アコル・アダムスの去就とヴェネツィアとの移籍交渉

アコル・アダムスの売却に向けた動きが重要な局面を迎えている。アダムスは休暇を終えてチームに合流し、木曜日の午後にはシウダー・デポルティーバ・シスネロス・パラシオスでジムでの個別練習を行った。数週間前には退団を考えていないと発言していた彼だが、すでにイタリアのヴェネツィアと2030年までの契約を結ぶというプレ合意に達している。

ヴェネツィアのフィリッポ・アントネッリSDが水曜日の夜にセビリアに到着し、木曜日の午後にセビージャのフロント陣と直接会談を行った。セビージャは新加入選手であるグリディ、フアン・イグレシアス、サンガンテ、そして復帰したオディッセアス・ヴラホディモスの選手登録を行うために移籍金による利益を必要としている。しかし、昨季10ゴールを挙げたチームの最大資産を安売りするつもりはなく、当初設定していた2000万ユーロからは引き下げたものの、依然として1500万ユーロを要求している。セビージャは1年半前にモンペリエから彼を550万ユーロで獲得しており、この移籍で約1000万ユーロのキャピタルゲインを得る計算を描いている。

一方のヴェネツィアは1500万ユーロ以下での獲得を目指しており、すでに1000万ユーロの固定額に200万ユーロの変動額を加えた条件を提示し、両者の希望額の差は縮まりつつある。木曜日の会談では新たな具体的オファーは提示されなかったが、ヴェネツィア側は近日中に正式な新提案を行うと約束した。ヴェネツィアは選手との合意を武器にプレッシャーをかけており、同時に他のストライカーも検討しているという情報をリークして交渉を優位に進めようとしている。アントネッリSDは日曜日から始まるヴェネツィアのプレシーズン開始に立ち会うため、週末にはセビリアを離れる予定となっている。なお、アダムスにはオリンピック・マルセイユも関心を示している。(via ElDesmarque) (via Estadio Deportivo)

プレシーズンの練習状況と親善試合のスケジュール

ルイス・ガルシア・プラサ監督の指揮の下、チームは木曜日に午前と午後の2部練習を実施した。午前のセッションの冒頭で監督はホワイトボードを使用し、選手たちに戦術の概念を詳細に説明する姿が見られた。

練習には、残留を固めたオディッセアス・ヴラホディモスとガブリエル・スアソが全体練習に初合流した。また、負荷を管理するために水曜日のセッションを休んでいたサンガンテとイサク・ロメロも、木曜日の午前には通常練習に復帰している。休暇から戻ったばかりのチデラ・エジュケは、ミーティングの後にピッチを離れ、個別のメニューを消化した。

チームは今週の土曜日21時から、エスタディオ・ヘスス・ナバスでフベントゥド・デ・トレモリーノスとプレシーズン最初の親善試合を戦う。この試合は無観客で行われる。続いて7月19日の日曜日16時には、ポーランドでKSクラコヴィアとの対戦が予定されている。セビージャはラ・リーガ開幕までに合計7試合のプレシーズンマッチを予定しており、これらはすべてSevilla FC+で生中継され、クラブのソシオは無料で視聴することができる。(via ElDesmarque) (via Estadio Deportivo)

構想外選手と負傷者の現状および放出に向けた動き

ホセ・イグナシオ・ナバロSDは、新戦力登録のためのスペースを空けるべく、構想外選手の放出作業に全力を注いでいる。その中でもタンギ・ニアンズの放出は急務となっている。クラブの給与枠の約15%を占め、給与と償却費を合わせると年間約1300万ユーロのコストがかかる彼だが、現在はフランスでの移籍交渉のため練習を免除されている。ムベンバとマンディを放出したリールが新たなセンターバックとしてニアンズに関心を示しており、3年契約での加入に向けた交渉が非常に進んだ段階にある。しかし、セビージャで4年間でわずか62試合しか出場できなかったほどの度重なる負傷歴があるため、リール側は非常に厳格なメディカルチェックを要求している。

