モウリーニョ新監督の始動とプレシーズン
ジョゼ・モウリーニョ新監督は金曜日にマドリードに到着し、月曜日からバルデベバスで最初のトレーニングを指揮する。モウリーニョ監督のお披露目となるプレゼンテーションはW杯終了後まで延期され、来季に向けた新戦力であるマルク・ククレジャ、ベルナルド・シウバ、デンゼル・ダンフリース、イブラヒマ・コナテとの合同で行われることになっている。月曜日からのトレーニングに参加できるトップチームの選手は、アンドリー・ルニン、トレント・アレクサンダー=アーノルド、アセンシオ、カレラス、ディーン・ハイセン、エドゥアルド・カマヴィンガ、ゴンサロ、フランコ・マスタントゥオーノのみとなっている。エデル・ミリトン、フェルラン・メンディ、ロドリゴの3選手は昨季終盤に負った重傷からのリハビリを継続中である。なお、マドリードの選手であるトレント・アレクサンダー=アーノルドはマドリードで夢のようなシーズンを送れなかったものの、素晴らしいクロスを供給する能力を持っていると評価されている。(via MARCA)
チュアメニの契約延長とバルベルデの残留
オーレリアン・チュアメニが2028年までとなっていた契約を2031年6月30日まで延長することで完全合意に達し、休暇明けのサインを待つのみとなっている。この新契約により彼の年俸は大幅に引き上げられ、税引き後約900万ユーロから1300万ユーロ(税込み約1600万ユーロから1900万ユーロ)となり、チーム内でもトップ5に入る高給取りとなる。キリアン・ムバッペ、ヴィニシウス、ジュード・ベリンガムに次ぐ給与水準であり、契約金を含めればアレクサンダー=アーノルド、コナテ、ベルナルド・シウバらと同等かそれ以上となる。モウリーニョ監督は彼を中盤の要として高く評価しており、昨季終盤にフェデ・バルベルデとの間で起きたロッカールームでの乱闘騒ぎや、シャビ・アロンソ、アルバロ・アルベロア、アントニオ・リュディガーらとの衝突による移籍の噂を一掃した。一方、そのフェデ・バルベルデもプレミアリーグやPSGからの関心が寄せられていたが、モウリーニョ監督が放出をブロックした。カルバハルの退団に伴い、バルベルデは第1キャプテンに就任する予定であり、違約金10億ユーロが設定された2029年までの契約を全うする構えである。バルベルデは昨季クラブで苦戦しただけでなく、ウルグアイ代表のマルセロ・ビエルサ監督とも衝突し、ビエルサ監督は『彼には多くの譲歩をした』と明かしている。(via SPORT)
カマヴィンガとブラヒムの去就
エドゥアルド・カマヴィンガはクラブからの放出圧力を受けておらず、自らも残留してポジションを争う意向を固めている。フランス代表としてW杯に招集されなかったため、7月13日からのプレシーズンにいち早く合流し、モウリーニョ新監督の前で直接アピールする機会を得る。昨季は2199分プレーし2ゴール1アシストを記録したものの、チャンピオンズリーグのバイエルン戦での退場など不運もあり、最高のパフォーマンスとは言えなかった。ブラヒム・ディアスもまた、ユベントスやプレミアリーグからのオファーを一切聞かず、マドリードでの定位置確保に燃えている。モウリーニョ監督は彼の突破力やラストパスの能力を高く評価しており、本人も現在2027年までとなっている契約を2030年まで延長するための交渉を熱望している。W杯でモロッコ代表として4アシストを記録するなど活躍中で、チームの要となっている。(via ElDesmarque)
セバージョスとフラン・ガルシアの移籍動向
