移籍市場の現状

5月23日にバルセロナで行われたエスパニョール戦を最後にシーズンが終了してから約1カ月が経過しようとしていますが、レアル・ソシエダは今夏の移籍市場において、いまだに選手の獲得も売却も行っていません。エリック・ブレトス・スポーツディレクターは補強作業を前倒しで進めていると見られていましたが、現時点では新戦力の顔ぶれは確認されていません。

放出面では、アリツ・エルストンドの契約満了による退団がすでに発表されており、ワン・クラブ・マンとしての夢は叶わずに終わりました。また、期限付き移籍で加入していたドゥイェ・チャレタ=ツァルとウェズレイ・ガソヴァの2選手については、来季の構想外であることが確定しています。特にウェズレイは21試合でわずか85分の出場にとどまり、明らかな失敗補強であったと厳しい評価を下されています。

補強ポイントとしては、ペジェグリーノ・マタラッツォ監督の構想においてセンターバックとアタッカーが必要とされています。しかしブレトスSDは『サンセ(Bチーム)の若手たちがトップチームの扉を叩いている』と語っており、下部組織の選手たちへの信頼が今後の補強戦略に影響を与えることになりそうです。

(via MARCA)

アペリバイ会長の声明

アノエタ・スタジアム前の新しい地下鉄駅の工事現場を視察に訪れたホキン・アペリバイ会長は、移籍市場の動きについて非常に冷静な姿勢を示しました。

現在、レアル・ソシエダでは複数の選手に移籍の噂が浮上しています。しかし、会長は『エリック・ブレトスが金曜日に発言した通り、方針に変更はありません。トップチームにもセカンドチームにも十分な選手が揃っています。セカンドチームの最大の目的はトップチームへ選手を輩出することであり、我々はクラブの哲学を尊重し、スビエタの選手たちの実力を信じなければなりません』と強調しました。

特にアレックス・レミロとアルセン・ザハリャンの去就については、『我々は100%落ち着いています。誰かの退団について話し合っているわけでも、他のクラブと交渉しているわけでもありません。レミロの退団手続きは進めていないし、彼自身からも出て行きたいとは言われていません。彼にはここで長く活躍する未来があると確信しています。ザハリャンについても放出する必要は全くなく、我々は冷静です』と力強く残留を明言しました。

さらに会長は、現在アーセナルでプレーしている元レアル・ソシエダのマルティン・スビメンディとミケル・メリーノの2人に対しても、ワールドカップでの健闘を祈る言葉を送っています。

(via ElDesmarque)

久保建英の状況

アレックス・レミロやアルセン・ザハリャンらと共に移籍の噂が取り沙汰されている久保建英ですが、現在開催中のワールドカップに参加している日本代表の初戦で負傷し、第2戦を欠場する事態となりました。これに関してもアペリバイ会長が言及し、クラブとして過度な心配はしていないことを明かしました。

会長は『クラブの医師たちが代表チームの医療スタッフと連絡を取り合っています。確かに発表されているような負傷を抱えてはいますが、クラブとして特別な懸念を抱くようなものではありません。彼が一日も早く回復し、できるだけ多くの試合でプレーできるようになることを願っています』と述べ、久保の順調な回復とW杯でのさらなる活躍に期待を寄せています。

(via ElDesmarque / MARCA)

オヤルサバルの躍動

キャプテンのミケル・オヤルサバルは、スペイン代表としてワールドカップに出場し、サウジアラビア戦で2ゴールを挙げる大活躍を見せました。これにより代表通算成績は55試合27ゴールとなり、エミリオ・ブトラゲーニョを抜いてフェルナンド・モリエンテスに並ぶ歴代7位タイの記録を打ち立てました。

大会初戦のカーボベルデ戦ではチーム全体が不調を指摘され、オヤルサバルも一部から不当で性急な批判を浴びたものの、わずか90分間でその批判を黙らせることに成功しました。彼の戦術理解度や利他的なプレー、ゴール前での決定力は、世界中のメディアや解説者から絶賛されています。その圧倒的なパフォーマンスからプレミアリーグのビッグクラブへの移籍の噂も絶えませんが、オヤルサバル自身のレアル・ソシエダへの愛着と忠誠心は揺るぎなく、契約解除金は事実上ただの紙切れに過ぎません。彼は純粋なクラブ愛から、今後も自身のホームで君臨し続けることを選んでいます。

アペリバイ会長もキャプテンの活躍を大いに喜んでおり、『我々全員が、彼がこのワールドカップで素晴らしい活躍を見せ、たくさんのゴールを決めると信じていました。彼は数多くの記録を持っていますが、レアル・ソシエダで2つのタイトルを獲得した人物であるという事実が、彼のすべてを物語っています。彼が健康に恵まれ、昨日のような試合を数多くこなし、すべてがうまくいくことを願っています』と最大級の賛辞を贈りました。

(via Mundo Deportivo / ElDesmarque)

マタラッツォ監督の評価

アスレティック・クラブの元選手であるガイスカ・トケーロ氏がインタビューに応じ、レアル・ソシエダのペジェグリーノ・マタラッツォ監督の手腕を高く評価しました。

ライバルクラブの新監督就任の成功を予想する文脈の中で、トケーロ氏はマタラッツォ監督を成功の模範例として挙げました。『外部から新しい人間が来ると、最初は不信感を抱かれることもあるが、結局のところ重要なのは何ができるかだ。レアル・ソシエダのケースを見てほしい。クラブにゆかりのない外部からの監督が来たとき、多くの人が疑問を抱いた。しかし、彼が残した結果は並外れたものだった』と語っています。

実際にマタラッツォ監督は、就任後にチームの難しい状況を見事に逆転させ、コパ・デル・レイで優勝を果たすという誰も想像できなかった成功を収めており、その指導力とチームをまとめる手腕はクラブ内外から広く認められています。

(via ElDesmarque)

【本日の総括】

移籍市場では静かな立ち上がりを見せていますが、クラブはブレない哲学と若手への信頼を貫いています。W杯で歴史的な活躍を見せるオヤルサバルの忠誠心や、久保建英の回復への期待など、既存戦力を大切にする姿勢が際立つ1日となりました。