RCDマジョルカ
数ヶ月前に不本意な降格を喫し、今季はセグンダでの再起を強いられるチームですが、本拠地ソン・モイシュに集まった17,524人の大観衆を熱狂の渦に巻き込みました。プレシーズンマッチのシウダ・デ・パルマ・トロフィーにおいて、欧州王者であるPSGを3-0で下すという、衝撃的な快勝を収めています。
試合前のプレゼンテーションでは、選手たちがスタンドのサポーターの間から登場する斬新な演出が行われ、GKは西メインスタンド、DFは北サイドスタンド、MFは東メインスタンド、FWは南サイドスタンドからピッチへ降り、特に子どもたちをはじめとするファンと交流しながらピッチへと向かいました。新指揮官ルイス・ガルシア・フェルナンデス監督はサポーターに向け、『非常に厳しくもワクワクするシーズンが始まる。目標達成にはファンが最も重要だ。一緒に戦おう。アムント・マジョルカ!』と熱く呼びかけ、大喝采を受けました。
試合は、21分にズィト・ルヴンボが、アヤックスなど欧州の複数クラブから注目を浴びるジャン・ビルヒリからの鮮やかなパスを受けて先制点を記録。40分にはビルヒリ自らが、セルヒオ・ダーダーの気迫のこもったプレッシングからアシストを受けて、Safonovを越える見事なループシュートを沈めて2-0としました。この時、スタンドからはビルヒリの残留を熱望する『ビルヒリ、残って』という大合唱が自然発生的に沸き起こりました。後半51分には、新戦力のアレックス・サラの完璧なコーナーキックから、頼れるベテランのアントニオ・ライージョが頭で合わせて3点目を叩き込みました。マジョルカは今夏、アルナウ・プッチマル、ズィト・ルヴンボ、アドリアン・フエンテス、アブバカ・スマオロ、アレックス・サラ、アントニウ・ロカ、アルナウ・テナスら7人の実力者を擁し、悲願の1部返り咲きを狙います。一方で、私服で登場したホアン・モヒカにはサポーターから冷ややかなブーイングが飛び、クラブは相応のオファーがあれば放出する姿勢を固めています。気温30度、高湿度という bochorno(蒸し暑さ)の中での試合でしたが、この快勝によりチームの自信は最高潮に達しています。(via SPORT / MARCA)
ジローナFC
2部リーグの開幕まで約1週間と迫る中、かつての奇跡のクラブはかつてない窮地に直面しています。チャンピオンズリーグ出場という歴史的快挙を成し遂げた翌シーズン、わずか勝ち点1差でどうにか1部にとどまったものの、昨シーズンについに降格。今季はセグンダの舞台での戦いを強いられます。
しかし、キケ・アルバレス新監督に与えられた戦力は極めて心もとない状態です。今夏に加わった事実上の新戦力は、中盤のイバン・モランテのみ。若手のイザン・ゴンサレスとオレクサンドル・ピシュチュルは数ヶ月前から獲得が合意に達していた顔ぶれに過ぎません。さらに守備陣は本職のセンターバックが2名しかおらず、移籍の噂が絶えないアレックス・モレノやライプツィヒから関心を示されているアルナウ・マルティネスが退団すれば、壊滅的な状況に陥ります。
ウナヒやツィガンコフといった高給取りの主力放出が進まなければ新たな補強に動けないという財政的な制限も重なり、チーム編成は大幅に遅れています。昨夏にプロジェクトの不透明さから退団を意識していたヤンゲル・エレーラのような事態が再燃する恐れもあり、1年での1部昇格を夢見るサポーターの間には深い不信感と焦燥感が広がっています。(via Mundo Deportivo)
コルドバCF
イバン・アニア監督率いるチームは、中14時間半で2試合を消化するという常軌を逸したプレシーズン超過密日程に直面しています。木曜日の20:00からハエンとの親善試合(トロフェオ・デル・オリーボ)を戦い、翌金曜日の朝10:30からはマルベージャでアルメリアと対戦。この強行軍の中で、指揮官は極端に異なる2チームを用意する構想を練っています。
これまでのテストマッチでは好成績を維持しており、南アフリカのオーランド・パイレーツと1-1(若手ハイル・アントラスが得点)、セビージャに0-0(PK4-5で負け)、そして同じ2部のカディスにはディエゴ・ブリの強烈なヘディングで1-0と勝利。エルチェ戦でも2-2と引き分け(ハイル・アントラスとカラセドが得点)、ディフェンスの頑健さを実証してきました。エルチェ戦の後半には選手交代のカードを使い切った後、ハコボ・マルティが重傷を負ったため、GKのアルエバロが急遽フォワードとしてプレーする珍事もありました。