その他の構想外選手については、ラファ・ミルが性的暴行で8年半の懲役刑を受けたことを受け、クラブとの合意により全体練習から外れている。フェデ・ガットーニとファビオ・カルドソも同様に全体練習から除外されている。ジョアン・ジョルダンも構想外として別メニュー調整を強いられているが、この状況に対して彼の代理人がAFE(スペインサッカー選手協会)への提訴を検討している。

一方で、ルイス・ガルシア・プラサ監督の構想外でありながら、全体練習に参加しているのがマルカオである。彼は1月に足の舟状骨骨折で離脱し、新加入のモペイを登録するために選手登録枠を譲っていたが、現在は怪我から完全に回復している。ガラタサライから1300万ユーロで加入し、4年間でわずか49試合(昨季は13試合)しか出場していない彼だが、市場価値は250万ユーロまで下落している。昨夏、クラブが新加入選手の登録を行うために彼の給与支払いを遅らせ、その見返りとして契約を2028年まで延長したため、放出がさらに困難な状況に陥っている。マルカオ自身は1月に提示されたグレミオへのレンタル移籍を拒否しており、現在も退団には消極的である。

また、負傷者としてアルフォン・ゴンサレスとカストリン(恥骨炎)がおり、彼らは別メニューでの負荷管理調整となっている。(via ElDesmarque) (via Estadio Deportivo)

ブライアン・サラゴサやアドリアン・リソの獲得に関する動向

ヤヌザイやアレクシス・サンチェスが退団したことで、ホセ・イグナシオ・ナバロSDは新たなウイングの補強を模索している。その中で、サラゴサに所属するアドリアン・リソの獲得に向けてコンタクトを開始した。サラゴサ側は要求額を満たす完全移籍のオファーが届いていないため、レンタル移籍での放出にオープンな姿勢を見せている。

さらに、バイエルン・ミュンヘンに所属するブライアン・サラゴサの名前も急浮上している。彼はバイエルンと2029年までの契約を残しているが、昨シーズン後半のローマへのレンタル移籍では6試合で1アシストと不振に終わり、チームの構想外となっている。市場価値も800万ユーロまで下落した。セビージャはアラベスと共に彼の獲得に動いているが、高額な年俸が大きな障害となっている。昨シーズンのセルタへのレンタル移籍の際には、セルタ側が年俸200万ユーロを負担した上に100万ユーロのレンタル料が発生していた。バイエルンは少しでも有利な条件での放出を望んでいるため、セビージャの現在の財政状況を考慮すると、この交渉が即座に解決する見込みは薄い。(via Estadio Deportivo)

アルフォン・ゴンサレスへのセルタの関心とW杯参加選手の状況

セルタ・デ・ビーゴがウイングの補強として、セビージャのアルフォン・ゴンサレスを最優先のターゲットに設定している。彼はセビージャと2028年まで契約を結んでいるが、プレシーズン初日に新たな負傷を抱えてしまったため、セルタが獲得を見送る可能性が出てきている。セルタ側は交渉が難航することを見越し、代替案としてPSVのクハイブ・ドリオウエシュなどをリストアップしている。

また、セビージャからはルベン・バルガスとジブリル・ソウがスイス代表としてワールドカップに参加しており、チームを離脱している。スイス代表ではエースのヨハン・マンザンビが負傷したため、次戦のアルゼンチン戦ではソウが中盤のスタメンとして出場し、チームの基盤を固める可能性が高いと見られている。彼らの去就についてはW杯終了後に話し合いが持たれる予定だ。特にバルガスはW杯での活躍によって市場価値が高まっており、セビージャは彼らの売却が新戦力登録のための重要な資金源になると期待している。(via Estadio Deportivo) (via Mundo Deportivo) (via ElDesmarque)

