プレシーズン最終戦シャルケ04戦の勝利と無敗での終幕
プレシーズン最終戦となったシャルケ04戦は、ドイツのフェルティンス・アレーナに約60,000人の満員の観客が詰めかける中で開催されました。試合は6分にシャルケのシャレンベルクによる不用意なバックパスを奪ったキリアン・エムバペが、ロリス・カリウスを破る先制点を挙げて動き出しました。その後、20分にアルダ・ギュレルの左コーナーキックをディーン・ハイセンが打点の高いヘディングで合わせて追加点。後半57分には、ヴィニシウスの華麗な個人技からアルバロ・カレラスに繋がり、その浮き球のクロスをカルロス・エスピが頭で叩き込み3対0としました。これによりプレシーズンはアルコルコン、レガネスへの無観客試合での勝利、フィオレンティーナとの引き分け、フェレンツヴァーロシュ、デポルティーボ、そしてシャルケに対する勝利という無敗の好成績(5勝1分け)で終幕しました。マドリードは8月22日(土)21:30にアウェイのRCDEスタジアムでエスパニョールとのラ・リーガ開幕戦(第2節。第1節はマドリードの選手がW杯後半戦に多く参加していた影響で延期されたため、これがマドリードのシーズン初戦)に臨みます。(via Estadio Deportivo)
新加入ストライカー、カルロス・エスピの台頭
今夏レバンテから2500万ユーロで加入し、2031年6月30日までの5年契約を結んだ21歳、身長1.94メートルのカルロス・エスピは、プレシーズンでわずか3試合の途中出場ながらも、フェレンツヴァーロシュ戦に続きシャルケ戦でも見事なヘディングシュートを決め、計2ゴールを挙げました。モウリーニョ監督が求めていた「エリア内での絶対的なワンタッチフィニッシャー」という古典的な9番の役割(かつてのホセルやアデバヨールのような役割)を完全にこなしています。エスピは数週間前までプレミアリーグへの移籍に向けて荷造りをしていたところ、わずか72時間の間にマドリードへの電撃移籍が決まりました。エスピはデビュー時について『監督からは、自分らしくいろ、試合が難しい状況だからエリア内に留まり、全てを捧げろと言われました』と語り、さらに『夢のようです。チームメイトを助け、全力を尽くし、監督がくれるすべてのチャンスを生かすためにここにいます』と熱く誓っています。エムバペの控えとして、エンドリックよりも序列を上げる可能性も十分に示しています。(via MARCA)
クルトワが休暇返上のハードワークで完全復活
W杯のスペイン対ベルギー戦で太ももを負傷し、当時の代表監督ルディ・ガルシアに対し「まだプレーを続けられた」と不満のジェスチャーを示しながら途中交代したティボー・クルトワは、休暇を短縮してジムでのリハビリと個別トレーニングを精力的に消化。シャルケ戦で先発に復帰し、前半の45分間を無失点に抑えて完全復活を遂げました。クルトワは『状態はとても良いです。休暇中もジムでかなりトレーニングを重ねました。個別練習をする必要があると感じたので、チーム始動の数日前に合流しました。今日テストしてみて問題ありませんでした』と述べ、さらに『今日は開幕前の最後のテストで、良い試合をすることが重要でした。私たちはよくできたと思います。守備は堅実で、多くのチャンスを作り、良いプレーができました。全員のフィジカル状態も非常に良く見えます』と試合を振り返りました。また、今季はダニ・カルバハルの退団に伴い、バルベルデやヴィニシウスとともにキャプテンマークを巻く一人となります。(via ElDesmarque)
マーク・ククレジャがマドリードで電撃デビューを飾る
チェルシーから今夏加入したマーク・ククレジャは、スペイン代表としてW杯優勝を成し遂げた後の休暇を終え、今週に合流したばかりでした。シャルケ戦の61分にカレラスに代わってピッチに立ち、デビューを果たしました。しかしドイツの地では、ユーロ2024準々決勝のドイツ戦でククレジャの手にボールが当たったにもかかわらずアンソニー・テイラー主審がPKを宣告しなかった件に対するファンの恨みが消えておらず、ボールに触るたび、そしてピッチに入った瞬間にスタジアム全体から大ブーイングを受ける洗礼となりました。それでもククレジャは『このチームメイトたちと一緒なら、すべてがずっと簡単になります。もうすぐ本番が始まります。とても嬉しいですし、リーグ戦が始まる前に全員で素晴らしい試合と結果を残せました。最初の数分間プレーできて、とてもやる気に満ちていますし、リズムを掴んでいきたいです』と前を向きました。ピッチ外では、ロンドンのコッツウォルズにある超豪華な自宅「ザ・マナー・ハウス」(1泊最低4000ユーロ)からマドリードへ移り、クルトワと同じ高級住宅地ボアディージャ・デル・モンテの「ラス・ロマス」地区で、自閉症スペクトラムを抱える子供のためにプライバシーとセキュリティの整った庭付きの家を探している最中です。(via SPORT)
