契約状況と若返り計画

レアル・ベティスはW杯終了後に本格化する移籍市場のドミノ効果を待ちつつ、6月30日の決算に向けた売却交渉に注力している。来季のチャンピオンズリーグ復帰に向け、即戦力の補強と同時に、2028年をピークに見据えたチームの若返り計画を進行中だ。現在までに、アドリアン・サン・ミゲルが引退し、バカンブとリカルド・ロドリゲスが契約満了で退団。ソフィアン・アムラバトはレンタル期間終了でフェネルバフチェに復帰した。さらに、チミー・アビラについては、クラブが約5万ユーロを支払うことで契約を前倒しで終了できる条項を行使するため、退団が確実となっている。今後の補強の最優先はストライカーであり、クチョ・エルナンデスとスタメンを争える即戦力FWと、中長期的な視点を持つ第2FWの獲得を目指している。それに加えて左サイドバックのレギュラークラスと中盤の選手、さらにアンヘル・オルティスのレンタル移籍の可能性次第では右サイドバックやセンターバックの補強も検討される。2028年には30歳以上の6選手が契約満了を迎えるため、完全な世代交代はそのタイミングになる。現在の所属選手の契約終了年は以下の通り。

2031年:ゴンサロ・プティ

2030年:アルバロ・バジェス、アルバロ・フィダルゴ、クチョ・エルナンデス、ロドリゴ・リケルメ、アントニー、ナタン、ネルソン・デオッサ、バレンティン・ゴメス

2029年:マルク・ロカ、パブロ・フォルナルス、セルジ・アルティミラ、エズ・アブデ、アンヘル・オルティス、パブロ・ガルシア

2028年:イスコ、エクトル・ベジェリン、ディエゴ・ジョレンテ、パウ・ロペス、ジオ・ロ・チェルソ、ジュニオル・フィルポ、アイトール・ルイバル

2027年:マルク・バルトラ

(via ElDesmarque)

左サイドバックの補強戦略

来季の優先補強ポジションの一つが左サイドバックだ。スイス代表としてW杯にスタメン出場が見込まれるリカルド・ロドリゲスは契約満了で退団が確実となり、ジュニオル・フィルポの去就も不透明となっている。マヌ・ファハルドSDは、経験豊富な選手と若手有望株の獲得を目指しているが、ウトレヒトのスフィアン・エル・カルアニはアル・カディシヤが狙い、サークル・ブルッヘのフラビオ・ナジーニョはモナコが確保に動くなど、交渉は難航している。現在最も有力なプランAは、クルゼイロに所属する23歳のブラジル代表、カイキ・ブルーノだ。3月にベティスのスカウトがブラジルで直接視察を済ませているが、バルセロナやイタリアのボローニャも関心を示しており、セスク・ファブレガス率いるコモが先週末に新たなオファーを提示するなど争奪戦となっている。クルゼイロは市場価値を上回る1500万ユーロを要求しているが、同クラブはラシン・クラブから同じ左サイドバックのガブリエル・ロハス獲得に動いており、売却の必要性に迫られている。カイキ本人はヨーロッパ進出の時期だと考えており、ベティスは選手側からの圧力で移籍金が下がることを期待しつつ、将来の売却益の一部をクルゼイロに残す条件や、パフォーマンスボーナスを含める形での交渉を検討している。その他の候補として、ラシン・サンタンデールのホルヘ・サリナスやPSVのマウロ・ジュニオールの名前も挙がっている。(via Estadio Deportivo)

