モウリーニョ2期目が始動 少数精鋭でのプレシーズン開幕と今後の合流予定

13年ぶりとなるジョゼ・モウリーニョ監督の第2次政権(前回は2010年から2013年)が本格的に始動した。プレシーズン初日となった月曜日の午前中には、バルデベバスにあるサニタス病院でメディカルチェックが行われ、午後17時からは厳しい暑さの中で最初のトレーニングが実施された。過去2シーズン無冠に終わっている状況から、選手たちを準備させるための極めて重要なプレシーズンとなる。しかし、ワールドカップの影響によりトップチームから初日の練習に参加できたのは、ディーン・フイセン、トレント・アレクサンダー=アーノルド、エドゥアルド・カマヴィンガ、アルバロ・カレラス、アンドリー・ルニン、ゴンサロ・ガルシア、フランコ・マスタントゥオーノ、ラウル・アセンシオのわずか8名のみだった。昨季最も批判を浴び、退団の可能性も囁かれているカマヴィンガとマスタントゥオーノは、モウリーニョ監督の指導中にまばたき一つせずに聞き入っていた。エデル・ミリトン、ロドリゴ・ゴエス、フェルラン・メンディの3選手はバルデベバスに姿を見せて身体検査を通過したものの、負傷からの回復プロセスの途中であるため、グループとは離れて別メニューでの調整となった。

圧倒的な人数不足を補うため、モウリーニョ監督はセルヒオ・メストレ、フラン・ゴンサレス、メルビン、ジョアン・マルティネス、ラミニ・ファティ、バルデペーニャス、レスカノ、チェリフ、ホルヘ・チェステロ、ロベルト・マルティン、ポル・フォルトゥニ、セサル・パラシオス、ガブリ・バレロ、アレクシス・シリア、ハコボ・オルテガといったカスティージャ、レアル・マドリードC、そしてフベニルからの多数のカンテラーノを呼び寄せた。

初日のセッションはジムでのトレーニングから始まり、ピッチではフィジカルとボールを使ったメニューを組み合わせて消化した。プレッシャー下での厳しいポゼッション練習、小さなゴールへのフィニッシュを伴う様々なポゼッション練習、そして最後にはスモールコートでのミニゲームが行われた。モウリーニョ監督はコーチングスタッフ全員を従え、初日から大音量で明確な指示を飛ばし、ポジショニングの修正や自身のプレーモデルの最初の指示を与えて落とし込みを図っている。指揮官はバルデベバスに到着した金曜日の時点で、初日について『もちろんすべての選手がここにいてほしかったが、これから一緒に仕事をする若手を知り、彼らにも私を知ってもらう機会になるというポジティブな見方をしなければならない』と前向きな姿勢を見せていた。トレーニングを終えた夕方、バルデベバスの出口では監督を待っていたマドリディスタたちの間で熱狂が巻き起こった。ファンが大音量で彼の名前をチャントする中、モウリーニョ監督はほぼ全員のファンにサインをするまで数分間滞在して対応した。火曜日の10時には、モウリーニョ監督による2回目のトレーニングが予定されている。

W杯に参加した選手たちは、大会の進行状況に合わせて段階的に合流する予定となっている。まず、すでにW杯敗退が決まって休暇に入っている選手たちから順次戻ってくる。7月17日にアルダ・ギュレル、18日にフェデ・バルベルデ、21日にアントニオ・リュディガーとデンゼル・ダンフリースが合流。続いて27日にヴィニシウス・ジュニオールとエンドリッキ、28日にベルナルド・シウバ、31日にブラヒム・ディアスが戻る。さらに、W杯準決勝まで勝ち進んでいるジュード・ベリンガム、オーレリアン・チュアメニ、キリアン・エンバペ、イブラヒマ・コナテ、マルク・ククレジャは、8月5日から10日の間に到着する予定であり、プレシーズンが競技フェーズに入る前に合流する見込みだ。

プレシーズンの実戦としては、現在のところ2試合の親善試合が確定している。8月1日18時にオーストリアのクラーゲンフルトにあるヴェルターゼー・シュターディオンでフィオレンティーナと対戦し、8月12日21時にはリアソールで第71回テレサ・エレーラ杯としてデポルティーボ・ラ・コルーニャと対戦する。なお、モウリーニョ監督のファンへ向けた公式プレゼンテーションの日程や、新加入選手のプレゼンテーションの日にちはまだ公式に発表されていない。(via SPORT / Estadio Deportivo / ElDesmarque / Mundo Deportivo / MARCA)

