RCDマジョルカ
マジョルカは1部からセグンダへの降格という大きなショックを受けたものの、セグンダAの中でもトップクラスの予算と陣容を武器に、1年での1部復帰を目指している。マルティン・デミチェリス前監督の逃亡を受け、昨季UDラス・パルマスを率いて昇格プレーオフまで導いたルイス・ガルシアが新監督に就任した。クラブの財政を潤すため、すでにレオ・ロマン、パブロ・マフェオ、ベダト・ムリキといった主力スター選手を売却しており、さらにヨハン・モヒカ、サム・コスタ、ヤン・ビルジリ、パブロ・トーレといった選手たちも退団の可能性がある (via ElDesmarque)。
ヤン・ビルジリは降格に伴い契約解除金が3000万ユーロから1200万ユーロに減額されており、バルセロナが将来の売却益の40%を保有しているため実質700万ユーロでの買い戻しを検討している (via SPORT)。
ルイス・ガルシア監督の最重要任務の一つは、2部で違いを作れるアントニオ・ライージョ、マルティン・ヴァリエント、パブロ・トーレ、ヤン・ビルジリらに残留を説得することだ。特にパブロ・トーレについては、インサイドのスペースを突く自身のプレースタイルにおいて不可欠な存在と位置づけている。監督は就任会見で『彼が我々と一緒にプレーしてくれれば、彼自身も楽しめるはずだ。パブロにとって大ブレイクの年になるかもしれない』と公言し、強い引き留め工作を行っている。ただし、パブロ・トーレには降格時に給与を全額負担する1部クラブへレンタルできる条項があり、去就は依然として不透明なままだ (via ElDesmarque)。
デポルティーボ・ラ・コルーニャ
8年ぶりにセグンダに復帰したデポルティーボは、フェルナンド・ソリアーノSDとアントニオ・イダルゴ監督のもと、移籍市場で非常にアグレッシブな動きを見せている。これまでにGKレオ・ロマンを約900万ユーロで獲得したほか、オランダ人MFトゥーン・ハイセルハルトを補強。さらにチェルシーやマンチェスター・ユナイテッドとの争奪戦を制し、19歳の若手CBブライト・エデと5年契約を結んだ (via ElDesmarque)。
中盤の底上げとして、イタリア・フィオレンティーナから21歳のMFロレンツォ・アマトゥッチを約250万ユーロ(将来の売却益の数%をフィオレンティーナが保持)で完全移籍で獲得。昨季ラス・パルマスにレンタルされ2部で42試合に出場、4アシストを記録してプレーオフ進出に貢献した戦術眼に優れる選手だ (via ElDesmarque)。
さらに、カタールのアル・ガラファとの契約を終えた36歳のFWホセル・マトの復帰が間近に迫っている。アラベスやヘタフェなど1部クラブも関心を示していたが、ホセル自身が古巣であるデポルへの帰還と1部復帰プロジェクトへの参加を強く希望している (via ElDesmarque)。
一方で、契約を2年残していたルイス・チャコンをレアル・バジャドリードへ売却。さらなる補強資金を捻出するため、昨季のチーム得点王であるオランダ人FWザカリア・エダチュリの売却を画策しており、300万から500万ユーロ以上のオファーを待っている。この売却益を使って、アルバロ・モラタ、ファビオ・シウバ、フェデ・ビニャス、ヨナタン・アスプ・イェンセンなどの大型ストライカー獲得を狙うほか、アンヘリーニョを最優先とする左サイドバック、センターバック、守備的ミッドフィルダー、サイドアタッカーの補強も目指している (via ElDesmarque)。
コルドバCF
中盤の再構築を急務とするコルドバは、夏の移籍市場で怒涛の12選手を獲得し、スカッドは29人に膨れ上がっている。アスレティック・クラブのBチーム(ビルバオ・アスレティック)から、22歳の守備的MFエデル・ガルシアを1年間のレンタルで獲得。昨季は1部RFEFで34試合に先発し4ゴールを記録、トップチームでもバルセロナ戦などでプレーした経験を持つ逸材だ。同じくアスレティックBからFWイバイ・サンスも引き入れた (via SPORT)。
その他、ダニ・タセンデ、エゴイツ・ムニョス、ハコボ・マルティ、フアン・グティエレス、ダミアン・カセレス、アドナン・ガイラン、ウナイ・サブロソ、エノル・ロドリゲス、サリム・エル・ジェバリを獲得し、アトレティコからレンタルしていたディエゴ・ブリの完全移籍移行も完了した。一方でダニ・レケナやペドロ・オルティスが退団し、テオ・ジダンらの去就も不透明となっている (via SPORT)。
