【今日のラインナップ】
✅ ヘタフェ戦プレビュー 首位追走へ負けられないマドリーダービー
✅ 新星チアゴ・ピタルチの台頭 カマヴィンガの代役としてスタメン抜擢の可能性
✅ エムバペ負傷の真相 医療部門への不満とアルベロア監督との対立
✅ ヴィニシウスの絶好調と「ヴィニシウス法」の進展
✅ アルベロア監督への批判 元マドリー戦士からの厳しい戦術的指摘
✅ 移籍市場の動向 シュロッターベック争奪戦リードとウォートンへの関心
✅ レンタル組と下部組織 エンドリッキの躍動とカスティージャの敗戦
✅ クラブの資産価値と過去のエピソード 世界一の価値とレジェンドたちの裏話
■【ヘタフェ戦プレビュー】
首位バルセロナが勝利したため、勝ち点4差を追うレアル・マドリードは本日のヘタフェ戦(サンティアゴ・ベルナベウ、21:00)で絶対に勝利が必要な状況に追い込まれている。勝利すれば勝ち点63に到達し、再び1ポイント差に詰め寄ることができる。なお、レアル・マドリードはラ・リーガ通算1000勝を達成しているクラブの一つである。
アルバロ・アルベロア監督は厳しいメンバー構成を強いられている。左膝負傷のキリアン・エムバペをはじめ、エデル・ミリトン、ダニ・セバージョス、ジュード・ベリンガム、ラウル・アセンシオが欠場する。フイセンはふくらはぎの負傷から回復の最終段階にありグループ練習に復帰したが、スタメン起用は回避される見込みだ。
予想スタメンは、ティボ・クルトワ、トレント、アントニオ・リュディガー、ダビド・アラバ、カレラス、フェデ・バルベルデ、オーレリアン・チュアメニ、アルダ・ギュレル(またはロドリゴ、チアゴ・ピタルチ)、ゴンサロ、ヴィニシウス・ジュニオールの布陣。センターバックはリュディガーとアラバのコンビを組まざるを得ない。フォーメーションを4-3-3に変更し、負傷と出場停止から戻ってきたロドリゴを右サイドに配置するプランも検討されている。
アルダ・ギュレルはスタメンに定着しているものの、ゴールから遠ざかっておりフラストレーションを溜めている。直近のベンフィカ戦でもゴンサロのミリ単位のオフサイドでゴールが取り消された。彼が最後にゴールを決めたのは156日前、31試合前のメトロポリターノでのアトレティコ戦(2-5で敗北)まで遡る。今季は開幕のマジョルカ戦とレアル・ソシエダ戦でゴールを決めて以降、ネットを揺らしていない。昨季は12試合(スタメン5試合)で6ゴールを挙げたが、今季は49試合中23試合にスタメン出場しながらもゴール数が伸びていない。彼がマドリー加入後に記録した15ゴールは、同時期のベリンガムの44ゴール、バルベルデの16ゴールを下回っている。
対戦相手のヘタフェは、ディエゴ・リコに代わって出場する見込みのモロッコ代表アブカルがラマダン中で断食を行っている状況でベルナベウに乗り込んでくる。また、ダコナム・ジェネがセビージャ戦の退場で出場停止、アブ・カマラとボルハ・マジョラルも負傷欠場となる。ヘタフェは2008年(イケチュク・ウチェのゴールで0-1勝利)以来、ベルナベウで勝利していない。前半戦の対戦ではエムバペの終盤のゴールでマドリーが1-0で勝利している。
レアル・マドリードからヘタフェにレンタル中のマリオ・マルティンは、(via Radio Marca)でベルナベウでの試合に向けて強い意気込みを語っている。彼はアレビン2年目でラ・ファブリカに加入し、カスティージャまで10年間在籍した。フェルナンド・モリエンテスから受けたアドバイスを胸に刻んでいる。『楽しむこと。レアル・マドリードのトップチームでプレーする経験は夢のようなことだ。全力を尽くして後悔しないように』。今日の試合について彼は『ベルナベウで良い結果を出したい。私の未来はベルナベウでの今日の試合にかかっている。勝ち点を持ち帰りたい』と野心を燃やす。また、ヴィニシウスについては『信じられない選手で、今は世界最高。彼が最高の夜を過ごさないことを願う』と警戒し、エムバペの欠場については『エムバペは常に脅威だから、彼がいないのは明らかにより良い。良い選手が少ない方が良い』と本音を漏らした。
なお、マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督は、FAカップのニューカッスル戦が土曜日の夜に組まれたことについて、『FA CupのNewcastle戦のおかげで、マドリードへの遠征(チャンピオンズリーグラウンド16第1戦ベルナベウでのレアル・マドリード戦)の回復時間が少なくなった。ありがとうFA Cup』と日程への不満を皮肉を込めて述べている。
■【新星チアゴ・ピタルチの台頭】
