移籍市場の全体方針とクラブ運営

ワールドカップの影響で移籍市場は停滞かつインフレ状態に陥っており、ベティスは焦らず忍耐強く動いている。大会中の突発的な印象で価値以上に高く売ろうとする罠にはハマらず、アントニーやアムラバトの例のように、クラブが要求額を下げるのを待つ構えだ。マヌエル・ペレグリーニ監督と合意済みの補強優先順位は、第1にクチョ・エルナンデスとスタメンを争える保証付きのストライカー、第2にレギュラーの左サイドバック、第3にセントラルミッドフィルダーとなっている。その後、放出状況に応じてセンターバックや右サイドバックを検討する予定だ。チャンピオンズリーグ出場権を得たからといって予算が無尽蔵にあるわけではなく、フリーエージェントの獲得は除外している。目下の最優先事項は6月末までに1名から2名の売却を完了し、決算の帳尻を合わせることだ。(via ElDesmarque)

退団・放出候補の動向

中盤の再構築を目指す中、セルジ・アルティミラとネルソン・デオッサが退団に最も近い位置にいる。アルティミラにはスポルティング・CPから1400万ユーロ+ボーナス300万ユーロのオファーがあったが、クラブは即座に拒否した。現在は本人が優先するRBライプツィヒからのオファーを待っている状態だが、ライプツィヒは新監督探し中でオファーを出せていない。アルティミラは将来の移籍金の15%を受け取る権利を持っており、仮に2000万ユーロで売却されれば約300万ユーロを手にする。ベティスは彼を安売りしない姿勢を貫いている。デオッサにはリーベル・プレートが獲得を狙っているが、ベティスの希望額には届いていない。

また、アムラバトの残留も不透明であり、フェネルバフチェがハードな交渉を予告している。ロ・チェルソの去就も不確実だ。前線では、バカンブが今月末で契約満了を迎え、チミー・アビラは安価な契約解除条項を行使して残り1年の契約を解消する予定となっている。守備陣では、アンヘル・オルティスがレンタル移籍する可能性があり、現在は怪我からの回復中でプレシーズンに間に合うよう調整を進めている。(via ElDesmarque)

ストライカー補強の噂

バカンブとチミー・アビラの退団が濃厚で、最前線がクチョ・エルナンデス1人になる状況を受け、クラブはストライカーに最大の投資を行う予定だ。以前は絶対にないとされていたローマのアルテム・ドフビク獲得へ方針を転換し、交渉を開始した。ドフビクはチャンピオンズリーグを戦うスター選手として、マヌ・ファハルドSDが求める経験豊富でターゲットとなるストライカーの条件に完全に合致する。ローマは移籍金の未償却分である約2500万ユーロを要求しており、現状の予算では厳しいが、買い取りオプション付きのレンタルなどでローマが要求額を下げる可能性を注視している。完全移籍の場合、クチョ・エルナンデス獲得に費やした約1400万ユーロと同等かそれ以上の金額を投資する構えだ。

もう一人の有力候補は、レアル・マドリードの22歳、ゴンサロ・ガルシアだ。ホセ・モウリーニョ監督の構想次第だが、エムバペに加えエンドリックが復帰するため、フロレンティーノ・ペレス会長は資金確保のためにオファーを聞く構えを見せている。評価額3000万ユーロを基準に、保有権の半分を買い取り、マドリードに買い戻しオプションを与える形を提案する可能性がある。ただし、レアル・ソシエダやイタリアのコモとの競争が激化すれば、マドリードは最大6000万ユーロを要求する可能性もある。その他の候補として、バンバ・ディエン、フランクリノ・ジュー、ケビン・デンキー、ファビオ・シルバの名前も挙がっている。(via Estadio Deportivo)

