ワールドカップでの所属選手の動向:バルガスが躍動しソウは出番なし

スイス代表のルベン・バルガスは、ワールドカップ・グループB第1節のカタール戦で左ウイングとして先発出場に近い活躍を見せました。大会直前に違和感を訴えて心配されましたが、ただの驚きに終わり無事にピッチに立ちました。序盤から非常にモチベーションが高く、相手ディフェンスを崩してPK獲得のきっかけとなるなど、スイスの攻撃を牽引しました。のちに右サイドへポジションを移し、さらに後半は左サイドに戻って相手守備陣を苦しませ、最終的に79分にアムドゥニと交代しました。この活躍によりバルガスの市場価値が高まることが期待されており、売却による資金調達を狙うセビージャにとっては最高のアピールとなっています。一方、同じくスイス代表に選出されているジブリル・ソウはベンチ入りしたものの、出場機会はありませんでした (via Estadio Deportivo)

アドリアン・リソの獲得に向けた動き

ヤヌザイの退団や、ルベン・バルガス、エジュケの売却の可能性に備え、新スポーツディレクターのホセ・イグナシオ・ナバーロは左ウイングの補強を検討しており、レアル・サラゴサに所属する21歳のアドリアン・リソに関心を示しています。昨シーズン、ヘタフェにレンタルされていたリソは、サンチェス・ピスフアンでの試合で2ゴールを挙げるなど、31試合で1801分プレーし、合計3ゴール3アシストの成績を残しました。ヘタフェは300万ユーロの買取オプションを行使せず、150万ユーロでのオファーもサラゴサに拒否されました。サラゴサは『誰にも選手をプレゼントするつもりはない』と強気の姿勢です。現在、リソにはラージョ・バジェカーノ、レバンテ、バレンシア、マジョルカ、ギリシャのクラブ、オランダのクラブ、イタリアのヴェネツィアやパルマなど多数のクラブが興味を持っています。しかし、リソ本人がスペイン1部リーグでのプレーを継続することを望み、海外移籍を拒否しているため、セビージャにとって有利な状況となっています。現在、左ウイングにはビジャレアルへのレンタルから戻ったアルフォンがいますが、クラブはリソの動向を引き続き注視しています (via Estadio Deportivo)

新加入フアン・イグレシアスの野心とハビ・カスケロによる評価

アントニオ・コルドン前スポーツディレクターの置き土産として、ヘタフェとの契約を満了しフリーで加入したフアン・イグレシアスが、セビージャの公式メディアで初めてのインタビューに応じました。イグレシアスは『すでにここにいてとてもワクワクしています。今は箱を運んで引っ越し作業をしているところですが、早く終わらせてここでの生活を楽しみたいです』と喜びを語りました。自分自身については『大人で成熟しており、苦しんで漕いできた数年間のラ・リーガでの経験があります』と表現し、プロとしての道のりについて『バジャドリードでプロのサッカーに手が届きそうだった時、11年在籍したクラブで難しい時期がありました。サッカーはジェットコースターで、頂点にいると思ったら翌日にはどん底にいることもあります』と振り返りました。

セビージャを選んだ理由として『素晴らしい歴史を持つクラブであり、セビージャから連絡があった時、常に私の最優先事項でした』と述べ、元チームメイトのダビド・ソリアからの助言について『彼は元チームメイトであり友人です。セビージャというクラブや街について彼以上に教えてくれる人はいません。ここでの適応を助けてくれて何千回も感謝していますし、彼からは「謙虚であれ、ヘタフェで見せていた姿を変えるな」と言われました』と明かしました。新監督のルイス・ガルシア・プラサについては『まだ一緒にはいませんが、すでに対戦したことがあるので知っています。彼が私に何を求めているか知っていますし、それを私が提供できることも彼は分かっています。プレシーズンが始まったら話す予定ですが、彼が求めるポジションでプレーする準備はできています』と語りました。自身のプレースタイルについては『私は右ラテラルですが、昨季はディフェンスのすべてのポジションやウイングでもプレーしました。監督が望むことに適応します』とユーティリティ性をアピールし、チームに持ち込みたいものとして『誰も私たちと対戦したくない、タフで厄介なチームというDNAを持つチームから来ました。初日からここでそれを生み出さなければなりません。ロッカールームの団結が鍵です』と闘争心を燃やしています。

サンチェス・ピスフアンの雰囲気については『アウェイチームとしては最初の15分を何も起こらずにやり過ごさなければならないと感じるスタジアムです。今はその15分を味方につけ、相手を威圧できる側にいる幸運を持っています』と語り、目標について『勝つこと、そして勝ち続けること。競争することに飽きないということを頭に叩き込む必要があります』と締めくくりました。また、ダニ・アウベスやヘスス・ナバスといった歴代の右サイドバックについて『ハードルは非常に高いですが、偉大な選手たちがいたポジションにいることは幸運であり、いつか彼らのような歴史を作りたいです』と意気込みを見せ、子供の頃からガレス・ベイルの身体能力に憧れていたことも明かしました。

この移籍について、ヘタフェとセビージャの両方でプレーした経験を持つハビ・カスケロが評価を下しています。カスケロは『現実的な補強で、即戦力です。彼はヘタフェで非常に良いパフォーマンスを見せており、怪我をほとんどしないのが非常に価値があります』と称賛。プレースタイルについては『ダニ・アウベスやアレイシ・ビダルのような超攻撃的なサイドバックではありませんが、守備面で非常に突破されにくい選手です。右サイドにはフアンルなど攻撃的なプロフィールがいるため、バランスが取れる素晴らしい補強です』と分析しています (via ElDesmarque)