クラブ史上最高額のヤン・ディオマンデがデビュー
RBライプツィヒから1億2500万ユーロ(さらに1500万ユーロの変数)という、エデン・アザールを超えるクラブ史上最高額で加入した19歳のコートジボワール代表アタッカー、ヤン・ディオマンデは、シャルケ戦の61分にブラヒム・ディアスに代わって出場し、待望のデビューを飾りました。30分間のプレーでタッチ数は18回に留まり、ヴィニシウスへの鋭いスルーパスなどのクオリティは見せたものの、まだ周囲との適応段階にあり控えめなパフォーマンスでした。19歳ですがカスティーニャ登録ではなく、ファーストチームの25名のファーストチーム枠に直接登録されています。ディオマンデは『レアル・マドリードから電話がかかってきたら、断ることはできません。世界最高のクラブです。誰もがここに来たがります。自分の幸せをみんなと分かち合い、チームの勝利に貢献したいです。少しシャイなので、まずはチームのやり方を学び、早く馴染んで貢献したい。テレビで見ていた素晴らしい選手たちと同じ控室にいることが信じられない。自分の夢だったので誇らしく、家族にも誇りに思ってほしい。移籍を後押ししてくれた監督に感謝している。信頼してくれたことに感謝したい』と喜びを露わにしました。(via SPORT)
イブラヒマ・コナテが鉄壁の守備でデビュー
リバプールから今夏フリーで加入したイブラヒマ・コナテは、シャルケ戦で先発としてマドリードデビューを果たし、ハイセンとセンターバックのペアを組んでプレーしました。空中戦において圧倒的な存在感を見せ、シャルケの攻撃陣をねじ伏せて前半を無失点に抑え、後半の頭にアントニオ・リュディガーと交代しました。モウリーニョ監督が望む堅固な守備ブロックの構築において、非常にポジティブな第一歩を踏み出しています。(via SPORT)
19歳のウクライナ人GKイリア・ボロシンの感動デビュー
シャルケ戦の87分、ウクライナ出身の19歳、身長2.02メートルの若き守護神イリア・ボロシンがアンドリー・ルニンに代わってピッチに立ち、ファーストチーム初出場を果たしました。ボロシンは2022年、祖国の戦争から逃れるために家族を置いて単身スペインのノベルダに避難。現地の温かいサポートを受けながらサッカーを心の支えとして生活を再建しました。その後、ラージョ・マハダホンダを経て2024年にマドリードのインフェンティルに加入し、昨季はUEFAユースリーグを制覇。モウリーニョ監督の目にも留まり、ドイツのピッチで夢の瞬間を迎えました。(via Mundo Deportivo)
ジョゼ・モウリーニョ監督が語る「チームビルディングと科学的アプローチ」
プレシーズン最終戦を終え、モウリーニョ監督は選手たちの意識と成長に満足感を示しています。監督は『チームとして成長している段階なので、現時点で個々の選手について話すのは難しいです。ここには良い選手、とても良い選手、極めて素晴らしい選手しかいません。これらの選手たちの力を融合させ、非常に優れたチームを作らなければなりません。私たちはそのための正しいステップを踏んでいると思います』と語りました。また、休暇明けで合流が遅れた選手(エムバペ、コナテが45分、ベリンガム、ククレジャ、ディオマンデが30分など)の出場時間について次のように明かしています。『遅れて合流した選手たちのパフォーマンスに満足しています。インテンシティの高い練習に入り、午前と午後の2部練習をあの驚異的な暑さの中でこなすのは簡単ではありませんが、彼らはトップのメンタリティを持って合流してくれました。キリアンやコナテの45分、ジュードやククレジャ、ディオマンデの30分という起用時間は、私たちが持つデータと、選手自身の経験、自分の体に関する知識をもとに科学的に分析したものです。今シーズンの現段階としては非常に受け入れられるコンディションに達しています』(via SPORT)
ジョゼ・モウリーニョ監督の戦術プランと中盤補強問題の裏側
