テクノロジーの不具合を乗り越えた5年ぶりのリーグ開幕戦白星と劇的な2-1逆転勝利

セビージャFCにとって新しいシーズンの幕開けは、本拠地ラモン・サンチェス・ピスフアンにレイヨ・バジェカーノを迎えた極めてドラマチックな一戦となりました。しかし、試合はキックオフ前から予期せぬトラブルに見舞われました。ラ・リーガ公式ボールに埋め込まれている電子チップのシステム不具合が発生し、審判団のデバイスと接続できずキックオフが約8分間も遅延したのです。最終的に、両クラブがチップなしの通常ボールでの開催に合意してようやく試合が始まりました。

開始わずか3分、セビージャの新しいセンターバックであるアロウナ・サンガンテがGKオディッセアス・ヴラホディモスへの不用意なバックパスという致命的なミスを犯し、それをレイヨのアルバロ・ガルシアにかっさらわれてあっさりと先制点を献上しました。予期せぬ失点と厳しい暑さ、さらには高い湿度により、前半のチームは動きにキレを欠き、サポーターの間にも一時は昨シーズンの悪夢がよみがえる不穏な空気が立ち込めました。前半40分にはアイサック・ロメロがエリア内で倒されてPKが宣告されたものの、VARレビューによって判定が取り消される不運もありました。

しかし後半に入ると、チームは怒涛の反撃を見せました。カンテラーノのミゲル・シエラがエリア内で相手に倒されてPKを獲得。これをジョン・グリディが冷静に決めて1-1の同点に追いつきました。その後、スイス代表ルベン・バルガスの不用意なミスから、守備の要であるキケ・サラスが一発退場を余余儀なくされる厳しい数的不利となりましたが、チームの闘志は衰えませんでした。そして試合終了間際の96分、ピッチ上で泥臭く戦い続けたマヌ・ブエノが素晴らしいボール奪取を見せ、そのままエリア内のロビー・ウアへとパスを配給。ウアが相手DFレジェヌに倒されて獲得した値千金のPKを、新加入のペケ・フェルナンデスがゴール右上隅の完璧なコースに突き刺し、2-1で見事な逆転勝利を飾りました。

セビージャが開幕戦で勝利を収めたのは、実に2021年以来5年ぶりの大快挙となります。指揮官のガルシア・プラザ監督は試合後、安堵の表情を浮かべながら、『統計的な悪い流れを打ち破ることができたのは嬉しいことだが、それは単なるデータに過ぎない。本当に重要なのは勝利を収め、新たな勝ち点3を手に入れたことだ。これで残留ラインまでの残りの勝ち点は少なくなりました。あと40ポイントです。ここからさらに全員で戦い続けていかなければならない』と語り、チームを再び戦闘モードへと引き締めました。 (via Estadio Deportivo, ElDesmarque, Mundo Deportivo)

チデラ・エジュケの去就を巡る二転三転の破談劇と指揮官の戦力化宣言

今夏の移籍市場において、最も紆余曲折を経たドラマの主役となったのが、ナイジェリア人アタッカーのチデラ・エジュケでした。契約最終年を迎えているエジュケに対し、クラブは今夏での売却による移籍金獲得を最優先事項として設定していました。そのため、プレシーズン中の親善試合コルドバ戦やオランダでの強化キャンプにおいて、彼は負傷リスクを避けるために一切招集メンバーから除外される極めて異例の扱いを受けていました。

クラブ側はすでに彼の放出が100%完了することを想定し、その代役となる新しいウインガーの獲得交渉を完全に内定させている状態でした。実際にエジュケのもとには、サウジアラビアやカタールといった中東の強豪クラブ、さらには過去にセビージャの選手を多数受け入れてきた実績のあるベルギーの名門アンデルレヒトなどから熱烈なオファーが届いており、移籍は時間の問題と見られていました。しかし、この巨大な取引は交渉の最終段階において、土壇場で契約条件が合致せずまさかの完全破談となってしまいました。

エジュケは放出期間が立ち消えとなったことで、開幕直前に再び全体練習へと復帰することになりました。ガルシア・プラザ監督は、この決定について記者会見で率直に以下のように明かしました。

『オランダ遠征の段階では、彼の移籍はほぼ確実な状態だった。我々はすでに彼の代役となる選手まで完全に内定させていたほどだ。しかし、結果的にその移籍話は立ち消えとなってしまった。移籍が成立しなかった以上、彼は正真正銘の私の選手だ。彼のような優れたアタッカーを戦力から外す理由などどこにもない。彼をチームの重要なアクティブとして起用していくつもりだ』

