プレシーズンマッチ対フィオレンティーナ エンドリッキとシリアのゴールで2-2の引き分け

オーストリアのクラーゲンフルトにあるヴェルターゼー・シュターディオンにて、約30,000人の観客を集めてフィオレンティーナとのプレシーズンマッチが行われました。試合前には66歳で亡くなった元イタリア代表フランコ・バレージを悼んで1分間の黙祷が捧げられました。この試合はバルデベバスで行われた非公開のアルコルコン戦(1-0勝利、ダニエル・ジャニェスがPKで得点)、レガネス戦(4-1勝利、フェデ・バルベルデ、ゴンサロ、マスタントゥオーノ、オウンゴールで得点)に続く3試合目であり、ジョゼ・モウリーニョ監督にとって観客の前での再デビュー戦となりました。

スターティングメンバーには、GKルニン、トレント・アレクサンダー=アーノルド、ジョアン・マルティネス、マリオ・リバス、アルバロ・カレーラス、エドゥアルド・カマヴィンガ、フェデ・バルベルデ(キャプテン)、アルダ・ギュレル、デンゼル・ダンフリース、アレクシス・シリア、エンドリッキが名を連ねました。センターバックが不足しているため、18歳のジョアン・マルティネスと19歳のマリオ・リバスというカスティージャの選手が起用されました。システムは4-2-3-1で、カマヴィンガとバルベルデがダブルボランチを組み、ギュレルがトップ下、ダンフリースが右ウイング、シリアが左ウイングに入りました。

前半12分、カレーラスが左サイドのゴールライン際から折り返したパスを、エリア内中央で受けたエンドリッキが反転して左足で強烈なグラウンダーのシュートを放ち、GKダビド・デ・ヘアの手の届かないところに決めて先制しました。エンドリッキはゴール後、エンブレムにキスをしてクラブへの忠誠を示しました。続く前半24分(23分とも)、カマヴィンガの個人技からのパスを受けたアレクシス・シリアが落ち着いて右足でゴールを決め、2-0とリードを広げました。

しかし、前半41分、フィオレンティーナのアレックス・ヒメネスのスペースへのパスに反応したロベルト・ピッコリが、急造ディフェンスラインの隙を突いてニアポストにシュートを決め、2-1で前半を折り返しました。

後半に入るとフィオレンティーナが攻勢を強め、グズムンドソンがルニンとの1対1を外したり、マンドラゴラがフリーキックをクロスバーすれすれに飛ばすなど立て続けにチャンスを作りました。そして後半58分(57分とも)、ファジョーリの左からのクロスに、交代出場直後のモイーズ・キーンがヘディングで合わせ、2-2の同点に追いつきました。

その後、クーリングブレイクでモウリーニョ監督が選手たちに修正を指示。64分にシリアに代えてホルヘ・セステロ、75分にエンドリッキとダンフリースに代えてカルロス・エスピとダニエル・ジャニェス、84分にバルベルデに代えてディエゴ・ラコスタ、87分にギュレルに代えてラミニ・ファティが投入されました。試合終盤にはトレント・アレクサンダー=アーノルドの精度の高いクロスからエスピがヘディングで狙う場面もありましたが枠を外れ、試合はそのまま2-2で終了しました。

なお、エンドリッキの先制ゴールの際、スタンドの一部からはバルセロナを侮辱する「Puta Barça」というチャントが響き渡りました。

現在、チームには多くの欠場者がいます。今後のスタメン候補とされるエンバペ、ヴィニシウス、ジュード・ベリンガム、ベルナルド・シウバ、ククレジャ、チュアメニ、コナテ、リュディガー、ディオマンデ、ロドリといった選手たちがワールドカップ後の休暇や休養で不在であり、ヴィニシウス、ブラヒム、ベルナルド・シウバは月曜日に合流する予定となっています。また、ミリトン、メンディ、ロドリゴ、ティアゴ・ピタルチが負傷中で、ラウル・アセンシオは右脚大腿直筋の筋損傷により全治6週間と診断されました。ディーン・フイセンも負傷により欠場しました。フランコ・マスタントゥオーノ、ゴンサロ、セサル・パラシオスは戦力外として遠征メンバーから外れました。(via AS, Estadio Deportivo, SPORT, ElDesmarque, MARCA, Mundo Deportivo)

