クラブ買収交渉決裂とファンの大抗議行動
セルヒオ・ラモスと投資家グループによるクラブ買収交渉が土壇場で決裂したことを受け、ファンの不満が爆発しています。2日連続で本拠地ラモン・サンチェス・ピスフアンのプレフェレンシアのモザイクの下に午後9時に約60人のファンが集結し、経営陣の即時退陣を求める抗議活動を行いました。現場では『フロント辞任、セビージャから出て行け』『セビージャが血を流している』『不法占拠者出て行け』『フニオル、もう出て行け』『セビージャを尊重しろ』といったスローガンが掲げられ、現会長のホセ・マリア・デル・ニド・カラスコの顔写真が最も多く見られました。
さらに、これまで現体制を厳しく批判していた元会長のホセ・マリア・デル・ニド・ベナベンテが、今回のラモス氏に対する非難声明に他の大株主たちと同調して署名したため、「裏切り者」として非難の対象に追加されています。
この抗議には、1995年の行政降格処分の危機に立ち上がった高齢のソシオたちも多数参加しています。中でも、65年以上クラブに尽くし、2024年夏の50人以上の大量解雇の波でクラブを追われた名物用具係「パコ・エル・カルピンテロ(本名フランシスコ・ドゥラン)」も姿を見せ、ファンから熱烈な称賛を浴びました。
事態はこれに留まらず、Biris Norte、Accionistas Unidos、Federación de Peñas Sevillistas San Fernandoの3団体が連携し、大規模なデモ行進を計画中です。彼らはSNSで「SOS Sevilla FC」という声明を出し、『#ElSevillaSomosNosotros』のハッシュタグとともに、クラブの抜本的な管理体制の変更と経営陣の辞任を要求しています。
小額株主協会も極めて厳しい声明を発表しました。彼らは、長年の対立を一時的に棚上げして結束した大株主たち(カストロ、ギハロ、アレス、カリオン、デル・ニド)を「ハゲタカの兄弟」と痛烈に批判し、『すべては金のため、というのが彼らの座右の銘です。彼らはセビージャをユーロでできた美味しいケーキだと考えている。今の経営陣とその現・前会長たちが今の破滅に導いた。クラブから去り、自分たちで運命を探させてほしい』と強い怒りを表明しています。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)
S・ラモス側と大株主の対立、そして裁判へ
決裂した買収交渉の内容と、双方の主張の食い違いが浮き彫りになっています。セルヒオ・ラモス率いるグループは、過半数の株式に対して約4億5000万ユーロのオファーを提示し、これには財務の再構築、負債の削減、そして補強のための資本注入が含まれていました。しかし、大株主側は、最終段階で支払い構造などの合意内容が一方的かつ大幅に変更されたと主張し、信頼関係が失われたとして交渉を打ち切りました。
これに対しラモス側は契約違反を完全に否定しています。変更は財務アドバイザーの推奨や、LaLigaが求める実現可能性の基準に応じたものであり、クラブの経済的未来を確保し、内部の分断を避けるためのものであったと反論しています。ただし、LaLiga側はラモス氏の言う「LaLigaからの推奨」という事実を否定しており、状況は泥沼化しています。
クラブの売却が暗礁に乗り上げる中、6月29日と30日には極めて重要な裁判が予定されています。これは、ホセ・マリア・デル・ニド・ベナベンテが、2019年に結ばれた統治協定を破棄するため、自身の息子である現会長、ホセ・カストロ、そしてSevillistas de Nerviónを相手取って起こした訴訟です。第10初審裁判所(Ciudad de la Justicia de Palmas Altas)で午前10時から審理が開始される予定ですが、判決が出た後も控訴によって決着が先延ばしにされる可能性が高く、クラブの不安定な状況はまだまだ続くと見られています。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)
L・ガルシア・プラサ監督の続投と来季の構想