こうして開幕戦のメンバーに急遽名を連ねたエジュケは、後半からピッチに投入されると、持ち前のスピードとキレ味鋭いドリブルでレイヨのディフェンスラインを何度も脅かしました。彼自身は、クラブを助けるための移籍に合意したものの、セビージャのユニフォームを着て最終契約年をピッチ上で全うすることに対しても極めて前向きな姿勢を示しており、今シーズンも左サイドの破壊的な武器としてファンに多くの歓喜を提供することが期待されています。 (via ElDesmarque, Estadio Deportivo)

新戦力ロビー・ウアの衝撃デビューとクラブに巨額の売却益をもたらしたアコル・アダムスの偉大な足跡

セビージャは今夏、昨シーズンに公式戦33試合10ゴール4アシストという大活躍を見せていたストライカー、アコル・アダムスをセリエAに昇格したベネツィアへと売却しました。移籍金は固定で1680万ユーロ、さらに変動ボーナスとして670万ユーロが追加されるという、クラブの深刻な財政を救うための極めて偉大な売却益をもたらしました。アダムス自身もベネツィア公式において、『セビージャに別れを告げ、この新天地ベネツィアへと移籍することを選んだのは、彼らが提示してくれた信じられないほど素晴らしいプロジェクトに心を奪われたからだ。この地で挑戦できることは、まさに私にとって夢のような出来事だ』とコメントを残し、イタリアでの挑戦をスタートさせました。アダムスはベネツィアでの公式デビュー戦となったコッパ・イタリアのモデナ戦において、後半途中出場からわずか19分で初ゴールをマークし、さらに試合終盤には2ゴール目とアシストを決めて3-2の逆転勝利の最大の立役者となるなど、早速その実力を遺憾なく発揮しています。

アダムスの退団に伴い、セビージャは獲得資金の中から650万ユーロの固定移籍金、および250万ユーロの変動金を投じて、スウェーデンリーグで活躍していた19歳のスコットランド人FWロビー・ウアを獲得しました。ウアはセビージャに合流後、わずか1セッションの全体練習を行っただけで開幕戦のメンバーに登録され、後半の頭からアイサック・ロメロに代わってピッチに投入されるという過酷なプリメーラデビューを飾りました。

しかし、19歳の若者は大観衆の前で一切の物怖じをしませんでした。189cmの恵まれた体格を活かして最前線で泥臭く身体を張り、味方からのパスを確実に収めて前線での起点となりました。そして96分、マヌ・ブエノからの素晴らしいスルーパスに反応してエリア内で完璧なコントロールを見せ、相手DFレジェヌに倒されて劇的な逆転PKを奪取しました。この劇的なデビューに対し、ウアは試合後、ファンに向けて『素晴らしい歓迎をありがとう』と書かれたメッセージを自身のSNSに投稿しました。ガルシア・プラザ監督はウアを称えつつも、『メディアが決勝PKの功績をすべて彼に帰しているのは少し驚きだ。彼はまだピッチ上でやるべきことに戸惑いを見せている。しかし、我々が求めていたタスクを完璧にこなしてくれた素晴らしい若者だ』と高い信頼を示しました。 (via Estadio Deportivo, ElDesmarque)

ナバロSDの手腕と中盤の要ヴィツェル、コチョラシュヴィリ獲得に向けた極秘プラン

今夏のセビージャを語るうえで、スポーツディレクターを務めるホセ・イグナシオ・ナバロの精力的な動きはサポーターから熱烈な支持を集めています。ナバロSDは、これまでにチームから高額なサラリーを受け取っていたものの不要戦力となっていたニアンス、ジョルダン、ドノバン・ソウ、ネマニャ・グデリ、バティスタ・メンディなどを含む合計14名もの大量人員整理を見事に断行しました。これに対し、セビージャのファンは『彼のこれまでの人員整理の仕事ぶりは最高の評価を与えるべきだ。これで市場閉幕までに素晴らしい補強を完了できれば、満点の評価を送るつもりだ』と絶大な称賛を送っています。

