新戦力ゴードンの苦難とラッシュフォードの残留希望

固定7000万ユーロ+変数1000万ユーロでバルサに加入したアンソニー・ゴードンは、W杯のイングランド対クロアチア戦(4-2)に先発出場したものの、控えめなパフォーマンスに終始した。イングランドの攻撃が右サイドのベリンガムやマドゥエケに偏った影響もあり、72分に交代するまでボールタッチ17回、ドリブル成功0回、守備貢献0回、ボールロスト4回、枠内シュート1本(GK正面へのヘディング)という数字に終わった。高額な移籍金に加え、ハフィーニャやラミン・ヤマルが両サイドのレギュラーと目される中での適応の難しさがSNS上で指摘されている。

一方、ゴードンと代わって投入され、85分にダメ押しの4点目を決めたのがマンチェスター・ユナイテッドからバルサにレンタル中のマーカス・ラッシュフォード(28歳)である。バルサが保持していた3000万ユーロの買い取りオプションは6月15日に期限切れとなった。バルサはフリアン・アルバレスの獲得を優先しているが、フリック監督の要望でラッシュフォードもリストに残している。本人はゴードンの獲得と自身の買い取り見送りにショックを受けたものの、ユナイテッドや他クラブでのプレーは考えておらず、来季もバルサでプレーすることを最優先にしている。ただし、W杯での活躍により断れないオファーが届き、バルサから100%の確証が得られなければ、待つリスクを回避する可能性もある。

(via ElDesmarque) (via Mundo Deportivo) (via SPORT)

フリアン・アルバレス獲得に向けた静かな攻防

バルサはロベルト・レヴァンドフスキの後釜として、フリアン・アルバレス(26歳)の獲得を密かに進めている。最初のオファーとして1億ユーロがマテウ・アレマニーに直接提示されたが、現在はW杯終了まで状況を見守る方針であり、2回目のオファーは検討されていない。

アルバレス本人はアトレティコ・マドリードに対し今夏の退団優先すること、そして移籍先の第一希望がSpotifyカンプ・ノウであることを明確に伝えている。アトレティコ側は放出自体に閉鎖的ではないものの、バルサ行きを阻止するためにPSGやアーセナル(5000万ユーロ+ヴィクトル・ギョケレスとのトレード)への移籍を勧めている。しかしアルバレスはこの提案を強く拒否している。

代理人のフェルナンド・イダルゴは、デコ、フアンマ・ロペス、アンディ・バラとバルセロナのホテル・トーレ・メリーナで会談し戦略を練った。バルサは、選手本人が公に移籍を志願しない限り獲得は困難であると認識している。

(via Mundo Deportivo)

左SB問題とカンセロへのスタンス、バルデの現状

バルサはジョアン・カンセロと今後2シーズンの契約で合意に達している。フリック監督はアレハンドロ・バルデよりも彼を優先して起用し、逆足でのプレーも高く評価しており、スポーツ部門と共に彼の多用性をプロジェクトの重要要素として残留を求めている。カンセロ本人もバルサでプレーするためにサウジでの巨額の給与を放棄し、非常に控えめな給与を受け入れる意向を公私にわたり示している。

しかし、所属元のアル・ヒラルはリチャード・ヒューズSDの就任やインザーギ監督の解任などスポーツ部門の変革期にあり、動きが完全に止まっている。新しい監督次第で方針が変わる可能性もあり、7月初旬までは進展が見込めない状況だ。

バルサは左SBの補強を目指すものの、契約が残り1年で1月に構想外となった選手に対して法外な移籍金を支払うつもりはない。代理人のジョルジュ・メンデスに対し、マルク・カサドを含めたトレードなどの代替案を交渉するよう指示を出している。カンビアーソ(ユベントス)やグリマルド(レバークーゼン)の動向も注視していたが、カンビアーソはチェルシーに近く、グリマルドはアトレティコと契約間近となっているため、バルサはカンセロの最終決定を待つ構えだ。

一方、アレハンドロ・バルデは明確な控えとしてのスタートを受け入れている。彼自身、全関係者にとって良いオファーがあればクラブが売却に応じることを理解しているが、今は出場時間を求めてバルサ残留を決意している。ただし出場機会が少ない状況が続けば、1月以降に将来が変わる可能性がある。

(via SPORT)