エドゥアルド・カマヴィンガが歯痛のため日曜日の練習を欠席し、歯科医へ急行した。彼が回復しない場合、アルベロア監督はカスティージャ所属の18歳7ヶ月のミッドフィルダー、チアゴ・ピタルチをスタメンに抜擢する可能性がある。
ピタルチはCLのベンフィカ戦での2度の出場で高い評価を得ており、アルベロア監督からの信頼は絶大だ。監督は彼について次のように絶賛している。『彼は、このチームやどんなチームであれ、自分が何を提供できるかを非常に早く、短時間で示すことができる少年です。彼は非常にダイナミックで、運動量、そして機動力に溢れています。彼の最大の資質は途方もない個性を持っていることであり、常にボールを欲しがります。よく言われるように、プレッシャーをかけられてもプレッシャーを感じない選手です。彼は非常に重要な時間帯でプレーしており、まだ決着がついていないチャンピオンズリーグの決勝トーナメントでデビューすることに人々が驚くのは理解できますが、もし彼がピッチに立つとしたら、それは私が彼が何度も見せてくれたプレーをしてくれると完全に信頼していたからです。もしこれがラウンド32ではなく決勝戦であったとしても、私は彼を起用していたでしょう』
さらにカンテラの若手全体についても言及した。『カンテラの若手選手たちは、私たちがお互いをよく知っていて、長年一緒に仕事をしてきたので、私がピッチで彼らに何を求めているかをさらに簡単に理解することができます。チアゴはピッチに出た時に出場時間を勝ち取っているので、今後もトップチームでチャンスを享受し続けると思いますし、トレーニングでも彼のような選手がいるのは喜びです。これからもピッチで彼の姿を見ることになるでしょう』
■【エムバペ負傷の真相】
キリアン・エムバペは左膝外側側副靭帯の負傷を再発させ、約1ヶ月の離脱を余儀なくされる。この負傷を巡り、アルベロア監督のマネジメントとクラブの医療体制に対する深刻な問題が浮き彫りになっている。
アルベロア監督はこれまで、エムバペがプレー可能な状態であるとメディアに説明しながら、怪我の悪化を恐れて直前でメンバーから外したり、出場させなかったりするなど、状況について事実と異なる説明を二度行っていた。しかし、ヘタフェ戦のプレビュー会見では一転して方針を変え、次のように語った。『私たちはエムバペに100%の状態で戻ってきてほしいと願っており、それが実現した時に彼は戻ってきます。彼に何が起きているのか、そして私たちが今何を求めているのか、つまり彼が100%回復することは非常に明確に理解しています。日々の経過を見ていきます。彼自身がどう感じるかを見極めることが大切です。今は期限を設けず、彼の感覚を見る方が良いでしょう。それに基づいて決断していきます。100%に戻ってほしいですし、そうなった時に彼は戻ります』
エムバペはここ3ヶ月間、不完全な状態の膝に鞭打ってチームのために無理を重ね、モナコ、レバンテ、ビジャレアル、ベンフィカ、ラージョ、バレンシア、オサスナ戦で90分間フル出場した。休養が与えられたのはベルナベウでのレアル・ソシエダ戦(2月14日)のみだった。
この強行出場は、フロレンティーノ・ペレス会長の指示で再び医療部門のトップに就任したクロアチア人医師ニコ・ミヒッチの推奨に従ったものだったが、パフォーマンスは低下し、痛みは増すばかりだった。これに愛想を尽かしたエムバペは、クラブの医療部門とアルベロア監督に反旗を翻し、自らの回復スケジュールを自分で管理することを決定した。
3月11日にベルナベウで行われるマンチェスター・シティとのCL第1戦での復帰を目指しているが、それまではヘタフェ戦、セルタ戦、エルチェ戦を欠場する見込みだ。これまでにアルバセテ、ソシエダ、ベティス、スーペルコパのアトレティコ戦、そしてCLグループステージのシティ戦(ベンチ入りも出場なし)を欠場している。
クラブ側も説明を変更し、現在は回復に不可欠となった治療プロトコルを実施しているとしている。また、フランス代表の3月のアメリカツアーには商業的な契約上の理由から招集される見込みであり、マドリーはこの状況に懸念を抱いているが、最終的な決定権はエムバペ本人が握っている。
ジャーナリストのマノロ・ラマは、オサスナ戦でわずか3回しかボールに触れなかったエムバペの状況について『エンバペはW杯を危険にさらすつもりはない。マドリードの医療部門に関するこの隠蔽主義は彼らだけの流行ではなく、怪我の経過観察中と言って放置するのが今のやり方だ』と批判している。
■【ヴィニシウスの絶好調と「ヴィニシウス法」の進展】