ピッチ外の混乱が続く中、クラブはルイス・ガルシア・プラサ監督に対し、来季(2026/2027シーズン)も引き続きチームの指揮を執ることを正式に伝達しました。チームを1部残留に導いたことで契約の1年延長オプションが自動的に発動していましたが、買収が成功した場合はホセ・ボルダラスが新監督に就任する可能性があったため、不透明な状況が続いていました。クラブからの公式発表は予定されていませんが、監督はすでに休暇を返上し、アントニオ・コルドンの後任として正式にスポーツディレクターに就任したホセ・イグナシオ・ナバロとともに、来季の陣容構築に奔走しています。
セビージャはLaLigaでも最も低い予算規模で戦わなければならず、迅速な動きが求められます。ガルシア・プラサ監督はすでに構想外の選手をリストアップしています。就任以来一度も出番を与えられなかったホアン・ジョルダン、フェデリコ・ガットーニ、ファビオ・カルドソらは退団が既定路線です。また、負傷明けで107分(スタメン1回)しかプレーしなかったペケも疑問符がついており、1部に復帰した古巣ラシン・サンタンデールへの移籍の噂があります。
レンタル復帰組についても厳しい判断が下されています。ビジャレアルが700万ユーロの買取オプションを行使しなかったアルフォン・ゴンサレス、性的暴行の疑いで先週裁判があったラファ・ミル(エルチェが買い取らず)、アドリア・ペドロサ(エルチェが買い取らず)はすべて放出の方針です。ペドロサには、ホセ・ルイス・メンディリバル監督率いるオリンピアコスが関心を寄せています。
一方で、前SDのコルドンが退任前に置き土産として決めていた2件のフリートランスファーが間もなく正式発表される見込みです。ヘタフェから右サイドバックのフアン・イグレシアス、ル・アーヴルからセンターバックのアルナ・サンガンテが加入します。また、パトリク・メルカドの獲得はすでに発表されています。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)
オソ(Oso)のアルゼンチン代表への夢と移籍の噂
マティアス・アルメイダ監督によってセビージャ・アトレティコからトップチームに引き上げられ、大ブレイクを果たしたホアキン・マルティネス・ガウナ、通称「オソ(Oso)」。22歳、身長1.83mのこのレフティーは、今季LALIGAで21試合に出場し2ゴール3アシストを記録しました。左ウイングバックやサイドバックとして守備力と攻撃的な大胆さを兼ね備え、クラブは2027年までとなっている彼の契約を見直し、トップチーム登録と大幅昇給、長期契約への更新を最優先課題に掲げて交渉中です。しかし、フランスのストラスブールが専門サイトの評価額に等しい500万〜600万ユーロの正式オファーを近日中に提示する構えであり、左サイドバックの整理を迫られているレアル・ソシエダも彼をリストアップしています。2022年にマラガのフベニールからフリーで加入したため、売却となればセビージャにとって大きな利益となります。
そんなオソがDSports Radioのインタビューに応じ、自身のルーツと将来の夢について熱く語りました。
『両親(エルナン・マルティネスとアナ・ラウラ・ガウナ)が仕事のためにスペインに来て、僕はトレビエハ(アリカンテ)で育ちました』
『自分はかなりポリバレントな選手で、試合に出られるならどのポジションにも適応します。でも、ブレイクしたのは左サイドのウイングバックやサイドバックとしてプレーした時ですね』
『僕はとても落ち着いていて穏やかな性格です。自分に起こることをとても自然に、落ち着いて受け止めていて、それが今のパフォーマンスにつながっていると思います』
アルゼンチン代表のスカローニ監督から言及されたことについて:
『スカローニ監督に名前を挙げてもらったのは夢のようです。両親がアルゼンチン人なので、アルゼンチン代表でプレーしたいとずっと明確に思っていました。彼のような人に名前を挙げられてとても嬉しいです。小さい頃からアルゼンチン代表でプレーすることが僕の願いで、そのために日々努力していますし、いつか叶うことを願っています。スペイン代表からは一度も連絡やアプローチはありませんでした』
『アルゼンチンには素晴らしいレベルの選手がいます。ワールドカップでは1人のファンとして応援しますし、素晴らしい結果を出せるよう願っています。僕はこれまでもずっとアルゼンチン人だと感じていますが、すべてを与えてくれたスペインにも感謝しています。彼らも素晴らしい代表チームですし、ワールドカップ優勝候補です』
プレースタイルと憧れのクラブについて:
『僕のサッカーでのアイドルはずっとメッシです。特定の選手に似ているかはわかりませんが、左サイドで機能するアジャイルな選手です』
『もう一つの夢は、いつかリーベル・プレートでプレーすることです。父がずっとこのクラブへの情熱を教えてくれました。ヨーロッパでリーベルの試合を見るために、いつも朝の4時に起きていました』
『(マドリードでのリベルタドーレス杯決勝について)行くことができず、ぜひ経験したかったことです。父と祖父は行きました。エル・モヌメンタルでプレーすることは、ずっと夢見てきたことです』
『木曜日に家族に会うためにアルゼンチンに行きます。プレシーズンなどの事情で、もう11、12年行けていませんでした。とても楽しみにしています』
また、自身のSNSでもシーズンを振り返っています。
『数週間前に、絶対に忘れることのないシーズンが終わりました。学び、挑戦し、子供の頃から夢見ていた瞬間を過ごし、今日それが僕の歴史の一部となりました。エリートでのデビュー、このユニフォームを着ること、最高レベルで戦うこと、そして日々成長し続けることは、一生の宝物となる経験です』(via ElDesmarque / MARCA / Estadio Deportivo)
フアン・イグレシアスが別れを告げセビージャ加入へ
ヘタフェとの契約が6月30日で満了となる27歳の右サイドバック、フアン・イグレシアスが、自身のSNSでヘタフェへの別れのメッセージを公開しました。彼はセビージャから提示された4年契約に惹かれ、ヘタフェの契約延長オファーを断っていました。
『ヘタフェでの忘れられない7年間に感謝します。ポジションを勝ち取ろうとする若者として到着し、ここで人生の大部分を築いた人間として去ります。1部リーグでこのエンブレムを守るという夢を叶えました。ここで家族を作り、パートナーと出会い、2人の子供が生まれ、一生の思い出ができました。クラブに関わるすべての人に感謝します。あなたたちと過ごせたことは喜びでした。誇りで胸がいっぱいです。ずっとアズロンの一員です』
バジャドリードの下部組織出身でUDログロニェスを経てヘタフェに加入した彼は、7シーズン(Bチーム含む)で公式戦175試合に出場。昨季はホセ・ボルダラス監督の下で38試合に出場し、3217分間プレーして1ゴール3アシストを記録しました。両サイドバックやセンターバックもこなせるポリバレントな守備者であり、高いインテンシティでのプレーに慣れているため、ガルシア・プラサ監督の4バックでも5バックでも重宝される存在となります。5月に彼の専属医師がSNSで誤って「セビージャでの成功を祈る」とフライング発表してしまったことでも話題になりましたが、正式発表は目前です。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque / MARCA)
契約満了迫るグデリが大幅減俸を受け入れ契約延長へ
今月30日に契約満了を迎える34歳のキャプテン、ネマニャ・グデリが、セビージャとの契約延長に向けて最終交渉に入っています。2019年に中国リーグから加入して以来、2度のヨーロッパリーグ制覇(2020年、2023年)に貢献し、公式戦261試合で10ゴール3アシストを記録してきたセルビア代表のベテランは、現在300万ユーロを超えるチームトップクラスの年俸を受け取っています。
しかし、クラブが極めて深刻な財政難に陥っていることを理解しているグデリは、クラブを助けるために自らの年俸を劇的に下げることに合意しました。契約条件は1年間の延長に加え、出場試合数などの条件を満たせばさらに1年延長されるオプションが付帯する見込みです。センターバックとピボーテを高いレベルでこなすユーティリティ性と、ピッチ内外でチームを牽引する強烈なリーダーシップは、再建を図るガルシア・プラサ監督にとっても不可欠な要素として高く評価されています。(via Mundo Deportivo / ElDesmarque)
エジュケ、カストリン、レンタル復帰組の去就
来季に向けたその他のスカッド整理も進んでいます。センターバックとしてディフェンスラインの柱に成長したアンドレス・カストリンは2027年までの契約を残していますが、クラブは彼の重要性を鑑み、契約の早期更新を急いでいます。
