狂乱の祝勝会と名場面の数々

マドリードのシベーレス広場と市内パレードには200万人が集結し、歴史的な熱狂に包まれた。バスの上では、ボルハ・イグレシアスがDJセットで音楽を流し、選手たちを熱狂の渦に巻き込んだ。フェラン・トーレスは「Make Spain Great Again(スペインを再び偉大に)」と書かれた赤いキャップを被り、トランプ大統領の有名なスローガン「MAGA」のオマージュとして大きな話題を呼んだ。また、イェレミ・ピノがカメラの前でウナイ・シモンに『チュッとして、チュッと』とおねだりし、二人が口づけを交わす場面もSNSで拡散された。

シベーレス広場でのステージ登壇時、選手たちはそれぞれお気に入りの曲を選んだ。ダビド・ラヤはEstopaの「Vientos de tormenta」、マルコス・ジョレンテはフリオ・イグレシアスの「Soy un señor」、パウ・クバルシはラファエルの「Mi gran noche」で登場。ロドリは「Freed from desire」のリズムに乗り、マイクを握って『俺を産んでくれた母ちゃん、万歳!国王陛下万歳、スペイン万歳!』と叫び会場を沸かせた。さらにロドリは、大会中に批判を浴びたフェラン・トーレスを擁護し、『彼は何度も不当に批判されてきた。今日、彼はスペインサッカーの歴史になった。みんなで歌おう!フェラン、フェラン!』と呼びかけ、フェランは照れくさそうに仲間の後ろに隠れた。

また、マルク・ククレジャは自身の定番チャント『クク・クク・ククレジャ』を披露し、ドラムの演奏まで行った。ククレジャは大会前に『優勝したらルイス・デ・ラ・フエンテ監督の顔のタトゥーを入れる』と約束しており、『目立つ場所に入れないと。みんなに聞かれるからね』と語り、タトゥーを入れる場所を探している。アイタナ、アナ・メナ、ローラ・インディゴらのライブパフォーマンスも行われ、アイタナの「Superestrella」に合わせて選手全員が飛び跳ねた。シャキーラもSNSで『スペインの皆さんおめでとう。私たちが音楽を通じて共に生きてきたことは素晴らしい』と祝福のメッセージを送った。(via SPORT) (via MARCA) (via ElDesmarque)

トランプ大統領とスペイン選手たち

決勝戦後の表彰式では、ドナルド・トランプ大統領がピッチに登場し、奇妙な交流が生まれた。ロドリがトロフィーを受け取る際、トランプ大統領は中央に留まり一緒に写真に写ろうとした。しかし、ロドリはトロフィーをすぐには掲げず、大統領の背中にそっと手を当てて舞台の端へと誘導し、彼がフレームから外れたのを確認してからトロフィーを天高く掲げた。この機転は、FIFAのインファンティーノ会長が慌ててトランプ大統領の横に移動するほどの完璧な対応だった。

一方で、以前からトランプ大統領と握手をしたくないと公言していたボルハ・イグレシアスは、『刑務所に入りたくないから』と握手には応じたものの、大統領の目を見ることはなく、一切言葉を交わさずに通り過ぎた。後日、人気配信者のイバイ・ジャノスから『トランプと何を話したの?』と聞かれたボルハは、『彼が(ボクシングイベントの)La Veladaに出たいって言ってたよ』と冗談で返している。さらにミケル・メリーノは、トランプ大統領が去っていく背後で、大統領の有名なダンスのモノマネを披露し、周囲の笑いを誘った。(via ElDesmarque) (via MARCA)

激闘の裏での美しき儀式と絆

ペドリには、タイトルを獲得するたびに父親のフェルナンドに向けてPKを蹴るという特別な儀式がある。フェルナンドはかつてゴールキーパーを目指していたが、家族を養うために夢を諦めた過去がある。ペドリは優勝の歓喜の輪から離れ、父親をゴールマウスに立たせると、『父さんは必ず止めるんだ』と笑顔で語り、パネンカ(チップキック)で優しく左へ蹴り込んだ。父親がそのボールをキャッチすることで、諦めた夢の続きをピッチで分かち合う感動的な瞬間が生まれた。

また、ロドリとアレックス・バエナは、EURO2024の祝勝会に同行し、その後がんで亡くなった13歳の少女、マリア・カアマニョちゃんを追悼した。ロドリはシベーレス広場で『僕たちは、最近空へ旅立った特別な女の子、マリアのことを思い出したい。彼女に大きな拍手を送ろう。きっと空から見てくれているはずだ』と語りかけ、会場全体で彼女の名前を合唱した。