左サイドバック補強の噂

リカルド・ロドリゲスの退団とジュニオル・フィルポの不確実性により、レギュラークラスの左サイドバック確保が急務となっている。最も好まれている選択肢の一つが、レアル・マドリードのフラン・ガルシアだ。マルク・ククレジャの加入により、フェルラン・メンディやアルバロ・カレラスもいるマドリードで彼は居場所を完全に失った。マヌ・ファハルドSDはラージョ・バジェカーノ時代に彼をよく知っており、過去の市場でも獲得を試みていた。チャンピオンズリーグ出場とレギュラーの地位が保証されるベティスは選手にとって魅力的な選択肢だが、プレミアリーグからも強い関心が寄せられている。マドリードは評価額の1000万ユーロを大きく下回る価格では放出しないタフな姿勢を見せており、2027年までの契約が残る選手の給与も安くないため、簡単なオペレーションではない。まだ正式なオファーは出していない。その他の候補として、アンヘリーニョ、カイキ・ブルーノ(コモ1907がリード)、ナジーニョ、ホルヘ・サリナス、エル・カルアニがリストアップされている。(via ElDesmarque)

センターバック補強の噂

バルサも関心を寄せるナタンの退団の可能性に備え、ベティスはセンターバック市場の調査を進めている。その中で、リーベル・プレートの22歳の左利きセンターバック、ラウタロ・リベロの獲得競争に参戦し、レアル・ソシエダが数ヶ月前から行っていた交渉に介入した。リベロはアルゼンチン代表で1試合に出場しており、リオネル・スカローニ監督からも高く評価され、ワールドカップ最終候補にも入った逸材だ。現在の市場価値は700万ユーロ。リーベルは資金を必要としているものの、ニコラス・オタメンディの加入によりリベロの価値がさらに上がると見ており、売却には慎重な姿勢を示している。現在の評価額を上回る熱意ある正式オファーでのみ検討し、将来の売却益の一部を要求する可能性が高い。ベティスは守備陣強化のためにアルゼンチン市場を継続して注視しているが、3月にインデペンディエンテのケビン・ロモナコ獲得に動いた際は、交渉が漏洩したことで手を引いた経緯がある。(via Estadio Deportivo)

右サイドバック補強の噂

アイトール・ルイバルを右サイドバックのバックアッパーではなく、ウイングや第3のFWとして起用する方針を固めたため、エクトル・ベジェリンとポジションを争える実績ある右サイドバックを探している。その条件に合致するのがジローナのアルナウ・マルティネスだ。23歳の元U-21スペイン代表は、今季36試合に出場して2ゴール3アシストを記録。17歳でのトップデビュー以来エリートレベルで198試合に出場している。市場価値は1000万ユーロだが、契約は2027年6月までの残り1年であり、契約解除金も800万ユーロに設定されているため、それ以下の価格で移籍する可能性がある。これまでジローナ残留を優先してきたが、チームのセグンダ・ディビシオン降格により今夏の退団が濃厚となっている。ベティスの他に、フラム、PSVアイントホーフェン、ラツィオなど多くのクラブが関心を示している。(via Estadio Deportivo)

セントラルMF補強の噂

中盤の再構築を目指すベティスは、ダニ・セバージョスの復帰も視野に入れている。セバージョス自身はアヤックスからのオファーを拒否し古巣復帰を希望しているが、レアル・マドリードは無料で放出する気はなく1500万ユーロを要求しており、ベティスの予算には届かない状態だ。

一方で、ワールドカップで活躍中のメキシコ代表コンビに熱視線を送っている。南アフリカ戦の勝利に貢献したクルス・アスルの26歳、エリック・リラは「ピットブル」の異名を持ち、守備力だけでなく初戦のパス成功率(45本中42本成功)が示すようにビルドアップ能力も高い。市場価値は1200万ユーロで、ベンフィカ、フェイエノールト、バレンシアなども関心を示している。もう一人はチバスの22歳、ブライアン・グティエレスだ。ゲームビジョンとラストパスに優れる攻撃的MFで、デオッサの代役として適任と見られている。市場価値は800万ユーロ。両選手に合計2100万ユーロをオファーする可能性が示唆されている。他にも、ブラジル人のカイキ・ダ・シウバや、ジローナ降格で退団濃厚なウナヒ、サミュ・コスタ、ルイス・ミジャといったラ・リーガ経験者も候補に挙がっている。(via Estadio Deportivo)