レアル・オビエド
ダビド・フェルナンデス新SDとフリアン・カレーロ新監督の体制で1部昇格を目指すオビエドだが、激動の夏を迎えている。長年チームを支えたサンティ・カソルラが、フリアン・カレーロ監督から『自分が求める構想では重要な役割を担えないかもしれない』と率直に告げられたことを受け、引退を決断した (via ElDesmarque)。
移籍市場では、第5の補強としてマドリード出身の23歳FWビクトル・ミンゴをフリーで獲得(2028年まで)。昨季1部RFEFのCDアレンテイロで12ゴールを挙げた選手だが、プレシーズンの出来次第ではレンタル放出の可能性もある (via ElDesmarque)。
即戦力ストライカーとしてCDカステリョンのウスマン・カマラの獲得を熱望し、選手本人との合意には達しているものの、クラブ間の移籍金交渉が難航している。また、放出面ではオイエル・ルエンゴをブルゴスへ完全移籍で放出し、アルベルト・デル・モラルも退団。さらに、左SBのラヒム・アルハッサンにはセリエAの2クラブから約400万ユーロのオファーが届いており、W杯での活躍で価値が高騰したハイセム・ハッサンも契約解除金が1200万ユーロに下がったことで放出の可能性が高まっている。正GKアーロン・エスカンデルにも国内外から関心が寄せられており、クラブは移籍金を伴う場合のみ放出を容認する構えだ (via ElDesmarque)。
CDカステリョン
レアル・オビエドから熱烈な関心を受けているギニア人ストライカー、ウスマン・カマラの移籍金要求額を、当初の約200万ユーロから270万ユーロへと強気に引き上げた。昨季2部で12ゴールを記録した同選手はオビエドへの移籍を希望しているが、クラブ側は安売りしない姿勢を明確にしている (via ElDesmarque)。
ブルゴスCF
レアル・オビエドからバスク人CBのオイエル・ルエンゴを完全移籍で獲得した。昨季後半もエル・プランティオでプレーしており、ミチュSDが守備強化のキーマンとして高く評価。プレーオフ進出を目指すチームの守備の要として期待されている (via SPORT)。
カディスCF
チームの激しい再編が進行中だ。ニューカッスルからFWアントニート・コルデロの再レンタル(来季終了まで)に合意。昨季冬の加入後、16試合に先発し3ゴールを挙げており、再びイマノル・イディアケス監督のもとでプレーする。さらに、アスレティック・クラブから22歳のトップ下、イボン・サンチェスを2030年までの長期契約で完全移籍で獲得。チャンピオンズリーグでのプレー経験も持つ逸材だ。また、ラシン・サンタンデールから長身GKホキン・エスキエタを買い取りオプション付きのレンタルで獲得し、DFハビ・カストロも引き抜いた。その他、ウラディスラフ・コポトゥン、ケナン・トイビブ、ベニャト・デ・ヘススらを補強している (via ElDesmarque)。
レバンテUD
セルタ・デ・ビーゴから22歳のMFウゴ・ソテロのレンタル獲得に向けて交渉を進めている。中盤の激しいポジション争いから出場機会を求める同選手に対し、ルイス・カストロ監督が強い関心を示している。また、オビエドのGKアーロン・エスカンデルの獲得リストにも名を連ねている (via Estadio Deportivo)。
セルタ・フォルトゥナ
トップチームのセカンドチームとして、クラブ史上初となるLALIGA Hypermotion(2部)への昇格という快挙を成し遂げた。この歴史的なシーズンに向け、19歳の有望なストライカーであるアンヘル・ダビラとの契約を2030年6月まで延長し、戦力の維持を図っている (via SPORT)。
バルサ・アトレティック
昨季は昇格を逃したものの、フリアノ・ベレッチ監督との契約を1年延長し、再び競争力のあるチーム作りを進めている。CDテネリフェから22歳のMFフアン・イバーラを2028年までの契約で、18歳のアタッカー、ジョニ・エルナンデスを50万ユーロ(将来の売却益の25%をテネリフェが保持)で2030年までの契約で完全移籍で獲得した (via SPORT)。
その他、イグナシ・ケル、ハビ・カストロ、ホスエ・カイセドの加入が決定している。エジプト代表の18歳FWハムザ・アブデルカリムも獲得したが、彼はトップチームの活動に加わる見込みだ。また、ベルギーのクラブ・ブルッヘから18歳のウインガー、ジェシー・ビシウの獲得を狙ってオファーを提示中である。一方で、15歳以下のカテゴリーで注目されていた逸材ウインガー、アダム・カルアルはクラブのサポート不足を理由に退団を決断した (via Mundo Deportivo)。