さらに、マルク・ククレジャは決勝戦のキックオフ直前、ピッチの左サイドの芝生の下にコインを埋める儀式を行った。これは、2010年の南アフリカW杯で左サイドバックを務めたジョアン・カプデビラからの頼みによるものだった。カプデビラは『16年前に私がやったのと同じようにコインを埋めてくれ』と頼み、ククレジャは見事にその約束を果たして優勝を掴み取った。(via SPORT) (via MARCA) (via ElDesmarque)

英雄たちへの地元からの贈り物

アンダルシア州のロス・パラシオス・イ・ビジャフランカ出身であるガビとファビアン・ルイスに対して、地元から最高の栄誉が贈られる。町にある2つのスタジアム、「マリスマス」と「サン・セバスティアン」が、それぞれ彼らの名前に改称されることが決まった。さらに、地元の農業協同組合は、彼らの体重と同じ量(約140キロ)の地元名産トマト「ボンボン・コロラオ」を二人にプレゼントする準備を進めている。これは2010年に同じく地元出身のヘスス・ナバスがW杯を制した際にも行われた伝統的な贈り物である。(via ElDesmarque)

ラミネ・ヤマルのプライベートと弟キーネの活躍

ラミネ・ヤマルは、サッカーに専念するために学業の道を自ら切り開いた。彼はマタロの学校でトロンボーンを学んでいたが、プロへの道に集中するため『学校には行くけど、何もせずに午後の練習の準備をするよ』と母親に宣言した。当初は『勉強しなさい』と怒られたものの、最終的には夢を理解し支持してくれた両親に対し、彼はマレスメとバルセロナの高級住宅街にそれぞれ家を購入してプレゼントした。

また、彼の弟であるキーネくんは今大会を通じてファンのアイドルとなった。祝勝会のバスパレードでは、キーネくんの顔写真がプリントされた横断幕がファンから投げ込まれた。その横断幕の裏には『Velada del año VII: Paredes vs Gavi(格闘技イベント第7弾:パレデス対ガビ)』と書かれており、決勝戦後の乱闘騒動を皮肉った内容にファビアン・ルイスやラミネ・ヤマルは大爆笑。ラミネはカメラに向かってその横断幕を指さし、ガビとの対戦を煽るおどけた姿を見せた。(via SPORT) (via Mundo Deportivo) (via ElDesmarque)

アルカラスが代表ユニフォームを着られなかった理由

決勝戦をメットライフ・スタジアムで観戦したテニス選手のカルロス・アルカラスだが、彼はスペイン代表のユニフォームを着用していなかった。彼は試合前にルイ・ヴィトンの特製トランクでW杯トロフィーをピッチに運ぶ大役を務め、試合後もロッカールームで選手たちと喜びを分かち合った。しかし、彼が代表ユニフォームを着られなかったのは、彼自身のメインスポンサーがナイキであり、スペイン代表のキットサプライヤーであるアディダスとは直接のライバル関係にあるため、公の場でアディダスのウェアを着用することが契約上禁じられていたからである。(via ElDesmarque)

スペイン選手の優勝ボーナスと税金

スペインのW杯優勝により、FIFAからスペイン連盟に約4400万ユーロの賞金が支払われる。選手と連盟の事前の取り決めにより、その45%が選手たちに分配され、1人当たりのボーナスは約86万5000ユーロ(総額)となる。しかし、スペイン財務省の専門家の試算によると、国内に居住する17人の選手たちには非常に高額な税金が課せられる。このボーナスは労働所得とみなされるため、一人当たり約40万ユーロ近くが税金として徴収される見込みである。(via SPORT) (via ElDesmarque)

記念グッズの価格高騰

スペインの2度目の世界制覇に伴い、関連する記念品の価値が急騰している。決勝戦でフェラン・トーレスが実際に着用したユニフォームは、オークションで1万5000ユーロから10万ユーロの価値がつくと予想されている。決勝戦で使用された公式球も3万ユーロから最大10万ユーロ。さらに、決勝戦の紙のチケットだけでも300ユーロから600ユーロ、翌日のスポーツ紙の表紙も将来的に50ユーロほどの値がつくと言われている。また、2つの星が輝く新しいスペイン代表ユニフォームは8月4日に発売される予定で、ファン向けモデルが100ユーロ、選手着用と同等のオーセンティックモデルが150ユーロで販売される。(via MARCA) (via SPORT)

