【今回のラインナップ】

 

✅ ホセ・エミリオ・サンタマリア氏の訃報とクラブの公式声明

✅ バイエルン・ミュンヘンとの決戦に向けたアルベロア監督の決意

✅ チュアメニの出場停止と代役を巡る中盤の戦術オプション

✅ アリアンツ・アレーナでのジンクスとマヌエル・ノイアーとの14年の因縁

✅ ヴィニシウスとエムバペの決定力不足に対する辛口の指摘

✅ アセンシオの直前欠場と累積警告の危機にある5選手を含む遠征メンバー詳細

✅ 運命の大一番を裁くスラヴコ・ヴィンチッチ主審のデータと経歴

 

■【ホセ・エミリオ・サンタマリア氏の訃報とクラブの公式声明】

 

レアル・マドリードの歴史に名を刻む伝説的なディフェンダーであり、1982年のスペイン・ワールドカップでスペイン代表監督を務めたウルグアイ出身のホセ・エミリオ・サンタマリア氏が、96歳でこの世を去りました。数週間前に家庭内で転倒事故に遭い、高齢のため手術を見送った後、合併症によりマドリード市内の病院で亡くなりました。

 

1929年7月31日にモンテビデオで生まれたサンタマリア氏は、ナシオナル・モンテビデオで5度のリーグ優勝を果たした後、1957年にレアル・マドリードに加入しました。サンティアゴ・ベルナベウ会長から直接届いた手紙がきっかけで海を渡り、1966年まで9シーズンにわたって白いユニフォームを身にまといました。公式戦337試合に出場し、ヨーロピアンカップ(現在のチャンピオンズリーグ)4回、インターコンチネンタルカップ1回、リーグ優勝6回、スペイン杯1回という輝かしいタイトルを獲得しました。アルフレッド・ディ・ステファノ、フェレンツ・プスカシュ、フランシスコ・ヘント、レイモン・コパらと共に、レアル・マドリードの黄金期を築き上げた守備の要でした。

 

レアル・マドリードはクラブの公式メディアを通じて声明を発表し、哀悼の意を表しています。フロレンティーノ・ペレス会長は次のような言葉を残しました。

 

『サンタマリアは、我々のクラブの偉大な象徴の一人として常に記憶されるでしょう。彼は、すべてのマドリディスタと世界中のサッカーファンの記憶に残るチームの一部でした。ディ・ステファノ、プスカシュ、ヘント、コパらと共に、あのチームはレアル・マドリードの神話を築き始めました。サンタマリアは常に我々のクラブの価値観を模範的に体現し、最後の瞬間まで、レアル・マドリードは彼の人生の大きな情熱でした』

 

サンタマリア氏は現役引退後、レアル・マドリードの下部組織で指導者としてのキャリアをスタートさせ、1968年のメキシコ五輪と1980年のモスクワ五輪でスペイン代表を指揮。その後、1982年の自国開催のワールドカップでフル代表の監督を務めました。また、エスパニョールでも7シーズン指揮を執り、252試合というクラブ歴代最多の公式戦指揮記録を持っています。次回のサンティアゴ・ベルナベウでの試合では、彼の功績を称えて1分間の黙祷が捧げられる予定です。 (via MARCA)

 

■【バイエルン・ミュンヘンとの決戦に向けたアルベロア監督の決意】

 

リーグ戦では首位バルセロナから9ポイント差をつけられ、優勝が極めて困難な状況に陥っているレアル・マドリードにとって、今シーズンの無冠を回避するための唯一の希望がチャンピオンズリーグです。サンティアゴ・ベルナベウでの第1戦を1-2で落とし、崖っぷちに立たされているチームは、敵地アリアンツ・アレーナでの第2戦で逆転勝利を収めなければなりません。

 

アルバロ・アルベロア監督は、この絶体絶命の状況においても決して諦める姿勢を見せていません。第1戦の敗戦後、監督は次のように力強く語りました。

 

『信じない者はマドリードに残ればいい、私たちは全てを懸けて行くからだ』

 

