新プロジェクトと首脳陣動向

レアル・マドリードの新たな指揮官としてジョゼ・モウリーニョが就任し、サンティアゴ・ベルナベウにて新プロジェクト「2.0」を推し進めている。一方で、これまでレアル・マドリードを率いていたシャビ・アロンソはクラブに別れを告げ、チェルシーの新監督に就任した。また、2021年6月にレアル・マドリードの監督を退任して以降もマドリードに住み続けていたジネディーヌ・ジダンは、ディディエ・デシャンの後任としてフランス代表監督に就任することが決まった。ジダンは現役時代だけでなく、監督としてもチャンピオンズリーグ3連覇や2度のリーグ優勝など、レアル・マドリードで輝かしい成功を収めており、今後の代表チームでの手腕が注目されている。(via SPORT)(via ElDesmarque)(via MARCA)(via Mundo Deportivo)

移籍市場:獲得編

クラブは今夏、すでにサイドバックのマルク・ククレジャとデンゼル・ダンフリース、センターバックのイブラヒマ・コナテ、中盤のベルナルド・シウバの獲得を完了させている。ククレジャはチェルシーから5500万ユーロ(約6000万ユーロとも報じられる)で加入し、2032年までの長期契約を結んだ。彼はスペイン代表としてW杯決勝に出場する唯一のレアル・マドリード所属選手であり、まだ白いユニフォームで1分もプレーしていないにもかかわらず世界王者になれば、クラブ史上12人目の快挙となる。また、モウリーニョ監督は左サイドバックとしてククレジャと共にアルバロ・カレーラスを計算に入れており、現在5000万ユーロを要求して交渉中だが、シャビ・アロンソ率いるチェルシーも値下げを求めて獲得を狙っている。

さらに、モウリーニョ監督は少ないタッチ数でゲームメイクできる中盤の選手を強く要望した。当初クラブ上層部は、ロドリ・エルナンデスの過去の膝の重傷歴を懸念し、カマヴィンガなどを放出しない限り獲得しない方針であったが、W杯フランス戦などでの圧倒的なパフォーマンスを見て方針を転換し、獲得に本腰を入れることを決定した。ロドリ本人もマンチェスター・シティで7シーズンを過ごした後、レアル・マドリードへの移籍に前向きな姿勢を見せており、『レベルを上げることは決断の助けになる。自分のパフォーマンスには満足しているが、今は栄光まであと一歩のところにいる。この大会が終わったら決着をつけたい』と語っている。

一方で、フロレンティーノ・ペレス会長が熱望する「銀河系」のターゲット、マイケル・オリーズについては、バイエルン・ミュンヘンが2億2000万ユーロでも売却を拒否する姿勢を見せている。マドリー側は最大2億2000万ユーロを投資する準備があるものの、バイエルンとの良好な関係を保つための紳士協定により、選手側からのアクションがない限り動かない構えであり、公式には関心を否定しつつも僅かな可能性を残すにとどまっている。今夏の獲得は不可能に近いと見られている。

将来の備えとしては、アーリング・ハーランドの獲得計画がある。ヴィニシウス・ジュニオールが契約延長を行わず2027年にフリーで退団する場合、1億5000万から2億ユーロに設定されている契約解除金を支払って獲得する青写真を描いており、選手の元幹部もマドリー移籍が目標の一つだと認めている。(via SPORT)(via MARCA)(via Mundo Deportivo)(via ElDesmarque)

移籍市場:放出・レンタル編

マンチェスター・ユナイテッドがエドゥアルド・カマヴィンガの獲得を熱望しているが、本人はサンティアゴ・ベルナベウに残り、モウリーニョ監督を説得してスタメンを勝ち取る意志を固めている。彼がロドリ獲得のための放出候補と見られていたものの、選手の意志が強いためユナイテッドとの交渉は進んでいない。また、フェルラン・メンディについては、度重なる怪我と残り2年の契約がネックとなり移籍先が見つからないため、クラブは契約の合意解除を検討している。彼はモウリーニョ監督の構想外となっている。

若手選手の動きも活発化している。来年で契約満了となり、トップチームでCLなど7試合の出場経験を持つ21歳のセサル・パラシオスは、恩師アルバロ・アルベロアが率いるフラムへの移籍が最優先事項となっている。昨季のユースリーグ優勝やトップチームでのアラベス戦スタメン出場を経験したカスティージャ所属の19歳CB、ビクトル・バルデペーニャスは、フィオレンティーナへ800万ユーロで移籍することが口頭合意に達した。2031年までの契約となり、マドリーは将来の売却益の50%と優先交渉権を保持する。さらに、アルバロ・ロドリゲスはエルチェからボーンマスへ2500万ユーロとボーナスで移籍し、マドリーが保有権の50%を持っていたため、その半額を手にすることになった。一方、ベティスはCFの補強としてゴンサロ・ガルシアのレンタル獲得を検討しているが、マドリー側の要求により交渉は難航している。(via SPORT)(via MARCA)(via Mundo Deportivo)(via Estadio Deportivo)

