アトレティコ・マドリード
プレシーズンツアーで訪れている韓国のソウルにて、チームを取り巻く情熱がすさまじい爆発を見せています。ファン向けイベントのスペースである「Casa Atleti」の周囲には、オープン2時間前から長蛇の列が何重にも取り巻き、大混乱をきたしました。これに拍車をかけたのが、バリオス、ルックマン、ル・ノルマン、アルナウ・オルティス、ドミンゲス、カスティージョ、エスキベルら選手陣が直接参加したサイン会です。あまりの人の多さに、スタッフはサイン会開始から30分、約500人が通過した時点で列を強制的に打ち切らざるを得ないほどでした。さらに、現地のファッションブランド「Over The Pitch」とコラボレーションした特製ユニフォームなどの公式グッズが飛ぶように売れ、急遽ソシオ(会員)限定の販売制限を設ける事態にまで発展しています。
ピッチ内でも新戦力である surSur のスーパースター、カング・イン・リーが木曜日のチーム合流からすでに最高の存在感を放っています。カング・インは合流直前、空港でチームを直々に出迎えようと画策していましたが、過激化した数千人のファンが集まりつつあったため、保安上の懸念から断念した経緯があります。チーム内では同じく新加入のデンマーク代表ヒュルマンドと特に親密になっており、金曜日の夜にはソウルに滞在するチーム、スタッフ、マーケティングやメディア関係者を含む総勢約80名全員を高級韓国料理の夕食に招待するという極めて謙虚で素晴らしいリーダーシップを見せ、一気にチームの心を掌握しました。
シメオネ監督はカング・インを、今夏退団したアントワーヌ・グリーズマンの正当な後継者としてセカンドプンタ(2列目のアタッカー)に配置する特別な戦術テストを開始しました。初日の紅白戦では、控えチームでアルナウ・オルティスと2トップを形成し、バリオスやレマル、カルドーソら主力と連動しました。なお、この練習試合では先発組の左に入ったアメリカ出身の有望株オベド・バルガスが2ゴールを奪う大活躍を見せています。指揮官のテストした布陣は以下の通りです。
先発チーム:オブラク;ドミンゲス、ル・ノルマン、ハンツコ、ダニ・マルティネス;カルロス・マルティン、コケ、ヒュルマンド、オベド・バルガス;カスティージョ、ルックマン。
控えチーム:エスキベル;ボニャール、ピュリッチ、ヒメネス、アルナウ・ソラ;メンドーサ、カルドーソ、バリオス、レマル;カング・イン・リー、アルナウ・オルティス。
他方で、水面下での補強と放出の交渉は極めて複雑に推移しています。最優先事項とされてきたトッテナムのアルゼンチン代表ディフェンダー、クティ・ロメロの獲得に向けて、アトレティコはルッジェーリを1800万ユーロでアストン・ヴィラへ、モリーナを1300万ユーロでローマに、さらにアルマダをリバープレートに2000万ユーロでそれぞれ売却することで資金と給与枠を捻出し、アレイマニーSD主導で3000万ユーロの公式オファーを提示しました。しかしトッテナムは「キャプテンの安売りはしない」として4000万から4500万ユーロを要求しこれを一蹴。さらにインテルが3500万ユーロを準備して強奪を企て、アーセナルも動向を注視していますが、ロメロ本人はシメオネ監督の下でプレーすることを熱望しています。
また、ジュリアン・アルバレス獲得に関してはアトレティコ側が完全に売却を拒絶しており、バルセロナによる1億ユーロに近いとされる大型オファーに対しても一切耳を貸していません。ジュリアンは7月2日、アルゼンチン代表合宿中にマイアミでシメオネ監督とサシで会談し、ダイレクトに『バルセロナへの移籍しか頭にない』と直訴。これに激怒したアトレティコは徹底抗戦を貫いており、ジュリアンもプロとして残留を受け入れる準備をしています。
一方で、昨季13ゴールに終わり足元のクオリティについてシメオネ監督から不満を持たれているノルウェー代表FWアレクサンダー・ソルロートには4000万ユーロの移籍金が設定されており、フェネルバフチェがこれを満額支払う意思を示しています。選手本人はトルコへの移籍に極めて後ろ向きですが、交渉を進める条件として1200万ユーロという破格の年俸をクラブ側に突きつけています。(via MARCA / Estadio Deportivo / Mundo Deportivo)
リアル・ソシエダ
移籍市場が終盤に入る中、ソシエダは未だに今夏のトップチーム向けの補強完了がゼロという極めて異例かつ焦りの募る時期を過ごしています。エリック・ブレトスSDはマタラッツォ監督が求める「ディフェンスの軸」と「スペースを突く機動力を持ったアタッカー」の獲得に向けて、急ピッチで裏交渉を進めています。
まず守備陣の最有力ターゲットとなっているのが、2年前にローン移籍でソシエダに在籍して素晴らしいハイパフォーマンスを披露したモロッコ代表DFナイフ・アゲルドです。昨季オリンピック・リヨンに2300万ユーロという高額な移籍金で完全移籍したアゲルドですが、リヨンがチャンピオンズリーグ出場権を逃したことでチームは売却リストへの追加を決定しました。ソシエダとの2030年までの長期契約が残っているものの、ブレトスSDは再獲得に向けてすでに公式交渉を開始しています。なお、他の選択肢としてはラディスラフ・クレイチやゼゼのリストアップも続けられています。
そして前線の補強として、レアル・マドリードの若きブラジル代表FWエンドリッキ(20歳)へのアプローチが判明しました。マドリード側がライプツィヒからヤン・ディオマンデを獲得し、さらに Carlos Espi らの若手アタッカーを確保したため、エンドリッキの出場機会激減が懸念されています。ブレトスSDはマドリードと選手代理人にコンタクトを取り、1年間のローン移籍の可能性について正式に問い合わせを行いました。実はソシエダは昨年8月にもエンドリッキのローン獲得にこぎつけていましたが、直前に選手が負傷したことで破談になった苦い経緯があり、今回が念願の再挑戦となります。
ベティスやビジャレアルも同じく獲得に動いていますが、エンドリッキ側は「ヨーロッパカップ戦に出場するチーム」であることを移籍の第一条件としており、ソシエダは優位なポジションを維持しています。マタラッツォ監督はエースのオヤルサバルを本来の10番(1.5列目)に下げ、爆発的なスピードを持つエンドリッキを前線やウイングに配置することで、オスカールソンらと凶悪な攻撃カルテットを組ませるビジョンを構築しています。
こうしたプレシーズンの戦術調整が急務となる中、チームはドイツ遠征を行い、金曜日にケルンと練習試合、そして翌土曜日にライン・エネルギー・シュタディオンでメインマッチに臨みます。この遠征における最大にして最高のニュースは、ワールドカップでの重傷から完全に回復した日本のエース、久保建英の帯同と復帰です。
ゴンサロ・ゲデスの負傷離脱、さらにはミケル・オヤルサバルがチームから一時的に外れている攻撃陣において、久保建英の完全な戦線復帰はマタラッツォ監督にとってまさに救世主の到来となります。久保は今回のケルン戦で、今プレシーズン初となる実戦での出場機会を与えられることが確実視されており、ファンや現地メディアからは新星ソシエダの攻撃をどのように導くのか、熱い注目と大きな期待が注がれています。(via ElDesmarque / Mundo Deportivo / MARCA)