エスパニョールとの開幕戦

レアル・マドリードの今シーズン公式戦初陣は、アウェーのRCDEスタジアムで行われたエスパニョール戦となりました。第1節のレアル・ソシエダ戦がワールドカップの影響で延期されたため、この試合が第二次ジョゼ・モウリーニョ政権の記念すべきリデビュー戦です。試合は1-1のまま膠着状態が続きましたが、終了間際の後半90分、カルロス・エスピーが劇的な逆転ゴールを叩き込み、1-2で劇的な白星発進を飾りました。

試合は前半9分、アルダ・ギュレルが左サイドから蹴り込んだ正確無比なフリーキックを、ジュード・ベリンガムが頭で完璧に合わせ、レアル・マドリードが先制。しかし前半29分、エスパニョールに素晴らしいパスワークから崩され、ハビ・エルナンデスのクロスからアレックス・カラトラバに同点ゴールを許しました。この失点シーンでは守備ラインが過度に下がり、中盤のプロテクトも不足していたことが浮き彫りになり、モウリーニョ監督はピッチ脇で激しいジェスチャーを交えて憤りを露わにしました。

後半は一進一退の攻防が続き、後半77分にフェデ・バルベルデが放ったグラウンダーのシュートがポストを直撃する惜しい場面もありましたが、膠着。これに対しモウリーニョ監督は後半80分、エスピー、カマヴィンガ、アレンダー=アーノルドを投入するトリプル交代を敢行しました。そして後半90分、キリアン・エムバペのエリア内への果敢な突破から相手ディフェンスとGKマーク・ドミトロヴィッチに乱れが生じた隙を見逃さず、新戦力のエスピーがボールをさらって劇的な決勝ゴールを流し込み、試合を制しました。

選手たちの詳細スタッツ:

  • ティボー・クルトワ:前半に相手の鋭いボレーをセーブするなど安定した対応を見せたものの、同点ゴールの場面では至近距離からのシュートにノーチャンスでした。
  • デンゼル・ダンフリーズ:アレクサンダー・アーノルドを抑えて右サイドバックで先発デビュー。推進力溢れる突破を見せ、前半にはペナルティエリア内でのオマール・エル・ヒラリからの掴みによるPKを主張しました。
  • イブラヒマ・コナテ:ディアン・フイセンとセンターバックを組み、空中戦で圧倒的な存在感を発揮。前半終了間際にはゴールライン上で相手の勝ち越しシュートをクリアする決定的な仕事を果たしました。
  • ディアン・フイセン:前半に相手との激しい交錯で顔面をカットし、出血によりユニフォームを交換するアクシデントに見舞われましたが、その後復帰し空中戦で強さを示しました。
  • アルバロ・カレラス:左サイドバックで先発。ヴィニシウスのヒールパスからチャンスを作ったものの、同点被弾のシーンではカラトラバへのマークを失い、守備面での課題を残して後半63分にマーク・ククレジャと交代しました。
  • フェデ・バルベルデ:ダブルピヴォットの一角としてハードワークをこなしましたが、守備ラインの保護に苦戦。後半にはグラウンダーのシュートがポストを直撃しました。
  • ベルナルド・シウバ:バルベルデと中盤の底を組みましたが、激しい展開に苦しみ、連携不足からボールに絡めない時間が続きました。
  • アルダ・ギュレル:前半から見事な股抜きを披露するなど躍動。ベリンガムの先制点をアシストしたほか、後半にも絶妙なクロスでベリンガムのバー直撃ヘッドを演出しました。後半63分にヤン・ディオマンデと交代しました。
  • ジュード・ベリンガム:圧巻の先発。20メートルのドリブル突破を披露し、先制のヘディングゴールをマーク。プレスを怠ったヴィニシウスを叱責する熱い一幕もありました。後半80分にエスピーと交代。
  • ヴィニシウス・ジュニオール:カラトラバやリーデルと終始激しく衝突。相手ファンから、ロドリのバロンドール受賞にかけた皮肉のチャントである「バロン・デ・プラヤ(ビーチボール)」を浴び、観客を挑発するジェスチャーを見せて物議を醸しました。前半32分にはカラトラバとの小競り合いで警告を受け、後半にはエリア内でのダイブでPKを要求。二枚目の警告を避けるためにチームメイトに引き離されるなど、精神的な不安定さを露呈しました。
  • キリアン・エムバペ:前半にGKとの一対一を迎えたものの膝でのセーブに阻まれ、後半にはゴール前1メートルからの決定機をミスキックで逃すなど、本調子には遠いパフォーマンスでした。 (via SPORT / Mundo Deportivo / MARCA / Estadio Deportivo / Esport3)

ジョゼ・モウリーニョ監督の記者会見

ジョゼ・モウリーニョ監督は、リーグ開幕戦を前に実に41分間に及ぶ異例の長尺記者会見を実施し、チーム哲学やメディアへのスタンスを明確に示しました。

特にリーク(情報漏洩)を極度に嫌う指揮官は、先発メンバーの公表を求める報道陣に対し、かつての第一次政権での「トポ(内通者、ネズミ)」を巡る泥沼の戦争を背景として、鋭いユーモアと牽制を交えてこのように発言しました。

『モウの初陣のイレブンか、君たちの誰が一番良いコネを持っているか見ものだな。選手たちはすでに誰がプレーするか知っている。私は隠すのが嫌いだ。数時間後には情報が届くだろう』。

これはロッカールームの規律を正し、メディアや選手へ強いメッセージを送るための巧妙な罠でもありました。昨シーズンはオーレリアン・チュアメニとフェデ・バルベルデの練習場での衝突事件が外部に漏洩し、クラブから50万ユーロ(約8000万円)という史上最高額の罰金を科される事態を招き、規律が崩壊していたためです。

また、チームへの要求として「全員守備」を掲げ、スーパースターであっても例外を作らない断固たる決意を表現しました。

『妥協の余地はない。コミットメントは毎試合、毎分、そこに存在しなければならない。11人で守備をする。高くプレスをかけるなら叩き潰さねばならない。守備をする者と、ボール奪取をただ待つ者に分かれるというコンセプトは、ここでは通用しない』。

スタッフ陣では、かつての愛弟子サミ・ケディラがコーチとして右腕を務めています。ケディラは監督からオファーを受けた際、次のように即答したということです。

『もし明日アメリカから来いと言うなら、私は明日そこへ行く』。

また、GKコーチのヨピスらを退任させ、自身の信頼するスタッフへと刷新。アントニオ・ピントゥスらとも協力体制を築いています。

昨シーズンの衝突が噂されたチュアメニとバルベルデの関係については、自身が「ゼロからのスタート」を告げ、現状を以下のように表現しました。

『平和をもたらす必要は全くなかった。そこには友情があり、まるで何事も起きなかったかのようだ』。 (via SPORT / MARCA / Estadio Deportivo)