一方、契約が残り1年となるナイジェリア人アタッカー、チデラ・エジュケの将来は不透明です。ガルシア・プラサ監督は彼をレアル・ソシエダ戦とエスパニョール戦でスタメンフル出場させましたが、残り6試合ではわずか65分の出場にとどまり、最後の2試合(マドリード戦、セルタ戦)も途中出場で49分間のみでした。
監督はソシエダ戦後にエジュケをこう評価していました。
『チディは前の監督の時も含め、長く先発から遠ざかっていた。彼は素晴らしい試合をしたと思う。トレーニングで見ていてすでに気に入っていたエジュケだった。彼を入れたかったし、このレベルを維持すればプレーするだろう。彼にも言ったが、迷わずに縦への推進力を持ち、攻撃して仕掛けて1対1を狙うこと。ドリブルで迷子にならなければプレーできる』
監督はエジュケを積極的に放出するつもりはありませんが、絶対に不可欠な存在とも見なしていません。現在、プレミアリーグやブンデスリーガのクラブが彼に関心を示しており、資金繰りに苦しむセビージャは、専門サイトの評価額である約400万ユーロ規模のオファーが届けば、喜んで移籍を容認する方針です。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)
アコル・アダムスがナイジェリア代表戦に出場
セビージャFCで2025/2026シーズンのチーム内得点王(10ゴール)に輝いたFWアコル・アダムスが、水曜日の夜にワルシャワ国立競技場で行われたポーランド対ナイジェリアの親善試合(2-2の引き分け)に先発出場しました。アダムスは最初の45分間プレーし、後半からフィリップ・オテレと交代しました。なお、セビージャのチームメイトであるチデラ・エジュケは今回の代表戦には招集されていません。
ナイジェリア代表は先日、イギリスで行われた親善大会「Unity Cup」で見事優勝を果たしましたが、アダムスはエリック・シェル監督の配慮により同大会への参加を免除されていました。アダムスはナイジェリア代表としてこれまで14試合に出場し、5ゴール2アシストを記録。今季はクラブと代表を合わせて48試合に出場し、15ゴール6アシストという見事な成績を残しています。ナイジェリア代表は来週水曜日にポルトガルとの親善試合を控えています。(via Estadio Deportivo)
1部昇格から25周年!当時の英雄たちの回想
今日(2026年6月3日)は、セビージャFCが最後に1部リーグ昇格を決めてからちょうど25周年となる記念すべき日です。2001年6月3日、ホアキン・カパロス監督率いるセビージャは、ラモン・サンチェス・ピスフアンでCDテネリフェを1-0で下し、残り2節を残して昇格を確定させました。47分にインティ・ポデスタが決めた劇的な決勝ゴールにより、スタジアムは歓喜の渦に包まれ、ファンがピッチに乱入するほどの熱狂を生み出しました。
ロベルト・アレス会長とモンチSDの下で戦ったこのシーズン、セビージャは勝ち点80を獲得してセグンダを制覇。ベティス(勝ち点75)、テネリフェ(勝ち点74)と共に昇格を果たし、アトレティコ・マドリード(勝ち点74)を直接対決の成績で退けました。16ゴールを挙げたニコ・オリベラをはじめ、ミチェル(7点)、マルセロ・サラジェタ(5点)、ディエゴ・リベラ(5点)、ルイス・ガルシア・テベネト(4点)らが攻撃を牽引しました。
当時のメンバーであるフレディはこう振り返ります。
『素晴らしく、とても良い思い出がたくさん蘇ってきます。チームの柱の一つは、ロッカールームの家族のような関係でした。ベテランがリーダーシップをとり、プレーしなくても貢献してくれました』
また、守備の要だったパブロ・アルファロも感慨深く語ります。
『サッカー選手として経験した最も美しい思い出の一つです。僕たちはふさわしくないどん底から抜け出し、セビージャを本来いるべき場所に戻しました。(テネリフェ戦のことは)思い出すだけで若返るような、一生消えない記憶です』
クラブが現在直面している未曾有の危機を前に、25年前にどん底から這い上がった彼らのスピリットが今こそ求められています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
買収破談による前代未聞のフロントとファンの全面対決、そしてガルシア・プラサ監督の続投による急ピッチな陣容整理。激動のセビージャですが、オソの躍進やグデリの男気など、ピッチの選手たちからは希望も見えます。25年前の昇格の熱狂を思い出し、クラブ一丸となってこの危機を乗り越えてほしいところです。