カルロス・エスピとダンフリースがデビュー 新戦力が早速ピッチに立つ

今夏レバンテから2500万ユーロの移籍金で加入した21歳のストライカー、カルロス・エスピがフィオレンティーナ戦の後半75分から出場し、レアル・マドリードでのデビューを果たしました。エスピの獲得はわずか6日間という極秘のスピード交渉で進められました。イングランドのハル・シティ、ブライトン、クリスタル・パレスからも土壇場でオファーがありましたが、本人がマドリードでのプレーを希望し、それらをすべて拒否しました。父親のフアンホ・エスピも、モウリーニョ監督の承認を得た後、家族にも秘密裏に交渉が進められたことを明かしています。

エスピは試合後、次のように語りました。『世界で一番幸せな男だと感じている。言葉にできない3日間だった。マドリードに来てまだ72時間も経っていないのに、チームメイトと練習してデビューできた。モウリーニョ監督からは電話はなかったが、シウダー・デポルティーバに到着して1分も経たないうちに迎えてくれた。ピッチに出る前には、自分らしくいること、試合が難しくなっていたのでエリア内に留まること、そして全力を尽くすことを求められた。両親には会えたが、友人や他の家族にはまだ会えていない。誰にも言えなかったのでストレスの多い1週間だったが、とても嬉しい。目標は出場時間を得て、タイトルを勝ち取り、ベルナベウでデビューすることだ。若手選手たちは僕によくしてくれているし、ジョアン・マルティネスとはタベルネスの友人で以前から知っていた。アルダ・ギュレル、ブラヒム、バルベルデ、カレーラスなどトップチームの選手たちにも驚かされた。右手のテーピングはベンゼマを真似ているわけではなく、3年前から験担ぎでやっている。エンバペやヴィニシウスと一緒にプレーできるなんて言葉にできないほど特別だ』。

Driblabのビッグデータ分析によると、フルハムへ移籍したゴンサロ・ガルシアと比較して、エスピはよりフィニッシャーとしての能力に優れています。90分あたりの期待ゴール(0.35対0.31)、シュート数(2.69対1.46)、敵陣エリア内でのタッチ数(4.81対3.27)、空中戦の効率(2.47対1.99)でゴンサロを上回っています。

また、右サイドで先発したデンゼル・ダンフリースもマドリードでの初出場を飾りました。彼はトレント・アレクサンダー=アーノルドの前で右ウイングとしてプレーし、圧倒的なフィジカルと運動量で存在感を示しました。

もう一人の主役となったのが、トップチーム初ゴールを決めた16歳のアレクシス・シリアです。2008年にバダホスで生まれ、今年1月にセビージャから加入した彼は、フベニールA、レアル・マドリードC、カスティージャとわずか7ヶ月で各カテゴリーの階段を駆け上がり、ついにトップチームでも結果を残しました。最初のタッチでラボーナを見せた逸話も持つU-18スペイン代表です。

シリアは試合後、『最初は少し緊張していたけれど、ピッチに出たら好きなことをやっているから緊張は消えた。ボールが来たときは世界が閉ざされたように感じたけれど、ゴールに入ったのを見たときはホッとした。試合前に父から小さい頃の写真を送られ、「このため、そして誰よりもお前を愛している家族のためにやれ」と励まされた。モウリーニョ監督からは、自分らしく、自信を持って、プレッシャーを感じずに楽しめと言われた。カレーラスやバルベルデの横でプレーするのはとても簡単だった』と喜びを語りました。(via MARCA, SPORT, Estadio Deportivo, ElDesmarque)

モウリーニョ監督のコメント フレッシュ、疲れ、超疲れの「3つの顔」を評価

試合後、モウリーニョ監督はRMTVのインタビューに応じ、プレシーズンマッチでのチームのパフォーマンスを総括しました。

『ロッカールームでスマホを開いたら「2つの顔を持つマドリード」という見出しを見たが、私は「フレッシュな顔」「疲れた顔」「超疲れた顔」の3つの顔を見た。フレッシュな時は非常に良く、前半の2-1という結果は少なすぎるほどだ。素晴らしいクオリティの前半で、3-0や4-0で終えてもおかしくなかった。後半は典型的なイタリアのチームを相手にフィジカルな試合になり、プレッシャーをかけられたことで2つ目の顔が現れた。ペナルティエリア内で18歳と19歳の子供2人で守ることになったが、彼らは素晴らしい試合をした。これも彼らの成長の一部だ。彼らはまだモイーズ・キーンのような怪物を止める身体的準備ができていない。そして、超疲れた顔もとても気に入った。チームとして試合をコントロールし、再び支配することができた。ダンフリースとエンドリッキは3日しか練習していないのに70分以上プレーした。彼らが限界まで力を出し切ろうとする姿勢には大きな意味がある。すべてが気に入った。グロッソ監督には良いトレーニングの機会を与えてくれたことに感謝を伝えた。

