り合う膠着した展開となり、セビージャは開始1分にコチョラシュヴィリが警告を受けるなど、前半だけで3枚のイエローカードをもらうタフな肉弾戦を強いられます。後半に入ると、一人少ない状況になりながらもセビージャは驚異的な粘り強さを見せて先制に成功。しかし、9分という長いアディショナルタイムの猛攻を耐えきれず、97分にエスパニョールのマルコス・フェルナンデスに頭で押し込まれて痛恨の被弾。目前で勝利を逃す結果となりました。これで今季は勝ち点7(2勝1分け1敗)となっています。(via Estadio Deportivo)
サンガンテ退場を巡る大論争
試合の運命を左右した最大の争点は、後半55分のアルナ・サンガンテの一発退場シーンでした。エスパニョールのエドゥ・エスポジトが浮き球パスを送り、ロベルト・フェルナンデスが裏に抜け出そうとした瞬間、サンガンテがスライディングでボールをクリア。非常にクリーンに見えたタックルでしたが、主審のミゲル・セスマ・エスピノサは即座にレッドカードを提示しました。リプレイ映像ではサンガンテが明らかに先にボールを突いており、解説や選手たちも疑問を呈する判定でしたが、VARのダニエル・ヘスス・トルヒーヨ・スアレス(およびピサロ・ゴメス)は主審にモニター確認すら促さずスルー。この理不尽な裁定に対し、ベンチで抗議したプラサ監督にもイエローカードが提示されるなど、大きな物議を醸しています。(via ElDesmarque)
新星スタシンが衝撃のデビュー弾
数々の逆境に見舞われながらもチームを一時歓喜へと導いたのは、移籍市場最終日に加入したばかりの新鋭たちでした。後半53分にピッチに投入されたベルギー出身のFWルーカス・スタシンは、直後に訪れた決定機こそ阻まれたものの、85分に真価を発揮します。ホセ・アンヘル・カルモナの力強いロングスローが相手のミスクリアを誘うと、ゴール前でいち早く反応。見事なボレーを叩き込み、デビュー戦で貴重な先制ゴールを挙げました。さらに、同じタイミングでピッチに入ったMFユスフ・フォファナも、長期間の実戦離脱を感じさせない強靭な肉体と推進力を中盤で示し、試合終盤にはハーフウェーライン付近から超ロングシュートを放って敵地を震撼させるなど、特大のインパクトを残しました。(via SPORT)
プラサ監督の怒りと自省
ガルシア・プラサ監督は試合後、サンガンテへのレッドカード判定に対して激しい怒りを表明しました。会見では『あれは絶対にレッドカードではない。はっきりとボールに触っているのだから、解釈の余地など存在しない。ボールを奪いに行った後、選手はどうやって自分の身体を消せばいいというのか。フットボールはもっとシンプルなものであるはずだ』とまくし立て、スマートフォンに『あれは赤じゃない』という関係者からのメッセージが殺到していることを明かしました。一方で、ラスト2分で喫した同点劇には極めて厳しい目を向け、『あのようなエリア内での守備は決して許されるものではなく、今すぐ修正しなければならないエラーだ。ただ、10人での戦いはほぼ完璧であり、チームの競争力と4試合で勝ち点7という結果には大いに満足している』と振り返っています。(via MARCA)
ヴラホディモスの神対応
過酷な残暑の中、セビージャの守護神を務めたオディッセアス・ヴラホディモスは、試合中に見せた美しいスポーツマンシップで敵地サポーターから大絶賛を浴びました。21時キックオフにもかかわらず、バルセロナは気温27度、湿度76%という極めて過酷な熱帯夜。スタンドの3万人を超える観客も熱中症寸前の息苦しさに喘ぐ状況でした。前半終了を告げる笛が鳴り、チームが控室に戻る際、ヴラホディモスはゴール裏のスタンドにいたエスパニョールサポーターたちの疲弊した様子に気づきます。彼は自身のゴールマウス裏に保管していた水分補給用のウォーターボトルを次々と手に取り、スタンドへ向けて4本投げ渡したのです。自らは1本だけを手に引き上げるという心優しいジェスチャーは、サポーターの心を温めました。(via ElDesmarque)
恩人アルバレスがメキシコ移籍を激白
今夏の市場閉幕の直前、自身の電撃移籍によって古巣セビージャに「奇跡の恩返し」をもたらしたのがカンテラ出身のゲームメイカー、カルロス・アルバレスでした。彼がレバンテからメキシコのクラブ・アメリカへ総額約750万ユーロ(約600万ユーロ固定+変数)で移籍したことにより、セビージャはかつて保持していた売却条項(30%)に基づき約180万ユーロを手にし、これがフォファナらの選手登録資金の決定打となりました。メキシコに到着したアルバレスはインタビューで、『アギラスのみなさん、こんにちは。早くファンのみなさんに会いたいです。もう私はクラブの一員です』と幸せそうに語り、さらにこの移籍の裏に宿敵レアル・ベティスの選手であるアルバロ・フィダルゴがアドバイザーとして一役買ってくれていたことを明かし、その誠実さに深く感謝しました。(via Estadio Deportivo)
ジョルダンの現状とポルトガルで爆発する元セビージャ戦士
今夏、他クラブへと去ったセビージャ関係者たちの新天地での明暗も大きな話題となっています。エストレラ・アマドーラへレンタル移籍したジョアン・ジョルダンは、セビージャでの別メニュー調整による調整遅れが響いており、直近の試合でも1分間の出場に留まるなど、未だに実戦勘を取り戻すプロセスの中にいます。その一方で、2024年にセビージャがBチーム強化のために獲得し、1年でポルトガルへ移籍していったレアンドロ・アントネッティがエストレラで大覚醒。ファマリカン戦でもゴールを決め、なんと開幕から4試合連続ゴールをマーク。ポルトガル1部リーグで得点ランキング2位に躍り出るなど、セビージャ退団後にその才能を完全開花させて注目を浴びています。(via Estadio Deportivo)
セビージャBが劇的勝利で開幕
トップチームの劇的な死闘に先立ち、若きセビージャB(セビージャ・アトレティコ)もセグンダ・フェデラシオン(4部リーグ)グループIVの開幕戦で素晴らしいスタートを切りました。敵地タマラセイテ戦に臨んだヤング・セビージャは、トップチームのプレシーズンを盛り上げ、プラサ監督からも熱視線を注がれていた18歳の中盤のコンダクター、ニコ・ギジェンが「10番」を背負って先発出場。中盤を完璧に掌握し、存在感を示しました。試合は膠着状態が続きましたが、89分に途中出場のFWイケル・ヴィジャールが泥臭く相手ディフェンスの裏を突いてゴールを陥れ、値千金の1点をもぎ取って1-0で勝利。見事に完封での開幕白星発進となりました。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
エスパニョールとの敵地戦は、サンガンテへの極めて理不尽な退場判定により後半の大半を10人で戦う窮地に陥りました。新戦力スタシンの鮮烈なデビュー弾で一時は勝ち越しに成功したものの、試合終了間際の守備の隙を突かれて1-1の痛恨ドロー。それでも、過酷な状況下で見せたファイティングスピリットや新戦力たちの躍動、さらにBチームの開幕戦完封勝利は、今季のプロジェクトの確かな前進を感じさせています。
