【今日のラインナップ】
✅ レアル・サラゴサ [監督・SD解任とアラゴン主体の新体制、最下位からの再建へ]
✅ CDミランデス [エースのC・フェルナンデス負傷、次節は重要なブルゴスダービー]
✅ UDラス・パルマス [サラリーキャップ2位の資金力、日本人FWミヤシロら冬の大型補強]
✅ CDカステジョン [冬加入のDFファデルが躍動、次節ソシエダB戦でスタメン濃厚]
✅ マラガCF [2026年無双状態で首位、19歳の至宝イサン・メリーノに1部が熱視線]
✅ レアル・オビエド [ラージョとの延期分は残留への大一番、アルマダ監督の陣容]
✅ コルドバCF [ファンの差別的行動で罰金相次ぐ、クラブが規律の厳格化を検討]
✅ スポルティング・ヒホン [聖地エル・モリノン移転阻止へ、ファン団体が保護活動]
✅ リーグ全体の勢力図 [冬のサラリーキャップ更新、2026年好調・不調チームの明暗]
(以下、詳細本文)
■【レアル・サラゴサ】
現在勝ち点24でセグンダ最下位。残留ライン(レアル・バジャドリードの勝ち点32)まで8ポイント差と絶望的な状況の中、クラブはルーベン・セジェス監督とチェマ・インディアスSDの解任に踏み切った。一時は連勝でファンに希望を与えたセジェスだが、直近のブルゴス戦敗北が引き金となった。
後任SDにはラロ・アランテギが復帰。彼はクラブの「アラゴン化(地元出身者での再建)」を掲げ、右腕にフラン・グラシア、そしてアシスタントコーチ兼フロントスタッフとして、SDエヘア等で実績のあるネストル・ペレス(サラゴサ出身、45歳)を招聘した。
トップチームの指揮は、昨季も暫定監督を務めたダビド・ナバーロが引き継ぐ。新監督候補にはフアン・イグナシオ・マルティネス(JIM)の名が挙がっているが、次節のアウェイ・カディス戦はナバーロが指揮を執る。結果と内容次第では、彼がシーズン終了まで続投する可能性もある。
クラブのレジェンドであるナジムはラジオ番組で「結果だけでなく、シーズンを通しての感覚が悪い。解決策が見出せず、抜け出せる気配がないのが一番の問題。過去13年で25人の監督を交代させるなど、プロジェクトの継続性の欠如が招いた結果だ」と厳しく批判。サラリーキャップでは1280万ユーロでリーグ5位の規模を誇りながら最下位という事態に、ファンもクラブも背水の陣を迎えている。
■【CDミランデス】
サラゴサと並び勝ち点24で21位(ブービー)に沈むミランデス。今季はフラン・フスト、ヘスス・ガルバンに続き、すでに3人目のアンチョン・ムネタ監督が指揮を執っている。前半戦は本拠地アンドゥバの改修により、アラベスの本拠地メンディソロサを借りていたことが低迷の一因となった。
前々節にウエスカに勝利し、ラス・パルマスと引き分けるなど復調の兆しを見せていたが、前節はホームでセウタに敗北。痛手となったのが、ここまで10ゴール2アシストを記録し、18/19シーズン(デポルティーボ)や19/20シーズン(グラナダ)以来の好成績で攻撃を牽引しているFWカルロス・フェルナンデスの負傷欠場だ。ムネタ監督は「彼は完全にコミットしており、先週も体調不良の中で無理をして出場した。今回もギリギリまで試したものの不可能だった」とエースの不在を嘆いた。
次節はアウェイでのブルゴスとの重要なダービーマッチ。前半戦は0-2で敗れているが、昨季はアレッシオ・リスチ監督下でウゴ・リンコン(現ジローナ)のゴールにより0-1で勝利した舞台だ。カルロス・フェルナンデスが復帰できれば、残留に向けた大きな精神的ブーストとなる。
■【UDラス・パルマス】