クルトワの負傷状態が判明 重傷回避でクラブに安堵広がる

ロサンゼルスで行われたW杯準々決勝のベルギー対スペイン戦の71分に負傷交代し、涙を流しながらピッチを後にしたティボー・クルトワだが、月曜日の朝にバルデベバスで行われたメディカルチェックの結果、左太ももに軽度の筋肉損傷はあるものの重傷ではないことが確認された。クルトワはスペイン戦において、1-1の場面でロングキックを蹴った際に左脚の大腿四頭筋に違和感を覚え、プレーの続行を試みたものの、最終的にセネ・ラメンスと交代した。その後チームはミケル・メリーノのゴールにより失点し敗退している。過去の春にも同箇所の大腿直筋を痛めており、チャンピオンズリーグの重要な試合などを欠場していたため、シーズン開幕への影響と再発が懸念されたが、完全な杞憂に終わった。ベルギーの敗退からわずか3日後にサプライズで施設に姿を見せ、モウリーニョ新監督とも最初の挨拶を交わしたクルトワは、これからW杯参加に伴う選手協定で定められた3週間の休暇に入る。重傷を免れたことで、8月1日には問題なくチームに合流する予定であり、モウリーニョ監督のゴールキーパー構想に支障をきたすことはない。(via MARCA / SPORT / Estadio Deportivo / ElDesmarque)

今夏の移籍市場動向 トップレベルの新戦力4名と去就が注目される選手たち

過去2シーズン無冠に終わり、スペインとヨーロッパの王座奪還を至上命題とするレアル・マドリードは、今夏すでにトップレベルの選手を獲得し戦力を大幅に強化している。ベルナルド・シウバとイブラヒマ・コナテをフリートランスファーで獲得したほか、マルク・ククレジャに5500万ユーロ+ボーナス500万ユーロ、デンゼル・ダンフリースに2000万ユーロの小切手を切ってチームに迎え入れた。コナテはマドリー加入について『史上最大のクラブだ。あのユニフォームを着るまでは、そのすごさに本当には気づかない』と興奮気味に語っている。これによりW杯準決勝進出者が多数在籍することとなり、8月14日から16日の間にサンティアゴ・ベルナベウで予定されていたレアル・ソシエダとのラ・リーガ開幕戦は、選手たちに義務付けられている最低21日間の休暇日数を確保するため、第2節と第3節の間のミッドウィークへと延期される権利を行使することが決まった。

一方で、チームの軽量化のために人員整理も急務となっている。カマヴィンガには退団の扉が開かれているものの、本人は移籍を望んでおらず、現在の状況を覆してモウリーニョ監督を説得することを望んでいる。ゴンサロとマスタントゥオーノも退団のランプが灯っているが、モウリーニョ監督のテストに合格するまで彼らの未来は決まっていない。(via MARCA / SPORT / Estadio Deportivo / ElDesmarque)

国際大会組とトップチームで渦巻く不和 バルベルデらの対立問題

ワールドカップに参加したレアル・マドリードの選手たちの一部が、所属チームおよび代表チームの監督との間に大きな軋轢を抱えている。最もパフォーマンスが悪く、最も多くの論争を引き起こしているフェデ・バルベルデの状況はとりわけ深刻だ。昨季、シャビ・アロンソ監督によって右サイドバックの代役として起用されたことに不満を抱き、記者会見で『私はサイドバックとしてプレーするために生まれたわけではない』と公言した。その数日後、カイラト・アルマトイ戦でベンチに降格した際には、タッチライン際でほとんど動かない無気力なウォーミングアップで反抗。さらにオーレリアン・チュアメニとはロッカールームで2度も取っ組み合いの喧嘩をして病院送りとなり、シーズン終盤を欠場する事態を引き起こした。W杯でもウルグアイ代表のマルセロ・ビエルサ監督と衝突し、ビエルサから『彼ほど私が譲歩した選手はいない』と公に名指しで批判され、チームもサウジアラビアやカーボベルデに勝てずグループステージで敗退した。

ジュード・ベリンガムはイングランド代表のスターとして活躍し準決勝に勝ち進んでいるものの、ノルウェー戦後のトーマス・トゥヘル監督の戦術批判(『だらしないプレーで技術的ミスが多く、自分たちの首を絞めた』等)に対して、『もしかしたら彼はこういう状況でサッカーをプレーすることがどういうことか知らないのかもしれない』と反発。その後の会見でも『どうでもいい』『ノーコメント』と不快感を露わにしている。

さらにクルトワも、W杯のスペイン戦での交代に関してルディ・ガルシア監督への不満を爆発させた。『プレーを続けられた。100%ではないという理由で監督が交代を決断した』とベンチを批判し、今後のネーションズリーグでの代表招集辞退を要求。ユーロ2028での復帰には含みを持たせたものの、ドメニコ・テデスコ前監督との対立でユーロ2024を欠場した過去に続く代表での問題行動となっている。(via ElDesmarque / Estadio Deportivo)