祝勝会の影で起きた悲劇

マドリードでは200万人が集まる熱狂の中で重大な暴動は起きず、SAMUR(救急医療サービス)が360人を治療したものの重傷者はゼロだった。しかし、スペインの他の地域では悲劇が起きた。サラマンカ県のシウダ・ロドリーゴでは、ファンが登っていた噴水が崩壊し、13歳の少年が死亡、別の少年が脚を骨折する重傷を負った。トレド県ソンセカでは、試合を観戦していた20歳の青年が痙攣を起こして急死。セセーニャでは19歳の若者が刃物で刺されて重傷を負った。ナバラ州ではバルで試合を観戦していた軍人のグループが、覆面をした急進派の集団に金属バットや伸縮式警棒で襲撃され、6人が負傷した。全体で2人が死亡、80人以上が負傷、少なくとも12人が逮捕されるという暗い影も落ちた。(via MARCA) (via ElDesmarque)

決勝戦後の乱闘とアルゼンチンへの処分

決勝戦の終了の笛が鳴った直後、ピッチ上で大規模な乱闘が発生した。発端は、歓喜の走りを見せていたロドリの腹部に、アルゼンチンのナウエル・モリーナが強烈なパンチを見舞ったことだった。これに続いてレアンドロ・パレデスが激怒し、エリック・ガルシアの首を絞め上げ、さらに仲裁に入ったガビをティアゴ・アルマダと共に地面に投げ飛ばした。アルゼンチンのアシスタントコーチであるロベルト・アジャラも、ダニ・オルモの顔面を殴打する暴挙に出た。さらにアルゼンチンの選手たちは、スペインの表彰式で背を向けるというスポーツマンシップに反する態度をとった。

FIFAはこれらの暴力行為と非紳士的態度について公式な調査を開始した。パレデス、モリーナ、アヤラには、暴力行為に対する規定に基づき、少なくとも3試合の出場停止処分が科される見通しである。また、イングランド戦後にマルビナス諸島の領有権を主張する政治的メッセージを含む横断幕を掲げた件についても、併せて処分の対象となる予定だ。(via ElDesmarque) (via Mundo Deportivo) (via SPORT)

レジェンドと元選手たちのアルゼンチン猛批判

アルゼンチン代表の荒いプレーと試合後の暴挙に対し、各国のレジェンドたちが怒りの声を上げた。ズラタン・イブラヒモビッチは『もし俺がピッチにいたら、パレデスに頭突きして退場になっていただろう。彼はプロ失格だ。スペインの選手たちが仲間が殴られているのを見ているだけだったのは理解できない』とスペインの平和主義にも苦言を呈した。ティエリ・アンリは『エンソ・フェルナンデスのレッドカードは当然だ。クバルシへのタックルは危険極まりない。スペインはサッカーでアルゼンチンを完全に制圧した』と語った。ガリー・ネビルは『クソみたいに見えて、クソみたいな匂いがするなら、それはクソだ。彼らはひどいプレーをした』と痛烈に批判。元ベティスのアルバロ・バディージョもSNSで『負けることを学べ、犬。アルゼンチンの文化は成功している時だけ美しい。アヤラ、お前は恥だ』と激怒の投稿を行った。トニ・クロースもSNSで『サッカーが勝った』とだけ投稿し、スペインの勝利を称えた。(via MARCA) (via Estadio Deportivo) (via ElDesmarque) (via SPORT)

敗軍アルゼンチンの内幕

アルゼンチン代表は敗北後、厳しい空気に包まれている。リオネル・メッシは試合終了後、ピッチで涙を流した。翌日SNSを更新し、『痛みは非常に大きく、この傷が癒えるには時間がかかるだろう。しかし、我々が成し遂げたことも誇りに思う。スペインの優勝を祝福したい』と沈黙を破った。また、ハーフタイムのロッカールームでメッシが『人格を持とう。いつも持っていたじゃないか』と檄を飛ばし、エミリアーノ・マルティネスが『心でプレーしろ。後ろに下がるのは臆病者だ』と叫んでいたことも明らかになった。メッシが試合前に『すべてを忘れよう』と語ったのは、外部の批判からチームを守るためだったという。

一方、ロドリゴ・デ・パウルはSNSでアンチに対し『アルゼンチンの笑顔が気に入らない人たちや、僕たちのやり方がムカつく人たちが、根拠のない陰謀論を煽っていた』と反論した。

また、ブエノスアイレスのオベリスク周辺では、当初平和的だった集会が暴動に発展し、警察との衝突で15人が逮捕、警察官7人が負傷した。アメリカのスタジアムのスタンドでも、選手たちの家族が観客同士のトラブルに巻き込まれ、警察に拘束されたという報道も出ている。メッシの代表での将来については、アルゼンチン国内では2028年のコパ・アメリカまでプレーを続けることが期待されている。(via Estadio Deportivo) (via SPORT) (via ElDesmarque) (via Mundo Deportivo) (via MARCA)