負傷者情報:エズ・アブデ

モロッコ代表としてワールドカップで輝くはずだったエズ・アブデだが、直前のノルウェー戦で無念の負傷を負った。ハーフタイム直前、元ベティスのチャディ・リアドらとの偶発的な競り合いで倒れた際、体重がかかっていた右膝に激突された。診断結果は右膝内側側副靱帯の中程度の捻挫で、全治4〜6週間。代表チームは彼を残すためにあらゆる手を尽くしたが、最終的に登録メンバーから外さざるを得なかった。アブデは靭帯を保護する大掛かりな膝用サポーターを装着し歩行に困難が伴いながらも、ブラジルとの初戦を現地で応援し、背番号17のシャツを着てピッチサイドを歩く姿が見られた。

FIFAの規定により大会に参加しない選手は合宿を離れなければならないため、アブデはスペインに帰国する。まずはエルチェで両親と過ごした後、フランスの膝専門センターで回復の第一段階を行う予定だ。これはベティスの医療スタッフとの合意によるもので、リハビリと休暇を並行しセビージャの日常から離れることを目的としている。ベティスのプレシーズンは7月7日に始まるが、アブデは代表活動に参加していたため合流が遅れる権利がある。幸い重傷ではないため、プレシーズンの大部分には参加でき、ちょうど2ヶ月後の8月中旬のリーグ開幕には間に合う見込みだ。

クラブはアブデに対してニューカッスルなどから関心が寄せられているものの、契約解除金の6000万ユーロを要求する姿勢を崩していない。アブデ本人は自身のSNSで次のように強い決意を語っている。

『こんなに重要な大会を逃すのはとても辛いし、痛まないと言えば嘘になる。困難な時にこそ、信仰、忍耐、そして感謝の気持ちが最も価値を持つんだ。僕を知っている人なら、僕が絶対に諦めないことを知っているはずだ。より良く、より強くなって戻ってくるために、これまで以上に力と希望を持って毎日取り組んでいくよ』(via ElDesmarque)

小ネタ:代表戦でのGavi不振とフォルナルス再評価

スペイン代表がワールドカップの初戦でカーボベルデに0-0で引き分けた試合を受け、ベティスファンがSNSで怒りを爆発させている。デ・ラ・フエンテ監督の最終リストでベティスのパブロ・フォルナルスが外れ、代わりに選ばれたGaviがこの試合で枠内シュート0、キーパス0、ドリブル0、成功クロス0、ロスト10という散々なスタッツを残したためだ。ベティスファンは、負傷がちだったGaviよりもマヌエル・ペレグリーニ監督の下で最高の選手の一人として活躍していたフォルナルスを選ぶべきだったと猛批判を展開している。

SNS上では、『20分間で枠内シュート1本、彼は家にいる。失って初めてその価値に気づくんだ...』『ペドリのいるスペインがカーボベルデ相手に醜態をさらし、フォルナルスは家にいる』『今日の試合でフォルナルスがプレーしているのを想像できる?俺にはできない』『そしてフォルナルスは家にいる...ハハハハハ、笑い話だよ』といった皮肉と嘆きのコメントが溢れ返り、フォルナルスの不在を惜しむ声が広がっている。(via ElDesmarque)

【本日の総括】

ワールドカップの影響で市場は停滞気味だが、ベティスはチャンピオンズリーグを見据えてストライカーのドフビクやサイドバックの補強へ着実に動いている。退団候補の売却で資金を捻出しつつ、アブデの怪我からの復活にも期待がかかる。代表戦でのフォルナルス待望論も熱を帯びている。