しかし、現在のチームの登録プロ契約選手はわずか17名にとどまっており、特に中盤の構成力は深刻な戦力不足に陥っています。開幕戦では18歳のニコ・ギジェンや22歳のマヌ・ブエノといった若いカンテラーノたちに頼らざるを得ず、サポーターからも『中盤の厳しい戦いをこの若い二人だけで乗り切ることなど絶対に不可能だ。一刻も早く実力のある補強が必要不可欠だ』と強い懸念の声が上がっています。ナバロSD自身もこの現状を正しく把握しており、移籍期限が閉まるまでの2週間で、少なくとも4〜5名(セントラルミッドフィールダー2名、ストライカー1名、ウイング1名など)の獲得を目指して不眠不休の交渉を続けています。

現在、中盤のアンカー候補として獲得に最も近づいているのが、スポルティングCPに所属するジョージ・コチョラシュヴィリです。クラブ間の交渉は非常に進んでおり、買い取りオプション付きのレンタル移籍での合意に向けて最後の細部を詰める作業が行われています。さらに、前ジローナの37歳ベルギー代表ベテラン、アクセル・ヴィツェルに対しても電撃的なアプローチを開始しました。ヴィツェルは中盤の底での高い守備力だけでなく、センターバックも高いレベルでこなせる多機能性を持っており、退団したグデリの代役として完璧に適合すると評価されています。

ヴィツェル自身はすでにフランスのニースとの間で1年契約(1年の延長オプション付き)で基本合意に達しているものの、ニースのオーナーであるINEOSグループおよびジム・ラトクリフ氏による最終契約書の承認を待っている状態です。もしこのINEOSによる承認手続きが否決された場合、ヴィツェルはフリーの状態でセビージャへの移籍に一気に傾く見込みであり、セビージャ側も第2のプランとして交渉の最前列に陣取っています。また、クラブはスコットランドのレンジャーズに所属するMFコナー・バロンに対しても獲得に向けた調査の問い合わせを行っています。 (via Estadio Deportivo, ElDesmarque)

開幕戦における全選手査定と若きカンテラーノたちの目覚ましい躍動

劇的な逆転勝利を収めた開幕戦における、セビージャの選手たちの現地メディアによる詳細な評価と寸評は以下の通りとなっています。

オディッセアス・ヴラホディモス(評価:5)

試合開始わずか3分に自身の致命的なフィードミス、およびサンガンテとの意思疎通不足から最悪の形で失点を招いた。最初の10分間は非常に不安定だったが、その後は冷静さを取り戻し、後半には相手の強力なシュートをセーブするなど見事な好セーブでミスを完全に帳消しにした。

フアン・イグレシアス(評価:6.5)

右サイドバックとして非常にタフで素晴らしいパフォーマンス。対人の守備において相手の鋭い突破を完璧に封じ込め、攻撃時には絶妙なタイミングでオーバーラップを仕掛けてチームに大きな安心感と責任感をもたらした。

アロウナ・サンガンテ(評価:3または5)

開始わずか3分、GKへのあまりにも不用意で甘いバックパスという最悪のミスを犯し、チームを奈落の底へ突き落とした。最初の10分間は極めて動揺しており、ピッチサイドの監督と一切視線を合わせることができないほど動揺していた。しかし、その後は信じられないほどの驚異的な回復力を見せ、対人のデュエルや空中戦で完璧な守備を披露。大失態を自らの力で挽回してみせた。

キケ・サラス(評価:5.5)

セビージャのユニフォームを身にまとって通算100試合目という、極めて記念すべき特別な試合となった。守備ラインの絶対的なリーダーとして素晴らしい安定感を見せ、相手の攻撃を何度も跳ね返し続けた。しかし終盤、ルベン・バルガスの不用意なパスロストから始まった相手の決定的なカウンターを阻止するため、エリア直前で意図的に相手を倒して一発レッドカードで退場。100試合目の夜は涙の幕切れとなった。

ガブリエル・スアソ(評価:4)

左サイドバックとして先発出場したものの、攻守において本調子からは程遠い極めて低調なパフォーマンスに終始した。守備でのポジショニングミスが目立ち、パス供給の精度も著しく欠いていた。ファンからは、若いカンテラーノであるジュリオ・ディアスを次の試合で先発起用すべきだとの声が殺到している。

ルシアン・アグメ(評価:7)

中盤の底で抜群のゲームコントロールを披露。長年チームの課題となっていた中盤のビルドアップにおいて、常に顔を出してボールを散らし、プレッシャーのかかるバイタルエリアでも驚くほどの落ち着きと視野の広さでパスを供給し続けた。

ニコ・ギジェン(評価:5)