今シーズンのバイエルンは、ヴァンサン・コンパニ監督の下で圧倒的な攻撃力を誇っており、公式戦41試合で49ゴール(1試合平均1.19ゴール)を叩き出しているハリー・ケインをはじめ、マイケル・オリーズやルイス・ディアスといった強力なアタッカー陣が揃っています。バイエルンはホームで今季わずか1敗(アウクスブルク戦)しかしておらず、チャンピオンズリーグのホーム戦では1ポイントも落としていません。

 

対するレアル・マドリードは、今季のチャンピオンズリーグのアウェイ戦(ベンフィカ戦とマンチェスター・シティ戦)でいずれも勝利を収めています。特にマンチェスター・シティ戦では、フェデ・バルベルデのゴールなどで逆転勝利を収めた実績があります。予想される先発メンバーは、GKにルニン、ディフェンスラインは右からトレント・アレクサンダー=アーノルド、エデル・ミリトン(またはディーン・フイセン)、アントニオ・リュディガー、フェルラン・メンディ。中盤にはバルベルデ、ジュード・ベリンガム、アルダ・ギュレル、そしてもう1人の選手(ティアゴ・ピタルチなど)。前線にはキリアン・エムバペとヴィニシウス・ジュニオールが並ぶ構成が有力視されています。 (via AS)

 

■【チュアメニの出場停止と代役を巡る中盤の戦術オプション】

 

今夜の試合でレアル・マドリードにとって最大の懸念事項の1つが、オーレリアン・チュアメニの累積警告による出場停止です。チュアメニはフェデ・バルベルデに次ぐフィールドプレーヤー第2位の出場時間を誇り、チームの守備のバランスを保つ上で不可欠な存在となっています。

 

アルベロア監督はアリアンツ・アレーナでの記者会見で、誰がチュアメニの穴を埋めるのかという質問に対して、あえて具体的なヒントを与えませんでした。

 

『私たちには多くの選択肢があり、チュアメニのポジションでプレーできる選手は1人だけでなく、エドゥアルド・カマヴィンガ、ティアゴ・ピタルチ、ダニ・セバージョス、フェデ・バルベルデなど、複数いると思います。彼がプレーするポジションで起用できるオプションは豊富にあります。明日ピッチに送り出すイレブンは決まっていますし、それは私に非常に大きな自信を与えてくれます』

 

さらに、ベンチスタートとなる選手たちへの信頼も口にしました。

 

『ベンチからスタートする選手たちにも大きな信頼を寄せています。彼らが後半にピッチに立ち、私たちを助けてくれなければならないと確信しています。なぜなら、間違いなく非常に長く、多くの労力を要する、激しい試合になるからです。だからこそ私は大きな自信を持っていますし、これまで以上に、私が持っているこのスカッドを誇りに、特権のように感じています』

 

代役の筆頭候補はカマヴィンガですが、直近のマジョルカ戦やジローナ戦でのパフォーマンスは芳しくなく、その安定感に疑問符がつけられています。バルベルデを6番の位置に下げるという選択肢もありますが、彼は右サイドでのプレーが最も輝くため、戦術的なジレンマが生じます。

 

一方で、ジローナ戦でベンチを温め、マンチェスター・シティ戦など重要な試合でスタメンに名を連ねている18歳の若手、ティアゴ・ピタルチの抜擢も現実味を帯びています。また、攻撃的なオプションとしてブラヒム・ディアスやアルダ・ギュレルの起用も考えられており、アルベロア監督がどのような中盤の構成でバイエルンのプレスを掻き潜るのかが大きな焦点となります。 (via Estadio Deportivo)

 

■【アリアンツ・アレーナでのジンクスとマヌエル・ノイアーとの14年の因縁】

 

レアル・マドリードにとって、アリアンツ・アレーナは文字通り「狼の巣」です。バイエルンはこのスタジアムでのチャンピオンズリーグ戦において、今季わずか3失点しかしておらず、ホームでの鉄壁の守備を誇っています。マドリードが過去にミュンヘンで第1戦のビハインドを背負って乗り込んだケースは2回(1976年と2001年)ありますが、そのいずれも敗退に終わっています。唯一ホームでの第1戦を落として逆転突破を果たしたのは、1971年のカップウィナーズカップ(ヴァッカー・インスブルック戦)まで遡らなければなりません。

 