今回のシステムは、今いる選手たちで組んだものだ。選手たちには試合前に、親善試合であってもレアル・マドリードはレアル・マドリードだと伝えた。常に進化を求めると同時に、結果も求めなければならない。トレントとダンフリースを一緒に起用し、試合を成立させるダイナミクスを探った。カルロス・エスピは夢から覚めたばかりのような状態で、たった1時間の練習でレアル・マドリードを知るためにピッチに入り、我々を助けてくれた。ジョアンとマリオには素晴らしい未来が待っている。フィジカルの勝負になるまでは驚くべきクラスを見せていた。子供たちのクオリティを見られて嬉しい。選手たちの働きには初日からとても満足しているが、他の選手がまだいないことが心配だ。少なくとも3週間の準備期間が欲しかったが、それは不可能だ。月曜日にはヴィニ、ブラヒム、ベルナルド・シウバが合流し、ダンフリース、カルロス、エンドリッキもさらに練習を積むことになる。マドリードに戻って特別な感情を抱いたか?まだ何も感じていない。本当に良い試合はこれからだからね(笑)』(via SPORT, ElDesmarque, MARCA)

ヤン・ディオマンデの獲得交渉 ライプツィヒは病気欠場と主張するも交渉は膠着状態

レアル・マドリードが獲得を狙っているRBライプツィヒのヤン・ディオマンデ(19歳、コートジボワール代表)の交渉が難航しています。ディオマンデはオーストリアのザールフェルデンで行われているライプツィヒのプレシーズンキャンプに帯同しておらず、ドイツ3部のSCフェルルとの練習試合も欠場しました。ドイツのメディアでは「試合に出ないということは移籍が近い証拠だ」と報じられましたが、ライプツィヒのマルティン・デミチェリス監督はSky Sportsに対し、『これが大きな話題になっていることは知っているが、ヤンは本当に病気(感染症)なのだ。まだドクターとは話していないが、健康になれば我々に合流するし、病気なら病気だ』と語り、移籍に向けた欠場であることを否定しました。

交渉の最大の障害は移籍金の額です。レアル・マドリードは1億ユーロから1億1500万ユーロのオファーを提示しましたが拒否されました。ライプツィヒは変動ボーナスなしの固定で最低でも1億2000万ユーロを要求しており、ボーナスを含めれば1億3500万ユーロに達します。Sky Sports Germanyの報道によると、レアル・マドリードが提示した最新のオファーに対して、ライプツィヒは過去24時間一切の返答をしておらず、交渉は膠着状態に陥っています。

しかし、ディオマンデ本人はレアル・マドリードへの移籍を強く熱望しており、すでに個人条件では合意に達しているとされています。パリ・サンジェルマン(PSG)やルイス・エンリケ監督からの関心もありましたが、本人はマドリード行きしか考えておらず、PSGは争奪戦から撤退しました。ディオマンデはInstagramでレアル・マドリードの投稿に「いいね」を押すなど、移籍への思いを隠していません。昨夏、レガネスから約2000万ユーロでライプツィヒに加入したディオマンデは、ブンデスリーガ33試合で12ゴール8アシスト、全公式戦46試合で15ゴール11アシストを記録し、リーグ最多となる118回のドリブル成功数を誇ります。もしこの移籍が成立すれば、前所属のレガネスも将来の売却益の10%(約1000万ユーロ以上)を受け取ることになります。(via Estadio Deportivo, ElDesmarque, SPORT, MARCA, Mundo Deportivo)

ヴィニシウスの去就問題 契約更新が難航しアーセナル移籍の噂が浮上

ヴィニシウス・ジュニオールの契約更新交渉が完全に暗礁に乗り上げています。現在の契約は2027年6月30日までとなっていますが、先週行われた話し合いでも双方が一歩も譲らず、クラブはこれ以上提示条件を引き上げるつもりはありません。この状況が解決しない場合、レアル・マドリードは今夏にヴィニシウスを移籍市場に出すことを検討しています。2027年夏に契約満了となるため、来年(2027年)の1月1日からはフリーで他クラブと事前交渉が可能になってしまうからです。クラブは移籍金が下落する前に売却するか、契約を延長するかの早期決断を迫られています。ヴィニシウス側も更新ボーナスの金額などに不満を持っており、妥協点が見出せていません。