しかし、深刻な負傷禍がチームを襲っています。すでにフォメニェム、アディルソン、エル・ジェバリが戦線を離脱している中、エルチェ戦でハコボ・マルティが今季絶望となる大怪我を負い、ケビン・メディナとアレックス・マルティンも筋肉トラブルで離脱。さらに、左サイドバックのレギュラーだったビララサが開幕戦の対戦相手であるブルゴスへ電撃移籍したことで、現在起用可能なトップチーム登録選手はわずか19名。ハエン戦はリザーブチームの若手主力を中心に構成し、アルメリア戦で開幕を見据えたベストメンバーをぶつけるという極限のやり繰りでこの難局を乗り切る構えです。今季は14人の新戦力を補強しており、さらなる補強も目指しています。(via SPORT)
UDラス・パルマス
ミゲル・アンヘル・ラミレス会長は、伝統的な巡礼地であるテロールの Virgen del Pino(ピノの聖母)への参拝を終えた後、集まったメディアに対し熱狂するファンを冷静にいさめる現実的な目標を掲げました。
一部から沸き起こる早期の1部昇格論に対し、会長は『プロクラブとして真摯に向き合うべき目標は昇格ではない。この厳しいリーグには22チームがおり、昇格できない2つのリザーブチーム(レアル・ソシエダBとセルタ・フォルトゥナ)を除くすべてのライバルが同じ夢を追っている。まずは地に足をつけ、残留に必要な勝ち点50を最速で積み上げることが最優先だ。昇格を安易に口にして期待を煽るべきではない』と強調し、謙虚さと慎重さを求めました。
しかし、2部での戦いでありながら、ラス・パルマスのクラブ会員数はすでに22,000人を突破。これは、並み居る強豪を抑えてセグンダ屈指の規模を誇るアストゥリアス州の2強(スポルティング・ヒホンとレアル・オビエド)に次ぐリーグ第3位の驚異的な数字であり、地元の情熱がチームの大きな後押しとなることは間違いありません。チームを指揮するRubén de la Barrera新監督のもと、DF1名とウイングの補強が進められています。また、カンテラ出身のCristian Gutiérrez(クリスティアン・グティエレス)ら複数の選手に対し、他クラブが興味を示しています。(via MARCA)
ブルゴスCF
コルドバから左サイドバックのビララサを補強し、チーム編成を円滑に進めていたチームに衝撃が走りました。右サイドバックとして頭角を現し、今夏のオサスナへのステップアップ完全移籍が事実上合意に達していた19歳のDFアレハンドロ・リサンコスが、トレーニング中に右膝の半月板を部分断裂。即座に手術を受ける事態となりました。
この負傷により、オサスナへの移籍交渉は完全に停止。全治までに6〜8週間を要する見込みとなり、今夏の移籍市場での放出は極めて困難となりました。ブルゴスにとって将来の売却益を見込める貴重なアセットの離脱であると同時に、1部での挑戦を夢見ていた本人にとっても最悪のタイミングでの悲劇となりました。右サイドバックの補強を狙っていたバレンシアもリサンコスを注視していましたが、この負傷により選択肢から除外せざるを得ず、市場全体に大きな影響を及ぼしています。(via SPORT)
CDエルデンセ
昇格チームであるエルデンセは、今夏11人目の補強として、マジョルカBから19歳の有望なセンターバック、ハビ・オライゾラを1シーズンのレンタルで獲得しました。オライゾラは昨季マジョルカBで1,300分近く出場してチームの昇格に貢献しただけでなく、1部の終盤2試合でデビューを飾った、インテリジェンスに溢れる新星です。
クラブはオライゾラを「ゲームの読みが鋭く、ビルドアップ能力と守備 of 安定感を兼ね備えたパーソナリティのある選手」と高く評価しており、同じく新加入のフローリス・スマンド、アレックス・セラ、そしてプレシーズンからテスト生として参加している大ベテランのアリダネ・エルナンデスと共に、DFラインの再構築を託します。さらに攻撃陣には、ビジャレアルから21歳の俊英FWパウ・カバネスを2028年までの完全移籍で獲得。着実な補強でセグンダでの安定した戦いを目指しています。(via SPORT / MARCA)