アルベロア監督下でヴィニシウス・ジュニオールは絶好調を維持している。監督は彼への対応について次のように語った。『私が何か特別なスイッチを押したかどうかは分かりません。功績はヴィニシウスのものです。彼は素晴らしいサッカー選手です。私は彼に多くの信頼と愛情を与え、チームメイトには彼の特性を活かすために彼を探すように伝えています。彼は決定的で、不可欠な選手です。監督として私が取り組んでいるのは、ピッチ上の様々な状況で彼を見つけ出せるようにすることです』
一方、ピッチ外では彼に対する人種差別問題が依然として大きな波紋を呼んでいる。CLプレーオフ第1戦のベンフィカ戦で、ジャンルカ・プレスティアンニが口をシャツで覆いながらヴィニシウスに対して「猿」と人種差別的侮辱を行った疑惑について、ジョゼ・モウリーニョは『私はレアル・マドリードの白いユニフォームも、ベンフィカの赤いユニフォームも着たくない。私は弁護士ではないが、無知でもない。無罪推定は基本的人権ではないのか?』と擁護しつつも、事実であれば関係を絶つと明言した。
この事態を重く見たFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長とIFABは、口を覆って人種差別的な発言をした選手を即座に退場させる新ルール、通称「ヴィニシウス法」の導入を検討している。インファンティーノ会長は『隠すことが何もないのであれば、何かを言う時に口を覆う必要はない。人種差別的な発言を口を覆って行った場合は、明らかに退場させなければならない。2026年のワールドカップに向けて導入したい』と断言した。
■【アルベロア監督への批判】
レアル・マドリードの現状について、元所属選手のミゲル・トレスが (via AS) で痛烈な戦術批判を展開している。
彼は『アルベロアのマドリードには、まだかなり多くの要素が欠けています。彼はやや無秩序なプレーをするチームにやって来ました。最大の問題は、多くのマドリディスタが自分のチームがどんなプレーをしているのか分かっていないことです。アルベロアの立場は簡単ではありません。さらに、彼が戦術的な面よりもマドリードの哲学や価値観について話しているのをよく耳にしますが、オフェンス、ディフェンス、セットプレーにおいてマドリードが機能していないのはまさにその戦術面なのです。私は大きな改善を感じていません』と切り捨てた。また、シャビ・アロンソの早期退任に疑問を呈し、ジョゼ・モウリーニョの復帰には反対する一方で、ミチェル・ゴンサレスが準備できていると主張した。
また、ワールドカップイヤーにおける選手の疲労管理や休養について、アルベロア監督は強硬な姿勢を示している。『私は自分のクラブのために持てるすべてを出し尽くし、その後代表チームでもすべてを出すということ以外理解していません。力を温存するサッカー選手のことは理解できません。今回の場合はレアル・マドリードのためにすべてを尽くすこと以外にありません。自分のチームで活躍すること以上に良い準備はありません』と、クラブ優先の全力プレーを要求している。
■【移籍市場の動向】
レアル・マドリードは来夏の補強に向けて水面下で動いている。最大のターゲットの一人が、ボルシア・ドルトムントに所属する26歳のドイツ代表DFニコ・シュロッターベックだ。(via AS) によれば、彼の契約は2027年6月末までとなっており、ドルトムントは来夏に売却しなければフリーで放出するリスクを抱えることになる。
この争奪戦において、マドリーはバルセロナなどを抑えて圧倒的に有利な立場にある。フロレンティーノ・ペレス会長とホセ・アンヘル・サンチェスGMは、ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOと非常に強固な友好関係を築いている。スーパーリーグ構想での対立すらもこの関係を壊すことはなかった。過去にもジュード・ベリンガム(1億300万ユーロ+ボーナス3000万ユーロ)、ヌリ・シャヒン、アクラフ・ハキミ、ヘイニエル・ジェズスなどの取引を円滑に進めてきた実績がある。アーリング・ハーランドのマンチェスター・シティ移籍の際も、ドルトムント側はマドリーの優先ターゲットがキリアン・エムバペであることを常に把握していたほど情報共有が密に行われている。
さらに中盤の底でゲームメイクを行える選手の補強も急務となっており、クリスタル・パレスに所属する22歳のイングランド代表MFアダム・ウォートンへの関心が報じられている (via The Sun)。マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、マンチェスター・シティ、そしてバルセロナも狙っており、移籍金は高騰する見込みだ。ノッティンガム・フォレストの23歳MFエリオット・アンダーソンもリストアップされているが、ウォートン以上に高額になると予想されている。