そんな中、イングランドのメディア(HandofArsenalやThe Sunなど)は、ヴィニシウスがアーセナルと基本合意に達した可能性があると報じています。アーセナルはプレミアリーグ最高額の給与を準備しており、ヴィニシウスの代理人を務めるRoc Nationと個人的な条件で一致したという噂が広がっています。The Athleticのデビッド・オーンスタイン記者によれば、アーセナルは1億4500万ユーロ(固定1億3500万ユーロ+変動ボーナス1000万ユーロ)のオファーを準備してレアル・マドリードに提示する予定であり、ヴィニシウス本人もこの移籍に前向きだといいます。一方で、ヴィニシウスは契約更新の要求額を少し下げる意思があるという報道もありますが、依然として不透明な状況が続いています。

なお、ヴィニシウスは休暇中にイビサ島でフェラン・トーレスやマルコス・ジョレンテらと過ごしており、マルコス・ジョレンテがフェラン・トーレスに頬にキスされる写真が話題になった件について、ヴィニシウスもジョレンテの『2026年になっても男同士が愛情を示すことが議論になるなんて驚きだ。自分に自信のある男が友人に愛情を示すことほど男らしいことはない』というメッセージをSNSで共有して支持を示しています。(via Mundo Deportivo, ElDesmarque, SPORT)

ラ・ファブリカの動き ゴンサロとパラシオスがフラムへ、フラン・ゴンサレスはセビージャへ

アルバロ・アルベロアが監督に就任したイングランドのフルハムが、レアル・マドリードの下部組織「ラ・ファブリカ」の選手たちを次々と獲得しています。ゴンサロ・ガルシアが4000万ユーロ、セサル・パラシオスが1000万ユーロの合計5000万ユーロで、それぞれ保有権の70%がフルハムに売却されました。レアル・マドリードは将来の売却益のパーセンテージと買い戻しオプション(ニコ・パスのケースと同様)を保持しています。両選手はすでにロンドンへ向けて出発し、アルベロアのチームに合流します。さらにフルハムは、中盤の強化としてティアゴ・ピタルチの獲得も狙っています。ピタルチは現在膝の負傷から回復中で、フルハムは急がずに交渉を進める構えです。

また、カスティージャの正ゴールキーパーを務めていた21歳のフラン・ゴンサレスも、セビージャへの完全移籍が決定しました。セビージャは保有権の50%を獲得するために約300万ユーロを支払い、2031年6月までの4年契約を結びました。マドリードは買い戻しオプションを保持します(フリオ・ディアスがアトレティコ・マドリードに移籍した際のように、300万ユーロから500万ユーロへと変動するオプション)。モウリーニョ監督はフラン・ゴンサレスを第3ゴールキーパーとして手元に残したかったものの、本人がトップリーグでの出場機会を強く望んだため、移籍を容認しました。フラン・ゴンサレスはオランダのハルデレンで行われているセビージャのキャンプに合流する予定です。(via SPORT, ElDesmarque, Estadio Deportivo)

マスタントゥオーノのレンタル移籍 モウリーニョ構想外でイタリア行きを宣言

アルゼンチン出身のミッドフィールダー、フランコ・マスタントゥオーノは、プレシーズンの最初の数週間でモウリーニョ監督の信頼を得ることができず、今シーズンの構想から外れました。クラブは出場機会を得るために彼をレンタル移籍させる方針を決定しました。マスタントゥオーノ本人は当初、古巣のリーベル・プレートへの復帰を望んでいましたが、レアル・マドリード側はヨーロッパで経験を積むことを強く勧めました。

これを受け、マスタントゥオーノはレンタル移籍を受け入れ、モウリーニョ監督に対して『イタリアへ行く』と宣言しました。現在、最も有力な移籍先はセリエAのフィオレンティーナであり、両クラブ間での接触が続いています。フィオレンティーナは今回のプレシーズンマッチを利用して交渉を前進させたい考えです。また、ACミランやナポリもオファーを提示しており、欧州の大会に出場できるクラブを希望するマスタントゥオーノ本人の意思が最終的な決定を左右することになります。(via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

モウリーニョ体制での初陣となったフィオレンティーナ戦は、エンドリッキとシリアのゴールで先行するも、急造守備陣の隙を突かれ2-2のドローに終わりました。新戦力のエスピやダンフリースが早速デビューし、若手の躍動が光る一方で、主力の合流遅れやヴィニシウスの契約難航、ディオマンデ獲得の膠着など、ピッチ外では課題も山積しています。