夏の補強動向:グリディらの獲得とパトリック・メルカドの状況

新スポーツディレクターのホセ・イグナシオ・ナバーロは、夏の移籍市場で活発に動いています。フアン・イグレシアスに加え、アラベスとの契約を満了したホン・グリディをフリーで獲得しました。さらに、ル・アーヴルとの契約を更新しなかったフランス人センターバックのアルナ・サンガンテの獲得も間近に迫っています。一方で、インデペンディエンテ・デル・バジェのパトリック・メルカドとは基本合意に達しているものの、選手が大怪我を負っているため、所属クラブが強硬に残留を主張しており、交渉は宙に浮いた状態となっています (via ElDesmarque)

アコル・アダムスの売却に向けた動き

セビージャは資金調達のために選手の売却を進めており、その最大の候補がナイジェリア人ストライカーのアコル・アダムスです。冬にモンペリエから550万ユーロで加入したアダムスは、当初は怪我に苦しみましたが、最終的に32試合に出場し10ゴール3アシストを記録しました。エスパニョール戦やビジャレアル戦でのゴールなど、チームの残留に大きく貢献しました。この活躍により、彼の市場価値は1500万ユーロまで急上昇しています。同じく1500万ユーロの価値を持つルシアン・アグメは、インテルから保有権の90%を800万ユーロで買い取ったため大きな利益は出ませんが、アダムスであれば多額のキャピタルゲインが見込めます。クラブは2000万から2500万ユーロの価格を設定しており、オリンピック・マルセイユがボーナス込み1800万ユーロのオファー、またはニール・モペイを含めて移籍金を下げる提案をしたという噂があります。中東のクラブからも打診がありますが、アダムス自身は乗り気ではありません。ナイジェリア代表としても直近8試合で4ゴールを挙げ、ポルトガル戦でもゴールを決めるなど価値を高め続けています。アダムス本人は移籍の噂について『噂は常に多いですが、今は心配していません。セビージャとの契約がありますし、どうなるか次第ですが、あそこで幸せです』と冷静に語っています (via Estadio Deportivo)

若き才能 ”オソ”の台頭とアルゼンチン代表への夢

今シーズンのセビージャで数少ない明るい話題の一つが、22歳の左サイドバック、ホアキン・マルティネス・”オソ”の台頭です。マティアス・アルメイダ前監督、そしてルイス・ガルシア・プラサ監督の信頼を得て主力に定着し、24試合に出場して2ゴール3アシストを記録しました。デビュー戦となったメスタージャでのバレンシア戦や、ラ・セラミカでのビジャレアル戦のゴールは彼にとって特別な思い出となっています。現在、彼の市場価値は1000万ユーロに上昇し、ストラスブール、ビジャレアル、エスパニョール、レアル・ソシエダなどが獲得に関心を示しています。特にソシエダは、ハビ・ロペスを交渉に含めて移籍金を下げるオファーを提示したと噂されています。セビージャは2027年以降への契約延長オファーを提示していますが、オソはまだ回答していません。彼の契約解除金は2000万ユーロに設定されています。

スペイン生まれでアルゼンチン人の両親を持つオソは、将来の夢について『アルゼンチン代表でプレーすること、リーベル・プレートでプレーすること、そして神の意志があればアルゼンチンでワールドカップに勝つこと』と熱く語っています。アルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督が彼に注目していると発言したことについて、『私と家族にとってとても幸せで誇らしい瞬間でした。私がアルゼンチン代表でプレーしたいという思いを知ってもらえて感謝しています。スカローニ監督にも感謝しています。いつか実現することを願っています』と喜びを隠しません。一方で、スペインへの感謝も忘れておらず、『スペインが私にすべてを与えてくれました。スペイン人であることも誇りに思っています。アルゼンチン代表でプレーしたいからといって、スペイン人であることを誇りに思わないわけではありません』と述べています。

”オソ”というニックネームは、地元のチームにホアキンという名前の選手が2人いたため、父親のニックネームである”オソ”で呼ばれるようになったことに由来します。最も印象的だったスタジアムにはサンティアゴ・ベルナベウを挙げ、最も厄介な相手にはラミン・ヤマルを指名しました。それでもメッシとヤマルならメッシを選び、ポジションのお手本としてはタグリアフィコよりもマルコス・アクーニャを好むと語っています。また、ダービーでアレクシス・サンチェスにアシストした際に彼と交換したユニフォームを宝物にしているというエピソードも明かしました (via Estadio Deportivo)

クラブの売却と資本増資の動向

セビージャのクラブ売却に関する動きは現在、熱を帯びていません。セルヒオ・ラモスが率いていたグループへの売却交渉が破談になってから2週間以上が経過しましたが、大株主たちの「売却して去りたい」という意向に変わりはありません。ホセ・マリア・デル・ニド・カラスコ会長は『3〜4か月の過渡期』であると明言しており、売却に向けた2つのルートが検討されています。1つ目は、7月31日までに短期で売却を成立させ、移籍市場が閉まる前に切望されている資本増資のメカニズムを起動させるというものですが、これは実現の可能性が低いと見られています。2つ目は、より慎重に時間をかける長期ルートであり、こちらの方が現実的です。現在も複数の投資家から接触がありますが、セルヒオ・ラモスの一件以降、クラブは非常に慎重になっており、確実な支払い保証を求めています。なお、現時点で会長職の交代は予定されておらず、ホセ・マリア・デル・ニド・カラスコ会長が引き続き職務を担う見込みです (via ElDesmarque)

【本日の総括】

ワールドカップでの所属選手の活躍による市場価値上昇の期待、新戦力の補強と若手の台頭、そしてクラブ売却に向けた水面下の動きなど、ピッチ内外でセビージャFCは次なるステップに向けた過渡期を迎えています。