W杯会見スペイン語禁止騒動と給水ブレイク批判
ワールドカップの記者会見で、思わぬ言語トラブルが発生した。ブラジル対モロッコ戦の事前会見にて、ジャーナリストがモロッコ代表のアクラフ・ハキミにスペイン語で質問しようとしたところ、FIFAの司会者がこれを遮った。スペインで生まれ育ったハキミはスペイン語を完全に理解しており、答える気満々だったにもかかわらず、同時通訳が用意されている英語など指定の言語以外は認められないという運営上の理由で、英語での回答を強いられた。同様の事態はブラジル代表のヴィニシウス・ジュニオールやオランダ代表のフレンキー・デ・ヨングの会見でも発生した。ヴィニシウスは英語の質問に対し自らスペイン語での質問を求めたが却下され、フレンキーも『私は全く気にしない』とスペイン語で答える意思を示したが、通訳の問題で英語を使うよう強制された。この事態に対し、共同開催国のひとつがメキシコであり、米国にも多数のスペイン語話者がいる中で、スペイン語を排除するような運営には多くのジャーナリストから批判が殺到している。
また、大会で導入されている試合中の給水ブレイク(クーリングブレイク)についても議論が巻き起こっている。本来は選手の健康を守るための措置だが、米国のテレビ局などがこの時間をCM枠として活用し、『ここで第1クォーター終了です』と放送したことで、商業目的のタイムアウトにすり替わっているという指摘が出ている。これに対しユルゲン・クロップは『サッカーはエアコンの効いたオフィスの役員たちの人質になっている。給水ブレイクは選手を守る盾として導入されたはずだが、今やスポンサーのために作られた黄金の檻に過ぎない。試合は川のように流れるべきなのに、広告のためにダムを築いている』と痛烈に批判した。
さらに、今大会の出場枠拡大についても波紋が広がっており、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長が、興味を惹かれない試合があると発言したことに対し、アフリカやアジア、カリブ海の13のサッカー連盟が共同声明で猛反発した。『我々の国にとって重要でないW杯の試合など存在しない。サッカーは特権階級の少数の指導者のものではない』と怒りを露わにしている。さらに、ギャリー・ネビルもスイス対カタール戦のVAR判定の不透明さについて『なぜFIFAは情報を公開しないのか。これは独裁だ』と不満を爆発させており、ピッチ外でのFIFAの運営手法に厳しい目が向けられている。 (via SPORT / MARCA / Estadio Deportivo / Mundo Deportivo)
ドイツ代表の祈りの輪とキュラソーファンのウェーブ
ドイツ代表がキュラソー代表に大勝した試合後、ピッチ上で感動的な交流が見られた。試合終了の笛が鳴ると、ドイツのジョナサン・ターとフェリックス・ヌメチャが、センターサークルで祈りを捧げるキュラソーの選手たちの輪に加わったのだ。ヌメチャはスタジアムに聖書を持参するほど敬虔なキリスト教徒であり、試合後に『試合中はライバルだが、試合が終われば私たちは皆キリスト教徒であり兄弟だ。本当に感謝している』と語った。彼は過去に同性愛嫌悪と受け取られるSNS投稿で批判を浴びた際にも『私はすべての人を愛しており、誰も差別しない』と主張していた。
一方、スタンドでは人口約15万8000人の小国キュラソーのファンが歴史的な瞬間を楽しんでいた。1-4と大差をつけられていた後半15分の時点で、彼らはブルー・ウェーブと呼ばれる特有のウェーブをスタンドで開始し、敗戦濃厚な状況でもスタジアムの雰囲気を最高潮に盛り上げた。試合前にはキャプテンが『キュラソーを地図に載せることができた』と語り、あるファンは『ここまで来るのに25年かかった。今はただ楽しむ時だ』と笑顔を見せていた。コメネンシアのW杯同国初ゴールの際には、プロレスラーのジョン・シナを真似たパフォーマンスで歓喜を爆発させた。試合後、キュラソーの78歳の最年長監督ディック・アドフォカートは、大敗にもかかわらず熱狂し続けるファンの姿を見て感極まり、涙を拭いながら『ドイツは強すぎた。しかし人々の喜びを見て、感情が込み上げてきた』と語った。 (via MARCA / Estadio Deportivo / Mundo Deportivo)