ジョゼ・モウリーニョ新監督就任と大型補強の全貌

フロレンティーノ・ペレス会長が、これまで敬遠していた代理人ジョルジュ・メンデスおよび彼の事務所ジェスティフチとの関係を完全に修復し、彼らに全幅の信頼を置く体制へと移行した。これにより、ジョゼ・モウリーニョがレアル・マドリードの新監督に就任することが決定。この動きはヨーロッパのサッカー界にドミノ効果をもたらし、同じくメンデスの顧客であるマルコ・シウバがベンフィカの監督に就任する一方で、レアル・マドリードのアルベロアがフルハムの新監督に就任する可能性が極めて高くなっている。

クラブは2025/26シーズンに向けてアルバロ・カレーラス、フランコ・マスタントゥオーノ、ディーン・ハイセン、トレントに総額1億6700万ユーロを投資したが、彼らのパフォーマンスは期待外れに終わった。この失敗を猛省し、わずか1年後となる今夏、まったく同じポジションにマルク・ククレジャ、ベルナルド・シウバ、イブラヒマ・コナテ、デンゼル・ダンフリースというプレミアリーグ出身の4選手を獲得。直近5回の移籍市場でプレミアリーグから獲得した選手はケパとリュディガーの2人のみだったが、ここ2年で獲得した8選手のうち5人がイギリスからの加入となるなど、プレミアリーグ偏重の補強戦略が鮮明になっている。(via SPORT)

マルク・ククレジャ獲得の公式発表とその背景

クラブはワールドカップのスペイン代表対カーボベルデ戦のキックオフわずか7時間前となる月曜日の午前11時に、チェルシーからマルク・ククレジャを獲得したことを公式発表した。移籍金は約5500万ユーロにのぼり、クラブ史上2番目に高価なディフェンダーとなる。コナテ、ダンフリース、ベルナルド・シウバも既に獲得が決定しているものの、それらの発表はワールドカップ終了後まで見送られる予定だった。しかし、スペイン代表のプレリストに入っていたハイセン、ゴンサロ、フラン・ガルシアの3名が最終リストから漏れ、ワールドカップに挑むスペイン代表にレアル・マドリードの選手が一人もいなくなるという歴史的かつ組織的な異常事態を回避するため、上層部の指示で急遽ククレジャの発表が前倒しされた。

この獲得により、14歳から20歳までククレジャを育成したFCバルセロナには、FIFAの連帯貢献金メカニズムに基づき移籍金の2.5%にあたる135万ユーロが支払われる。さらに、エスパニョールに27万5000ユーロ、ヘタフェに55万ユーロ、ブライトンに27万5000ユーロがそれぞれ分配される。クラブの公式SNSは、すぐさまククレジャがマドリードの選手としてスペイン代表でスタメン出場したことを誇らしげに投稿している。(via SPORT / ElDesmarque / Mundo Deportivo)

ククレジャの食の好みと妻の匂わせ発言、他サポーターからの批判

ククレジャの妻であるクラウディア・ロドリゲスは、昨年のチェルシーでのカンファレンスリーグ優勝直後のインタビューで『私たちは一時的なものだから落ち着いている。最終的な居住地はスペインになる。スペインに勝るものはないわ!』と発言し、マドリードへの移住を早くから匂わせていた。今回の移籍発表にあたり、彼女は幼少期にレアル・マドリードのユニフォームを着た自身の写真をInstagramに投稿し、『誇りと喜びで爆発しそう。冒険の始まりね』と喜びを爆発させた。

ククレジャ本人は食の好みについて、『僕はサンドイッチが大好きで、いつも少し変わった組み合わせを作るんだ。マヨネーズとケチャップは絶対に欠かせない。完璧なサンドイッチは、焼きたてで温かいロース肉に、熱でとろけたチーズ、ハム、そして目玉焼きか焼き卵を乗せて、最後にマヨネーズとケチャップを混ぜたソースをかけるんだ。これが僕の弱点だよ』と明かしている。

一方で、この移籍に対してチェルシーファンや元選手のトロイ・ディーニーからは厳しい批判が巻き起こっている。ディーニーは『ククレジャもエンソ・フェルナンデスも、口を開けるほど良いプレーをしていなかったんだから黙っていろ。レアル・マドリードがインテルのダンフリース、コナテ、リュディガー、そしてククレジャで組む4バックは、大舞台で戦える守備陣ではない。確実に通用しないだろう』と一刀両断している。(via ElDesmarque / SPORT)