18歳という若さで、夢にまで見たラ・リーガ1部デビューのピッチに立った。前半の45分間のみのプレーとなったが、プロのあまりにも速いゲームスピードと高い強度にやや戸惑う場面が見られた。しかし、物っておらず中盤で戦う姿勢を見せ、今後の素晴らしい成長を大いに期待させる内容となった。

ジョン・グリディ(評価:6.5)

最初はトップ下、後半途中からは中盤の底へとポジションを下げてピッチを縦横無尽に走り回った。その豊富な運動量とベテランらしいインテリジェンスはチームを大いに助けた。さらに、獲得したペナルティを完璧に流し込んで同点ゴールをマーク。監督からもチームの正式なPKキッカーとして任命されている。

ミゲル・シエラ(評価:7.5)

右ウイングとして先発出場。前半は相手の強固なブロックに苦しんだものの、後半に入ると水を得た魚のように躍動。自慢の圧倒的なスピードと切れ味鋭いドリブルで右サイドを完全に破壊し、エリア内で相手のアルバロ・ガルシアのスライディングを誘発して貴重なPKを獲得。この試合で最も輝きを放った。

オソ(評価:6)

左ウイングとして起用され、ピッチ上で並々ならぬ熱意と素晴らしい闘志を見せた。荒削りながらも、その果敢な仕掛けは今シーズンの新たなサイドの武器としての可能性を強く予感させた。現在クラブとの契約更新に向けた交渉が行されており、その去就が注目されている。

アイサック・ロメロ(評価:4)

最前線で孤立する時間が長く、前半に訪れたヘディングの絶好の得点機会を決めきれず、トラップミスや不用意なロストを繰り返して完全に精彩を欠いた。PK獲得かと思われたシーンもVARによって取り消される不運もあり、ハーフタイムで無念の途中交代となった。

ペケ・フェルナンデス(評価:6)

後半途中から前線の活性化を託されてピッチに登場。ボールを持った際の判断の遅さからいくつかのチャンスを潰す場面も見られたが、96分に訪れた絶対に外せない劇的な逆転PKの場面において、驚異的な強心臓を発揮。強烈なシュートをゴール右上隅の完璧なコースに叩き込んでサポーターを大熱狂の渦へと巻き込んだ。

ルベン・バルガス(評価:2)

スイス代表アタッカーとして大きな期待を集めて途中出場したものの、コンディションが最悪であったのか、すべてのプレーでイージーなミスを連発。さらに、中盤で非常に軽いプレーからボールを奪われ、これが最終的にキケ・サラスの一発退場を招く決定的な原因となった。チームにとって大ブレーキとなった。

マヌ・ブエノ(評価:6)

後半の非常に緊迫した局面から投入された。ピッチに入るや否や、中盤の球際で執念のスライディングタックルを仕掛けて見事にボールを回収。そこからスピードを落とさずに素晴らしいドリブルで敵陣を切り裂き、エリア内のウアへ極上のパスを供給して決勝PKを演出した。ガルシア・プラザ監督は『あのペナルティの8割はマヌの功績だ。素晴らしい泥臭さとインテンシティを見せてくれた』と最大級の賛辞を贈った。 (via Estadio Deportivo, ElDesmarque)

議論を呼ぶ2つのPK判定とVARオーディオ公開による審判たちの真実の解明

この開幕戦は、ピッチ上での2つのペナルティ判定を巡り、両チームのサポーターやメディアの間で激しい論争が巻き起こりました。その判定プロセスの真実を明らかにするため、スペイン王立フットボール連盟(RFEF)は、試合中の主審デ・ブルゴス・ベンゴエチェアとVAR担当のトゥルヒージョ・スアレスとのリアルタイムの会話オーディオを公式に一般公開しました。

まず、前半40分にアイサック・ロメロがエリア内でGKバタジャと接触してPKが宣告されたシーン。公開された音声では、VARのスアレスが『リチャード、ペナルティの判定について映像での再確認を推奨する』と進言。主審がモニターに駆け寄ると、スアレスは『キーパーはボールを奪いに行っており、先にセビージャの攻撃選手がキーパーの身体に向けて接触を仕掛けているのが確認できる』と説明しました。これを見た主審は即座に『了解した。判定を取り消す』と答え、非常に迅速かつ正確に誤審を回避した経緯が証明されました。

一方で、96分にロビー・ウアがレジェヌに倒されて決勝PKが宣告されたシーンは、レイヨのアルバロ・ガルシアが試合後に『あの接触は極めて軽微であり、完全なシミュレーションだ。セビージャのホームゲームでなければ絶対に吹かれていなかった。不公平極まりない判定だ』とメディアに対して激しい不満をぶちまける事態となりました。