モウリーニョ監督はプレシーズンを通じて4-2-3-1の構築を模索していますが、トニ・クロースの引退後に不足している「中盤の絶対的なオーガナイザー」を巡る課題に頭を悩ませています。本来はロドリ(マンチェスター・シティ)の獲得を望んでいましたが、ロドリはバルセロナへの移籍に原則合意したため、チームは別の選択肢を見出す必要があります。そこで監督は、インテルからドゥムフリースを右サイドバックに獲得したことで、イングランド代表としてユーロ2024でもダブルボランチを経験したトレント・アレクサンダー=アーノルドをチュアメニの相棒として中盤へコンバートする解決策を温めています。他には、ベルナルド・シウバやアルダ・ギュレルをボランチの位置で組み立てに回すテストも行いましたが、バルベルデはより攻撃的な位置に適しており、カマヴィンガはボールを受け、反転して配給する能力に不安があると評価されています。クリスタル・パレスの若手アダム・ウォートンにも関心がありましたが、9000万ユーロから1億ユーロという価格の高騰により争奪戦から撤退しました。(via SPORT)
カンテラ唯一の生き残りチアゴ・ピタルチの残留と昇格
今夏、レアル・マドリードが La Fábrica(カンテラ)から巨額の売却利益を得る中、18歳の逸材MFチアゴ・ピタルチだけが唯一ファーストチームに昇格し、公式サイトでも正式メンバーとして登録されました。背番号は若手用の「27」ですが、実質的にはファーストチームに帯同します。ピタルチは昨季、アレベルア率いるチームから急成長を遂げ、公式戦16試合に出場。CLのシティ戦では「18歳220日」で先発を飾り、ラウルの持つCL最年少先発記録を塗り替えました。今夏はフルハム(アレベルア氏が監督を務める)からアプローチを受け、実際にカスティーニャ時代の同僚ゴンサロやパラシオスがフルハムに移籍したものの、モウリーニョ監督はピタルチを高く評価しマドリードに残留させました。現在はプレシーズンの初日に負傷した左膝の内側側副靭帯の怪我から回復プロセスの途中にあります。(via SPORT)
テレーザ・エレーラ杯の制覇とブラヒム・ディアスの活躍
プレシーズン中に行われた伝統の「テレーザ・エレーラ杯」デポルティーボ・ラ・コルーニャ戦では、マドリードが1対0で勝利し、2013年以来となる10回目の優勝を飾りました。決勝ゴールを決めたのはブラヒム・ディアスです。前半のアディショナルタイムにキーパーのアンドリー・ルニンがデポルティーボのコーナーキックをキャッチすると、素早く手で超ロングパスを供給。これを受けたブラヒムが素晴らしいトラップからディフェンダーを置き去りにし、冷静にゴール下隅へ沈めました。ブラヒムはW杯でモロッコ代表として大活躍(6試合で1ゴール4アシスト)した勢いそのままにマドリードでも躍動しています。ブラヒムは『ルニンの素晴らしいアシストのおかげで良いゴールが決められました。今はとても良い状態で、一歩ずつ調子を上げています』と語りました。(via SPORT)
プレシーズンを欠場した負傷者・調整中の主力選手たちの最新状況
負傷や調整不足から、シャルケ戦の招集メンバーから漏れた選手たちの状態も明らかになっています。エンドリックは今週のバルデベバスでのトレーニング中に筋肉の過負荷(sobrecarga)を感じたため欠場。モウリーニョ監督は今季彼をチームに残留させ、一切のレンタル移籍を拒否していますが、直近のデポル戦では焦りから激しいラフタックルを見せるなど心理的な重圧も伺えます。また、チュアメニは別メニュー調整を継続中。ミリトンは4月に負傷した左足太ももの大怪我(腱への影響を伴う大腿二頭筋の怪我)からの回復が進み、ピッチ上でボールを使った練習を再開、10月末の復帰を目指しています。他にはアセンシオ(筋肉の怪我で9月まで離脱、移籍話も停滞)、フェルランド・メンディ(怪我のため移籍停滞)、ロドリゴ・ゴエスも別メニューで調整しています。なお、カマヴィンガに関してはチェルシーなど他クラブからの関心があるものの、選手自身にマドリードを離れる意向は一切ありません。(via ElDesmarque)
ラ・ファブリカの下部組織売却ビジネスとハコボ・オルテガ
マドリードのカンテラは今夏、合計で約1億9000万ユーロ近い売却益を生み出しており、極めてビジネスライクに機能しています。その最たる例が、20歳のFWハコボ・オルテガです。昨季はレアル・マドリードC所属ながらユースリーグ決勝のブルージュ戦でゴールを奪うなどして2回目の優勝に貢献。カスティーニャでも10試合で6ゴールを挙げました。この若き才能に対し、フランスのストラスブールが保有権の70%に対して1000万ユーロを支払うことで移籍がほぼ合意に達しています。マドリードで一度もトップチームでのプロデビューを果たしていないカンテラーノとしては、クラブ史上最高額の売却取引となります。他にも、カスティーニャで昨季6ゴールを挙げたロレン・ズニガがリビアのアル・マディーナへ3年契約で移籍。さらに第3GKだったフラン・ゴンサレスはセビージャへ移籍金300万ユーロ(保有権50%)で完全移籍。ゴンサロ・ガルシアがフルハムへ4000万ユーロで移籍し、フラン・ガルシアがベティスへ、ニコ・パスがコモへそれぞれ移籍しています。(via SPORT)