レアル・サラゴサ
チーム編成がほぼ最終局面を迎えているサラゴサは、最終ラインを強固にするためのピースとして、バレンシアの若手DFルベン・イランソの獲得に向けて本格的な交渉を進めています。イランソはセンターバックと右サイドバックを高水準でこなすユーティリティ性を備えており、指揮官イバイ・ゴメスとSDラロ・アランテギにとって守備補強の最優先ターゲットです。
また、コルドバを退団してフリーとなっているMF兼DFのシャビ・シンテスにも熱心にアプローチを行っています。シンテスはLALIGA HYPERMOTIONでのプレーを強く希望しており、サラゴサからのオファーを前向きに検討しています。既存の若手であるウーゴ・カリージョとウーゴ・バラチーナのどちらを武者修行にレンタルへ出すかという決断を残しつつ、セグンダの厳しい昇格争いを勝ち抜くための堅実なディフェンスラインの形成を着々と進めています。(via ElDesmarque)
レアル・オビエド
悲願の1部昇格を狙うオビエドは、ハビ・カレロ監督率いる新プロジェクトのアイコンとして、サンプドリアから実力派アタッカーのエスタニス・ペドローラを獲得しました。
オビエドは、新加入選手を1人ずつ地域のシンボルや大口スポンサーと関わりの深い施設で発表する「個別お披露目方式」を採用。ペドローラも地元のアストゥリアス州で最も賑わう国際見本市(フェリア・デ・ムエストラス)の会場で華々しく発表され、多くのサポーターの期待と関心を集めました。カリスマあふれるカレロ新体制のスターとして、攻撃を牽引する役割が期待されています。(via SPORT)
レアル・スポルティング
アストゥリアスのもう一つの雄、スポルティングは、ライバルのオビエドとは対照的な伝統的なスタイルでファンを熱狂させました。
オーナー企業であるオーレギ・グループの意向に沿う形で、新加入選手たちをスタジアムに一堂に集め、昔ながらのプレゼンテーションを実施。かつてファンの部屋やバー、トラックの運転席などを飾った伝統的な集合写真の撮影を再現し、ファンにノスタルジーと強い団結力を呼び起こしました。この古き良きアプローチは、新シーズンのセグンダでの躍進を誓うチームの士気を大いに高めています。(via SPORT)
UDアルメリア
昨季降格し、セグンダでの再起を図るアルメリアは、主力であるセネガル代表MFディオン・ロピのサウジアラビア移籍により、大きな資金力を手に入れました。
アル・イテハドへの完全移籍が決定したロピの取引は、固定の移籍金1300万ユーロに加えて、比較的容易に達成できるボーナス600万ユーロの最大1900万ユーロという巨額なものです。さらに、アルメリアは将来の転売時の利益の10%を受け取る権利も確保しました。
ロピを2023年に売却したスタッド・ランスにも契約に基づき130万〜250万ユーロが支払われますが、それを差し引いてもアルメリアは約1000万ユーロの純利益を計上。この潤沢な資金をもとに、アルメリアはさらなる補強に動く見込みで、デポルティーボのDFアルナウ・コマス獲得レースにも名乗りを上げています。コマスにはグラナダも強い関心を示しており、2部降格組同士によるピッチ外の争奪戦も熱を帯びています。(via MARCA)
カディスCF
GKのJokin Ezkieta(ジョキン・エズキエタ)が期限付き移籍を終えてカディスへ復帰しました。新たなGK陣の再編に向けて、今後の2部での戦いにおける守備の要として大きな期待が寄せられています。(via Estadio Deportivo)
レアル・バジャドリード
レアル・バジャドリードは、プレシーズンマッチのギムナスティカ・セゴビアーナ戦で3-0の快勝を収め、順調な仕上がりを見せました。
この試合で最もサポーターを感動させたのは、ブラジル人FWマルコス・アンドレのストーリーでした。彼は今夏、メキシコのクラブへの完全移籍がほぼ合意に達しており、プレシーズンキャンプでもすでに荷物をまとめている状態でした。しかし、フラン・エスクリバ監督が彼のプロフェッショナルな姿勢と熱意を高く評価し、移籍交渉を急遽ストップ。指揮官から『君がこのチームのリーダーになってほしい』と直訴され、残留を決意。この日はキャプテンマークを巻いて先発出場すると、前半32分にチアゴ・オヘダのシュートの跳ね返りを押し込んで先制ゴールを記録。スタジアムのサポーターからは、彼の残留を祝う割れんばかりのスタンディングオベーションが送られました。後半には若手のバルベラがアシストからヘディングで追加点を挙げ、試合終了間際には10代の超新星アルヌが強烈なダメ押しゴールを決めて3-0で勝利を飾りました。(via MARCA)