CDテネリフェ
バルサ・アトレティックへ、下部組織で育った若手有望株のフアン・イバーラとジョニ・エルナンデスの2選手を売却した。エルナンデスの取引においては、将来の売却益の25%を確保している (via SPORT)。
CDエルデンセ
LALIGA Hypermotionに新たに昇格したエルデンセは、コルドバCFと2029年まで契約を延長したばかりのストライカーをレンタルで獲得し、前線の補強を行った。この選手は昨季アルコルコンでプレーし、6ゴールを記録している (via MARCA)。
UDラス・パルマス
昨季はセグンダでプレーオフに進出するも、マラガCFに敗れて昇格を逃した。その際、中盤の要として42試合に出場し4アシストを記録したロレンツォ・アマトゥッチは、今夏フィオレンティーナからデポルティーボ・ラ・コルーニャへと完全移籍で去っている (via ElDesmarque)。
ADアルコルコン
チームを指揮していたパブロ・アルバレス前監督が、バレンシアCFのカルロス・コルベラン監督のコーチングスタッフとして引き抜かれたため、新体制での再出発を余儀なくされている (via ElDesmarque)。
【本日の総括】
本日のセグンダ・ディビシオンは、昇格組と降格組の対照的な動きが鮮明となった。1部から降格したマジョルカは主力流出の危機に瀕しながらも、パブロ・トーレらキーマンの慰留に全力を注ぎ、早期の1部復帰へ向けた基盤維持に必死だ。対照的に、8年ぶりに2部へ舞い戻った名門デポルティーボ・ラ・コルーニャは、ホセル・マトの帰還というビッグディールを目前に控え、大型補強と余剰戦力の売却を同時進行させるなど、凄まじい勢いでスカッドを強化している。また、カディスやコルドバも大量補強で血の入れ替えを行っており、レアル・オビエドはカソルラの引退や主力引き抜きの脅威に晒されている。昇格を果たしたセルタ・フォルトゥナやエルデンセも含め、各クラブがそれぞれの野心と課題を抱えながら、例年以上に熾烈な昇格争いに向けた準備を加速させている。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
マジョルカのルイス・ガルシア新監督がパブロ・トーレの引き留めに固執するのは、彼が単なるパサーではなく、インサイドの狭いエリアで局面を打開できる稀有なタクトを持つからに他なりません。降格後の再建において、個の打開力に依存せざるを得ない2部特有の戦術環境では、彼のような選手が戦術の起点となります。一方、デポルティーボがアマトゥッチのような戦術眼に優れたMFを確保したことは、昇格争いにおける中盤の安定感を大きく左右するでしょう。各チームが血の入れ替えを行う中で、新監督が既存戦力をどう再定義し、いかにして組織の骨格を維持できるかが、序盤戦の成否を分ける鍵となります。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
降格のショックから立ち直ろうとするマジョルカと、8年ぶりの復帰で熱を帯びるデポルティーボ。この両極端なクラブの空気が、今季のセグンダを象徴しています。特にデポルティーボがホセル・マトという象徴的な帰還を画策している点は、サポーターの期待値を一気に高める戦略的な一手です。一方で、レアル・オビエドがサンティ・カソルラの引退という大きな節目を迎え、新体制への移行に苦心している様子からは、クラブのアイデンティティをどう継承していくかという難しさが伝わります。フロントの判断一つでチームの温度感が激変する、この時期特有の緊張感が漂っています。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
今夏のセグンダは、契約解除金の減額条項や将来の売却益分配(セル・オン条項)を巧みに利用した取引が目立ちます。特にバルセロナが保有するパブロ・トーレの去就や、テネリフェが若手売却時に将来の利益を確保する手法は、財政難のクラブにとって重要な生存戦略です。また、カステリョンがカマラの移籍金を強気に設定したように、市場価値の最大化を狙う動きも活発化しています。各クラブとも、単なる補強だけでなく、サラリーキャップや将来の収益性を考慮した編成が求められており、単なる獲得数よりも、契約の整合性がチームの持続可能性を左右するでしょう。