中盤の放出候補

来季のチャンピオンズリーグに向け、チームは多数のピースを入れ替える予定であり、守備的ミッドフィルダーのポジションで大きな動きが予想される。マルク・ロカ、セルジ・アルティミラの2人が退団のランプに立っている。レンタルで加入していたソフィアン・アムラバトはフェネルバフチェへ復帰し、パフォーマンスや金銭的コストを考慮するとベティスが再獲得に動く兆候はない。マルク・ロカには、エスパニョールがバイエルン移籍から6年ぶりの復帰を打診している。ロカ本人は以前『将来またエスパニョールに戻れたら嬉しい。人生のチームであり、全てを与えてくれた』と語っていたが、ベティスはレンタルを考えておらず、2029年までの契約があるため退団は容易ではない。セルジ・アルティミラは6月30日までに資金を得るための売却オプションの1つだ。スポルティング・ポルトガルが1400万ユーロ+ボーナス300万ユーロのオファーを出したがベティスは拒否し、新たなオファーを待っている。セビージャで会談を行ったRBライプツィヒからの正式オファーはまだなく待機状態だが、いつでも動き出す可能性がある。(via ElDesmarque)(via Estadio Deportivo)

ネルソン・デオッサの売却交渉

6月30日までに帳尻を合わせるため、約2000万ユーロの売却益が必要となっているベティスは、エズ・アブデやナタンを引き留める一方で、ネルソン・デオッサを売却候補の筆頭としている。(ジオ・ロ・チェルソの売却も検討されている)。デオッサは昨夏、マヌエル・ペジェグリーニ監督の肝いりで加入したが欧州のサッカーに適応しきれず、公式戦33試合(リーグ20、EL9、国王杯4)に出場し、0ゴール1アシスト。1491分プレーしたが、スタメンは16回のみでフル出場は6回に留まった。ベティスは昨夏投資した約1200万ユーロとボーナスを回収するか、減価償却の残り約900万ユーロ以上を考慮して利益を出したい考えだ。前所属のモンテレイが将来の移籍金の15%を保有しているため、ベティスは保有権の30%以下を残す形での完全移籍のみを希望し、買取義務付きのレンタルも拒否している。アルゼンチンのリーベル・プレートが強い関心を寄せ、エドゥアルド・コウデ監督が獲得を強く推しているが、現在までベティスに正式なオファーは届いていない。代理人から「保有権50%に対して400万ユーロ」という非公式な打診があったのみで、ベティス側は要求額の1000万ユーロに遠く及ばないと悲観的だ。リーベルはヘタフェからマウロ・アランバリを獲得する動きもあり、資金が枯渇する可能性もある。ブラジルのフラメンゴも関心を示したが提示額が低く、メキシコのクラブ・アメリカや、プレミアリーグ昇格組のイプスウィッチ・タウンからの関心も噂されているため、クラブはオークションになることを期待している。デオッサはコロンビア代表のW杯予備登録メンバーに入ったが最終メンバーからは落選。現在はメデジンで休暇中であり、7月6日にセビージャに戻り、翌日からのプレシーズンに参加予定だ。(via ElDesmarque)(via MARCA)(via Estadio Deportivo)

