レーシングとの開幕戦激闘
⚽️ ラ・リーガEAスポーツ開幕戦、ビジャレアルは敵地エル・サルディネロでレーシング・サンタンデールと対戦し、非常にエキサイティングな2-2のドローゲームを演じました。試合は、14年ぶりに1部復帰を果たしたレーシングを後押しする23,000人の大観衆の凄まじい熱気に包まれて始まりました。
前半20分、エリア内でコメサーニャがサリナスを倒したとするプレーに対し、VARの介入を経てペナルティキックが与えられ、これをアンドレス・マルティンに決められて先制を許しました。さらに前半34分、相手のクリアボールを拾った19歳の若手セルヒオ・マルティネスに、エリア外からの弾丸のようなダイレクトボレーをネットに突き刺され、あっという間に2-0とリードを広げられる非常に苦しい展開となりました。
しかし、ここからビジャレアルは一瞬の隙も見逃さない圧倒的な攻撃力を見せました。前半終了間際の45分、パペ・ゲイがエリア外から左足で鋭いグラウンダーのミドルシュートをゴール右隅へ流し込んで1点差に迫ると、そのわずか1分後(正確には67秒後)の45+1分、ニコ・ペペがエリア右角から完璧なコントロールカーブをかけた左足シュートをゴール左のサイドネットへ突き刺し、一瞬にして2-2の同点に追いついてハーフタイムを迎えました。
後半に入ると、イニゴ・ペレス監督はトリプルチェンジを行い、ジェラール・モレノ、ブキャナン、カルロス・マシアを同時にピッチへ投入。この交代によってフィジカル的なバランスを取り戻したビジャレアルは、アヨセ・ペレスやモウリーニョ、ペペらが決定的な勝ち越しの好機を迎えましたが、相手GKジュレン・アギレサバラの素晴らしい好セーブの連発に阻まれ、3点目を奪うことはできませんでした。終盤は非常にスピーディーで激しいカウンターの応酬となり、ルイ・ジュニオルが相手の決定的なピンチをセーブする見事な活躍もあり、試合は2-2の引き分けで終了しました。(via SPORT)
イニゴ・ペレス新監督の試合分析
🎙️ 新監督としての公式戦デビューを飾ったイニゴ・ペレス監督は、試合後の記者会見で率直にチームの現状について分析を語りました。
立ち上がりの劣勢について監督は、『このレベルの試合に最初から入り込むための感情的な周波数、あるいは精神的なテンションに適応できていなかった。そのため、スタジアムに巻き起こっていた素晴らしい雰囲気に呑まれてしまい、相手の勢いをまともに受けてしまった。ただ、2点差をつけられた後にすぐに選手たちが顔を上げ、力強い反応を見せて同点に追いついたことは、チームにとって非常に大きな収穫であり、ポジティブな要素だ』と選手たちの逆境での強さを高く評価しました。
また、後半については『後半は非常にしっかりと秩序を保って戦うことができており、相手に危険なカウンターをほとんど許さなかった。しかし、試合の最後の数分間は、何としてでも勝ち越そうと前のめりになるあまり、疲労も相まって焦りが生じてしまった。パスの正確さを欠き、最後の3分の1のエリアでのクオリティが足りなかったため、3点目を奪い切ることができなかった』と終盤の焦りを指摘しました。
さらに、プレシーズンとの比較として、『親善試合の期間中は、非常に強固なプレッシングを仕掛けてくる相手や、ビルドアップに優れる相手に対しても、非常にうまくパス回しやプレッシングを機能させることができていた。しかし今日はその両面において、プレシーズンほどの洗練されたパフォーマンスを発揮できなかった。なぜ自分たちの本来のサッカーを維持できなかったのか、これからもう一度じっくりと試合を映像で見直して、原因を分析しなければならない』と今後の課題を強調しました。
エル・サルディネロの雰囲気については、『素晴らしい雰囲気で、一人のフットボールファンとして非常に楽しめた。私はかつて、セグンダB(3部)時代にこのスタジアムでプレーした経験があるが、当時とは全く違う満員の観衆による凄まじい熱量を感じることができ、非常に嬉しかった』と懐かしさとともに賛辞を贈りました。(via MARCA)
ミスを犯した守備陣への指揮官の厚い信頼
🛡️ レーシング戦では、自陣深くでのビルドアップの局面でボールを奪われ、結果的に失点を招いた場面がありました。特に2失点目の場面はファン・フォイスのビルドアップミスが引き金となりましたが、イニゴ・ペレス監督はフォイスのプレースタイルと彼への揺るぎない信頼を熱く語りました。