しかし、ポジティブなデータも存在します。レアル・マドリードは2008年以降、アリアンツ・アレーナで3勝を挙げており、このスタジアムで最も多く勝利しているアウェイチームです。さらに、ミュンヘンでポジティブな結果(勝利または引き分け)を持ち帰った年(2014年、2017年、2018年、2024年)は、例外なくその年のチャンピオンズリーグを制覇しているというジンクスがあります。

 

そして、この対戦を語る上で欠かせないのが、バイエルンの守護神マヌエル・ノイアーとの14年にわたる壮絶な戦いの歴史です。2012年の準決勝ではPK戦の末に敗れ、セルヒオ・ラモスのPK失敗を巡ってSNS上で舌戦が繰り広げられました。その後、ノイアーは次のように語り、論争に終止符を打っています。

 

『私たちは何度も対戦してきました。彼は素晴らしい選手であり、偉大なPKキッカーです。彼はレアル・マドリードでも代表チームでも、極限の状況でそれを示してきました』

 

2014年にはセルヒオ・ラモスとクリスティアーノ・ロナウドの2ゴールずつで0-4と粉砕し、2017年の準決勝ではカルロ・アンチェロッティ監督(当時バイエルン指揮官)が『この試合に向けて全てを想定して準備してきたが、レフェリーのことだけは想定外だった』と嘆く中、クリスティアーノ・ロナウドが延長戦を含むハットトリックを達成しました。もし今日の試合でレアル・マドリードの選手がハットトリックを決めれば、チャンピオンズリーグのアウェイ戦でノイアーからハットトリックを奪った初めての選手となります。

 

ノイアーはチャンピオンズリーグ史上最多の58回のクリーンシート記録を持っていますが、レアル・マドリード戦(全公式戦9試合)では一度も無失点に抑えたことがなく、これまでに19ゴールを許しています。第1戦でも40歳とは思えない圧倒的なパフォーマンスでMVPに輝いたノイアーの壁を、マドリードの攻撃陣がどう打ち破るかが勝負の分かれ目となります。 (via MARCA)

 

■【ヴィニシウスとエムバペの決定力不足に対する辛口の指摘】

 

大一番を前に、レアル・マドリードの攻撃の要であるヴィニシウス・ジュニオールとキリアン・エムバペに対して、メディアから厳しい声が上がっています。直近のリーグ戦、サンティアゴ・ベルナベウでのジローナ戦を1-1で引き分けた後、ジャーナリストのパコ・ゴンサレス氏は自身のラジオ番組で、チーム全体のパフォーマンスは評価しつつも、前線の2人のスター選手を名指しで批判しました。

 

『私としては、金曜日のマドリードのプレーは気に入りました』

 

そのように前置きした上で、ゴンサレス氏は次のように苦言を呈しました。

 

『ただ一つ、ヴィニシウスとエムバペだけは気に入りませんでした。彼らは今、シュートを打てばゴールキーパーに当ててしまうような状態にあります。金曜日のマドリードを見ていて一番最悪だったのは、前線にいる世界の2大スターがボールをネットに沈められないことです。バイエルン相手にどれだけ良いプレーをして相手陣内に攻め込んだとしても、チャンスを決めきれなければ、敗退することになります』

 

さらにゴンサレス氏は、エムバペがゴール前でシュートを打つ代わりにヒールキックを選択した場面を挙げ、次のように指摘しました。

 

『彼らはボールを持ちすぎて、飾ることに時間をかけすぎました。いつシュートを打つべきか、その選択を常に間違えていたのです』

 

チャンピオンズリーグでの得点王争いでは、ハリー・ケインが14ゴール、エムバペが11ゴールとハイレベルな争いを繰り広げています。エムバペはバイエルン戦を過去に8回経験しており、3ゴールを記録しているものの、戦績は2勝6敗と負け越しています。ヴィニシウスも昨シーズンのアリアンツ・アレーナでの準決勝で2ゴールを挙げた実績があり、この批判を跳ね返すだけのポテンシャルは十分に持っています。 (via SPORT)

 

■【アセンシオの直前欠場と累積警告の危機にある5選手を含む遠征メンバー詳細】

 

