リヨン戦1-1ドローの戦術的誤算 ハイプレスのズレとローブロックにおけるアグレッシブさの欠如

ヨーロッパリーグ第4節のリヨン戦で1-1の引き分けに終わったレアル・ソシエダですが、後半53分に喫した同点ゴールの背景には、チームが抱える戦術的な構造課題が浮き彫りとなっていました。

この試合でリヨンは純粋なセンターフォワードを置かず、2ウイングと4MFが流動的にポジションを入れ替える変則的な陣形を敷いていました。これに対し、マタラッツォ監督はセンターバックのイゴール・ズベルディアとママドゥ・サールを相手の中盤深くまでに飛び出させてマンマークさせる、極めてリスクの高いハイプレスで対抗しました。この作戦は前半、前線でのボール奪取を連発して試合を支配する要因となりましたが、同時にCBの背後に広大なスペースを残す刃の剣でもありました。

暗転したのは後半53分、相手ゴールキックからの場面です。ハイプレスの連動に一瞬のズレが生じ、ヤンヘル・エレーラが相手ピボーテのテスマンへのアプローチに遅れました。これを見たマタラッツォ監督やセルヒオ・ゴメスがピッチ脇で手を挙げて警戒を示したものの、テスマンに中央で自由に前を向かれ、ソシエダはハイプレスを破られて後退を余儀なくされました。

後退したソシエダはアンデル・バレネチェアを右ウイングバックに落とす5バックのローブロックへ移行しましたが、ここでチームの消極性が裏目に出ました。引いて守る陣形を整えたものの、ボール保持者に対するプレスがあまりにも緩く、テスマンにノーマークのまま2本目のクロスをエリア内に放り込まれました。これがジョン・マルティンのクリアミスと重なり、トリスコに同点弾を許す結果となったのです。

マタラッツォ監督は2ヶ月前のエルチェ戦後にも『自陣に引いて守ることと、相手を自由にさせることはまったく別物だ。ブロックを低く設定しても、ボール保持者にアグレッシブにアタックしなければならない』と警鐘を鳴らしていました。しかし現在のソシエダは、オープンな展開での前圧守備には高い強度を見せる反面、自陣に釘付けにされた際のローブロック守備において奪いに行くエネルギーとアグレッシブさが欠如しており、この課題の克服が今後のテーマとなります。(via NoticiasDeGipuzkoa)