セルタ・フォルトゥナ
バルセロナBから13年間過ごしたDFアレキシス・オルメドを完全移籍で獲得しました。またポルトガル・パços de Ferreiraから、ポルトガルU-17代表のウラジーミル・シウバをレンタルで獲得。さらにジェノアからパラグアイ代表MFウーゴ・クエンカを買い取りオプション付きのレンタルで獲得することでも合意しました。これら若き才能の加入により、新たにセグンダに昇格したフォルトゥナのクリエイティビティと競争力が大いに高まっています。(via SPORT / ElDesmarque)
レアル・ソシエダB(サンセ)
アルバロ・オドリオソラらファーストチームの怪我人の影響にともない、DFラインのBaldaやCarbonellがサンセからトップチームへ昇格していましたが、現在はサンセへ永久的に戻っています。今季は、実力者たちの流出を防ぎながら、セグンダの厳しい勢力図の中で着実な成長を目指しています。(via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
今季のセグンダ・ディビシオン(LALIGA Hypermotion)は、降格を経験した伝統クラブから、昇格を勝ち取った新興勢力までが入り乱れる、かつてない戦国時代の様相を呈しています。欧州王者PSGを3発で撃破したマジョルカの充実ぶりや、主力MFロピのサウジ売却で1000万ユーロ以上の巨額利益を得たアルメリアは、昇格レースの最有力候補として不気味な存在感を放っています。
一方で、ジローナの深刻な補強の遅れや、コルドバを襲う壊滅的な負傷禍、さらにはブルゴスのリサンコスが不慮の負傷によりステップアップの夢を絶たれるなど、激しい悲喜こもごもがピッチ外で繰り広げられています。現実的な目標を定めて結束するラス・パルマスや、バジャドリードで見事な残留劇を見せたマルコス・アンドレの熱いストーリー、そして着実にDFラインを整備するサラゴサなど、各クラブの戦略が複雑に絡み合う今シーズンの2部は、最後まで見逃せない大激戦となるでしょう。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
マジョルカのPSG戦で見せた、選手がスタンドから登場する演出と連動したビルヒリの躍動は、戦術的な規律以上にチームの士気がピッチ上の距離感に好影響を与えた好例です。一方で、コルドバの過密日程による負傷禍は、戦術以前に選手層の物理的な限界を露呈させました。戦術家にとって、今季のセグンダは個の能力以上に、負傷や移籍による配置の穴を、いかに柔軟なシステム変更や若手の抜擢で埋められるかという『適応力』が順位を分ける鍵になるでしょう。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
ラス・パルマスのラミレス会長が示した『残留勝ち点50』という現実路線は、熱狂するサポーターとの温度差を埋める非常に賢明な舵取りです。対照的に、ジローナは降格後の編成停滞がサポーターの不信感を招いており、クラブの空気感がチームのパフォーマンスに直結する危うさを感じます。バジャドリードのマルコス・アンドレ残留劇のように、監督の熱意が選手の心を動かし、それがスタジアムの熱狂を生むという好循環を、各クラブがいかに作り出せるかが今季の焦点です。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
アルメリアがロピの売却で得た1900万ユーロ規模の資金は、セグンダの移籍市場における勢力図を塗り替えるインパクトがあります。一方で、ブルゴスのリサンコスのような不慮の負傷は、クラブの将来的な売却益計画を根底から覆すリスクを改めて突きつけました。今季の編成は、単なる補強だけでなく、財政的な余力確保と、負傷リスクを考慮した選手層の厚みをどう両立させるかという、極めて高度なリスク管理能力が問われる市場となっています。