フリアン・アルバレスの移籍志願とクラブの激怒・FIFA提訴
ワールドカップのアルゼンチン対オーストリア戦の勝利後、フリアン・アルバレスが取材エリアで自らの去就について語り、クラブに激震が走りました。ストライカーは『すべての人にとって移籍がベストだと思います。自分の夢を叶えたいんです』と公の場で移籍を直訴しました。
この発言に対し、アトレティコ・マドリードのミゲル・アンヘル・ヒル・マリンCEOは激怒し、次のように強く非難しています。
『彼の言葉は非常に残念です。あのような発言をする日ではありませんでした。メッシやアルゼンチン代表の日であり、フリアンの日ではありません。フリアンには夢があり、アトレティコファンにも夢があります。彼が我々と話をしたのは事実ですが、我々の立場も彼は完全に理解しているはずです。我々は非常に明確に伝えてきました。アトレティコは彼の権利を譲渡する気はありません。彼は偉大な選手であり、我々は彼がここでプレーしていることをとても誇りに思っています』
クラブは、フリアン・アルバレスとの契約が2030年6月30日まで残っており、5億ユーロという契約解除金が設定されていることを盾に、売却の意思がないことを強調しています。
さらにヒル・マリンCEOの怒りの矛先は、水面下で選手と接触しているFCバルセロナへと向かいました。
『バルセロナは我々を軽視しています。我々を弱くて愚かだと思っているのでしょう。ですが、彼らが世界に示しているのは、彼ら自身を定義するような振る舞い方です。彼らは我々、選手、メディア、そして自らのファンにも嘘をついています。実際には能力が伴っていないオペレーションに手を出せるかのように、みんなに信じ込ませようとしています。彼らがこのような行動をとるのは初めてではなく、サッカー界は完全に理解しています。昨年もニコ・ウィリアムズとアスレティック・クラブに全く同じようなことをしました』
事態は法的措置へと発展しています。アトレティコ・マドリードは、保護期間中にある契約中の選手と不当に交渉したとして、バルセロナをFIFAに提訴することを明言しました。『我々の責任はアトレティコ・マドリードの利益を守ることです』とヒル・マリンCEOは断言しています。
FIFAの規定では、23歳以上28歳未満で契約した選手には3年間の「保護期間」が設けられています。この期間中の選手に契約破棄を促したクラブには、2回の移籍市場での新規選手登録禁止処分が科される可能性があり、選手本人にも4〜6ヶ月の公式戦出場停止処分が下されるリスクがあります。
この問題について、元アトレティコ・マドリードのジョアン・フェリックスは次のようにコメントしています。
『あまり多くは語れませんし、首を突っ込みたくもありませんが、彼には彼の理由があるはずです。内部では彼にしか分からないことが起きています。選手とクラブの間に留めておくべきこともあります。彼が幸せで、彼にとってベストな選択をしてほしいと思います』
なお、レアル・マドリードは以前に1億5000万ユーロの巨額オファーを出したものの、アトレティコに冷笑とともに拒否された経緯があり、現在は争奪戦に参加せず事態を静観しています。バルセロナが用意しているオファーは1億3000万ユーロ程度と見られており、レアル・マドリードの提示額には届いていません。テレビ番組のコメンテーターであるホタ・ジョルディによれば、フリアンは2月の時点ですでにクラブに移籍の意思を伝えており、クラブからの約束が守られなかったことで『騙された』と感じ、限界に達して今回の発言に至ったとのことです。(via MARCA, Mundo Deportivo, SPORT, ElDesmarque, Estadio Deportivo)
アトレティコの対抗策とヴィクトル・ギョケレスを含むトレード案
フリアン・アルバレスが移籍を熱望しているものの、アトレティコ・マドリードは同じ国内リーグのライバルであるバルセロナへの売却だけは絶対に避ける方針を固めています。純粋な戦力強化を相手に許すだけでなく、ファンからの激しい反発を招くことは明白だからです。
そこでクラブは、資金力が豊富でアトレティコの希望額を満たせる可能性があるプレミアリーグのアーセナルや、フランスのPSGへの放出を模索しています。マノロ・ラマの報告によれば、アトレティコはアーセナルに対し、4000万ユーロから6000万ユーロの移籍金に加え、ストライカーのヴィクトル・ギョケレスをトレードに含めるという大型プランを検討しています。ギョケレスはアトレティコの構想に完全に合致する選手です。
しかし、このプランには大きな障壁があります。フリアン・アルバレス本人がラ・リーガ(バルセロナ)でのプレーを強く望んでいることです。彼はマンチェスター・シティ時代にイングランドの文化や言語に馴染めなかった経験があり、プレミアリーグへの復帰や他国への移籍には極めて消極的です。
選手側とクラブ側で希望する移籍先が真っ向から対立しており、アトレティコはフリアンに対し、移籍するにしてもバルサへの道は閉ざされていることを伝える予定です。状況がこじれれば、フリアンがプレシーズンへの合流を拒否し、反逆に出る可能性も否定できません。(via SPORT, ElDesmarque)