アンス・ファティのモナコ完全移籍が間近

アンス・ファティのASモナコへの完全移籍が数日中に完了する見込みとなっている。契約期間は4シーズンとなり、FCバルセロナは買い戻しオプションを保持する条件で合意に向かっている。

(via SPORT)

若手放出とGK陣の大整理

ルーニー・バルドグジ(20歳)は、フリック監督から直接出場機会がないと明言され、レンタル移籍が濃厚となっている。ゴードンの加入やハフィーニャの右サイドへの配置変更により、ラミン・ヤマルの控えとしての居場所も失われた。スウェーデン代表としてW杯に招集されずアピールの場を失ったが、アストン・ヴィラ、リーズ、エヴァートン、モナコ、ポルト、セルタ、ベティスなどが関心を示している。

フリック監督の構想外となったマルク・カサドも退団を余儀なくされている。モナコ、アトレティコ、ベティス、ユナイテッド、レバークーゼン、アル・ヒラルに加え、アル・ナスルもブロゾヴィッチの後釜としてアゼディン・ウナヒ(ジローナ)と共に獲得を狙っている。本人は出場時間を求めて退団を理解しているが、決断には時間をかける構えだ。

テア・シュテーゲンはジローナへのレンタル中に左ハムストリングの手術を受けてW杯を欠場し、アピールできなかった。2028年までの契約と高年俸がネックとなり、アヤックス移籍の可能性は消えつつあり、サウジ行きにも乗り気ではないため去就は不透明だ。

イニャキ・ペーニャ(27歳)も構想外であり、来週か再来週には将来を解決したいと考えている。バルサは将来の売却益のパーセンテージ保持を条件にフリートランスファーでの放出も容認する方針。本人はスペイン国外を望み、トルコ(ガラタサライなど)やギリシャリーグが有力視されている。

ディエゴ・コチェン(20歳)は、デンマーク・スーパーリーガに昇格したリンビー(Lyngby)へのレンタル移籍が数日中に公式発表される見込みだ。契約は2028年まで。アメリカ代表のW杯メンバーから落選した彼は、出場機会を求めての移籍となる。

来季のGK陣はジョアン・ガルシアが正GK、ヴォイチェフ・シュチェスニーが第2GKとなることが確定している。アストララガやアーロン・ヤコビシュヴィリの動向も注視される。

(via SPORT) (via Mundo Deportivo)

ヤン・ヴィルギリの買い戻しとベティスへのレンタル案

バルサは昨夏に350万ユーロでRCDマジョルカに売却していたヤン・ヴィルギリ(19歳)の買い戻しオプション(720万ユーロ)を行使する予定だ。彼は今季マジョルカで34試合に出場し2ゴール6アシストを記録した。

しかし、トップチームのウイングは飽和状態であり居場所がないため、バルサは彼の中期的な将来性に期待してコントロールを取り戻した上で、レアル・ベティスへの1〜2年間のレンタル移籍が最も有力視されている。ベティス側は交渉に買い取りオプションや権利の半分の取得を含めようとしている可能性がある。

(via Estadio Deportivo)

アラウホの厳しい立場とフリック監督の決断

ロナルド・アラウホはウルグアイ代表としてW杯に参加中だが、ふくらはぎの違和感で初戦を欠場し第2戦での復帰を目指している。代表では中心選手である一方、バルサでは今シーズン脇役となっており、フリック監督にとって不可欠な存在ではなくなっている。

スポーツ部門の最新の会議で、フリック監督はデコSDに対し『現時点でアラウホは来シーズンの計画において最後のセンターバックである』と明言した。序列はパウ・クバルシ、ジェラール・マルティン、エリック・ガルシア、2年間負傷離脱中のクリステンセン、若手のアルバロ・コルテスや今後の補強選手よりも下となる。

指揮官は放出を強制するつもりはなく『もしアラウホがバルサに残りたいのであれば、過去2シーズンと同様にチームに居場所はある』と明確にしているが、1000万ユーロ以上の高額な給与も残留の条件となる。ロッカールームでのリーダーシップは評価されているものの、ピッチ上での地位はシーズンを追うごとに失われつつある。

(via Esport3) (via SPORT)

フリック体制下でのエクトル・フォルトの新たな挑戦

エルチェでのレンタル期間を終えたエクトル・フォルト(19歳)は、フリック監督の指揮下でプレシーズンを開始する。フリック監督は彼に『少なくともトレーニングの開始時点では君を構想に入れている』と伝え、自身の目で直接観察して決断を下す意向だ。

