🇪🇸セグンダ(2部) 詳細レポート (2026年6月23日)
✅ RCDマジョルカ [ルイス・ガルシア新監督就任と日本代表FW浅野らの退団]
✅ ジローナFC [Bチームのキケ・アルバレスが新監督に内部昇格]
✅ スポルティング・デ・ヒホン [2300万ユーロ規模の増資計画とラルカモン新監督就任]
✅ UDラス・パルマス [デ・ラ・バレラ新監督就任と新戦力3名の獲得]
✅ UDアルメリア [バルサU-19の逸材キム・ジュニェントの引き抜きに成功]
✅ レバンテUD [来季シーズンチケット更新が好調、レケナ獲得にも関心]
✅ レアル・サラゴサ [テネリフェのFWデ・ミゲル獲得交渉とGKフオリの去就]
✅ CDカステリョン [主将サルバ・ルイス退団とカラトラバのエスパニョール移籍]
✅ レアル・オビエド [GKアルバロ・ロドリゲスがマドリーへ復帰、補強は難航]
✅ CDテネリフェ [セルベラ監督が2部リーグで通算319試合の最多経験を誇る]
✅ エルチェCF [W杯代表CBアフェングルバーとラファ・ミル獲得見送り]
✅ CDエルデンセ [昇格祝賀時の暴動により本拠地1ヶ月閉鎖と罰金の処分案]
✅ マラガCF [18万人規模の1部昇格パレードと選手・監督の公約]
✅ ラシン・サンタンデール [16年ぶりにセルヒオ・カナレスが復帰し1部定着へ]
✅ デポルティーボ・ラ・コルーニャ [1部復帰の裏で本拠地閉鎖処分案と8名の補強計画]
✅ その他のセグンダ所属クラブ [監督人事や移籍情報の総まとめ]
RCDマジョルカ
1部から降格したマジョルカでは、マルティン・デミチェリス監督がRBライプツィヒへ引き抜かれた。同監督は12試合を指揮して降格を防げなかったものの、2028年まで契約を延長した直後だった。250万ユーロの違約金が支払われたが、ファンからはSNSで約束を反故にされたと怒りの声が上がっている。後任には、昨季UDラス・パルマスを指揮して昇格プレーオフ準決勝まで進出したルイス・ガルシア・フェルナンデス監督が就任した。契約は2027年6月までで1年の延長オプションが付く。2004/05シーズンに選手としてマジョルカでプレーした経験があり、2部リーグを熟知する指揮官に1部復帰の再建が託された。移籍市場では、日本代表の浅野拓磨をはじめ、ムリキやパブロ・マフェオといった主力選手たちの退団が明らかになっている。(via MARCA)
ジローナFC
1部から悲劇的な降格を喫したジローナは、アヤックスへ去ったミチェル・サンチェス監督の後任として、Bチームからキケ・アルバレスを内部昇格させた。契約は2027年までとなっている。バルセロナの下部組織出身でビジャレアルなどで選手として活躍した同氏は、過去2シーズンでBチームを2部RFEF(実質4部)へ昇格させ、安定した成績を収めた手腕が評価された。兄のオスカル・アルバレスがアシスタントコーチ、ジョルディ・バルセイスがフィジカルコーチとして入閣する。移籍市場では、グラナダのイサン・ゴンサレスやガラタサライのアスプリージャらを獲得する一方、絶対的守護神であるテア・シュテーゲン(バルセロナへ)などの退団が報じられている。(via Mundo Deportivo)
スポルティング・デ・ヒホン
所有グループのオルレギは、7月23日に臨時株主総会を開催し、総額2331万1107.20ユーロの増資を提案する。第1弾として債権の株式化により約1231万ユーロ(1株60.10ユーロで204,843株)、第2弾として現金出資で約1100万ユーロ(183,029株)を調達する計画で、クラブへの直接的な資金注入となる。また、新監督としてアルゼンチン人のニコラス・ラルカモンが就任した。レガネスからホルヘ・サエンス、レアル・ソシエダBからエゴイツ・アラナらを補強する一方、クリスティアン・ジョエルやエリック・クルベロらが退団する。(via SPORT)
UDラス・パルマス
ルイス・ガルシア監督が退任し、新監督にルベン・デ・ラ・バレラが就任した。ミゲル・アンヘル・ラミレス会長は、1部昇格を目指すプロジェクトの第一歩として、グラナダからMFセルヒオ・ルイス(フリー移籍、2028年まで契約+1年オプション)、テルエルから190cmの大型CBアンドレス・ロドリゲス(2030年まで)、そしてオリンピア・リュブリャナから18歳のスロベニア人有望株マテオ・アチモヴィッチ(2030年まで)の3選手の獲得を発表。さらにCB1人と、ヘセとポジションを争うFW2人の補強を目指している。一方で、クラブの象徴であるジョナタン・ビエラが退団し、金とダイヤモンドのバッジが授与された。また、負傷に苦しんだFWサンドロ・ラミレスとは1年間の契約延長で合意している。(via SPORT)
UDアルメリア