■【レンタル組と下部組織】
オリンピック・リヨンにレンタル移籍中の19歳のブラジル人ストライカー、エンドリッキは目覚ましい活躍を見せている。マルセイユとの激しいダービーマッチ(2-3で敗北)では、トリソとインベールのゴールを演出する2アシストを記録。さらにゴールにはならなかったものの、見事なオーバーヘッドキックやメッシを彷彿とさせるドリブル突破を披露した。
ここまで8試合672分の出場で5ゴール4アシストと驚異的なスタッツを残しており、クラブのレンタル戦略は完全な成功を収めている。彼は昨季のコパ・デル・レイでセルタ相手にダブルゴールを決めてチームを突破に導いた実績があり、リヨンでもヨーロッパリーグのセルタ戦での活躍が期待されている。
しかし、フランスのレジェンド、アラン・ジレスからは厳しい要求も突きつけられている。『エンドリッキのような選手もいます。彼は別次元の選手として紹介されています。しかし、私はまだ物足りなさを感じています。この種の試合では、彼が違いを生み出すことが期待されています。彼は非常に実行が難しい浮き球のパスを試み、素晴らしいチャンスを作りました。このようなタイプの選手は、重要な試合で自らシュートを打つ必要があります』
一方、下部組織のレアル・マドリード・カスティージャは、ホームのバルデベバスで行われたポンフェラディーナ戦で、89分にフリンポンに強烈なゴールを決められ0-1で敗戦を喫した。この試合はトップチームのアルベロア監督もスタンドから観戦していた。
■【クラブの資産価値と過去のエピソード】
フォーブス誌が発表した最新のサッカークラブ資産価値ランキングにおいて、レアル・マドリードは67億5000万ドルという圧倒的な数字で世界トップに君臨している。マンチェスター・ユナイテッドが66億ドル、バルセロナが56億5000万ドルでそれに続いている。
また、VARが存在しなかった場合のラ・リーガの順位表データも興味深い。第14節のジローナ対レアル・マドリード戦は実際は1-1の引き分けだったが、エムバペのゴールが事前のハンドでVARにより取り消されたため、VARなしであれば1-2でマドリーの勝利となっていた。逆に第25節のオサスナ戦は実際は2-1でオサスナが勝利したが、ブディミルのPKとラウール・ガルシアのゴールがVARで認められたため、VARなしであれば0-1でマドリーが勝利していた計算になる。
過去のレジェンドにまつわる知られざるエピソードも明かされた。1986年から1997年までマドリーのゴールマウスを守った名手パコ・ブーヨは、加入わずか1年目にライバルのアトレティコ・マドリードのヘスス・ヒル会長から引き抜きのオファーを受けていた。プーマのオフィスに呼び出された彼を待っていたのは、1万ペセタ札で1億ペセタが詰め込まれたアタッシュケースだった。しかし彼は『ヘスス・ヒルに、どうもありがとう、でも人は自分の信念に忠実であり続けるものだと伝えてくれ』と言い放ち、契約解除の誘いを一蹴したという。
さらに、ケイロル・ナバスが自身のYouTubeチャンネルで、2015年夏のマンチェスター・ユナイテッドへの移籍(ダビド・デ・ヘアとのトレード)がFAXの遅れで破談になった際の裏話を明かした。メディカルチェックを終え、空港で待機していた彼に対し、マドリーのスタッフたちは電話で『いや、そんなはずはない』とパニックに陥って叫び合っていたという。しかしナバス本人は妻と共に神に祈りを捧げており、『復讐心や反抗心、怒りはなく、自分が優れていることを証明しようと思った。何もなかったかのようだった』と、驚くべき平穏さで翌日の練習に参加していたことを告白している。
その他の小ネタとして、かつてフロレンティーノ・ペレス会長の銀河系システムの中で育ち、マドリーでチャンピオンズリーグを2度制覇したヘセ・ロドリゲスは現在ラス・パルマスでプレーしている。また、1999年12月4日にベルナベウでレアル・マドリードを1-5で粉砕した際にサラゴサの選手としてダブルゴールを決めたサボ・ミロシェビッチが、ボスニアのFKジェリェズニチャルの監督に就任した。
【本日の総括】
首位バルセロナを追走するために負けられないヘタフェ戦を前に、エムバペの怪我と医療部門への不満、アルベロア監督への戦術的批判など、ピッチ内外で火種が絶えない状況です。一方で18歳のピタルチの台頭やレンタル組のエンドリッキの活躍など明るい材料もあり、チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦を見据えた総力戦が求められています。