迷走する補強戦略と過去6年間の投資の失敗

ピーター・リム体制下での低投資方針により、バレンシアは6シーズン連続でUEFA主催大会出場を逃し、5シーズン連続で勝ち点50の壁を越えられない状況が続いている。プリメーラに残り続けている12チーム中、補強投資額は下から3番目となっている。2020年から2026年にかけて、29件のレンタル、15件の完全移籍、6件のフリートランスファーの計50件の補強オペレーションが行われたが、投じられた総額5900万ユーロは無駄になったとデータが示している。1選手あたりの平均費用は130万ユーロで、トップクラブとはかけ離れた水準だ。

結果として、2022/23シーズンや直近の2025/26シーズンの終盤など、苦しい時期にチームを救ったのは、ハビ・ゲラ、ディエゴ・ロペス、セサル・タレガ、そして元々Bチーム用に獲得されたギオルギ・ママルダシュヴィリといったカンテラや若手選手たちだった。

来季(2026/27)の補強として、ファマリカンに対して1月に異例の早さで100万ユーロのオファーを出していた26歳のオランダ人CBユスティン・デ・ハースと、アリウ・ディエングの2名がフリーで加入することが決まっている。これにより、フリー加入選手は合計8人となる。

2020年から2026年までの移籍金トップ15は以下の通り。

1. マルコス・アンドレ:850万ユーロ(怪我と態度の問題でバリャドリードでも出番を喪失)

2. アンドレ・アルメイダ:800万ユーロ(移籍市場で売却候補としてオファー待ち)

3. ウマル・サディク:150万ユーロ+500万ユーロ

4. ジェンク・オズカジャル:50万ユーロ+500万ユーロ(ケルンが買取オプションを行使せずレンタルから復帰)

5. ペペル:500万ユーロ

6. ウーゴ・ドゥロ:400万ユーロ

7. ママルダシュヴィリ:20万+85万+300万ユーロ(売却条項付き)

8. フィリップ・ウグリニッチ:370万ユーロ+ボーナス

9. ホセ・コペテ:370万ユーロ

10. ディミトリ・フルキエ:250万ユーロ

11. バティスト・サンタマリア:200万ユーロ

12. ルイス・リオハ:120万ユーロ

13. エライ・キュマルト:80万ユーロ

14. セルジ・カノス:25万ユーロ

15. ヘルマン・バレラ:2.5万ユーロ

さらに、レンタルでも以下の支払いが行われた。フレン・アギレサバラ(100万ユーロ)、ルーカス・ベルトラン(90万ユーロ)、ラルジー・ラマザニ(50万ユーロ)、ブライアン・ヒル(50万ユーロ)、セリム・アマラー(15万ユーロ)、ダニ・ゴメス(15万ユーロ)、クリスティアン・オリバ(5万ユーロ)。

昨年7月にCEOに就任したロン・ガーレイ体制下で獲得されたのはサディク、ウグリニッチ、コペテ、サンタマリアの4名だが、カルロス・コルベラン監督の構想に入っているのはサディクとペペルのみとなっている。指揮官は来季に向けて、より高い攻撃力と得点力、そしてペペルの前でプレーできるスタメン級でリーダーシップのあるMFを求めている。(via SPORT)

メスタージャ最終シーズンのシーズンチケット実質値上げ

クラブ創立103年を迎え、来季が最終年となる予定のメスタージャでの2026-27シーズンチケット(アボノ)キャンペーンが火曜日に発表される。クラブはベース価格を据え置き、IPC(消費者物価指数)による値上げを行わないとしたものの、キアット・リム会長の指示により割引制度が大幅に縮小されたため、ファンにとっては実質的な値上げとなる。

現在のアボノ保持者は40,174人で、クラブはこれを維持する方針であり、若者向けのグラダ・デ・アニマシオン(クルバ・ノルド)を除き新規受付は行わない。この40,174人は、ノウ・メスタージャへの移行時に座席選択の優先権を持つ。また、全保持者にはホセ・クララムントに捧げるコレクターズパスが発行される。

平均価格は昨季から15ユーロ上がり、475ユーロとなる。これによりクラブは全体で60万ユーロの増収を見込んでいる。一般チケットの価格も平均して15%値上げされる。

割引制度の変更点は以下の通り。

・株主割引(11株以上保有)が10%から5%に半減。

・子供(2010年6月1日以降生まれ)は50%、若者(2001年6月1日〜2010年6月30日生まれ)は10%、65歳以上(1961年5月31日以前生まれ)は10%の割引。

