プレシーズン最終盤の2連戦とチケット完売に見るサポーターの熱い期待
プレシーズンの結果や内容にややムラがあり、これまでに消化した6試合で2勝2分け3敗(エルデンセ、ダービー・カウンティに勝利した一方で、ペトロ・デ・ルアンダ、CDカステリョン、そしてニューカッスルに敗戦)というやや不安定な戦いぶりを見せているバレンシアですが、ファンたちの新シーズンへの熱量はまったく衰えていません。プレシーズン最後の2試合となるCDテルエル戦とヘラクレスCF戦のチケットは、いずれも一般販売やソシオ向け無料配布が瞬く間に完了し、完全完売を記録しました。本拠地メスタラで行われたニューカッスル戦(トロンハ杯、1-2で敗戦)では、ガヤの早い時間での退場や、フロント陣の補強の遅れ、クラブ経営への不満からスタンドにブーイングが飛び交い、非常に緊迫した空気が漂いました。それでも、ピッチ上のチームを支えようとするサポーターの強い愛情が、このチケット完売という素晴らしい数字にはっきりと表れています。(via SPORT / ElDesmarque / MARCA)
皆既日食の影で戦うテルエル戦とコルベラン監督のユニットB底上げ計画
本日8月12日の18時00分から、練習場パテルナのアントニオ・プチャデスにおいて、1部RFEF所属のCDテルエルとのプレシーズンマッチが開催されます。この試合は当初、セカンドチームであるバレンシア・メスタージャが対戦する予定でしたが、ファーストチームの調整のために急遽対戦相手が変更されました。また、当初予定されていたUDイビサとの親善試合がロジスティクスの問題により中止となったため、その代わりとしての意味合いも持ちます。
カルロス・コルベラン監督の明確な意図は、先日のニューカッスル戦で出場時間の少なかった控え選手たち、すなわち「ユニットB」に多くのプレー時間を与えて、実戦感覚とコンディションを底上げすることにあります。さらに、数名の有望なカンテラーノもピッチに送り込まれる予定です。
なお、試合当日は皆既日食の天体ショーが重なっており、部分日食の開始が19時38分頃、ピークが20時32分頃にパテルナで観測される予定です。この現象の影響を考慮してキックオフ時間が変更されており、試合の終盤にわずかに太陽光が減少し始める中での戦いとなります。この試合の模様は、テレビチャンネルGOLで生放送される予定です。監督は、昨シーズンのようにチームが開幕時点でライバルたちにインテンシティで劣る事態を何としても避けたいと考えており、この一戦を極めて重要な戦術テストと位置づけています。(via SPORT / ElDesmarque / MARCA)
開幕戦延期の衝撃と8月最終週に待ち受ける超過酷な3連戦の代償
本来であれば今週末に開催されるはずだったラ・リーガ開幕節のレアル・ベティス戦ですが、ベティス側に所属するアルゼンチン代表MFジオバニ・ロ・チェルソがワールドカップ決勝に出場したことに伴い、ベティス側から延期の申し出がありました。バレンシアはこの決定を紳士的に受け入れたものの、プレシーズンの綿密な計画を大幅に変更せざるを得ませんでした。
この日程延期による最大の代償は、8月の最終週に極めて過酷な3連戦が待ち受けている点です。バレンシアの今季の公式戦初戦は、8月22日(土)19時00分にメスタラで行われる第2節セルタ・デ・ビゴ戦となります。そしてそのわずか3日後の8月25日(火)21時00分に、延期されていたベティス戦を再びホームのメスタラで戦い、さらにその5日後の8月30日(日)にはデポルティーボ戦を戦わなければなりません。
開幕直後から過酷な体力戦を強いられるため、コルベラン監督はプレシーズン終盤でのチームの肉体的な仕上げに非常に慎重になっています。なお、テルエル戦の翌日である8月13日(木)19時30分には、パテルナでヘラクレスCF(1部RFEF、バレンシアとの対戦は歴史上86回目)との正真正銘のプレシーズン最終戦が組まれており、ここではスタメン・主力組が総出で最後の調整を行う予定です。元々はラジャとの親善試合を交渉していましたが、移動や安全性などを考慮し、最終的にヘラクレスに決定した経緯があります。(via SPORT / ElDesmarque)
右サイドバック補強の切り札アルナウ・マルティネス獲得交渉と5年契約の全貌
移籍市場の閉幕まで残り20日を切る中、バレンシアの最大の補強優先事項は右サイドバックの獲得です。現在、チームに本職の右サイドバックはディミトリ・フルキエしかおらず、彼もコンディションが万全ではなく開幕に間に合わない可能性があるため、競合できる選手を探しています。
この危機的状況を打開するため、クラブのフットボールCEOであるロン・グーレイは、ギロナFCの23歳の実力派DFアルナウ・マルティネス(3バックの右センターバックにも対応可能)の獲得に向けて極めて具体的な交渉を進めています。すでにバレンシアは選手側と年俸約300万ユーロ(総額)をベースとした5年契約で合意に達しており、クラブの厳しい財務枠を考慮して、年数を経るごとに基本給が上昇するスライド式の契約内容が提示されています。これはDiego LópezやJavi Guerraの契約時と同様の手法です。アルナウ自身も、他クラブからの打診を断り、『何が何でもバレンシアでプレーしたい』と強い決意を周囲に明かしています。以前にトーマス・ムニエ獲得交渉が破談していた経緯もあり、アルナウはコルベラン監督からデイジロー・チリーノを上回る最も熱望される人材です。
