新監督・コーチ人事と首脳陣の動き

ジョゼ・モウリーニョが今後3シーズンの契約でレアル・マドリードの新監督に就任した。無冠に終わったシーズンとシャビ・アロンソの突然の辞任後を受けたアルバロ・アルベロア体制(28試合で18勝2分8敗、ロッカールームで孤立)からの立て直しを図る。フルハムのマルコ・シウバがベンフィカへ、ベンフィカのモウリーニョがマドリードへ、そしてマドリードを去るアルベロアがフルハムの監督に就任するという、3クラブ間での監督の玉突き人事が順調に進行している。モウリーニョのコーチングスタッフとして、ジネディーヌ・ジダンがかつて務めたような、現場とフロントの橋渡し役が求められており、レジェンドのペペが候補に挙がった。しかしペペ本人は『マドリードのことになると、私は常に感謝している。未来はどうなるか分からない。今日のように、プレーして人々を助けるために誰かが私を必要とするなら、私は常にマドリードのために準備ができている』と語りつつも、『2年前に現役を退いたばかりで、まだ早すぎる』としており、現在はロベルト・マルティネスのスタッフであるリカルド・カルヴァーリョが有力候補となっている。(via SPORT, MARCA, Mundo Deportivo, Estadio Deportivo, ElDesmarque)

移籍市場の動向:獲得編

モウリーニョ監督の就任に伴い、即戦力となるエリート選手の獲得が進行中。右サイドバックのデンゼル・ダンフリースとセンターバックのイブラヒマ・コナテの獲得がすでに決定。さらに、ジョルジュ・メンデスの影響力もあり、ベルナルド・シウバの獲得もわずか32時間で実質的にまとまった。アトレティコ・マドリードとの合意を破棄させてのフリー加入となり、クロース、ナチョ、モドリッチ、ホセルといったリーダー層が抜けた穴を埋めるキャプテンシーも期待されている。守備陣では、ダビド・アラバやアントニオ・リュディガーのような成功例を求め、モウリーニョが左サイドバックもこなせるセンターバックを要望。マンチェスター・シティのヨシュコ・グヴァルディオル、ボローニャのリッカルド・カラフィオーリ、ドルトムントのニコ・シュロッターベックらがリストアップされている。シュロッターベックにはマドリードやリバプールなど一部のクラブしか行使できない5000万〜6000万ユーロの特別な契約解除条項が存在する。また、モウリーニョは他にもルーベン・ディアス、マテウス・ヌネス、マテウス・フェルナンデス、エンソ・フェルナンデスらの獲得を要求している。(via SPORT, MARCA)

F・ペレス会長の強気の動きとその代償

エンリケ・リケルメとの会長選を制したフロレンティーノ・ペレスは、バルセロナへの対抗心から移籍市場で強硬な手段に出た。バルサのデコSDが狙っていたダンフリースを奪い、ベルナルド・シウバには倍額のオファーを出して強奪。さらにバルサへの売り込みがあったグヴァルディオルも標的にした。極めつけはフリアン・アルバレスに対する1億5000万ユーロのオファーだが、これは選挙対策とバルサへの牽制(価格吊り上げ)を狙ったパフォーマンスであり、スポーツ面の実体はなかった。アトレティコからは拒否され、アルバレス陣営との関係も完全に破綻した。この1億5000万ユーロの資金力アピールが仇となり、マドリードが狙う選手の市場価格が高騰。シュロッターベックは8000万ユーロ、グヴァルディオルは1億ユーロ、マテウス・フェルナンデスは毎日100万ユーロずつ値上がりして9800万ユーロ(獲得断念の可能性あり)、エンソ・フェルナンデスは1億4000万ユーロを要求される事態に陥っている。さらに、会長選終了を待ったことでモウリーニョの契約解除金も300万ユーロから1500万ユーロに跳ね上がった。(via SPORT)

移籍市場の動向:契約更新・退団編

ダニ・カルバハル、ダビド・アラバの退団が決まっている。一方、ブラヒム・ディアスは現在の2027年までの契約を2030年まで延長する複数年契約で合意に達しており、公式発表を待つのみとなっている。ユベントスからのオファーもあったが、本人はモウリーニョ新体制での活躍を最優先した。一方、ヴィニシウス・ジュニオールは残り1年となる契約の更新を保留。フロレンティーノ・ペレスが焦りを見せる中、ヴィニシウスは『マドリードのことは来シーズン話す。今はワールドカップに集中している』と語り、モウリーニョの就任やベルナルド・シウバの加入にも動じない姿勢を見せている。なお、ヴィニシウスは『アンチェロッティ監督は私にプレーする自由を与えてくれる。レアル・マドリードで彼と一緒にやったのと同じことを、今度はブラジル代表で、このワールドカップでやりたい』と、前任のカルロ・アンチェロッティ監督に絶大な信頼を寄せている。イングランド代表のジュード・ベリンガムは10番のポジション争いを制してスタメン出場が確実視されている。ベルギー代表のティボ・クルトワは自身の去就について『レアル・マドリードでは30歳を過ぎると1年契約の更新しかオファーされない。だからそのことについてはかなりリラックスしている。パフォーマンスを発揮し続ければ契約更新は問題ないが、いずれは後継者について考えなければならないだろう』と語った。(via SPORT, ElDesmarque, Mundo Deportivo)

