新ユニフォーム論争

アスレティック・ビルバオが水曜日に発表した2026/27シーズンの新ファーストキットが、大きな論争を巻き起こしています。襟の背面にイクリニャ(バスク国旗)で彩られた「エウスカル・エリア(バスク地方)」の地図がデザインされており、その中にナバラ州やブルゴス、カンタブリア、フランス南部の一部が含まれていることが発端となりました。

これに対し、UPN、PP、VOXといったナバラ州の右派政党が猛反発しています。UPNのクリスティーナ・イバロラ党首は、スペインサッカー連盟(RFEF)のラファエル・ロウサン会長、アスレティックのジョン・ウリアルテ会長、ナバラ州のマリア・チビテ首相に書簡を送付し、デザインを撤回しない場合は法的措置に訴えると警告しました。イバロラ党首は『政治的、アイデンティティ的、制度的に物議を醸すメッセージを含んでおり、ナバラの法的、行政的、制度的枠組みとは無関係な政治的現実の中にナバラを含める特定の領土概念を投影している』と厳しく批判しています。

さらに、VOXのエミリオ・ヒメネス報道官もLaLiga、CSD(スポーツ上級委員会)、RFEFに対して即時撤回を求める書簡を送り、『アスレティックはナバラの現実を歪める政治的意図を公式ユニフォームに導入した。スポーツを通じて私たちの土地の象徴が乗っ取られることが正常化されるのを許すつもりはない』と非難し、ナバラ市民への公式な謝罪を要求しました。

しかし、こうした政治的な介入が逆にアスレティック・ファンの結束を呼んでいます。『政治的メッセージはない』と反発するファンたちが、抗議の意思を示すように新ユニフォームを爆買いする現象が起きており、クラブの公式オンラインショップや実店舗には注文が殺到している状態です。

(via Esport3 / Estadio Deportivo / ElDesmarque / MARCA)

ナバラ州政府の反応

政治的論争に発展したユニフォーム問題について、ナバラ州政府が公式な見解を示し、右派政党の過剰な反応をなだめました。

ナバラ州政府のハビエル・レミレス第一副首相兼大統領府・平等担当顧問は、SNSを通じて『法律が定めるナバラの公式なアイデンティティの象徴は、旗、盾、賛歌のみである。アスレティックのユニフォームはナバラの公式シンボルを侵害したり悪用したりするものではない』と説明しました。さらに『民間団体による非公式シンボルの使用について、州政府が口を挟む領域ではない』とし、静観する姿勢を強調しました。

マリア・チビテ州首相もラジオ番組に出演し、『もう大げさにするのはやめましょう。野党の党首(UPN)の唯一の書簡がサッカーチームに関するものだとは…』と呆れ気味にコメント。『ナバラの象徴を侵害するものではありません。個人的には共有しませんが、エウスカル・エリアを文化的実体と捉える人もいます。民間団体が行うことです』と述べ、論争を一蹴しました。

(via ElDesmarque / MARCA)

バルベルデ監督の退任

選手として6年、監督として10年という長きにわたりアスレティックを支えたエルネスト・バルベルデ監督が、今季限りでクラブを去ることになりました。指揮官はクラブへの深い感謝と、監督業の苦悩について心情を明かしています。

バルベルデ監督は『90年にバルセロナからやって来た時、当時のレルチュンディ会長やクレメンテ監督は私に大きな恩恵を与えてくれた。私は常にすべてのチームに深く関わってきたが、アスレティックは私が最も多くのことを成し遂げ、最も自分自身を反映し、認められていると感じ、別の形で成長できた場所だ。ここでは常に人々の後押しを感じており、特別な場所だ。私たちは一つのクラン(一族)なんだ』と、クラブとの特別な絆を語りました。

退任の理由と今後については『少しプレッシャーから解放される必要がある。最初はサッカーが恋しくならないかもしれないし、大会が始まると恋しくなるかもしれないが、他のことに目を向ける必要があるのは避けられない。なぜか乗り越えられる気がするよ(笑)』と、笑顔を交えながら休養の必要性を示唆しました。

また、常に結果を求められる監督という職業について『私たちには問題がある。非常に露出が多く、ごまかしがきかない。成功や失敗の前に裸にされている状態だ』と、長年抱えてきた重圧を吐露しています。

(via Mundo Deportivo)

テルジッチ新監督への期待

バルベルデ監督の退任に伴い、来季からは前ボルシア・ドルトムント監督のエディン・テルジッチ氏が新指揮官に就任します。スペインでの初の挑戦となる同氏に対して、古巣のドルトムント首脳陣や現役選手から期待の声が寄せられています。

ドルトムントのハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOは『アスレティックはファンや人々と非常に結びついているクラブであり、ドルトムントで育ったエディンはそれを完璧に理解している。全くその通りだ。もちろん、試合に勝ち、チームを上位に導く必要はあるが、彼がどうやるかを見るのが待ちきれない』とコメント。さらに『数日前に彼のアスレティックへの移籍について話し、素晴らしいアイデアだと言った。アスレティックは素晴らしい監督を獲得したし、エディンにとっても素晴らしい伝統を持つクラブに行くことは良いことだ。彼の哲学はアスレティックの哲学や仕事のスタイルと完璧に一致している。両者にとって完璧な組み合わせであり、良い機会だ』と太鼓判を押しました。ヴァツケCEOは『来年は間違いなくラ・リーガの試合を観に行くつもりだ。あそこの雰囲気は最高に違いない』と、サン・マメス訪問も予告しています。

また、アスレティックのDFジェライ・アルバレスも『ここには働くための素晴らしいチームがあり、全員が彼に会うのを楽しみにしている』と新監督の到着を歓迎。バルベルデ監督が『常にヨーロッパの大会で優勝したい、ヨーロッパのチャンピオンになりたいと頭の中にあった』と果たせなかった夢への無念を抱えて去る中、テルジッチ新体制でその悲願達成を目指します。

(via Estadio Deportivo / Mundo Deportivo)

リーグ最終戦の展望

激動のシーズンを締めくくるラ・リーガ最終戦は、土曜日(21:00)に敵地サンティアゴ・ベルナベウで行われるレアル・マドリード戦となります。

この試合は、エルネスト・バルベルデ監督にとってアスレティックを率いる最後の試合となります。同時に、対戦相手であるレアル・マドリードのダニ・カルバハルが現役引退を迎えるお別れ試合でもあり、スタジアムは特別な感情に包まれることが予想されます。

また、政治的な論争の的となっているアスレティックの来季新ユニフォームですが、クラブの予定通りこの最終戦のピッチで初お披露目されることになっています。

(via Esport3 / MARCA / SPORT)

【本日の総括】

長きにわたりクラブを支えたバルベルデ監督の退任と、新時代を託されたテルジッチ新監督への期待が交錯する中、来季の新ユニフォームが思わぬ政治的論争に発展しています。しかし、ファンの結束力はより強固になっており、レアル・マドリードとの最終戦ではその誇りを胸に、監督への感謝とともに戦い抜く姿が見られるはずです。