現在はギロナのスポーツディレクター、キケ・カルセルとのクラブ間交渉が最大の焦点です。ギロナは公的には契約解除金である800万ユーロ満額での放出を主張していますが、内部では2部降格に伴うサラリー制限の確保のために値引きに応じる姿勢を見せています。バレンシアのファーストオファーである400万ユーロ+ボーナスは拒否されましたが、現在は移籍金を600万ユーロまで引き上げ、さらに将来的にバレンシアがアルナウを売却した際の数パーセントをギロナに譲渡する条件で、今週中にも最終合意を取り付けるべく交渉が熱を帯びています。(via SPORT)
アンドレ・アルメイダのセルタ移籍交渉頓挫とスウォンジー再浮上の影
ミッドフィルダーのアンドレ・アルメイダの去就を巡り、クラブの強化部は非常に頭を悩ませています。元々、アルメイダはイングランド2部のスウォンジーへの完全移籍がほぼ決定しており、本本人への最終的なサインのみを待つ状態でした。しかし、スペイン国内に留まってラ・リーガやヨーロッパの大会を戦うことを強く望んだアルメイダが、セルタ・デ・ビゴからのオファーを待つために時間稼ぎを行いました。
これによりセルタが交渉に参入したものの、セルタのスポーツディレクターであるマルコ・ガルセスが、バレンシアの要求する移籍金額を支払うことをきっぱりと拒否したため、この交渉は現在完全にストップしています。アルメイダ本人は今もセルタでのプレーを第一に希望していますが、セルタ側が提示額を引き上げない場合、交渉が完全に決裂して再びスウォンジーへの移籍話が動き出す可能性が非常に高くなっており、彼の未来は未だに不透明な霧に包まれています。(via ElDesmarque)
フェラン・トーレスのPSG移籍で舞い込む100万ユーロ超のFIFA連帯貢献金
バレンシアの今夏の補強資金を大きく助ける素晴らしい臨時収入が、間もなく舞い込む見通しとなっています。かつてバレンシアの下部組織で育ち、17歳でプロ契約を結んで20歳までメスタラでプレーしたスペイン代表FWフェラン・トーレスが、FCバルセロナからフランスの強豪パリ・サンジェルマン(PSG)へと完全移籍する交渉が最終段階に達しています。
この世界的な移籍が成立した場合、バレンシアはFIFAが規定する「連帯貢献金」の仕組みに基づいて、総移籍金の最大5%のうち、彼を12歳から20歳(18歳でマンチェスター・シティに移籍するまで)まで育成した期間(12〜15歳までの計1.0%、16〜18歳までの計1.5%)に該当する、合計約2.5%の分配金を受け取る権利を有しています。
もし、この移籍が事前報道通り5000万ユーロの規模で完全に合意に達した場合、バレンシアの金庫には、12〜15歳分の約50万ユーロと、16〜18歳分の約75万ユーロを合わせた、総額125万ユーロ(100万ユーロ超)という極めて大きな現金がダイレクトに支払われることになります。この棚ぼた資金は、未完成の補強市場を戦うクラブにとって非常に重要な補強予算となるはずです。(via Mundo Deportivo)
新戦力4人の適応状況と最大の光明となった佐藤恵允の衝撃的なシステムフィット
今夏の移籍市場において、クラブはすでにジャスティン・デ・ハース、ギド・ロドリゲス、アリウ・ディエン、および佐藤恵允という4人の新戦力をチームに迎え入れることに成功しています。
その中でも、サポーターやメディアの間で最大のサプライズとして、また最高のニュースとして大きな注目を浴びているのが、日本人の佐藤恵允です。佐藤はチームに合流して間もないにもかかわらず、コルベラン監督が求める戦術的なシステムや複雑な要求に対して驚異的なスピードで適応し、プレシーズンマッチでもその能力をいかんなく発揮してピッチ上で素晴らしい輝きを放っています。彼がサイドや前線で見せる素晴らしい躍動感は、今シーズンを戦い抜くための非常に強力な武器になると確信されています。(via SPORT)
ウイング強化に向けたツィガンコフとラマザニを巡る水面下の動き
コルベラン監督は、右サイドバックの確保と並行して、ウイング(サイドハーフ)の層を劇的に強化するための選手獲得を求めています。
獲得リストの筆頭に名前が挙がっているのが、ギロナFCのウクライナ代表アタッカー、ビクトル・ツィガンコフです。ギロナは2部降格に伴って彼の高給を維持できず放出を容認していますが、要求している1000万〜1500万ユーロの移籍金は、現在のバレンシアの財務状況を考えると容易に支払える額ではなく、ギロナ側が最終的な値下げ要求に応じるのを粘り強く待っている状態です。ツィガンコフ自身はスペイン国内でのプレー継続を望んでおり、バレンシアへの関心も示していますが、セルタなども獲得に動いており、激しい駆け引きが続いています。
また、もしツィガンコフの獲得が金銭的に不成立に終わった場合の強力な代替プランとして、アルメリアに所属する俊英ラルジー・ラマザニの獲得もリストアップされており、強化部はあらゆる選択肢を視野に交渉のチャンスを探っています。(via ElDesmarque / MARCA)
【本日の総括】
バレンシアCFは、ベティス戦の延期によって8月最終週に3連戦を強いられる過酷なカレンダーを呑みつつも、チケットが即日完売したプレシーズン最後のテルエル戦およびヘラクレス戦に向けて非常に熱い準備を進めています。移籍市場では、最優先ターゲットであるアルナウ・マルティネス獲得の5年契約交渉が大詰めを迎えているほか、佐藤恵允のプレシーズンでの大ブレイク、さらにはフェラン・トーレスのPSG移籍に伴う100万ユーロ超のFIFA連帯貢献金といった素晴らしい好材料も舞い込んでおり、コルベラン監督のもとで確実なチーム再建に向けたピースが揃いつつあります。