ペドレロルの長寿番組終了と信念

スポーツジャーナリストのジョセップ・ペドレロルは、13年間続いた人気スポーツ番組「Jugones」と「El Chiringuito」の終了を発表した。最終回で彼は、番組のあり方が大きく変わったことを告白。かつてグティの母親から『あなたたちの選手への批判が、親をどれだけ悲しませるか気づいていない』と指摘されたことがきっかけで、批判の境界線を引いたと語った。『選手の人間性やピッチ外の行動、例えばディスコやカジノでの映像などは一切放送しないと決めた。どんな選手の親も、私たちのせいで泣きながらベッドに入るようなことがあってはならないからだ』と、メディアとしての信念を明かした。(via SPORT) (via Mundo Deportivo)

オリーズの隠し子スキャンダル

バイエルン・ミュンヘンに所属するフランス代表のマイケル・オリーズに、ドイツで隠し子スキャンダルが発覚した。デュッセルドルフに住む女性との間に生後20ヶ月の娘がいることがDNA鑑定で確認されたが、オリーズは子供に会うことを一切拒否している。彼は弁護士を通じて月額6万ユーロの養育費などの交渉を行っている。女性は『自分の子供に対する無神経さに打ちのめされる。彼の弁護士からは「古着を買ってやりくりしろ」と勧められた』と激白し、社会的な波紋を呼んでいる。(via SPORT)

ナダルの母が明かす重圧の真実

テニス界のレジェンド、ラファエル・ナダルの母親であるアナ・マリア・パレラが、Netflixのドキュメンタリーで息子の子供時代について語った。彼女は、叔父でありコーチだったトニ・ナダルの厳しい指導について、『トニは彼を強くするのに大いに助けたが、母としてはあんなにプレッシャーがかかるのが心配だった。いつももっと上を目指さなければならないようで、決して十分ではないという不安を生んでいた』と告白した。ナダル自身も『ルーティンを失うのが怖くて、安心感を得るために儀式に依存していた』と当時の重圧を振り返っている。(via SPORT)

ビニシウスの極秘美容整形

レアル・マドリードのビニシウス・ジュニオールが、W杯敗退後の休暇中に顔の美容整形(顎のヒアルロン酸注入による輪郭形成)を行った。有名な皮膚科医アレッサンドロ・アラルカォンがマイアミからブラジルのゴイアニアに飛び、彼とパートナーのために施術を行った。クリニックは完全に貸し切り状態にされ、写真や動画の撮影を一切禁止する厳戒態勢のプロトコルが敷かれた。術後の姿を見たSNSのファンからは『ビニシウス・ジュニアがビニシウス・シニアになった』と冗談が飛び交っている。(via SPORT) (via ElDesmarque)

ジダンのフランス代表監督就任の裏側

ジネディーヌ・ジダンがフランス代表の新監督に就任することが決定的となった。ディディエ・デシャン監督は『雰囲気が息苦しくなり、私の周りの環境が非常に有毒になっていた。フランス代表はそんな扱いにふさわしくない』と退任の理由をラジオで告白した。ジダンはこの8ヶ月間、フランス代表の指揮を執ることを最優先し、他のすべてのオファーを断って待機していた。フランスの法律で定められたスポーツ連盟の給与上限(45万ユーロ)が最大の障壁となっていたが、スポーツ大臣が特例を認める道を示唆したことで、契約の障害は取り除かれた。(via Estadio Deportivo) (via MARCA) (via Esport3)

現代の若手選手への苦言

アスレティック・ビルバオのレジェンドであり、現在はセスタオ・リーベルでスポーツディレクターを務めるアイトール・ララサバルが、現代の若手選手のメンタリティに苦言を呈した。『世代が変わり、教育の仕方も価値観も同じではなくなった。昔は何キロも歩いて練習に行ったが、今はクラブがタクシーやバスを出し、キックボードで通う子もいる。選手たちがとても楽をしていることに不満を感じる。親も子供がプロになって自分たちを養ってくれると過度な期待をかけており、忠誠心がなくなり、代理人の誘惑ですぐにチームを移ってしまう』と、サッカー界を取り巻く環境の変化を嘆いている。(via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

W杯の興奮冷めやらぬ中、スペインの祝勝会は200万人が集まる歴史的な熱狂に包まれました。バスパレードでのDJボルハやフェランの「MAGA」キャップ、トランプ大統領との奇妙な交流など、ピッチ外でも数々の名場面が誕生しました。一方で、アルゼンチン代表の試合後の暴挙に対する非難は世界中のレジェンドから巻き起こっており、FIFAの調査の行方が注目されます。また、オリーズの隠し子騒動やビニシウスの極秘整形など、スター選手たちのプライベートな話題も尽きない1日となりました。