・出席割引は、100%(20試合)で15%、80%で10%。

・座席解放(アシェント・リブレ)システムの割引は最大50%まで。

最も批判を集めているのは、年齢割引、株主割引、出席割引の併用(累積)が不可となった点だ。例えば、全試合に出席した65歳以上の株主は、以前なら複数の割引を享受できたが、来季は条件を満たした中で最大の割引のみが適用されることになる。

唯一新規受付が行われるグラダ・デ・アニマシオンは、価格310ユーロで、16〜30歳のソシオVCFであることが条件。現在約200人分の空きがある。また、アウェイ席協定により508枚のチケットが30ユーロで販売され、昨季は6,783人のファンがアウェイ遠征に駆けつけた。新スタジアムへの移行に向けたウェイティングリストも作成中で、クラブは新スタジアムで50,000人のソシオ獲得を目指している。

欧州大会に出場できず、創立100周年シーズンと比べてもチーム価値が劣る中で、ファンはリーグ戦19試合とコパ・デル・レイの試合を見るためにより多くの金額を支払うことになる。この決定は、メスタージャ最終年という感情的要素を利用してファンから搾取するものだと批判されている。(via ElDesmarque)(via SPORT)(via MARCA)

右サイドバックの緊急補強:ムニエとガルシアが浮上

右サイドバックの補強が急務となっている。ディミトリ・フルキエが復帰時期未定の負傷を抱え、ティエリ・レンダルとレンソ・サラビアがチームを離脱しているため、プレシーズンを右SB不在で迎える危機に瀕している。

クラブは右SBを2人探しており、1人はシーズンを通してスタメンを張れる実力者、もう1人はトップチームの枠を使わないU-23の選手だ。バレンシアは来季、開幕に間に合わない負傷者4名を含むA登録25名と、B登録3名でチームを編成する計画を立てている。

スタメン候補としてコルベラン監督が最も気に入っているのが、アストン・ビラのアンドレス・ガルシアだ。しかし、もう一人の有力候補としてベルギー代表のトーマス・ムニエ(34歳)の獲得に全力を注いでいる。指揮官の強い要望にロン・ガーレイCEOも同意し、交渉がスタートした。

ムニエはリールとの契約が満了しており、移籍金ゼロで獲得可能なため、クラブの移籍金を払わないという現在の方針に合致する。フランスでの給与は総額200万ユーロ強であり、バレンシアの許容範囲内に収まる。さらに、年齢は9月で35歳になるものの、最新のフィジカルレポートは非常に良好だ。ただし、ムニエ本人は木曜日に控えるW杯初戦に向けて大会に集中しており、W杯での活躍によって条件が良くなることを見越して決断を遅らせる構えを見せている。

なお、以前から関心を寄せていたマジョルカのパブロ・マフェオについては、具体的なアプローチを行っておらず、メンディリバル監督率いるオリンピアコスへ300万ユーロで移籍することが濃厚となっている。(via ElDesmarque)(via MARCA)

中盤の再編:ギドの契約延長難航と代替候補たち

中盤の底(ピボーテ)の再編も進行中だ。カルロス・コルベラン監督は休暇に入る際、アルゼンチン人MFギド・ロドリゲスの契約延長に全力を尽くすようクラブに要求した。ロン・ガーレイCEOが直接交渉にあたっており、クラブは愛情を示している。

ギド自身はフリーの身でありメスタージャでの生活に満足しているが、W杯アルゼンチン代表から落選したとはいえ、これがキャリア最後の大型契約となるため、代理人が高額なサインボーナスを要求しており、バレンシアの財政能力を超えているため交渉は難航している。また、バティスト・サンタマリアはコルベラン監督の構想外として放出される予定であり、アリウ・ディエングの加入があったとしても、さらなるピボーテの補強が必要不可欠だ。

ギドが残留しなかった場合の代替候補として、指揮官のお気に入りであるベンフィカのエンソ・バレネチェアが浮上している。ベンフィカは完全移籍や買取義務・オプション付きのレンタルでの放出を認めており、バレンシアに家族がいるバレネチェア本人も移籍を歓迎している。高額な移籍金はネックだが、レンタルであれば実現可能性は高い。

その他の候補として、ボーンマスからの退団を志願しておりバレンシア行きを熱望しているコロンビア代表のジェフェルソン・レルマや、コルドバで圧倒的な活躍を見せた若手のイスマ・ルイスもリストアップされている。イスマ・ルイスに対してはすでにオファーを提示済みだ。(via ElDesmarque)

