アントニーがW杯ブラジル代表から落選、最終節は欠場し来季に向けた治療に専念
今季のベティスにおいて最も野心的な補強として夏に加入したアントニーは、キャリアハイとなる公式戦45試合で14ゴール10アシストという歴史的な成績を残しました。しかし、カルロ・アンチェロッティ監督が発表した北中米W杯に向けたブラジル代表の最終メンバー26名からは落選する結果となりました。55名のプレリストには名を連ねており、招集されたネイマール、ルイス・エンリケ、マテウス・クーニャ、ハヤン・ビトル、エンドリッキ、ガブリエウ・マルティネッリの6名よりも優れた数字を残していただけに、この決定は驚きをもって受け止められています。
アンチェロッティ監督は2025年6月の就任最初のリストでアントニーを呼んで以来、彼を招集していませんでした。エステバンやロドリゴ・ゴエスが負傷したにもかかわらず声がかからなかった背景には、アントニーが抱えていた恥骨の痛みが影響した可能性があります。落選の知らせを受けたアントニーは、自身のInstagramのストーリーで現在の心境を次のように明かしました。
『もちろん、代表チームでまたW杯に出られないのは悲しいけれど、これまでやってきたことすべてに落ち着いているし、誇りに思っている。今は、6回目の優勝を目指して戦うブラジル代表の友人たちを応援する時だ。ここからみんなを応援するよ。夢はまだ生きているから、これまで通り働き続けるつもりだ』
すでにベティスは来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得しているため、アントニーは今週末にラ・カルトゥーハで行われるレバンテとの最終節には出場しない見込みです。W杯に出場しない期間を利用して、恥骨の痛みを改善するための治療に専念します。現在のところ手術の可能性は低いものの、その選択肢も完全に排除はしておらず、来季のチャンピオンズリーグに向けてプレシーズンから100パーセントの状態で臨むための準備期間にあてられます。エゴイスティックな見方をすれば、ベティスにとっては来季の過密日程に向けて主力選手がしっかりと休養と治療をとれるというポジティブな側面もあると捉えられています。 (via ElDesmarque) (via Estadio Deportivo)
ファビオ・シウバ獲得に追い風、ドルトムントが放出を容認する見込みでW杯落選もプラスに
マヌエル・ペレグリーニ監督とマヌ・ファハルドSDは、来季のチャンピオンズリーグに向けた絶対的なストライカーの補強を最優先事項としており、そのリストのトップに位置しているのがファビオ・シウバです。ベティスは1月の冬の移籍市場でも獲得を試みましたが、当時はボルシア・ドルトムントが首を縦に振らず断念していました。
しかし、夏の市場に向けて状況は大きく変わっています。ファビオ・シウバはドルトムントでセール・ギラシの存在により出番を失っており、クラブのサッカースタイルが自身の特徴に完全に合っていないと感じているため、退団を前向きに検討しています。ドルトムントのスポーツディレクターがセバスティアン・ケールからオレ・ブックに交代したことも大きく、新SDは彼を移籍やレンタルで放出することにオープンな姿勢を見せています。過去にラス・パルマスで素晴らしい活躍を見せたこともあり、本人にはすでにスペインのクラブから複数の問い合わせが届いていますが、チャンピオンズリーグに出場できるベティスという選択肢は彼にとって非常に魅力的です。
さらに、ファビオ・シウバがロベルト・マルティネス監督率いるポルトガル代表のW杯メンバーから落選したことも、ベティスにとっては大きな朗報となりました。W杯での活躍によって2800万ユーロとされる現在の市場価値がさらに高騰することや、他クラブとの争奪戦が激化するリスクを回避できるためです。2030年まで契約を残すドルトムントがどのような売却条件やレンタル条件を提示するかが今後の焦点となりますが、交渉を焦る必要がなくなったことで、ベティスは自分たちのペースで獲得戦略を進めることが可能になりました。 (via Estadio Deportivo)
新スタジアムの全貌が明らかに、2028-29シーズン開幕を目指し地下駐車場などの工事が進行中