フリアン・アルバレス問題の背景にあるクラブの契約不履行
ジャーナリストのルーベン・ウリアは、この騒動の背景にはアトレティコ・マドリード側の度重なる約束違反があると指摘しています。
事の発端はクラブワールドカップ終了後、アトレティコがアーセナルから届いた1億2000万ユーロのオファーを拒否したことでした。その際、カルロス・ブセロはフリアンに対して契約条件の改善を約束しました。しかし、夏を過ぎてもその約束が果たされることはなく、選手と周囲はクラブに騙されたと強く感じました。
その後、マテウ・アレマニーがこの問題を引き継ぎ、2026-2027シーズンから適用される新たな契約更新のオファーを提示して関係修復を図りましたが、選手側はこれを拒否しました。
2月にはマドリード中心部のレストランでヒル・マリンCEOとフリアンが会食を行いました。フリアンがゴールから遠ざかり不調に陥っていた時期でしたが、CEOはシーズンを最後までベストな形で終え、その後に一番納得のいく決断を下すように促しました。
そしてシーズン終了後、フリアンと代理人はクラブに対し、退団してバルセロナへ移籍したい旨を伝えました。さらに、もしバルセロナに行けないのであれば、アトレティコに残留するとも宣言しました。
ウリアは、アトレティコが約束を反故にしたことがすべての始まりであり、現在はバルセロナも資金難を抱え、フリアン自身もキャリアを賭けたリスクを負っている状態だと分析しています。すべての関係者が最悪のカードを手にしている、というのが現在の見立てです。(via ElDesmarque)
フリアンの過去の移籍経緯と幼少期のバルサへの憧れ
アトレティコ・マドリードは現在、バルセロナのタンパリング(不正交渉)を強く非難していますが、過去の行動との矛盾が指摘されています。
2024年の夏、アトレティコがマンチェスター・シティからフリアン・アルバレスを獲得した際、フリアンにはシティとの契約が残っていたにもかかわらず、ディエゴ・シメオネ監督や、代表のチームメイトであるロドリゴ・デ・パウル、ナウエル・モリーナらが裏で直接本人に連絡を取り、移籍を勧誘していました。フリアン自身が入団会見で『シメオネと話をして、彼から来てほしいと言われた。代表の友人たちとも話をして、彼らも助けてくれると言ってくれた』と明かしています。
当時のフリアンはオリンピック期間中にシティでの出場時間への不満を公言し、それにペップ・グアルディオラ監督が冷ややかに応酬した末にアトレティコへの移籍が実現しました。この一連の流れが、現在のバルセロナへの移籍志願の構図と酷似しているのです。
また、フリアンがバルセロナを「夢」と語るのには理由があります。彼が幼少期だった2011年のインタビュー動画がSNSで再び拡散されており、そこで彼は『現在のアイドルはメッシ。好きなチームはリーベル・プレートとバルサ』とはっきりと答えています。15年の時を経て、彼は自らのルーツとも言える夢を叶えるために声を上げたことになります。(via Mundo Deportivo, SPORT)
ファンからの怒りの声とジュリアーノ・シメオネへの飛び火
フリアン・アルバレスの公の場での移籍要求は、アトレティコサポーターの怒りを買っています。
フリアンが自身のSNSに投稿した『次のラウンドへ進出。一緒に進もう』というアルゼンチン代表に関するメッセージには、アトレティコファンからの批判コメントが1000件以上殺到しました。『嫌悪感しかない』『ひどいシーズンを過ごしておきながら移籍を要求するなんてゴミだ。謝罪して働くべきだ』『アトレティコの人々が君に与えた愛情に値しない』といった辛辣な言葉が並んでいます。
この怒りの炎は、チームメイトにも飛び火しました。ディエゴ・シメオネ監督の息子であるジュリアーノ・シメオネが、フリアンの投稿に対してアルゼンチン代表のカラーである水色と白のハートマークを2つコメントしたところ、これが火に油を注ぎました。
ファンからはジュリアーノに対して『プライドを持て』『何をしているんだ?』『ふざけるな』といった批判が250件以上寄せられ、コメントの削除を求める声まで上がっています。本人は代表チームへの純粋な応援の意図だったと思われますが、ファンの神経はそれだけ逆撫でされている状態です。(via ElDesmarque)
アレクサンダー・セルロートの残留決定と前線再編の課題
フリアン・アルバレスの予期せぬ移籍要求により、アトレティコ・マドリードの今夏のストライカー陣の再編計画は完全に白紙に戻りました。
すでにアントワーヌ・グリーズマンがアメリカへ去り、攻撃陣に大きな穴が空いている中、クラブはアレクサンダー・セルロートの売却を検討していました。実際にイタリアのユベントスやナポリとの間で交渉が進行中でした。