指揮官は、『自陣からパスを繋いで前に運んでいくスタイルは、成功して一気にチャンスに繋がれば、誰もがその勇敢な試みを拍手して絶賛してくれる。しかし一度でも失敗すれば、監督は一人でその戦術的アプローチを擁護しなければならなくなる。しかし私は全く心配していない。特にフォイスは、これまでのプレーにおける判断の正確さが極めて高い選手だ。何が起こったのか詳細は確認するが、彼の能力を疑う余地はない』と断言。
また、プレシーズンから際どい対応が一部で批判されていた新加入の守護神ルイ・ジュニオルについても、『彼のパフォーマンスについても何一つ心配していない。フットボールにおいて一人の選手がミスを犯すと、その選手はピッチで孤独に感じがちになる。しかし今日のルイのプレーは、良い場面も悪い場面も含めて、チーム全体のパフォーマンスの波にしっかりと調和していた。サポーターとの間に生まれる一体感やエネルギーは、必ずしも成功率やミスといった数値だけで決まるものではなく、ピッチ上での立ち振る舞いなども関係してくる。まだここでの彼のコンテキストを100%把握できているわけではないが、彼には素晴らしいレベルがあり、着実に成長しているからこそ信頼して起用している』と擁護し、守護神としてのクオリティに太鼓判を押しました。(via SPORT)
新指揮官を阻んだ鬼門の初陣のジンクス
📉 ビジャレアルの監督に就任したイニゴ・ペレス監督にとって、このレーシング戦は公式戦でのデビュー戦という非常に重要な一戦でした。しかし、ビジャレアルの歴史において、ラ・リーガの初陣には非常に不吉なジンクス(gafe)が立ちはだかっています。
イニゴ・ペレスはクラブが1部リーグに所属して以降、ベンチに座った17人目の指揮官ですが、これまでに初陣で勝利を収めた監督は、歴史上わずか4人しか存在しません。その4人とは、1998/99シーズンに急遽指揮を執ってレーシングに3-1で勝利した故パキート氏、2013/14シーズンにアルメリアを3-2で破ったマルセリーノ・ガルシア・トラル、エイバルを3-0で破ったハビエル・カジェハ、そしてアルメリアを2-1で破ったパチェタです。
一方で、クラブに数々の輝かしい栄光をもたらしたマヌエル・ペレグリーニ監督(初陣はバレンシアに2-1で敗戦)やウナイ・エメリ監督(初陣はウエスカと1-1の引き分け)といった偉大な名将たちでさえ、ビジャレアルの最初の試合を白星で飾ることはできませんでした。初代指揮官のホセ・アントニオ・イルレギ監督もベルナベウでマドリードに4-1で大敗したのをはじめ、ビクトル・ムニョス、ベニート・フローロ、エルネスト・バルベルデ、フアン・カルロス・ガリード、ホセ・フランシスコ・モリーナ、ロティーナ、フラン・エスクリバ、キケ・セティエンといった歴代の指揮官たちが初戦で勝利を掴めずに苦しんできました。
今回、イニゴ・ペレス監督も敵地での非常に激しいゲームを2-2の引き分けで終えることになり、引き分けスタートという形でこの不名誉な「新監督デビュー戦未勝利」のジンクスを破ることはできず、歴代の名将たちと同じ足跡を辿ることになりました。(via MARCA)
エースFWジョージ・ミカウタゼのバルサ流出を阻止する契約解除金の特殊プロテクト条項
💰 ビジャレアルの最大のストライカーであり、昨季のヨーロッパ選手権で得点王に輝いたジョージ・ミカウタゼの去就を巡り、クラブのフロントは非常に戦略的な防御策を構築しています。
ミカウタゼの契約には通常、6000万ユーロの契約解除金(違約金条項)が設定されています。しかし、移籍市場の最後の10日間に入ると、このバイアウト金額が自動的に1500万ユーロ跳ね上がり、「7500万ユーロ」へと増額される特殊なプロテクト条項が存在します。この価格の上昇が実行される運命のタイミングは、8月21日の金曜日から8月22日の土曜日へと変わる深夜の午前0時(22日0:00)となっています。
現在、FCバルセロナがミカウタゼの動向を非常に熱心に追跡しています。バルセロナは今夏の最優先補強ターゲットとしてアトレティコ・マドリードのアルゼンチン代表FWジュリアン・アルバレス(別名アラーニャ)の獲得を目指していますが、アトレティコが放出を頑なに拒否しており、5億ユーロとも言われる天文学的な解除金の前に交渉が難航。そのため、バルサのスポーツディレクターを務めるデコ氏は、アルバレス獲得が完全に失敗に終わった場合の最有力な代替候補としてミカウタゼをリストの最上位に置いており、すでに本人の周囲や代理人に接触して移籍への前向きな姿勢(predisposición)を確認しています。ミカウタゼ本人もバルサ移籍には非常に肯定的な反応を見せています。