エムバペのW杯記録と騒動

フランス代表キャプテンのキリアン・エムバペは、チームが昨季無冠に終わったことがバロンドール獲得の足かせになると見られている中、W杯の3位決定戦イングランド戦で2ゴール1アシストを記録した。これにより彼はW杯通算22ゴールに到達し、リオネル・メッシ(21ゴール)やミロスラフ・クローゼ(16ゴール)を抜いて歴代単独トップの記録を樹立した。また、今大会10ゴールで得点王(ゴールデンブーツ)をほぼ手中に収めている。

しかし、イングランド戦の前半は守備が崩壊し0-4となる中で、エムバペは個人プレーに走り、失点後も元PSG時代の恩師であるトーマス・トゥヘル(現イングランド監督)と談笑し笑顔を見せる場面があり、強い批判の的となった。後半に入ると反撃を牽引し、試合後のインタビューでは『シャツへの敬意を欠いたと言う人がいるのも理解できるが、我々も人間だ。後半は勝ったが試合には勝てなかった。デシャン監督の最後の試合で彼を失望させた』と反省を口にした。メッシの記録については『明日の決勝でメッシは必ず点を決めるだろう。歴史的最多得点者になるよりも、明日の決勝をプレーしたかった。自分のレガシーにとっては素晴らしいことだが、今一番に考えることではない』と冷静に語っている。

さらに、デシャン監督の退任に際してはSNSで『人々はあなたの偉大さを理解していないこともあるが、時間と歴史がそれを証明するだろう。14年間の貢献を言葉にするのは難しい。あなたのような国の伝説の隣にいられたことは特権だ。もっと良い結末をプレゼントすべきだったが、我々は失敗してしまった』と惜別と謝罪のメッセージを送った。

プライベートでも騒動があり、自身のインスタグラムで女優のエステル・エスポシトがフランスのユニフォームとキャプテンマークを身に着けた写真を数秒間誤爆で投稿し、すぐに削除したもののスクリーンショットが拡散され、SNS上で大きな話題となっている。(via SPORT)(via MARCA)(via Esport3)(via ElDesmarque)(via Mundo Deportivo)(via Estadio Deportivo)

ベリンガムの歴史的活躍

イングランド代表の10番を背負うジュード・ベリンガムは、W杯でイングランド代表最多記録となる1大会7ゴールを達成し、ゲーリー・リネカーやハメス・ロドリゲスの記録を塗り替えた。3位決定戦のフランス戦ではベンチスタートだったが、3-4と追い上げられた後半に途中出場し、ピッチに入ってすぐに存在感を発揮。ブカヨ・サカにPKを譲る利他的な場面を見せた後、試合終了間際にはドリブルで複数人をかわす歴史的なスーパーゴールを決め、4-6として銅メダル獲得の立役者となった。大会を通じてハリー・ケインを凌ぐリーダーとしての資質と勝負強さを見せつけ、レアル・マドリードのファンに対しても、過去2シーズンの不満を忘れさせるほどの圧倒的なパフォーマンスであったと絶賛されている。

一方で、準決勝のアルゼンチン戦終了後には、エンソ・フェルナンデスのゴールを目の前で過剰に喜んだアルゼンチン代表のバレンティン・バルコに対し、怒って頭を叩くという小競り合いを起こした。この行動に対し、バルコの妻からSNSで『役立たず。泣くなら別のスポーツをすればいい。暴力的な人間』などと激しく批判される事態も起きている。(via SPORT)(via MARCA)(via Mundo Deportivo)(via ElDesmarque)

コナテの悲惨なW杯デビュー

新加入のイブラヒマ・コナテは、フランス代表としてW杯に参加したものの、デシャン監督の構想では4番手のセンターバックと位置付けられ、大会を通じてベンチを温め続けていた。そして迎えた3位決定戦のイングランド戦で、ようやく今大会初出場・初先発のチャンスを掴んだ。しかし、試合は前半だけで4失点を喫するというフランス守備陣の完全な崩壊に見舞われた。コナテ自身に直接的なミスはなかったものの、デュエル勝率の低さやクリアの少なさなどパフォーマンスは振るわず、チームの惨状の責任を問われる形でハーフタイムにダヨ・ウパメカノと交代させられるという、まさに悲惨なデビューとなってしまった。この悔しさとリベンジの思いを胸に抱え、彼はマドリードへと合流することになる。(via MARCA)(via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

モウリーニョ新監督によるプロジェクトの本格始動に伴い、ククレジャやコナテらの加入、ロドリ獲得への本腰など積極的な動きが見られる一方、W杯ではエムバペの歴代最多得点記録やベリンガムの歴史的活躍が大きな話題をさらった一日となりました。