ベルナルド・シウバの天文学的契約詳細と節税対策

フリーエージェントで獲得するベルナルド・シウバだが、このオペレーションは決して無料ではない。クラブはシウバ本人に対し、サインボーナスとしてネットで約1000万ユーロ(グロスで約2000万ユーロ)を支払い、さらに代理人のジョルジュ・メンデスとその周辺にも同額の手数料を支払う。契約期間は2年プラス1年のオプション付きで、年俸はネットで1000万ユーロ(グロス換算で総額6000万ユーロ)という天文学的な数字にのぼる。

さらに、この契約には税務上の特別な工夫が施されている。公式発表を7月以降に遅らせることで、シウバの2026年におけるスペインでの居住日数を183日未満に抑え、所得税率を通常の45%から24%へと大幅に引き下げる計画である。この節税スキームは、先日獲得したイブラヒマ・コナテのオペレーションでも全く同じ手法が用いられている。なお、バルセロナやアトレティコ・マドリードもシウバの獲得を狙っていたが、要求された法外な手数料と、税務調査が入るリスクを恐れて獲得競争から撤退している。(via SPORT)

アントニオ・リュディガーの2027年までの契約延長

守備の要であるリュディガーが、クラブとの契約を2027年まで延長した。契約交渉自体は2025年の11月からスタートしていたが、リュディガーの負傷により一時中断。ロンドンの専門医のもとを訪れるなどの懸命なリハビリを経て、完全にコンディションを取り戻したことを確認したのち、3月に正式なオファーが提示され、5月に両者合意に達した。

この契約延長の最大の決定打となったのは、ジョゼ・モウリーニョ新監督の就任である。リュディガーは『彼と一緒に仕事ができるのは夢のようだ』と語り、新体制での挑戦に強い意欲を見せている。(via MARCA)

ルーベン・ディアスの獲得接近とCB陣の再編

ゲームメーカーの獲得と並び、モウリーニョ新監督の最優先事項となっているのがセンターバックの補強である。指揮官はディーン・ハイセンを完全には信頼しておらず、実力と経験を兼ね備えた選手の獲得を要求している。その結果、マンチェスター・シティでペップ・グアルディオラ監督の退任に伴い移籍を志願しているポルトガル代表DF、ルーベン・ディアスの獲得に迫っている。

ディアスは2020年に7500万ユーロでシティに加入し、現在の評価額は5500万ユーロとされているが、シティ側は交渉に応じる姿勢を見せている。この実力者の加入が実現すれば、現在トップチームに在籍するラウール・アセンシオやフラン・ガルシアの売却が急加速することは避けられない情勢だ。(via SPORT)

ヨシュコ・グヴァルディオルの獲得失敗

モウリーニョが最終ラインの柱として熱望し、FCバルセロナとともに獲得競争を繰り広げていたマンチェスター・シティのヨシュコ・グヴァルディオルだが、彼がシティと2031年6月までの新契約を締結したことで、今夏の獲得の道は完全に絶たれた。シティのウーゴ・ヴィアナSDとエンツォ・マレスカ新監督が彼をプロジェクトのキープレーヤーとして高く評価したことが残留の決め手となった。(via ElDesmarque / SPORT)

ジュード・ベリンガムの代表での議論とマドリードでの立場

イングランド代表としてワールドカップに挑むジュード・ベリンガムだが、母国では彼のスタメン起用について激しい議論が巻き起こっている。トーマス・トゥヘル監督は『14から15人のスタメンレベルの選手がいる』と発言し、名前だけでポジションは保証されない実力主義を強調した。

この状況はレアル・マドリードでの彼の立場にも直結している。クラブではアルダ・ギュレルがますます主役の座を要求しており、さらにニコ・パスの目覚ましい成長もある。何より、新監督のモウリーニョは誰が相手であろうと一切の忖度をしない人物であるため、このワールドカップで圧倒的な活躍を見せられなければ、2026-27シーズンに向けて彼がこれまで持っていた「アンタッチャブル」という絶対的な特権を失う危機に瀕している。(via SPORT)

16歳の逸材クリフォード・ナナの獲得劇

2026/27シーズンに向けた下部組織の補強として、2023年までFCバルセロナに所属していた16歳のガーナ人ウイング、クリフォード・ナナ(本名:クリフォード・ナナ・ボアディ・クシ・ギャンフアー)を獲得した。2010年4月生まれの彼は、過去3年間CFダムに所属し、直近のフベニール・ディビシオン・デ・オノールでは15試合で6ゴールを記録。強靭なフィジカルと圧倒的なスピードで相手を置き去りにする突破力が持ち味である。