しかし、バルセロナに残されたチャンスはあとわずか数日間しかありません。バルサが現在の6000万ユーロで彼を獲得するためには、解除金が上昇する8月21日の深夜までに違約金を満額支払って交渉を完了させなければならず、アルバレス獲得のタイミングと完全に重なり合って非常に難しい決断を迫られています。
幸いにも、バルセロナの監督ハンス=ディーター・フリックはミカウタゼのプレースタイルをそれほど気に入っておらず、完全に惚れ込んでいるわけではないため、ビジャレアルは現時点で正式なオファーを受けておらず、比較的落ち着いて静観しています。ビジャレアルのフェルナンド・ロイグ会長は、解除金に満たない金額での話し合いや減額交渉には一切応じない絶対的な姿勢を崩していません。
クラブは昨夏、オリンピック・リヨンから約3100万ユーロ(さらに500万ユーロの変動変数)で彼を完全移籍で獲得し、2031年6月までの超長期契約を結びました。昨シーズン、ミカウタゼは公式戦42試合に出場して15ゴール6アシストを記録し、チームのリーグ3位とチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく貢献。1年目のシーズンとしては高額な移籍金への期待を完全にすべて満たしたとは言えないものの、優れたポテンシャルを遺憾なく証明しており、今後の巨額移籍交渉の鍵を握る存在となっています。(via Estadio Deportivo)
移籍市場の最新動向と戦力整理
💼 移籍市場の閉幕が約2週間後に迫る中、ビジャレアルはチームの確固たる基盤を維持しつつ、今シーズン直面する過酷な戦いに向けた整理を着実に進めています。
今夏の補強動向において、チームはこれまでに他クラブへと武者修行に出していた Carlos Romero(カルロス・ロメロ)と Ilias Akhomach(イリアス・アコマシュ)の若手二人のレンタルバック(復帰)を完了させました。左サイドバックのカルロス・ロメロは復帰直後から素晴らしい成長を見せ、開幕戦で早速左サイドバックの先発として抜擢されフル稼働。アコマシュも後半途中からウイングに投入され、鋭い攻撃力を見せました。
さらに、チームはゴールキーパーの層を強化するため、経験豊富なハンガリー代表のベテラン守護神 Péter Gulácsi(ピーター・グラーチ)を新規獲得しました。現時点では若手のルイ・ジュニオルが正GKとして先発出場しているものの、グラーチの加入によりゴールキーパーのポジションにおける競争は極めて健全かつ高いレベルに維持されています。
若手の発掘という点においても、下部組織から Carlos Maciá(カルロス・マシア)と Alassane Diata(アラサン・ディアタ)の2名が正式にファーストチームへと昇格しました。また、昨シーズンに選手生命を脅かすほどの深刻な大怪我を負い、長期の離脱を強いられていた Logan Costa(ローガン・コスタ)が、今夏のプレシーズンを完全にこなしてコンディションを100%回復させることに成功。チームに合流して大きな守備のピースとしていつでも戦える状態にあります。
今シーズンのビジャレアルの最大の挑戦は、ラ・リーガ、コパ・デル・レイ、およびチャンピオンズリーグという「3つの大きな大会(3大コンペティション)」をすべて同じインテンシティで戦い抜くことであり、そのために移籍期限が閉まる最後の瞬間まで、必要に応じた人員整理やさらなる追加補強を慎重に進めていく決意を固めています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
イニゴ・ペレス新体制の公式戦デビューは、昇格組レーシングの凄まじい熱気に呑まれ2点のビハインドを負う過酷な立ち上がりとなりました。しかし、ゲイとペペの驚異的な「67秒間での2ゴール」で追いつく執念を見せ、敵地で価値ある勝ち点1をもぎ取りました。ピッチ外ではエースのミカウタゼをバルサの引き抜きから守るための価格自動上昇条項による電撃的なプロテクト戦略が進んでおり、新戦力と復帰メンバーが融合し始めたサブマリンは、厳しい3大コンペティションに向けて泥臭く、そして力強く第一歩を踏み出しています。