ダニ・セバージョスはレアル・マドリードをフリーで退団するために500万ユーロの移籍金を放棄した。アヤックスが移籍金600万ユーロでフロレンティーノ・ペレス会長と合意に達したものの、セバージョス本人がこれを拒否した。彼はベティスへの復帰を最優先しており、アトレティコ・マドリード、ビジャレアル、ユベントス、サウジアラビア、トルコからの関心も後回しにしている。彼はフリーで加入する代わりにベティスに契約金を要求している。現在、セルヒオ・ラモスやルーカス・バスケスと共に自主トレーニングを行い、SNSで『言葉よりも行動。来るべきものに向けて準備はできている。またすぐに会おう』と意気込みを発信している。一方でフラン・ガルシアは、冬の移籍市場でのボーンマスからの3000万ユーロのオファーを断っていたが、このたび移籍金300万ユーロ+変動100万ユーロでベティスへ完全移籍した。契約期間は2030年までの4年間で、マドリードは将来の売却益の50%の権利を保持し、契約解除金は5000万ユーロに設定された。彼の退団にあたり、ハイセン、リュディガー、メンディ、ミリトン、ルニン、ベリンガムら多くのチームメイトからSNSで惜別のメッセージが贈られた。ベリンガムは『私の人生で見てきた中で最もプロフェッショナルな選手の一人。君には最高の未来がふさわしい』と彼を称賛し、ミリトンも『タイトルを共に分かち合えて幸せだった。君がいなくなるのは寂しいよ』とメッセージを送っている。(via Estadio Deportivo)
クラブの財政と売却益
レアル・マドリードは今夏の移籍市場で既に1億2700万ユーロを超える売却益を上げている。直近では、ラツィオに所属していたマリオ・ヒラがACミランへ3000万ユーロで移籍した際、マドリードが50%の権利を保有していたため、1500万ユーロが転がり込んだ。これまでにニコ・パス、ビクトル・ムニョス、アルバロ・ロドリゲス、マリオ・マルティン、アレックス・ヒメネス、フラン・ガルシアといったカンテラーノや若手を中心に資金を調達しており、さらにはカマヴィンガ、チュアメニ、ゴンサロといった選手たちにも他クラブからの関心が寄せられている状態である。(via ElDesmarque)
新メディカルチーフの引き抜きとCチームの残留
深刻な負傷者の多さに悩まされたレアル・マドリードは、メディカル部門の大改革に踏み切った。モナコから45歳のアレクサンドル・クルゼを引き抜き、ファーストチームのメディカル責任者に任命した。彼はスポーツ医学の権威として知られ、クラブ全体の医療部門を統括するニコ・ミヒッチの監督下で働く。これに伴い、マヌエル・アロヨとフェリペ・セグラは同部門から退任した。一方で、昨季のプレーアウトでセグンダRFEFからの降格が決まっていたレアル・マドリードCチームは、CDアレンテイロとSDタラソナの給与未払いによる行政降格で空いた枠を、38万464.16ユーロを支払って買い取った。これにより、来季もセグンダRFEFに残留することが決定した。また、遠征負担を減らすためにアトレティコ・アストルガや連盟とグループの再編について協議している。(via MARCA)
ムバッペのW杯でのPK失敗とハキミとの友情
W杯準々決勝のモロッコ戦で、キリアン・ムバッペはキャリアで初めてW杯でのPKを失敗した。前半25分に左サイドからシザースと見事なペースチェンジで抜け出し、マズラウィのファウルを誘ってPKを獲得した。当初はウスマン・デンベレが蹴る素振りを見せたが、最終的にムバッペが蹴ることになった。しかし、ファクンド・テージョ主審による長いVAR確認や、モロッコ選手のエリア外退去を待つ時間、さらには相手GKヤシン・ボノが2度にわたってプレッシャーをかける心理戦に直面した。ボノが最後まで動かず立ってプレッシャーをかけた結果、ムバッペの右下へのシュートは弱くなり、完全に読まれてセーブされた。フランス代表でのPK失敗は2021年のEUROスイス戦以来であり、これまでの15回連続成功の記録が途絶えた。失敗後、ムバッペは主審に2度にわたって詰め寄り、給水ブレイク中もデシャン監督の指示の輪から離れて抗議を続けた。彼のW杯ゴール数は7のままで、通算19ゴールに留まっている。また、PFSAのデータによれば、彼は時速38kmを記録し、世界最速のサッカー選手に認定されている。