1年での1部復帰を目指すラス・パルマスは、冬の移籍市場を終えてサラリーキャップ(LCPD)が1330万ユーロから1510万ユーロへ増加。これはレガネス(1970万ユーロ)に次ぐリーグ2位の圧倒的な資金力である。
現在28節を終えて勝ち点45。首位ラシン・サンタンデール(53)、カステジョン(49)、アルメリア(49)、デポルティーボ(49)、マラガ(47)を猛追している。
ミゲル・アンヘル・ラミレス会長とルイス・エルゲラSDは冬の市場で強力な投資を敢行。メキシコからフリーで獲得したポエタ・ベネデッティ(代理人へ290万ユーロを支払い、2030年までの契約締結)、サンプドリアからのエスタニス・ペドロラ(6月に買取交渉予定)、イケル・ブラボ(買取オプションなし)に加え、ヴィッセル神戸から日本人FWのミヤシロをレンタルで獲得。ミヤシロには昇格時に約300万ユーロでの買取義務が付帯している。豊富なタレントを揃え、5月17日のアウェイ・アルメリア戦など、シーズン終盤の昇格争いへ向けて万全の体制を敷いている。
■【CDカステジョン】
パブロ・エルナンデス監督率いるカステジョンは、現在勝ち点49を獲得し、昇格争いの真っ只中にいる。冬の移籍市場で2027年までの契約で獲得した22歳のDFイスマエル・ファデル(モロッコ年代別代表経験あり)が注目を集めている。
サラゴサの下部組織出身で、SDエヘアやイェクラーノで活躍したファデルについて、ボブ・ブルガリス会長は「トップチームの戦力だが、出番がない時はリザーブでプレーさせる」という育成プランを明言。BチームでCBとして質の高いキックと対人守備を見せると、トップチームではバジャドリード戦(0-4で敗戦)にて、累積警告のジェレミー・メロの代役として右SBで先発デビューを果たし、難しい役割をこなした。
前節のラシン・サンタンデール戦でメロが退場処分を受けたため、次節のレアル・ソシエダB(サンセ)戦では再びファデルがスタメン起用される見通しだ。
■【マラガCF】
後半戦の主役は間違いなくマラガである。フネス監督の就任以降、リーグ戦14試合で10勝2分2敗(25得点13失点)、勝ち点32という驚異的なペースで勝ち点を積み上げ、降格危機から一気に勝ち点47のプレーオフ圏内へと劇的なV字回復を果たした。2026年に入ってからの9試合に限定すれば、勝ち点21を獲得しリーグ単独トップの成績を収めている。
ロレン・フアロスSDが推進する下部組織重視のプロジェクトが実を結んでおり、その筆頭が19歳のMFイサン・メリーノだ。フネス監督下でコパ・デル・レイのタラベラ戦を除き絶対的なレギュラーとなり、すでにトップチームで54試合に出場。
かつてレアル・マドリードが25万ユーロでの引き抜きを画策したがクラブが拒否。その後、2028年まで契約を延長し、違約金は300万ユーロから800万ユーロに設定された。市場価値も30万ユーロから100万ユーロへ急上昇しており、1部の複数クラブから熱視線を浴びている。クラブは契約満了でニューカッスルへ去ったアントニート・コルデロの二の舞を避けるため、違約金満額の支払いがない限り手放さない強硬姿勢を貫いている。
■【レアル・オビエド】
ギジェルモ・アルマダ監督率いるオビエドは、現在勝ち点27で降格圏からわずか3ポイント差と苦しい状況にある。本日、ラージョ・バジェカーノとの延期分の試合(アウェイ)に臨む。この試合は当初、ラージョ側の芝の張り替え不備と豪雨により直前で延期され、オビエド側が「LaLigaの怠慢だ」と勝ち点3を要求する法的手続きにまで発展した因縁の一戦である。