エルチェでは、サラビア監督の3バック+2ウイングバックのシステム変更により右ウイングバックとして爆発的な活躍を見せ、監督からも『我々は彼から非常に良いバージョンを引き出すことができた。エクトルはまだ若く、それほど継続してプレーしてきたわけではない。これはプロセスの一部だ。彼が素晴らしいレベルを示していることに我々はとても満足している』と絶賛された。しかし肩の前方脱臼で手術を受け、復帰後は残留争いの中で脇役となっていた。

バルサでは非対称なサイド(左が攻撃的でハフィーニャが中に入り、右が保守的)の右サイドバックとしての守備タスクへの適応が求められる。ラミン・ヤマルをよく知っていることや、過去に左サイドバックでも有望なプレーを見せていたことがプラス材料となる。現在はエリック・ガルシア、クンデ、シャビ・エスパルトがおり競争は激しく、プレシーズン中に監督を納得させる必要がある。

(via SPORT)

ラミン・ヤマルのW杯オフとククレジャが語る素顔

W杯サウジアラビア戦の数日前、スペイン代表のオフにラミン・ヤマルは母親、パートナーのイネス・ガルシア、親しい友人たちと共にカントリーミュージックで有名な街ナッシュビルへ旅行した。高い評価を受けるペルシャ料理レストラン「Noôsh」でアロマティックな料理や伝統的なシチュー、ケバブを楽しみ、メディアから離れたリラックスした環境で過ごした。彼は午後8時55分にホテルに戻り、門限(午後9時)の5分前で2000ユーロの罰金をギリギリで免れた。他のバルサ選手であるクバルシ、ペドリ、ダニ・オルモは一緒に食事をし、ガビもニコ・ウィリアムズらと時間を共にした。

代表で同僚のマルク・ククレジャはヤマルについて『ユーロの時から比べて彼はすごく変わったと感じる。ずっと成熟している。プロサッカー界でもう何年もプレーしているから、何をすべきか分かっている。彼を楽しめること、我々の代表に彼がいることをとても嬉しく思う。ケガからしっかり回復して、僕らをたくさん助けてくれることを願っているよ』と語った。

さらに『彼への責任の重さは信じられないほどだ。ドバイに休暇で行った時も、ラミン・ヤマルの看板を見つけたんだ。でも彼はそれをとても自然に受け止めていて、昔と同じ少年のままだ。より成熟しているけれど、まだあんなにスターじゃなかったり有名じゃなかった頃と同じ少年だよ。それが彼の最高のところだ。18歳という年齢であれほど自然に物事をこなせるなんて。誰もがそれを管理できるとは思わない』と、その成熟したメンタリティを称賛した。

(via SPORT) (via Mundo Deportivo) (via MARCA)

W杯出場ブラウグラナたちの明暗

バルサのW杯出場選手16人のうち、初戦で勝利したのはクンデ(フランス)、ゴードン、ラッシュフォード(イングランド)の3人のみであり、3人は出場しなかった。

スペイン代表(バルサから8人が選出)はカーボベルデと0-0で引き分けた。クバルシ、ペドリ、ガビ、フェラン・トーレスが先発したが、19歳のCBクバルシはほとんど試されず、他の3人はバルサで慣れないポジションでのプレーもあり本来のレベルを下回った。約2ヶ月間実戦から離れていたヤマルとダニ・オルモは終盤に投入されたが不十分だった。ジョアン・ガルシアとエリック・ガルシアは出番がなかった。

ブラジル代表のハフィーニャはモロッコ戦(1-1)で目立たず、試合終了後にピッチに倒れこんだ。

オランダ代表のフレンキー・デ・ヨングは日本戦(2-2)で数少ないポジティブな要素として機能した。

エジプト代表のハムザ・アブデルカリムはベルギー戦に途中出場し、18歳6ヶ月14日というアラブ人最年少出場記録を樹立した。

ポルトガル代表のジョアン・カンセロはコンゴ民主共和国戦(1-1)に右サイドバックでフル出場し、オフサイドで取り消されたものの見事なオーバーヘッドキックを決めた。

フランス代表のクンデはセネガル戦(3-1)で徐々に調子を上げるパフォーマンスを見せた。

(via SPORT)

