RCDマジョルカ
2部リーグ降格に伴い、スポーツ部門の全面的な再編が進行しており、すでに10名近い選手がチームを去っている。特に守備陣の構築がパブロ・オルテルスSDにとって最大の頭痛の種となっている。右サイドバックでは、ピッチ内外でのパフォーマンスに問題があったパブロ・マフェオが双方合意のもとで退団。マルティン・デミチェリス前監督の構想外となっていたマテウ・モレイは、ルイス・ガルシア新監督の下でかつての輝きを取り戻すことが期待されている。アルナウ・プイグマルはウイングとして起用される見込みだ。左サイドバックでは、コロンビア代表としてW杯に出場したホアン・モヒカに退団の扉が開かれており、クラブは移籍金を得ることを望んでいる。ライバルのトニ・ラトは、ヘタフェ戦でのスタメン落ちなど前監督の冷遇に不満を持ち退団を希望していたが、監督交代により残留して状況を見守る姿勢を見せている。センターバックはさらに不透明で、度重なる負傷に苦しんだキャプテンのアントニオ・ライージョにはセビージャやコルドバから関心が寄せられている。残留して健康を保てば2部では決定的な存在になるが、去就は未定だ。相棒のマルティン・ヴァリエントは降格に大きなショックを受けており、1部復帰のための明確で勝てるプロジェクトをクラブに要求している。クンブジャの獲得は失敗に終わり、ダビド・ロペスが3番手、アブバカル・スマホロは未知数という状況の中、開幕に向けて即戦力となるハイレベルなディフェンダーの獲得が不可欠となっている (via SPORT)
レアル・オビエド
2部降格という苦難を味わったものの、ダビド・フェルナンデス新SDとフリアン・カレロ新監督の体制下で、わずか3週間で8人もの新戦力を獲得するなど再建は順調に進んでいる。新加入したのは、パブロ・サエンス、ハコボ・ゴンサレス、ユネス・ラチャブ、アイサール・アフメド、サム・ロドリゲス、ビクトル・ミンゴ(1部RFEFへレンタルの可能性あり)、アリツ・アルダソロ(レンタル)、アレクサンドル・イスファン。さらに下部組織からGKミゲル・ナルバエスがトップチームに昇格した。ストライカーの補強として、フェデ・ビニャスの穴を埋めるべくボタフォゴからクリス・ラモス(29歳)を今季終了までのレンタルで獲得することが間近に迫っている。身長190cmのラモスはスピードと空中戦に優れ、カウンターの脅威となる万能型FWであり、ヘスス・マルティネス・オーナーの悲願の獲得となる。一方で退団も相次ぎ、降格に伴いエリック・バイリー、レアンデル・デンドンケル、オビエ・エジャリアが契約解除となり、サンティ・カソルラは現役引退。オイエル・ルエンゴはブルゴスへ、デル・モラルはハイドゥク・スプリトへ移籍した。ダニエル・パラスキフの退団も濃厚で、アレックス・カルデロ、チュクウマ・エゼ、ブランドン・ドミンゲス(膝の手術の影響あり)の残留も厳しい。残留組のGKアロン・エスカンデルは2027年まで契約を残し正守護神を務める予定だ。特に注目を集めているのがアイセム・ハッサンで、W杯のエジプト代表としてアルゼンチン戦で素晴らしい活躍を見せたことで評価が高騰。サラリーキャップを空けるための大型売却の有力候補となっている。ルエンゴの抜けた穴を埋める左利きのCB獲得が急務であり、マルコ・エステバンとディエゴ・エスピノサが第4CBの座を争っている (via SPORT)
スポルティング・デ・ヒホン
ニコラス・ラルカモン新監督が就任し、その強い個性と率直な姿勢で早くもサポーターの心を掴んでいる。就任会見では、クラブが事前に「戦力外リスト」を公表したことに対し『自分なら絶対に公開しない。プレシーズンは真の評価の場であり、選手が状況を覆してチームの戦力になる可能性もある』と苦言を呈した。現在、パブロ・ガルシア、ダニ・ケイポ、アマドゥ・コンドゥルらは戦力外通告を受けながらも練習に参加している。また、オスカル・トレホの獲得については、出場機会の保証ができなかったため破談になったことを正直に明かした。補強面では、ツェリェからロシア人ウイングのニキータ・イオシフォフ(23歳)を完全移籍で獲得することが決定し、数日内にアストゥリアスへ到着する予定だ。昨季52試合で16ゴール12アシストを記録した同選手は、ラルカモン監督の5-3-2システムにおいて、豊富な運動量と攻撃力を活かして左ウイングバックとしての起用が想定されている。さらに、シント=トロイデンからウルグアイ人FWアンドレス・フェラーリのレンタル移籍も間近に迫っている。クラブは他にもトップ下、ピボーテ、左ウイング、左CB、万能型FWを探しており、中盤ではダミアン・ロドリゲス、左ウイングにはジローナのハスティン・ガルシアに関心を寄せている。エリック・クルベロは6月で契約満了となった。また、アスレティック・ビルバオからドゥニャベイティアを買戻しオプション付きの完全移籍で獲得している。本拠地エル・モリノンでのサバデルとの開幕戦については、ヒホン市のお祭り「セマナ・グランデ」の混雑を避けるため、8月17日(月)への日程変更をラ・リーガに要請している (via SPORT) (via ElDesmarque) (via Mundo Deportivo)