カンテラ有望株のオトルビとビクトル・ジュニオールが代表落選

スペインサッカー連盟によるバレンシアのカンテラへの冷遇が続いている。パコ・ガジャルド監督率いるU-19スペイン代表の欧州選手権事前合宿メンバー26名が発表されたが、バレンシアのダビド・オトルビとビクトル・ジュニオールの名前はなかった。U-17代表でもイケル・エレーラやマルク・マルティネスが招集外となっており、クラブ内で不満が高まっている。

ビクトル・ジュニオールはバレンシア・メスタージャで素晴らしいシーズンを送り、セグンダRFEFで最も若いストライカーの一人として11ゴール3アシストを記録。10番のポジションで決定的な働きを見せ、ドリブルやスルーパス、2列目からの飛び出しなどで類まれな才能を証明した。

ダビド・オトルビはクラブと契約を更新し、フベニール・ディビシオン・デ・オノールでの活躍を経てリザーブチームでも大きく成長。今季はコパ・デル・レイやリーグ戦でトップチームの招集も受けた。代表の年代別カテゴリーで既に知られている存在であり、今回の代表メンバーの多くを上回るパフォーマンスを見せていたにもかかわらず落選した。

両選手とも、カルロス・コルベラン監督のもとでトップチームのプレシーズンに参加する予定だ。特にオトルビはメスタージャのレベルをすでに超えており、トップチームに定着できなくても、来季はセグンダRFEFより上のカテゴリーでプレーすることが確実視されている。(via SPORT)

教皇来訪のジンクス:メスタージャ最終年での欧州復帰なるか

ハエン大学のデータアナリストで数学博士のフラン・マルティネス氏が、非常に興味深いデータを紹介している。21世紀において、ローマ教皇がスペインを訪れたシーズン、バレンシアは必ずチャンピオンズリーグの出場権を獲得しているというのだ。

・2003-04シーズン(ヨハネ・パウロ2世):ラ・リーガとUEFAカップのダブル優勝(ラファ・ベニテス監督)

・2006-07シーズン(ベネディクト16世):リーグ4位(キケ・サンチェス・フローレス監督)

・2010-11、2011-12シーズン(ベネディクト16世):2年連続でリーグ3位(ウナイ・エメリ監督)

そして14年の時を経て、現在教皇レオン14世(ロバート・フランシス・プレボスト)がスペインを訪問している。カルロス・コルベラン監督率いるバレンシアは、この神の加護とも言えるジンクスを味方につけ、7年間にわたる欧州大会不出場の呪縛を破り、メスタージャ最終年を華々しくヨーロッパの舞台で飾ることができるか注目される。(via ElDesmarque)

ダビド・ビジャが語る過去のマドリー移籍不成立の真相

バレンシアのレジェンドであるダビド・ビジャが、イケル・カシージャスのポッドキャスト番組に出演し、バレンシア時代にレアル・マドリードやバルセロナへの移籍が長年実現しなかった理由について語った。

2005年にハビエル・スビラッツの手引きでサラゴサから加入し、初年度に公式戦28ゴール(リーグ戦25ゴール)を記録して以来、毎夏のようにメガクラブからオファーが届いていたという。

ビジャはその当時の状況について次のように明かした。

『レアル・マドリードやバルセロナは私を欲しがり、お金を払う気だった。しかしバレンシアは受け入れなかった。それで終わりだ。私は常にそのように行動してきた。誰かに銃を突きつけられて契約したわけではない。クラブが違うと言わない限り、契約は全うしなければならない』

自身の野心についても隠すことなく語っている。

『もちろん、ああいうクラブでプレーしたいかと聞かれればイエスだ。マドリーやバルサが自分を欲しがっているという話が来れば、誰だってそこでプレーしたいと思うだろう。しかし、私はバレンシアでとても快適で、人々に愛され、幸せだった。バレンシアが売却しなければならないと言うまでは残ると常に言っていた』

最終的に、2010年の夏にクラブが財政的な理由から売却を受け入れ、4000万ユーロでバルセロナへ移籍することになった。(via SPORT)

【本日の総括】

アボノの実質値上げや過去の補強戦略の失敗などピーター・リム体制への不満が渦巻く中、右SBのムニエや中盤のギド・ロドリゲス残留など即戦力確保に向けた動きが活発化しています。代表から漏れた若手の台頭と教皇来訪の吉兆を胸に、メスタージャ最終年での欧州復帰を目指します。