現在、ラ・カルトゥーハ・スタジアムを仮の本拠地として使用しているベティスですが、新ベニト・ビジャマリンの改修工事に関する新たな詳細が明らかになりました。フェデリコ・マルティネス・フェリアGMが工事現場でメディアの取材に応じ、進捗状況や今後の計画を説明しました。
現在は旧スタジアムの取り壊しが終わり、周辺の土留め壁を建設する第一段階の工事が行われています。50人以上の作業員が従事し、深さ26メートル、幅1メートルの壁を作って地下駐車場の掘削に向けた準備を進めています。この初期工事には約1000万ユーロの費用がかかっており、夏の終わりから秋の初めにかけて完了する予定です。その後、地下駐車場と別館の基礎工事、そしてプレフェレンシア・スタンドの構造建設へと進んでいきます。
新スタジアムの収容人数は60,000人(うちプレミアムシートが約5,000席)となる予定です。現在のラ・カルトゥーハは70,000人収容であり、今季は何度もその数字を超える観客を動員していますが、クラブは立地や交通アクセスの問題を考慮し、60,000人が最適な規模だと判断しました。ラファエル・デ・ラ・オス・カスタニェスが設計する新しい屋根は、音響効果を高め、ピッチとの距離をより近く感じさせる「ヘリオポリスのボンボネーラ」と呼ばれるような密閉感を生み出します。また、グラウンド自体を20〜40センチメートル掘り下げる計画や、南ゴール裏(ゴル・スール)にエル・サダル・スタジアムのような立ち見席(防破壊シート)を導入し、スタジアムの熱狂をさらに高める構想も検討されています。新スタジアムはUEFAの基準を満たしており、将来的に欧州大会の決勝戦を誘致する条件も整えられます。
スタジアムに隣接する新しい別館の80%はホテルとして使用される予定で、これがクラブにとって大きな収益源となります。すでに複数の国際的なホテルチェーンが関心を示しており、最終候補の3社と交渉が進められています。残りのスペースには美容クリニックや「ファッショナブル・スポーツ」エリアなどが入り、試合日以外でも365日収益を生み出す施設となります。さらに、都市計画局と連携して、スタジアム近くのパルメラ通りに地下鉄3号線の新駅を建設する計画も進められており、交通アクセスの抜本的な改善が期待されています。
総工費については、最初の入札で提示された2億7000万ユーロという高額な見積もりを避け、当初の計画通り1億7000万ユーロに抑えるため、請負業者のACCIONA社と連携してコスト削減の見直しが行われています。資金調達はプロジェクト・ファイナンスの手法を用い、新スタジアムやホテルからの追加収益(年間約2000万ユーロを見込む)を返済にあてることで、25年から30年かけて自己資金のみで完済する計画です。アメリカの投資ファンドなどが好む社債の発行やハイブリッド型の資金調達モデルも視野に入れ、現在最終的な出資者の選定を行っています。
クラブは、2028-29シーズンの開幕から新スタジアムを使用することを目標としており、それまでの今季を含めた3シーズンはラ・カルトゥーハでのプレーが続きます。 (via ElDesmarque) (via MARCA) (via Estadio Deportivo)
来季のCLに向けた中盤の再編、サム・コスタらをリストアップ
チャンピオンズリーグという大きな挑戦に向けて、ベティスのスポーツ部門は中盤の再編に着手しています。マヌ・ファハルドSDは、前線や左サイドバックの補強と並行して、中盤の顔ぶれを大きく入れ替える計画を立てています。
まずは放出候補として、セルジ・アルティミラ、ネルソン・デオッサ、そしてロ・チェルソの名前が挙がっています。特にアルティミラにはRBライプツィヒやスポルティングCPなどから関心が寄せられており、彼らの売却によって得た資金を新たな補強に充てる方針です。一方で、アブデやナタンといった主力選手たちの放出は可能な限り避ける構えです。また、冬の移籍市場の最終盤でセビージャから横取りする形で獲得したフェネルバフチェからのレンタル選手、ソフィアン・アムラバトの残留交渉も重要なタスクとなっています。