しかし、フリアンがチームを離れる可能性が濃厚となった今、セルロートまで手放すことは実質的に不可能です。クラブは即座に方針を転換し、ノルウェー代表で活躍するセルロートを非売品として扱うことを決定しました。昨シーズン、控え中心でありながら2816分で20ゴールを記録したセルロートの決定力は、今やチームに不可欠なものとなっています。
これにより、マテウ・アレマニーはプレシーズン開始が来月後半に迫る中、極めて限られた時間で前線を再構築しなければならないという巨大な課題に直面しています。フリアンの売却で得られる資金を活用し、新たなストライカーを3名確保する必要に迫られています。(via ElDesmarque)
2026-2027シーズンの新ユニフォームデザインが流出
来シーズン(2026-2027)のアトレティコ・マドリードのホームユニフォームのデザインが、ユニフォーム専門サイトの「Opalek」や「Footyheadlines」によってリークされました。
新しいデザインは、前面に3本の太い赤いストライプが配置され、その周囲を細い赤い線が囲むスタイルになっています。最も目を引くディテールは、赤いストライプの中に、タイトル獲得時の祝祭の場である「ネプチューンの泉」を象徴する『三叉槍(トライデント)』の模様が描かれている点です。これはクラブの伝統と歴史への敬意を示しています。
また、今回はネイビーブルーの割合が増えており、袖と首元が濃いネイビーブルーで統一されています。胸の「Riyadh Air」のスポンサーロゴ、Nikeのスウッシュロゴ、そしてエンブレムの縁取りもすべてネイビーブルーになります。昨シーズンのような黄色の縁取りは姿を消しました。
背面は赤が主体となっており、背番号と選手名はおそらく白でプリントされる見込みです。ちなみにアウェイユニフォームはビジャレアル戦で披露された黒と蛍光イエロー、サードユニフォームは薄いグレーをベースに赤と青の横線が入るデザインになる予定です。(via ElDesmarque, Mundo Deportivo)
クティ・ロメロの獲得再燃の可能性
アトレティコ・マドリードが、トッテナムのアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロ(クティ・ロメロ)の獲得に再び乗り出す可能性が浮上しています。
昨年の夏、ディエゴ・シメオネ監督は彼の獲得を熱望し、クラブも動きましたが、トッテナム側から7000万ユーロという高額な移籍金を要求されたため断念しました。
しかし、状況は大きく変わりました。トッテナムは今夏、ブライトンからロベルト・ファン・ヘッケ、ボーンマスからマルコス・セネシという実力派センターバック2名を新たに獲得しました。さらに、シーズン終盤のクティ・ロメロの態度に対してロンドンの首脳陣が不満を抱いており、売却に前向きな姿勢を見せています。
これにより、要求される移籍金は昨年の7000万ユーロから、3000万ユーロ程度まで大幅に引き下げられると予想されています。
現在のアトレティコは、プビル、ハンツコ、ル・ノルマンの3人で最終ラインが安定しており、緊急の補強ポイントではありません。しかし、ホセ・マリア・ヒメネスやクレマン・ラングレが退団することになれば、すべての条件が合致し、シメオネ監督お気に入りのディフェンダーを迎え入れるチャンスが到来します。(via Mundo Deportivo)
マルコス・ジョレンテが娘のための学校建設プロジェクトを計画
アトレティコ・マドリードのMFマルコス・ジョレンテが、自身の教育理念に基づいた新しい学校を建設する計画を進めていることを明らかにしました。
ポッドキャスト番組『Acento Noor』に出演したジョレンテは、自分の娘を通わせるための、6歳までの幼児を対象とした教育施設を作るプロジェクトに情熱を注いでいると語りました。
ジョレンテが思い描く学校は、自然光をふんだんに取り入れ、野外活動を多く行う環境です。特筆すべきは、施設内を電磁波から保護し、iPadやテレビなどのスクリーンを一切排除する点です。おもちゃも『昔ながらのもの』を使用し、食事の質や『有害物質』の排除にも徹底的にこだわるとしています。
ジョレンテはこれまでも、黄色いフィルターのメガネの使用やカロリー計算の否定、旧石器時代の食生活を模したパレオダイエットの推奨など、独自の健康法を発信して議論を呼んできました。今回の電磁波を避けるという発言に対しても、日常的な電磁波被ばくが有害であるという科学的コンセンサスはないとの批判の声が上がっています。
それでも彼は、『娘を、家のように完璧な環境だと確信できる場所に預けたいんです』と、親としての強い思いがこのプロジェクトの原動力であることを強調しています。(via MARCA)
【本日の総括】
フリアン・アルバレスの公の場での移籍志願は、クラブ、ファン、そして移籍市場全体を巻き込む大騒動に発展しています。アトレティコはバルセロナをFIFAに提訴する構えを見せる一方で、アーセナル等とのトレードを模索するなど強硬な姿勢を崩していません。この問題がセルロートの慰留や前線補強の計画にも直結しており、マテウ・アレマニーにとって激動の夏が始まっています。