フィダルゴが語るW杯と胸中

冬の移籍市場で唯一加入したアルバロ・フィダルゴが、クラブ公式メディアでアンドレス・グアルダードと対談を行った。メキシコで5年間プレーした後、帰化してメキシコ代表としてW杯に出場するフィダルゴは、その決断についてグアルダードに助言を求めていた。『メキシコを代表するという決断を下すのは難しかった。ただユニフォームを着てプレーすればいいというものではなく、ロッカールームの皆がどう思うか、よそ者扱いされないかを聞いた。それを受け入れるのは難しいから』と語った。これに対しグアルダードは『自分がそこまで辿り着いたのと同じことをすればいい。違う選手になろうとするな』とアドバイスを送った。代表でのプレッシャーについてフィダルゴは『責任を感じるかとよく聞かれるが、イエスだ。メキシコのパスポートを持っているからプレッシャーを感じるべきではないと言う人もいるが、大きなチャンスをもらっているからこその責任を感じている』と吐露した。また、ファンとの距離について『ファンと普通に話せるようになるのが難しい。熱狂を少し横に置けば可能だと思うが、そういう距離感があるのは残念だ』と語った。さらに、プライベートとサッカーの分離についても苦労を明かした。『サッカー以外のことをすると街にも適応しやすいが、僕は全てをサッカーから切り離すのが難しい。彼女からも「幸せになる資格がある」と言われるほどだ』。その一例として、ブラガ戦の後に父親のような存在だった祖父が不整脈で亡くなった際のエピソードを披露。『土曜に練習があり、日曜が葬儀で、火曜に遠征だった。葬儀に出る許可をもらうか迷ったが、結局深夜に移動して練習と試合に出た。メンタル的には家族と一緒にいたほうが1000倍良かったかもしれないと今は思う』。これに対しグアルダードは『君も人間だ』と励まし、メンタルヘルスの重要性で共鳴した。ベティスへの加入理由については『ヨーロッパでステップアップし、選手として成長し、違う形で自分に要求したかった。セビージャの生活の質にも驚いた』と語り、入団初日には『「お前カンタブリア出身か?」と聞かれて「いや、アストゥリアスだ」と答えたら、入団して15分しか経ってないのに賭けの対象にされた。でもそれが氷を砕くきっかけになった』という洗礼のエピソードも明かした。グアルダードはベティスへの愛情を再確認し『ベティスでは本当に愛されていると感じる。引退した今でも街でファンから声をかけられる。ベティスがチャンピオンズリーグ出場を決めた試合を見た時は、まだ自分がチームにいるかのように祝った。ホルヘ・モリーナやルベン・カストロなど、2部降格を経験しながらもチームを昇格させた全ての人たちが、今のベティスの成長の一部だ』と語った。フィダルゴは自身の将来について『ベティスが僕を長年ここにいさせてくれることを願っている。要求が高いことや競争が激しいことは最初からわかっていた。最初はたくさんプレーして、今はプレー時間が減っているけど、それもわかっていたこと。そういう状況が選手として、人間として成長させてくれる』と力強く誓った。(via SPORT)(via MARCA)(via Estadio Deportivo)

エズ・アブデの負傷

W杯開幕を目前に控え、モロッコ代表のエズ・アブデがノルウェーとの親善試合で負傷した。コーナーキックの場面で、アレクサンダー・セルロートと競り合って倒れた味方DFのシャディ・リアドが、アブデの軸足に激しく衝突。アブデは痛みをこらえきれず、ベンチで涙を流しながら退場した。初期検査では「右膝の内側側副靱帯捻挫」と診断され、3〜4週間の離脱となりW杯出場が絶望的になる可能性があると報じられている。しかし、モロッコ代表の医療チームは、患部の腫れが引くのを待ってからMRI検査を行い、損傷の程度を正確に把握する予定だ。軽度(グレード1)であれば約2週間で復帰可能であり、W杯のグループステージ第3戦(ハイチ戦)や決勝トーナメントに間に合う見込みがある。重度(グレード2や3)であれば完全にアウトとなる。モロッコ連盟はW杯初戦のブラジル戦の24時間前(6月13日23時59分)までメンバー変更が可能であり、モハメド・ウアビ監督と選手は48時間待ち、水曜日に最終的な決断を下す方針だ。ベティスもこの状況を心配しながら見守っている。(via SPORT)(via Estadio Deportivo)

各国代表への選出

アルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督は、W杯連覇に向けたメンバー26名にジオバニ・ロ・チェルソを選出した。最高のコンディションで大会を迎えるわけではないものの、スカローニ監督にとってロ・チェルソは戦術上非常に重要な選手であると位置づけられている。また、ウェールズで開催されるU-19欧州選手権に向けたU-19スペイン代表の合宿メンバー26名に、ベティスの下部組織からマヌエル・ゴンサレス(GK)、オスカル・マスケ(DF)、イバン・コラレホ(MF)、ホセ・アントニオ・モランテ(FW)の4名が選ばれた。特にモランテは、ペジェグリーニ監督の率いるトップチームの扉を叩いている存在として大きく注目されている。(via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

来季CLに向けた陣容整理が急ピッチで進み、左SBや中盤の補強と並行して売却交渉も白熱。フィダルゴのW杯への強い覚悟が見える一方、アブデの負傷状況には懸念が残る。