新たな補強候補として最も熱視線を送っているのが、マジョルカのポルトガル代表MFサム・コスタです。25歳の彼は今季33試合で7ゴール2アシストを記録し、ボール奪取能力の高さだけでなく攻撃面でも成長を見せています。彼の現在の市場価値は1500万ユーロで、マジョルカとは2028年までの契約を結んでいます。ベティスはすでにフアン・ホセ・カニャスらスカウト陣を派遣して、マジョルカのビジャレアル戦やジローナ戦を現地で視察させています。
サム・コスタ本人はプレミアリーグでプレーすることが夢だと公言しており、実際にイングランドのクラブやサウジアラビアからも誘いがありますが、ベティスがチャンピオンズリーグに出場できるという事実が、彼を説得するための強力なカードになると考えられています。また、マジョルカが最終節の結果次第で降格する可能性があり、もし降格が決まればより安価な移籍金で獲得できるチャンスも生まれます。
このほかにも、ジローナのアゼディン・ウナヒや、ヘタフェから600万ユーロで退団する予定のルイス・ミジャの状況も問い合わせるなど、あらゆる選択肢を視野に入れて中盤の強化を図っています。 (via Estadio Deportivo)
ゴンサロ・ペティットとイケル・ロサダのレンタル組がベティスでの再起を誓う
今季レンタル移籍で経験を積んだ若手選手たちの去就も、夏のチーム編成における重要なポイントです。
ウルグアイ出身の19歳の長身ストライカー、ゴンサロ・ペティットは、今季ミランデス(21試合5ゴール)とグラナダ(15試合3ゴール)で合計36試合に出場し、1735分間のプレーで8ゴールを記録しました。スペインのサッカーに適応する1年となりましたが、本人はインタビューで次のように語り、ベティスでの成功を強く望んでいます。
『自分の将来についてはまだ何も分からない。今は落ち着いてシーズンを終わらせることだけを考えていて、その後にどうなるかを見るよ。ベティスでプレシーズンを過ごすのがモチベーションになっているんだ。頭の中はベティスに残ることでいっぱいだよ』
ベティスはセドリック・バカンブの退団が確実視されており、チミー・アビラやパブロ・ガルシアがチームを去る可能性もあるため、新たなストライカーを探しています。ペティットは2031年までという長期契約を結んでおり、プレシーズンでマヌエル・ペレグリーニ監督にアピールできれば、チャンピオンズリーグを戦うチームのバックアッパーとして残るチャンスがあるかもしれません。もちろん、グラナダで満足していることもあり、再びレンタルで修行を続ける選択肢も残されています。
もう一人の注目選手は、レバンテにレンタル中のイケル・ロサダです。彼は2024年の夏にラシン・フェロルから180万ユーロで加入しましたが、ペレグリーニ監督の構想に入らず、セルタへのレンタルが失敗に終わった後、買い取りオプションなしでレバンテに貸し出されていました。レバンテでは前半戦、フリアン・カレロ監督の下でわずか3試合、合計37分しか出番がなく、ベティスは冬にレンタルを打ち切ることすら検討していました。
しかし、ルイス・カストロ監督が就任してから状況は劇的に好転しました。1月のセビージャ戦で初先発して初ゴールを決めると、以降は右ウイングのレギュラーに定着し、攻守にわたって躍動しています。前節のマジョルカ戦でも7回のボール奪取や6回のデュエル勝利など素晴らしいスタッツを残し、チームの勝利に貢献しました。
今週末にラ・カルトゥーハで行われる最終節のベティス戦でも先発が予想されており、彼がレバンテの1部残留に貢献すれば、ベティスは夏の移籍市場で彼を再び売りに出し、少なくとも獲得に費やした180万ユーロを回収できると楽観視しています。 (via Estadio Deportivo)
Bチームのロドリゴ・マリーナにセグンダや1部RFEFの複数クラブから獲得オファーが到着
プリメーラRFEFグループ2で下から4番目に位置し、厳しい残留争いを戦っているベティス・デポルティーボ(Bチーム)において、19歳のFWロドリゴ・マリーナが多くのクラブから注目を集めています。