ミュンヘンでの決戦に向けて、チーム事情は決して万全ではありません。ティボ・クルトワとロドリゴ(前十字靭帯断裂により今季絶望)が怪我で欠場していることに加え、ラウール・アセンシオが胃腸炎により遠征メンバーから直前で外れるという痛手もありました。アセンシオはジローナ戦で64分間プレーしており、センターバックのローテーション要員として期待されていただけに、アルベロア監督のプランに影響を与えています。

 

さらに、この試合を乗り越えたとしても、累積警告による出場停止の危機(イエローカードリーチ)に瀕している選手が5人もいます。キリアン・エムバペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ジュード・ベリンガム、アルバロ・カレラス、ディーン・フイセンの5選手です(負傷中のロドリゴもリーチ状態)。もし彼らがこの試合でイエローカードを受け、チームが準決勝に進出した場合、準決勝の第1戦に出場できなくなります。なお、チャンピオンズリーグの規定により、準々決勝を終えた時点でイエローカードの累積はリセットされるため、この試合を警告なしで乗り切れば、その後の出場停止のリスクは軽減されます。

 

ミュンヘンへ遠征した24名のメンバーは以下の通りです。出場停止のオーレリアン・チュアメニも、チームの団結を高めるために帯同しています。

 

GK: アンドリー・ルニン、フラン・ゴンサレス、ハビ・ナバロ

DF: ダニ・カルバハル、ダヴィド・アラバ、エデル・ミリトン、アントニオ・リュディガー、フェルラン・メンディ、フラン・ガルシア、アルバロ・カレラス、ディーン・フイセン、トレント・アレクサンダー=アーノルド

MF: エドゥアルド・カマヴィンガ、ダニ・セバージョス、フェデ・バルベルデ、ジュード・ベリンガム、ブラヒム・ディアス、アルダ・ギュレル、ティアゴ・ピタルチ、マスタントゥオーノ

FW: キリアン・エムバペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ゴンサロ

(※オーレリアン・チュアメニは出場停止のため試合には出場できません) (via AS)

 

■【運命の大一番を裁くスラヴコ・ヴィンチッチ主審のデータと経歴】

 

この歴史的な一戦のレフェリーを任されたのは、スロベニア出身の46歳、スラヴコ・ヴィンチッチ主審です。UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長と同郷であり、UEFAから絶大な信頼を寄せられている審判の一人です。

 

彼がレアル・マドリードの試合を担当するのは、これが今シーズン3度目となります。チャンピオンズリーグのリーグフェーズでのユベントス戦(1-0でマドリード勝利)、そしてプレーオフ第2戦のベンフィカ戦(2-1でマドリード勝利)で笛を吹いており、マドリードは彼が裁いた今季の試合で全勝しています。さらに、昨シーズンのウェンブリーでのチャンピオンズリーグ決勝(15回目の優勝を果たした試合)でも主審を務めており、マドリディスタにとっては非常に馴染み深い、そして縁起の良いレフェリーと言えます。ただし、レアル・マドリードの「アウェイ戦」を彼が担当するのは今回が初めてとなります。

 

一方のバイエルン・ミュンヘンは、ヴィンチッチ主審の試合を過去に5回経験しており、成績は2勝2分1敗です。直近では昨シーズンの準々決勝、サン・シーロでのインテル戦(2-2の引き分け)を担当しました。

 

ヴィンチッチ主審はこれまでに、EURO2020、EURO2024(スペイン対フランスの準決勝を担当)、2022年カタール・ワールドカップ、クラブ・ワールドカップ、2022年ヨーロッパリーグ決勝など、数々の大舞台を経験してきました。今回の試合では、同じスロベニア出身のトマジュ・クランチニクとアンドラジュ・コヴァチッチが副審を、ダヴィド・スマイツが第4の審判を務めます。また、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)はオランダのポル・ファン・ブーケルが、AVARはデニス・ヒグラーが担当します。 (via AS)

 

【本日の総括】

 

第1戦を1-2で落とし、後がないレアル・マドリード。アセンシオの直前欠場やチュアメニの出場停止、そして主力の累積警告リーチという厳しい状況の中、アルベロア監督はチームへの揺るぎない信頼を口にしました。ノイアーの壁を打ち破り、エムバペとヴィニシウスが決定力を発揮できるか。ミュンヘンの地で、クラブの命運を懸けた歴史的な90分が幕を開けます。