カンテラ期待の星たち ピタルチらのステップアップと他クラブからの関心

U19欧州選手権でスペイン代表として優勝に貢献し、5アシストを記録して大会のベストイレブンにも選出されたチアゴ・ピタルチ(8月3日に19歳)には、マラガが強い関心を示している。昨季、アルベロア監督のもとで大躍進を遂げ、トップチームでラ・リーガ10試合、欧州大会6試合の合計16試合(817分)に出場した。カスティージャのセグンダ昇格プレーオフ準決勝2試合にも出場している。トップチームの中盤はダニ・セバージョスが退団したもののベルナルド・シウバが加入し、バルベルデ、チュアメニ、カマヴィンガらと同等のポジションで競争が非常に激しい。マラガへの移籍話は、ピタルチ本人がチャンピオンズリーグでのプレーを優先しているため、昇格組のマラガとは利害が対立し交渉は完全に停止している。本人は休暇を返上してプレシーズンに参加し、中盤の頭脳を探しているモウリーニョ監督にアピールして居場所を勝ち取る道を選んだ。

また、同じく大会ベストイレブンに選出されたマリオ・リバス(元ベティスのナノ・リバスの息子)は、アンドレス・クエンカと共に守備陣の中心として全試合無失点での優勝に大きく貢献し、大きなプレッシャーの中でも冷静かつアグレッシブな守備が高く評価されている。

契約の最終年となる2027年6月30日までの契約を残す21歳の有望な攻撃的MF、セサル・パラシオスには、プリメーラのセビージャとベティスが状況を問い合わせたが、まだオファーには至っていない。セスク・ファブレガス率いるコモも熱心だったがトーンダウンしており、現在はオサスナと、恩師アルベロアが率いるイングランドのフラムが激しい争奪戦を繰り広げている。昨季トップチームでラ・リーガ5試合、国王杯1試合、CL1試合(計100分)に出場したパラシオスは、トップチームの攻撃的ポジションに空きがないため、クラブの決定を尊重しつつも移籍して荷物をまとめることが濃厚とみられている。

さらに、カスティージャは8月5日19時からビベイロのカンタルラナ・スタジアムでデポルティーボのBチームであるファブリルと親善試合を行うことが発表された。これは両チームにとって同カテゴリーの相手との実力試しの場となる。(via Mundo Deportivo / SPORT / Estadio Deportivo / ElDesmarque)

アントニオ・ブランコとマイケル・オリーズなどにまつわる移籍市場の噂

デポルティーボ・アラベスに所属し2027年まで契約を残すアントニオ・ブランコには、ビジャレアルなどの重要なクラブが関心を寄せている。契約解除金は2000万ユーロに設定されているが、レアル・マドリードが同選手の権利の50%を保有している。そのため移籍が成立すればマドリーに多額の収入がもたらされるが、アラベス側は移籍金の半分を失うことを嫌い、容易には手放さない構えだ。

また、バイエルン・ミュンヘンで活躍し、W杯でも存在感を放ったフランス代表のマイケル・オリーズ(契約は2029年まで)についてもマドリーの名前が浮上している。親友であるエンバペがマドリーでの共闘を公に望んでいるものの、バイエルンはW杯の休暇明けに話し合いの場を持ち、契約延長を最優先として引き留める方針だ。本人が退団を強く求めた場合のみ交渉の席に着くが、移籍金はネイマールの2億2200万ユーロに迫る2億ユーロを下らないと設定されている。マドリーのクラブ史上最高額はベリンガムの1億2700万ユーロであり、現在のところマドリーのフロントに近い情報筋はオファーを出す予定はないと明言している。ただし、オリーズ本人の姿勢が変われば全てが変わる可能性がある。

さらに、マドリーのスカウト陣(ジュニ・カラファトら)は、リールに所属する18歳のモロッコ代表MFアイユーブ・ブアディにも熱視線を送っている。16歳と3日でトップチームデビューを果たし、昨季のCLでマドリーがリールに1-0で敗れた際に活躍したブアディは、数学を専攻しW杯にも高度な算術の教科書を持ち込むほどの秀才でもある。将来の中盤の司令塔として『マドリーにとって理想的なプロフィール』と評価されており、2030年W杯の共同開催国であるモロッコ代表としてフランス代表の誘いを断ってプレーしていることも、注目度を高める要因となっている。(via ElDesmarque / SPORT)

チェルシーのエンソ・フェルナンデス獲得報道の顛末

数週間にわたり噂されていたチェルシーのエンソ・フェルナンデスとレアル・マドリードの契約に関する騒動が決着を見た。マドリーが2032年までの完全合意に達し、移籍に向けてチェルシーと正式な交渉を開始したという報道に対し、マドリーは公式声明でいかなる交渉も行っていないと強く否定。チェルシーの新監督に就任したシャビ・アロンソも、コブハムでの就任会見でエンソと直接話をしたことを明かし『彼を引き留めたいか? イエスだ、イエスだ』と断言。これによりマドリーへの移籍の噂は完全に終息した。(via SPORT / Estadio Deportivo)

【本日の総括】

モウリーニョ監督の2期目が少数精鋭で遂に始動しました。クルトワの怪我が軽傷で済んだことは大きな朗報ですが、一方で代表チーム内で不和を抱えるバルベルデらの状況や、人員整理の行方など課題も山積みです。カンテラ選手たちのステップアップにも注目が集まります。