CDカステリョン
昨季の昇格プレーオフ準決勝でアルメリアに敗れた悔しさを胸に、パブロ・エルナンデス監督の下で新シーズンのプレシーズンがシウダ・デポルティーバ・ラ・コマでスタートした。アレックス・カラトラバ(エスパニョールへ記録的な移籍金で移籍)、ベニャト・ヘレナバレナ(アスレティックへ帰還)、ブリアン・シペンガといった主力がチームを去った一方で、すでに6人の新戦力が合流している。右SBに経験豊富なフアンホ・ニエト、中盤にはオランダ2部最優秀選手に選ばれたボランチのヤリ・ヴラク(ADOデン・ハーグから)、トップ下には創造性豊かなアルバロ・マルティン(アンドラから)とフラン・カスティーヨ(イビサから)を獲得。ウイングには実績のあるイニゴ・コルドバ(ブルゴスから)を左に、スピードと突破力に優れるハムザ・ベラリ(エルデンセから)を右に加えた。また、アグスティン・シエンラの買い取りオプションを行使し、左SBホセ・アルベルトがイビサへのローンから復帰。GKはセルジ・トルネールがトップチームに昇格して契約を延長し、ロマン・マティスと共に定位置を争うため、アミル・アベドザデの退団の可能性が浮上している。W杯に出場したアワー・マビルは遅れて合流予定だ。Bチーム(2部RFEF)からも、タラサから加入したGKイバン・ビアルへ、バジャドリードから加入したDFイアゴ・パレンテ、そしてMFエンリク・ジスベルトの3名がプレシーズントレーニングに招集され、アピールの機会を与えられている。退団選手は前述の他に、サルバ・ルイス(契約満了)、イスマエル・ファデル(ローン)、ロナウド・ポンペウ、セルペタ(ローン)、ママドゥ・トラオレ(契約解除)、デ・ニポティなど多岐にわたる。プレシーズン中は、CEサバデル、バレンシア、ジローナ、アラベス、エルクレス、レバンテとの親善試合が組まれている (via SPORT)
CDテネリフェ
ビジャレアルから21歳のウイング、ビクトル・モレノを2029年6月までの契約で完全移籍で獲得したことを公式発表した。モレノはグラナダへの移籍がほぼ決まりかけていたが、グラナダのスポーツ部門の体制変更により交渉がストップ。この隙を突いてテネリフェが素早く動き、獲得を成功させた。両サイドでプレー可能で、スピード、突破力、1対1の強さに加え、アシストやペナルティエリア内への侵入にも優れており、即戦力として期待されている。ビジャレアルには将来の売却益の一部とボーナスが支払われる契約となっている。一方で、左サイドバックのマルク・マテウ(36歳)は、昨シーズンの第1節で負傷して以来、慢性的な足首の捻挫に苦しみ手術を受けたが、今季は完全に回復し、チーム唯一の左サイドバックとして復活を誓っている (via Estadio Deportivo) (via SPORT)
レバンテUD
深刻な左サイドバック不足を解消するため、コモを契約満了で退団したアルベルト・モレノ(34歳)のフリー獲得を検討している。セビージャやリヴァプール、ビジャレアルで活躍した経験豊富なベテランであり、ルイス・カストロ監督もこの補強を歓迎している。また、セルタからウゴ・ソテロ(22歳)の獲得も間近に迫っている。昨季はトップチームで20試合に出場したが、終盤にクラウディオ・ヒラルデス監督の下で出場機会を減らしていた。両クラブは基本合意に達しており、買い取りオプションの有無など最終的な詳細を詰めている段階だ。ピッチ外のニュースとして、バレンシアのテクノロジー企業「Sesame」が2026-2027シーズンからメインスポンサーに就任することが発表された (via MARCA) (via ElDesmarque) (via SPORT)
コルドバCF