この移籍は、同じくCFダム出身で左ウイングを主戦場とし、バルセロナのエンブレムを背負った後にマドリードのラ・ファブリカへ加入したビクトル・ムニョスと全く同じ軌跡を辿っており、クラブのスカウティングの優秀さを証明する事例となっている。なお、この獲得の動きは今年2月の段階で情報通のマッテオ・モレットによって既に報じられていた。(via ElDesmarque)

カンテラ選手の大量売却計画と方針への批判

クラブが誇るカンテラ(下部組織)の選手たちは、トップチームの戦力としてではなく、外国人選手を獲得するための純粋な資金源として冷徹に扱われている。クラブは今夏、カンテラ選手の売却によって6000万ユーロの資金調達を計画。すでにビクトル・ムニョスやアレックス・ヒメネスを総額1500万ユーロで売却したほか、アリーバス、ヒラ、チェマ・アンドレス、アントニオ・ブランコらが持つ残り50%の保有権も現金化する方針だ。

トップチームに直接昇格したラウール・アセンシオ(23歳)、ゴンサロ(22歳)、そしてチアゴ・ピタルチ(18歳)らも例外ではなく、すでに市場に売りに出されている。特にゴンサロ・ガルシアは、エンドリッキの復帰やキリアン・ムバッペの存在により出番が絶望的となっており、ベティスが獲得に向けた動きを強めている。また、イタリアのコモ1907でセリエAを席巻しているニコ・パスの買い戻しオプション(今夏なら900万ユーロ、来夏なら1000万ユーロ)も保持しているが、本人がセスク・ファブレガス監督の下でのプレー継続を望んでおり、冷遇されるマドリードへの復帰を拒否する姿勢を見せている。(via SPORT / MARCA)

オーレリアン・チュアメニとフェデ・バルベルデの過去の騒動と現在

過去にマドリードのロッカールームで起こったとされるオーレリアン・チュアメニとフェデ・バルベルデの殴り合いの喧嘩騒動について、ワールドカップに出場中の両選手がそれぞれ口を開いた。

バルベルデは『僕はとても気分が良いよ。レアル・マドリードのファンやクラブ全体からサポートと愛情をもらったからね。サッカーや人生において、成長し成熟するためには、こうした小さな障害を乗り越えなければならない時があるんだ』と語り、この経験が将来より良いキャプテンになるための糧になると強調した。

一方のチュアメニは『確かにいくつかの出来事はあったし、メディアで見聞きした通りだよ。でも、レアル・マドリードでプレーしていると、メディアに出た瞬間に事態が大きく誇張されてしまうんだ。新聞にはたくさんのデタラメが書かれていた。殴り合いの喧嘩があったなんて読んだけれど…そんな事実は一切ない。これ以上詳細には立ち入らないけれどね』と暴力行為を明確に否定。『人生は続く。フェデと僕は、レアル・マドリードでタイトルを勝ち取るという共通の目標を持っている。今は何の問題もないし、もしワールドカップで対戦することになっても、お互い自分の国のために勝ちたいと思うだけさ。個人的な問題は今のところ全くないよ』と、完全に関係が修復されていることをアピールした。(via MARCA)

カルロス・テベスの2009年幻の移籍秘話

元アルゼンチン代表のカルロス・テベスが、2009年にレアル・マドリードへの移籍が完全に合意し、契約書にサインまで交わしていたという衝撃の事実を暴露した。

当時マンチェスター・ユナイテッドから退団する予定だったテベスは、『移籍は本当に近かったんだ。信じられないような話で、とても長いストーリーなんだけどね』と前置きし、『契約書にはすでにサインをしていて、公証人に預けていたんだ。会長と話したら「ホワイトハウス(レアル・マドリード)へようこそ」とまで言われたんだよ』と、移籍が完了寸前だったことを明かした。

合意は深夜に行われ、『夜中の3時にラモン・カルデロン会長と話をした。ペジャ・ミヤトヴィッチSDともすべて話を終わらせていたんだ』と語ったが、直後にフロレンティーノ・ペレスが会長に復帰し、カルデロン体制が崩壊。『彼らはカルデロンをクソみたいに追い出したんだ…契約も、全てもう終わりさ』と、政権交代の煽りを受けて移籍が完全に白紙になった顛末を赤裸々に語った。その後、テベスは因縁のライバルであるマンチェスター・シティへと移籍し、レアル・マドリードはクリスティアーノ・ロナウド、カカ、ベンゼマらを獲得する新時代へと突入していった。(via SPORT)

【本日の総括】

モウリーニョ新監督の就任に伴い、クラブはプレミアリーグ偏重の大型補強を敢行し、ククレジャやベルナルド・シウバの獲得など移籍市場を大きく動かしています。一方でカンテラ選手は資金源として放出される方針が鮮明になっており、チームの顔ぶれは急激な変化の時を迎えています。