エムバペが語るチュアメニとマドリードの重圧

フランス代表のキリアン・エムバペは、チームメイトのオレリアン・チュアメニについて『彼は圧倒的だ。チームにとって重要な選手であり、第二キャプテンだ。今シーズンのマドリードで最もコンスタントな選手の一人だった』と大絶賛した。さらに、慣れないセンターバックでのプレーを強いられながらも批判を浴びたチュアメニを擁護し、『私がレアル・マドリードに来た時、オレリアンは難しい状況にあった。プレッシャーにさらされていた。その後、彼はセンターバックとしてプレーすることも多かったが、マドリードではそんなことは関係ない。センターバックでプレーしようがミッドフィルダーでプレーしようが、パフォーマンスを発揮できなければ放っておいてはくれない。そこはそういう所なんだ。でも、彼が状況を好転させたその個性が気に入った。彼はその経験からより強くなって抜け出した』と、レアル・マドリードのファンや環境の厳しさについて言及した。(via Mundo Deportivo, SPORT)

コラソン・クラシック・マッチでの逆転勝利

サンティアゴ・ベルナベウで第13回「コラソン・クラシック・マッチ」が開催され、レアル・マドリード・レジェンズがインテル・レジェンズに2-1で逆転勝利を収めた。教皇レオ14世のクラブ名誉会員就任からわずか5日後、ペレス会長再選およびモウリーニョ復帰後初の試合としてスタジアムは満員となった。カシージャス、イエロ、ラウール(対立候補陣営に参加)、クロース、マルセロ、ロベルト・カルロス、ロナウド、フィーゴらは欠場したが、ペペ、ペドロ・レオン、ミチェル・サルガド、エステバン・グラネロ、マケレレらがプレー。前半41分にミチェル・サルガドのファウルからエルナネスのPKで先制を許したが、後半にペペがトニ・モラルのクロスからヘディングで同点弾をマーク。大歓声を浴びたペペは、モウリーニョ時代の2011年を彷彿とさせるように中盤までカバーする活躍を見せた。その後、再びトニ・モラルのクロスからダビド・バラルが頭で合わせて逆転。バラルはクリスティアーノ・ロナウドの「Siuuu!」パフォーマンスを披露し、ファンを沸かせた。(via Mundo Deportivo, MARCA, ElDesmarque, Estadio Deportivo)

ネグレイラ事件に関するUEFAへの圧力

フロレンティーノ・ペレス会長は選挙戦の武器としてネグレイラ事件に強硬な姿勢を示し、チャンピオンズリーグ決勝の場でUEFAのチェフェリン会長に500ページに及ぶ詳細な告発文書を提出した。文書ではスポーツ面での処分や、ペップ・グアルディオラ時代を含む疑惑の期間中にFCバルセロナが獲得したタイトルの剥奪を求めている。しかし、スペインの司法による確定判決が出るまでUEFAは介入しない方針であり、この文書は事実上の空振り(紙くず)となっている。バルセロナ側は一貫して無実を主張しており、ペレス会長の度重なる非難に対して調停申立を行った。(via SPORT)

サンティアゴ・ベルナベウのコンサート騒音問題

サンティアゴ・ベルナベウでのコンサート騒音を巡る住民との対立は依然として続いている。最高裁判所は手続上の問題としてレアル・マドリードの上訴を棄却したが、これはコンサート開催の違法性を決定づけるものではない。ホセ・アンヘル・サンチェスGDらは刑事責任を問われないことが決定し、防音対策の責任はイベントのプロモーターにあるとされた。クラブは外装のラミネート密度を高めるなどの防音工事に多額の追加費用を投じており、2027年1月のアンドレア・ボチェッリのコンサートから音楽イベントを再開する計画を立てている。直近では教皇レオ14世の訪問に伴う7万人規模のイベントが開催され、ダビド・ブスタマンテらが出演したため、これがコンサート再開に向けた「公開リハーサル」ではないかとの見方もある。クラブは、ライバルのアトレティコ・マドリードの本拠地メトロポリターノでバッド・バニーのコンサートが10回連続で開催されていることを引き合いに出し、同等の扱いを求めている。(via SPORT)

【本日の総括】

モウリーニョ新体制が発足し、ベルナルド・シウバらの獲得で戦力補強が急速に進む一方、ペレス会長の強気の交渉術が市場価格の高騰という思わぬ代償を招いています。ヴィニシウスの契約延長保留やベルナベウの騒音問題など、ピッチ内外で解決すべき課題が山積している一日となりました。