この若きストライカーは、UEFAユースリーグ2026で6試合10ゴールという驚異的なペースで得点を量産し、大会得点王に輝きました。今季のBチームでも、ボルハ・アロンソの7ゴールに次ぐチーム2位タイの6ゴールをマークし、得点源として活躍しています。昨季はフベニールAのキャプテンとして38試合で30ゴールを叩き出し、リーグ優勝やコパ・デ・カンペオネス制覇の立役者となりました。ペレグリーニ監督からも高く評価されており、トップチームの練習やヨーロッパリーグの遠征に帯同した経験も持っています。
彼の卓越した得点能力に目をつけた複数のクラブが、すでに代理人に接触を図っています。セグンダ・ディビシオン(2部)のADセウタやグラナダCFがストライカーの補強としてリストアップしているほか、ティボ・クルトワ(レアル・マドリード)らが買収してプリメーラRFEFに昇格したエストレマドゥーラUDも、新プロジェクトの目玉として彼を迎え入れたいと考えています。ベティスが彼を売却するか、あるいは武者修行のためにレンタルで送り出すか、今後の決断が注目されます。 (via Estadio Deportivo)
マジョルカのヤン・ビルジリの売り込みや、前節バルセロナ戦の誤審判定などの小ネタまとめ
移籍市場の噂として、マジョルカの19歳のウインガー、ヤン・ビルジリがベティスに売り込みをかけているとの情報があります。彼は今季30試合で2ゴール6アシストを記録しており、契約解除金は3000万ユーロに設定されています。バルセロナが40%の保有権と1800万ユーロでの買い戻しオプションを持っている逸材ですが、ベティスのアブデやビクトル・ムニョス、そして下部組織出身のヘスス・ロドリゲスら、欧州のビッグクラブが狙う左ウインガーたちの連鎖的な移籍の動きに絡んで、獲得の可能性が浮上しています。 (via Estadio Deportivo)
また、先日行われたヨーロッパリーグのラウンド16では、ベティスがパナシナイコスを相手に圧倒的な強さを見せました。アテネでの第1戦は0-1で敗れたものの、ホーム扱いのラ・カルトゥーハで行われた第2戦では、アイトール・ルイバル、アムラバト、クチョ・エルナンデス、そしてアントニーのゴールにより4-0で大勝し、見事に逆転突破を果たしています。 (via Estadio Deportivo)
一方で、ラ・リーガ第37節、アウェイのSpotify Camp Nouでバルセロナに3-1で敗れた試合(この試合でバルサのフェルミン・ロペスが負傷しW杯を欠場、またレヴァンドフスキにとってバルサでの最終戦となりました)の判定について、審判技術委員会(CTA)の公式番組「Tiempo de Revisión」で公式見解が発表されました。
この試合で、クアドラ・フェルナンデス主審はバルセロナのガビがイスコを倒したとしてベティスにPKを与えました(このイスコのPKゴールでベティスは一時1点差に詰め寄りました)。VARはオフサイドの事実がなく、PKの判定が明らかな間違いであるとして主審に映像レビューを促しましたが、主審は判定を維持しました。しかし、CTAはこの判定を誤審だったと断定しました。
CTAの見解では「アタッカー(イスコ)は自分自身の足でグラウンドを蹴った後に倒れ始めており、これがベティスの選手のバランスを崩す原因であり、ディフェンダーの反則や罰すべき要素は見られない。したがってVARのレビュー推奨は正しく、主審は判定を修正してドロップボールで再開すべきだった」と結論づけています。最終的にバルセロナが追加点を奪って3-1で勝利したため試合結果に大きな影響はありませんでしたが、後味の悪い判定として記録されることになりました。 (via ElDesmarque) (via Mundo Deportivo) (via SPORT)
なお、今週末のラ・リーガ最終節(第38節)は、ラ・カルトゥーハにてレバンテとの対戦となります。ベティスにとってはすでにチャンピオンズリーグ出場権を獲得しているため消化試合となりますが、対するレバンテは1部残留を懸けた文字通りの大一番としてこの試合に臨みます。 (via ElDesmarque)
【本日の総括】
アントニーのW杯落選やファビオ・シウバ獲得への追い風など、来季のチャンピオンズリーグに向けたチーム編成が着々と進行中です。新ベニト・ビジャマリンの改修工事も順調に進んでおり、クラブは新たな黄金期を迎えるための基盤をあらゆる面で固めつつあります。