そんなモロッコ代表の要であるアクラフ・ハキミとは、PSGで出会って以来の親友である。2021年6月、当時のマウリシオ・ポチェッティーノ監督からハキミの適応を助けるよう頼まれたムバッペは、Instagramで歓迎の意を示し、最初の練習で『ようこそ。何か必要なら言って。僕がいるよ』と声をかけた。フランス語が話せなかったハキミに対し、ムバッペがガイド兼フランス語の教師役を務めた。同じ年齢で趣味も合い、PlayStationで共に遊ぶ仲であり、W杯後も一緒に休暇を過ごす予定について語り合っている。また、パラグアイの国会議員からムバッペに対して人種差別的な暴言が向けられた際にも、ハキミは真っ先に電話をかけて彼をサポートしている。(via MARCA)
ティアゴ・ピタルチの発言騒動とアルバロ・ベガの流出
U19スペイン代表として欧州選手権で活躍しているレアル・マドリードの下部組織所属、ティアゴ・ピタルチ(18歳)の発言が物議を醸している。祖母がモロッコ生まれであることから、将来的にモロッコ代表を選択する可能性についてラジオで問われた際、『まずは土曜日に勝つこと。遠い未来のことは、来るべき時に来ればいい。とても落ち着いているし、まだずっと先のことだと思っている。まずはここU19で頑張り、来るべきものが来ればいい』と回答した。スペイン代表のウェアを着て、決勝戦を目前に控えた合宿中でのこの発言に対し、ファンからは代表から即座に追放すべきだといった非難が殺到している。一方で、ラ・ファブリカの至宝の一人であった2010年生まれのウインガー、アルバロ・ベガがアトレティコ・マドリードのフベニールAへ引き抜かれた。3年契約を結んだ彼は、『とても興奮しているし、始めるのが待ちきれない。成長を続けて、いつかファーストチームに到達したい』と語っている。昨季はスーパーリーガ・カデテで25試合に出場し7ゴールを挙げたが、終盤にプレー時間を減らしていた。(via ElDesmarque)
【本日の総括】
モウリーニョ新監督の就任に伴い、チュアメニの契約延長やバルベルデ、ブラヒム、カマヴィンガの残留などスカッドの骨格が固まりつつある一方で、セバージョスやフラン・ガルシアの移籍、メディカル部門の刷新などクラブ内外で大きな動きが続いている。ムバッペはW杯で悔しい思いをしたが、親友ハキミとの絆は揺るがない。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
モウリーニョ体制の始動において注目すべきは、中盤の構成と役割の明確化です。チュアメニの契約延長とバルベルデのキャプテン就任は、指揮官が求める規律と強度を体現する軸を固定する意図が見て取れます。カマヴィンガやブラヒムが残留を望み、競争に身を投じる姿勢を見せている点は、新監督の戦術的要求に対する選手側の適応意欲の表れでしょう。メディカル部門の刷新も含め、ピッチ上のパフォーマンスを最大化するための環境整備が着々と進んでおり、個々のタレントをどう組織的な規律の中に落とし込むか、その手腕が問われるプレシーズンとなります。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
モウリーニョという強烈な個性を迎えたクラブは、今、大きな転換期にあります。バルベルデを第1キャプテンに据える人事は、チーム内の結束を再構築し、昨季の混乱を払拭しようとするフロントの強い意志を感じさせます。一方で、フラン・ガルシアの移籍や若手の売却益確保は、健全な財政運営とスカッドの適正化を両立させるための現実的な判断です。サポーターの期待と不安が交錯する中、新監督がピッチ外の雑音をいかにコントロールし、クラブ全体に規律ある空気を浸透させられるかが、今季の成否を分ける鍵となるでしょう。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
今夏の編成は、主力との長期契約延長と、余剰戦力の整理という二軸で非常に効率的に進んでいます。チュアメニの2031年までの契約延長は、彼を将来的なチームの心臓部と位置づける明確なメッセージです。また、売却益を1億2700万ユーロ以上確保しつつ、Cチームのカテゴリー維持に投資するなど、クラブの資産価値を最大化する動きには隙がありません。セバージョスやフラン・ガルシアの放出も、単なる人員削減ではなく、選手側の希望とクラブの将来的な権利保持をバランスよく調整した結果であり、編成の整合性は極めて高いと言えます。