若手選手の育成として、契約延長とローンの組み合わせを積極的に活用している。GKラモン・ビラとウイングのマリアノ・カルモナをそれぞれ2029年まで契約延長した上で、同じ2部のCDエルデンセへレンタル移籍させた。クラブの資産を守りつつ、出場機会を与えて成長を促す戦略だ。また、ダリソン・アルメイダはクロアチアのハイドゥク・スプリトへレンタル移籍し、ヨーロッパリーグ予選で既にゴールを記録するなど好スタートを切っている。一方で、マティアス・バルボサとは契約解除、ジョージ・アンドリュースは将来の売却条項付きでヘタフェへ完全移籍、ペドロ・オルティスとシャビ・シンテスは契約満了で退団となった。テオ・ジダンの去就は未定のままだ。新たな戦力として、ベティスからGKギリェルメ・フェルナンデスの獲得に動いており、選手本人も移籍に前向きな姿勢を示している。さらに、アスレティック・ビルバオからはイバイ・サンスとエデル・ガルシアをローンで獲得している (via SPORT) (via ElDesmarque) (via Mundo Deportivo)
エルチェCF
ストライカーのアルバロ・ロドリゲスが、イングランド・プレミアリーグのボーンマスへ完全移籍することが決定した。移籍金は2500万ユーロ(固定)+ボーナス500万ユーロという大型取引となった。レアル・マドリードが保有権の50%を持っていたため、マドリード側にも最低1250万ユーロが支払われる。昨季のジローナ戦で残留を決める劇的なゴールを挙げるなど、チームの重要な得点源だった。また、GKアクセル・ウェルネル(29歳)との契約を2028年6月まで延長し、アルゼンチンのロサリオ・セントラルへローン移籍させることを発表した。バルセロナからレンタルで加入していたDFエクトル・フォルトは、期間満了に伴い所属元へ復帰している (via Mundo Deportivo) (via MARCA) (via SPORT)
CDレガネス
ルベン・アルベス監督が率いる新プロジェクトの4人目の補強として、ル・アーヴルからフランスマロッコ国籍のMFヤシン・ケシュタ(24歳)を4年契約で獲得した。パリ五輪の男子サッカーで銅メダルを獲得した実績を持ち、テクニック、視野の広さ、そして強烈な左足のシュートを兼ね備えている。ミゲル・アティエンサ、ジコ・ブールメースター、ラウール・フェルナンデスに続く実力者の加入で、中盤の構成力に大きな厚みをもたらすことが期待されている (via MARCA)
【本日の総括】
今季のLALIGA Hypermotionは、その勢力図と顔ぶれが大きく様変わりしている。マジョルカ、ジローナ、そしてレアル・オビエドが1部から降格してきた一方で、デポルティボ、ラシン、マラガ、レアル・サラゴサ、ミランデス、ウエスカといったスペインサッカーの歴史を彩ってきた伝統あるクラブが2部から姿を消した。代わりにセルタ・フォルトゥナ、サバデル、テネリフェ、エルデンセなどが昇格を果たしており、1部リーグでの経験値という点では全体的に「血統」が失われ、不確実性の高い、予測困難な混戦のシーズンとなることが予想される。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
今季のセグンダは、戦術的な流動性が極めて高いシーズンになりそうです。特に注目すべきは、スポルティング・デ・ヒホンのラルカモン監督が導入する5-3-2システムへの適応です。イオシフォフのような運動量豊富なウイングをWBに配置する試みは、現代的なサイドの攻防を象徴しています。一方で、マジョルカやオビエドのように降格組が守備陣の再構築に苦心している点は見逃せません。配置の最適化が完了するまでの序盤戦は、戦術的な完成度よりも、個の突破力や即戦力の噛み合わせが勝敗を分ける鍵となるでしょう。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
降格という厳しい現実を突きつけられたクラブが、いかにして再建の道筋を描くか。その温度差が鮮明になっています。オビエドが新体制下で迅速に補強を進める一方で、マジョルカは主力選手の去就が不透明なまま開幕を迎えようとしています。クラブのプロジェクトに対する選手の信頼と、フロントの明確なビジョンが一致しているか。この「クラブの空気」が、長いシーズンを戦い抜くための精神的な支柱となります。サポーターの期待を裏切らない誠実な姿勢が、今こそ求められています。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
今夏の移籍市場は、サラリーキャップの制約と若手育成のバランスが顕著です。エルチェのアルバロ・ロドリゲス売却に見られるような大型取引は、クラブの財政基盤を支える重要な戦略ですが、同時に戦力低下のリスクも孕んでいます。また、コルドバが若手を長期契約で囲い込みつつローンで経験を積ませる手法は、編成の合理性を物語っています。単なる補強の数ではなく、契約年数や買い取りオプションの有無といった「契約の質」に注目することで、各クラブの今季の勝負度合いが見えてきます。