アルマダ監督は「今季最も重要な試合」と位置づけ、ハイプレスで相手を苦しめる戦術を継続する。負傷中のダビド・コスタスとエリック・バイリーに代わり、CBはダニ・カルボとダビド・カルモがコンビを組む。また、足首のケガからアルベルト・レイナが復帰。スタメンにはナチョ・ビダルに代わってルーカス、ニコ・フォンセカに代わってコロンバットが起用される見込みだ。予想スタメンは、アロン・エスカンデル;ルーカス、カルボ、カルモ、ハビ・ロペス;シボ、コロンバット;ハッサン、レイナ、イリアス・シャイラ;フェデ・ビニャス。
■【コルドバCF】
イバン・アニア監督率いるコルドバは、ピッチ外での問題に頭を悩ませている。今季エル・アルカンヘルでのホーム戦14試合中、実に11試合(78.7%)でLaLigaから差別的チャント等の警告や制裁を受けている。
昨季は罰金が5万ユーロを超え、裁判所の命令で十数人のシーズンチケットが剥奪された。さらに先日のアンドラ戦では、前半にファンがナチス式敬礼を行い警察に追放される事件が発生した(その際、抗議したカップルも退場処分に)。これを受け、クラブとオーナー陣は事態を重く見て、スタジアムでのファン・ソシオの行動規範をさらに厳格化し、違反者の特定と処罰を強化する方針を固めている。
■【スポルティング・ヒホン】
スポルティング・ヒホンに関しては、本拠地「エル・モリノン」の保護に向けた動きが活発化している。ファン団体「アンセルモ・ロペス協会」が、都市計画の専門家ダビド・アロンソ・メディナと協力し、スタジアムをヒホン市の都市計画カタログに登録する手続きを開始した。
これは、将来的にクラブのオーナーや投資家がスタジアムを移転・売却するのを法的に防ぐ(防弾する)ことが目的。改修や拡張の余地は残しつつ、歴史ある現在地でのスポーツ用途を永続的に守るため、市議会や関係機関との協議を進めている。
【本日の総括】
冬の移籍市場を終え、LaLigaから最新のサラリーキャップ(LCPD)が発表された。リーグ全体の上限額は2億2038万ユーロ(昨年比2000万ユーロ増)となった。
首位はレガネスの1970万ユーロ(300万ユーロ増)だが、彼らは勝ち点34で降格圏からわずか4ポイント差に沈んでいる。2位のラス・パルマス(1510万ユーロ)は日本人FWミヤシロら実力者を揃えて昇格争いに食い込み、5位のレアル・サラゴサ(1280万ユーロ)はまさかの最下位で監督解任の激震に見舞われた。一方、アルメリアは339万ユーロから1054万ユーロへと資金枠を大幅に拡大させた。その他の上位陣では、ラシン・サンタンデールが1380万ユーロ、デポルティーボが1320万ユーロ、マラガが1170万ユーロ、カステジョンが1150万ユーロとなっている。
2026年に入ってからの勢力図(直近9試合)では、勝ち点21を荒稼ぎしたマラガが圧倒的な強さを見せ、カステジョン(18pt)、アルメリア、デポルティーボ、エイバル(各17pt)、首位ラシン・サンタンデール(16pt)、セウタ、コルドバ(各15pt)、ブルゴス、レガネス(各14pt)、レアル・ソシエダB(13pt)、アルバセテ、スポルティング(各12pt)が上位を形成している。
対照的に、前半戦はプレーオフ圏内にいたカディスがこの期間でわずか勝ち点5しか奪えず14位まで急降下。クルトゥラル・レオネサ(4pt)に次ぐ不調ぶりである。最下位サラゴサ(7pt)やミランデス、レアル・バジャドリード(各8pt)、ウエスカ(7pt)も低空飛行が続いており、豊富な資金力が必ずしも順位に直結しない、セグンダ特有の過酷なサバイバルレースが浮き彫りとなっている。