GKコーチのルイ・ジョピス氏が退団、後任はモウリーニョの盟友に
マドリードの黄金期を支え、直近のCL5回の優勝においてクルトワやケパ、ルニンを育て上げてきた名GKコーチ、ルイス・ジョピス氏が、モウリーニョ新監督の就任に伴いクラブを去ることになりました。ジョピス氏は『このような素晴らしい瞬間を生き、感じられたことは信じられない出来事です。本当にありがとうございました』と別れを告げました。クルトワは『本当にありがとう、我が友よ』と感謝を綴り、他の若手やケパらも別れを告げましたが、ルニンや元教え子のケイラー・ナバスは現時点で沈黙を守っています。後任には、トッテナム、ローマ、ベンフィカでもモウリーニョに同行した盟友のヌーノ・サントス氏が就任します。(via MARCA)
ネットフリックスのドキュメンタリーで明かされたモウリーニョの闘争哲学
ネットフリックスで配信された新しいドキュメンタリーシリーズにおいて、ジョゼ・モウリーニョ監督はマドリードでの闘争精神と伝統的な「セニョリオ(紳士道)」について語りました。監督は『私が到着した当時、マドリードはサッカーにおける紳士道を体現していました。つまり、紳士であり、スポーツマンシップに則って行動することです。しかし、その概念は誤解されていました。私にとって、紳士道とは運命を受け入れることではありません。紳士道とは、これは戦争だ、ということです』と言い切っています。これに対し、著名なジャーナリストであるトマス・ロンセロ氏は『同意できない。マドリードの歴史とはまさに紳士道であり、敗北した際には握手を交わすことだ。かつてバルサに対抗するためより激しく肉体的なサッカーを用いたことは理解できるが、2011年にティト・ビラノバの目に指を入れた行為は到底受け入れられない過ちだ』と苦言を呈しました。(via SPORT)
サンティアゴ・ベルナベウの名称・外観リニューアルと新設備
2019年から始まったサンティアゴ・ベルナベウの改修工事が最終段階を迎えています。今週、カステリャーナ通りのファサードに新しく「Bernabéu」という商業名称の文字看板が取り付けられました。この文字盤にはバックライト照明が組み込まれ、夜間には輝く設計となっています。以前の「Santiago Bernabéu」というフルネーム表記から変更され、新しいスタジアム外観デザインと一体化したものになりました。さらにスタジアム内では、夏の間を利用して観客席ファースト・アンフィシアター部分に「第2のLEDリング」が新たに設置され、360度超大画面ビデオマーカーなどとともに、デジタル体験と広告演出の幅を大きく広げることになります。改修を終えた新スタジアムでの最初のホームゲームは、8月26日(水)のレアル・ソシエダ戦を予定しています。(via SPORT)
ソシオ向けの新しい「社会規律規定」に対する法的批判
クラブが公式サイトで公表したソシオ向けの新しい「社会規律規定」が波紋を呼んでいます。特に問題視されているのは、クラブの代表者らに対してSNSなどで批判や不名誉なコメントを行ったソシオやアボナードを厳しく処罰・排除できるとした、第9.7条および第10.18条の規定です。これに対し、弁護士のセサール・ロメロ・デ・ラ・オサ氏は『これはクラブによる私的な表現の検閲行為であり、民主主義社会において到底容認できない。一種の社会的異端審問である。もし犯罪を犯したならば司法で裁かれるべきであり、クラブの役員や大統領を批判したことで会員権利を剥奪されるようなことはあってはならない』と警鐘を鳴らし、ラ・リーガやスポーツ上級委員会、文部省に対してこの不当な規定に介入するよう求めています。(via SPORT)
【本日の総括】
モウリーニョ新監督体制のもと、プレシーズンを無敗で終えたレアル・マドリード。新たな補強、ストライカーの台頭、そして下部組織の売却ビジネスやスタジアムの進化が進む一方で、ピッチ内外で解決すべき戦術的課題やクラブの新たな規律をめぐる法的論争など、変革の夏特有の緊張感が張り詰めています。