この判定を巡り、元国際審判員の解説者であるイトゥラルデ・ゴンサレス氏は、最初に映像を見た瞬間に『攻撃選手は一切触れられていない。完全なダイブであり、VARは主審に警告を出すよう促すべきだ』と怒りをあらわにしました。しかし、その後テレビカメラがズームアップした別角度を映し出すと、イトゥラルデ氏は『いや、よく見ると確かにブーツ同士が接触しているかもしれない』と慌てて前言を撤回する展開となりました。さらに、審判の専門家であるミスター・アスビオ(Uxío Caamaño)氏はネット上でスロー画像を提示し、『接触自体は確かに非常に軽い。しかし、ウアがジャンプして足を地面に着く一瞬の無防備なタイミングでレジェヌの足が入ったため、身体のバランスを完全に失わせた。もし足が地面に着いた状態での同じ強さの接触であればファウルではないが、空中でのこの接触はPKを宣告するに十分なものだ。主審のジャッジは完璧な正解だ』と解説し、判定の正当性を強調しています。 (via Estadio Deportivo, ElDesmarque)

5回の脳卒中を乗り越えた75歳の熱狂的ソシオが示すセビージャへの無限の愛

劇的な開幕戦の熱狂に包まれたサンチェス・ピスフアンのスタンドに、クラブの偉大さを象徴するような一人の女性サポーターの美しい物語がありました。その女性の名前はアントニアさん、現在75歳。彼女はセビージャの年間シートを保持し始めてから実に22年を数え、現在はスタジアムの最も熱狂的なGol Norteスタンドの会員番号11.777の席から愛するチームを応援し続けています。

アントニアさんは、これまでに5回もの深刻な脳卒中を克服するという過酷な人生の試練を乗り越えてきました。彼女の子供たちは、スタジアムでのあまりの過度な興奮や熱狂が彼女の身体を壊してしまうのではないかと非常に心配しており、『お母さん、そんなに興奮し続けたら、いつか警察に連れて行かれてしまうよ』と冗談交じりにスタジアム通いを引き止めているそうです。しかし、彼女は『警察が捕まえてくれたら、家事をしなくて済むし、ご飯も食べさせてくれて、お小遣いまでもらえるから大歓迎だよ』とユーモアたっぷりに返し、セビージャの愛を止めるつもりはありません。

アントニアさんにとって、セビージャは単なるフットボールクラブではなく『私の人生そのもの』です。チームがかつて2部リーグに降格して苦しんでいた時代も、さらにはヨーロッパの頂点に立ってさまざまな素晴らしい決勝戦を戦った栄光の瞬間も、彼女は常にユニフォームとともに歩んできました。残留争いに必死に耐え忍んだ昨シーズンについて、彼女は『昨年はチームが2部へと降格してしまわないように、自分が知っているすべての聖人たちに毎日のようにお祈りを捧げ続けました。でも、もう大丈夫。今年は降格など絶対にしません。昨年よりもきっと少しずつ、素晴らしく、誇らしいシーズンになっていくはずです』と愛を語りました。

さらに、かつて他チームの熱狂的なサポーターから『セビージャが2部へと落ちて、そのまま崩壊してしまえばいい』と嫌がらせのような言葉を投げかけられた際のエピソードについて、アントニアさんは『私は彼の前でただ誇らしげに中指を立てて、それでおしまいにしてやりました』と笑顔で語り、セビスタとしての揺るぎないプライドと強さを示しました。彼女のような誇り高いサポーターたちの無限の愛こそが、困難な変革期にあるセビージャFCを足元から力強く支え続けています。 (via ElDesmarque)

【本日の総括】

テクノロジーの不具合による遅延、開始早々の致命的な失点、キケ・サラスの一発退場といった数々の困難に見舞われながらも、カンテラーノのミゲル・シエラやマヌ・ブエノの執念、そして新戦力ロビー・ウアとペケの活躍により、2-1で見事な劇的逆転勝利を収めたセビージャFC。人員整理を終えたナバロSDの手腕、そして脳卒中を乗り越えてチームを支えるアントニアさんのような熱いサポーターの存在は、5年ぶりの開幕白星という素晴らしい光とともに、厳しい残留争いを泥臭く戦い抜くための確かなクオリティと大きな希望をスタジアムに植え付けました。