新スタジアム改修プロジェクトを巡る市長とPSOEの政治的論争

セビージャのホセ・ルイス・サンス市長が、新ラモン・サンチェス・ピスフアンおよびベティスのスタジアム改修プロジェクトを全面的に擁護する姿勢を打ち出し、政治的な対立が深まっている。市長は劇場のイベントで『両チームは都市の素晴らしいショーケースであり、22年間待たされたプロジェクトを私は進める。ファンにふさわしいスタジアムが必要だ』と発言し、工事を中止しないことを明言した。

この発言に対し、PSOE(スペイン社会労働党)セビージャ支部は、スタジアムの改修自体に反対しているわけではないと反論の声明を発表した。彼らはクラブ、機関、近隣住民の間での合意を求めていると主張している。PSOEが問題視しているのは、公共の関心サービスとして指定されている1万平方メートルの公共地であり緑地である場所の用途変更と民営化である。彼らはネルビオン・エステ住民協会が提案した『住民の要望と国際安全基準に適合するまでスタジアムの都市開発を中止する』という方針に賛同しており、PP(国民党)がファンの感情を操作して政治的な利益を得ようとしていると強く非難した。

これに対しサンス市長は、問題となっている緑地は『誰も気に留めていなかった、試合のたびに駐車場として使われていたアルベロ(砂)の緑地』であると反論。スタジアム改修に伴い、セビージャ市が失われる緑地に対する十分な対価と恩恵を受け取る設計になっていると強調し、クラブに何かを無償で提供しているわけではないと主張した。(via Estadio Deportivo)

元セビージャのサミル・ナスリの警察拘束とサンパオリ監督の逸話

2020年に現役を引退し、現在はCanal+でスポーツコメンテーターを務める元セビージャのサミル・ナスリに、新たな司法トラブルが持ち上がっている。彼は麻薬密輸、資金洗浄、そして犯罪組織への関与の疑いで、パリの警察(BRIF)に約10時間拘束され尋問を受けた。

事件は、2021年から収監されているマルセイユの麻薬密売人カリム・ベレブと、資金洗浄の柱とされるオリヴィエ・サバという2人の主要人物に関連している。ナスリは10年前からイヴリー=シュル=セーヌにあるナイトクラブ「XS」の共同所有者となっており、その管理者として今回のマネーロンダリングのネットワークに関与した疑いがかけられている。尋問後、彼は釈放され法的措置は取られていないが、今後証人として法廷に出廷を求められる可能性がある。ナスリは過去にも、ドバイ在住と申告しながらパリで212回もの出前注文を行っていたことから居住実態が発覚し、550万ユーロの脱税疑惑で調査を受けた経歴がある。

この事件に関連して、彼がセビージャに在籍した16/17シーズンのエピソードも再び脚光を浴びている。当時監督を務めていたホルヘ・サンパオリはナスリを特別扱いしており、彼に対して『私たちのチームに来い。クラブに行ってもいいし、飲んでもいいし、何をしてもいい。俺がお前をクラブからカバーしてやる。週末のピッチで上手くやってくれればいいんだ。家族に会いに行きたいときは、俺が犬の世話をしてやる』と語っていたという。しかし、アメリカのクリニックで受けた静脈注射治療がUEFAのドーピング規定に抵触し、18ヶ月の出場停止処分を受けたことで、彼はサッカーへの熱意を完全に失ってしまったと後年告白している。(via Estadio Deportivo) (via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

プレシーズンが本格的にスタートし、新監督の下で戦術の浸透が進む一方で、フロントはアコル・アダムスのヴェネツィア移籍やタンギ・ニアンズのリール移籍など、高給選手や売却益が見込める選手の放出作業に奔走しています。また、ブライアン・サラゴサら新戦力のリストアップも並行して行われており、チームの財政健全化と新シーズンに向けた編成の立て直しが急ピッチで進められている状況です。スタジアム改修を巡る市と政党の対立など、ピッチ外でも大きな動きが続いています。