2026-27シーズンの新ユニフォームと販売好調な現行モデル

来季(2026-27)のファーストユニフォームが7月1日に公式発売される(6月30日夜に先行発売)。デザインは改修されたSpotifyカンプ・ノウの新しいファサードからインスピレーションを得ており、青とエンジ色のそれぞれ3つの異なるトーンを組み合わせてグラデーション効果を生み出している。ロゴやエンブレムなどのグラフィック要素にはゴールド(マスタードに近い色)が使用され、背面の襟の下には小さなセニェーラが配置されている。パンツとソックスは「Blackened Blue」と呼ばれる非常に濃いネイビーブルーを採用。スペイン・スーペルコパが開催されたサウジアラビアのジッダにあるNikeストアでは既に先行販売が開始されている。

一方、現在の2025-26シーズンのユニフォームの売上も絶好調だ。ラミン・ヤマルがダントツの売上トップを誇り、続いてガビ、ペドリ、既に退団したレヴァンドフスキ、ハフィーニャの順となっている。

セカンドユニフォームは黒と紫で、コービー・ブライアントにインスパイアされた特別コレクション第2弾として7月末に登場予定。サードユニフォームはターコイズグリーンで8月後半に登場が予定されている。

(via MARCA) (via SPORT) (via Mundo Deportivo)

ネグレイラ事件を巡るレアル・マドリードとの全面対決

フロレンティーノ・ペレス会長が選挙戦で公約した通り、レアル・マドリードはネグレイラ事件に関する500ページ以上の報告書をUEFAに提出し、懲戒手続きの即時再開とスポーツ面での処分を要求する声明を発表した。

これに対しバルサは直接UEFAへの反応は避けたものの、ラファ・ユステ会長がラ・リーガのテバス会長、RFEFのラファエル・ロウサン会長、CTAのフランシスコ・ソト会長に公式書簡を送付した。

バルサは声明で『これらの発言は虚偽であるだけでなく、プリメーラ・ディビシオンのラ・リーガの大会の不名誉とイメージ、さらには審判団全体に対する重大な攻撃であり、スペインのプロサッカーの評判と信頼性を損なうものである』と痛烈に批判。ペレス会長に対する和解要求を提出しており、名誉毀損罪での刑事告訴も辞さない構えで徹底抗戦の姿勢を見せている。

なお、UEFAはスペインの裁判所の決定が出るまで処分を下すことはできず、RFEFの規則では違反から3年が経過しているため時効となっている。

(via SPORT) (via ElDesmarque)

プレシーズン最初の親善試合が決定

ハンジ・フリック監督率いるバルサは、7月31日20時45分(CEST)にイングランドのセント・アンドルーズ・ナイトヘッド・パークでバーミンガム・シティ(現在チャンピオンシップ10位)と親善試合を行うことを発表した。

この試合は、7月27日から8月3日までイングランドのセント・ジョージズ・パーク(イングランド代表のスポーツシティ)で行われるトレーニングキャンプの一環として組まれた。両チームの対戦は60年以上ぶりであり、過去にはフェアーズカップ(現在のヨーロッパリーグの前身)で5回対戦し、バルサが3勝1分1敗の成績を残している。

(via SPORT)

バルサの公式香水コレクションが登場

FCバルセロナはカタルーニャのスタートアップ企業Scircleと共同で、クラブのアイデンティティを香りで表現した公式香水コレクションを発表した。人工知能(AI)を活用して開発され、第1弾として『Timeless』と『Passionate』の2種類がリリースされる。

シトラス、グリーン、ウッディ、スウィートなノートに、草、ベルガモット、ベチバー、サンダルウッドなどを組み合わせた構成となっており、クラブのDNAを嗅覚で感じられるように設計されている。

このプロジェクトはBarça Innovation Hub(BIHUB)が推進し、Scircleの株式も取得した戦略的提携によるものだ。視覚や聴覚だけでなく、嗅覚を通じてもファンとの感情的な結びつきを深める狙いがある。

(via SPORT)

【本日の総括】

フリアン・アルバレスへの接触やヤン・ヴィルギリの買い戻しなど、来季の陣容構築が水面下で着実に進む一日でした。一方で、アラウホやGK陣を含めた現有戦力の大胆な整理もフリック監督の主導で行われており、チームの変革期を強く印象付けています。W杯での選手たちの躍動とともに、フロントの動きからも目が離せません。