昨季1部から降格し、今季は昇格プレーオフ決勝でマラガに敗れて1部RFEFへの降格危機にあるとも報じられているアルメリアだが、トップチーム昇格を確約する条件で、FCバルセロナU-19のMFキム・ジュニェント(19歳)の引き抜きに成功した。同選手にはユベントスやチェルシー、ドルトムントなども関心を示していた。また、パナシナイコスからハビ・エルナンデスを獲得した一方で、ルビ監督の去就は不透明となっている。(via Estadio Deportivo)
レバンテUD
ルイス・カストロ監督のもとで再び1部昇格を争う来季に向け、2026/27シーズンのシーズンチケット更新キャンペーンが非常に好調に推移している。昨季の2万人(ラ・リーガの規定上限)に匹敵する数のサポーターが既に更新を済ませており、さらなる会員特典も予定されている。移籍市場では、ビジャレアルに所属し昨季コルドバへレンタルされていた若手MFダニ・レケナの獲得に興味を示している。これは、契約満了を迎えるパブロ・マルティネスの退団に備えた動きとみられる。(via SPORT)
レアル・サラゴサ
ラロ・アランテギSDのもと、新戦力の補強に動いている。アンデル・エレーラの復帰が目前に迫る中、テネリフェのFWヘスス・デ・ミゲルを最優先ターゲットに設定している。テネリフェ側は昨夏カステリョンに支払った5万ユーロ+昇格ボーナス2万5000ユーロの回収を求めているが、サラゴサは『1部昇格時の条件付き支払い』を提案しており、交渉は難航している。また、獲得を狙っていたサバデルのGKディエゴ・フオリは、サバデルの2部昇格に伴い2028年まで契約が自動延長され違約金が80万ユーロに跳ね上がった。しかし、フオリが昇格祝賀会でペドロ・サンチェス首相に対して不適切なコールを主導した問題でクラブ内外から批判を浴びており、契約解除になればサラゴサにチャンスが巡ってくる可能性がある。一方で、第3GKのマヌエル・オボンはアレーナス・デ・ゲチョへ移籍した。(via SPORT)
CDカステリョン
パブロ・アルバレス監督率いるチームは、中盤の要であるアレックス・カラトラバが違約金500万ユーロでエスパニョールへ移籍することが確実視されている。また、約130試合に出場したキャプテンのサルバ・ルイスが6月30日をもって退団することが決定した。プレシーズンにはバレンシアCFとの親善試合も予定されている。(via MARCA)
レアル・オビエド
フリアン・カレロ新監督を迎えたオビエドは、補強で苦戦を強いられている。中盤の要としてブルゴスのミゲル・アンヘル・アティエンサの獲得を狙っていたが、レガネスへの移籍が濃厚となった。現在はアルコルコンの若手左SBサム・ロドリゲスの獲得に注力している。また、Bチーム(ベトゥスタ)で活躍したGKアルバロ・ロドリゲスが、レアル・マドリードによって買い戻しオプションを行使され、フベニルAへ復帰することになった。(via ElDesmarque)
CDテネリフェ
アルバロ・セルベラ監督は2部リーグで通算319試合の指揮経験を持ち、現役監督の中で最長記録を誇っている。これに続くのが、ルビ(258試合)、パチェタ(170試合)、フリアン・カレロ(161試合)、ルベン・アルベス(157試合)、クラウディオ・バラガン(151試合)、フラン・エスクリバ(134試合)と実力派の指揮官たちが2部に集結している。なお、今季はフレディ・アルバレス(セルタ・フォルトゥナ)、ホキン・アランバリ(エイバル)、セルヒオ・フランシスコ(ブルゴス)、ニコラス・ラルカモン(スポルティング・ヒホン)といった新顔が2部に初挑戦する。(via SPORT)
エルチェCF
W杯にオーストリア代表として参加しているCBアフェングルバーは、アルゼンチン戦では出場機会を得られずベンチからメッシの歴史的ゴールを見守った。移籍市場では、過去に獲得を狙っていたセビージャのFWラファ・ミルについて、同選手に性的暴行と傷害で有罪判決(控訴中)が下されたことを重く受け止め、獲得の意向を完全に撤回した。また、昨季レンタルでゴールマウスを守ったGKイニャキ・ペーニャは、バルセロナからギリシャのパナシナイコスへ300万ユーロで完全移籍した。(via Estadio Deportivo)
CDエルデンセ
1部RFEFから2部への昇格を決めたエルデンセ(対アトレティコ・マドリードB戦)だが、試合後のピッチ乱入や、ウルトラスが相手選手に暴行を働いた事件を受け、反暴力委員会から本拠地ヌエボ・ペピコ・アマトの1ヶ月閉鎖と1万ユーロの罰金が提案された。(via MARCA)
マラガCF
フアンフラン・フネス監督の絶妙な心理的マネジメントにより、アルメリアでの昇格プレーオフを制して8年ぶりの1部復帰を果たした。25ゴール6アシストを記録して2029年まで契約を延長したFWカルロス・ルイス・ルビオ(チュペ)や、ダビド・ラルビアの活躍が光った。ラルビアが司会を務めたオープンバスでの昇格パレードには18万5000人が集結し、『一緒にいればもっと強くなれる』というスローガンのもと熱狂に包まれた。選手たちの公約も話題で、カルロス・ドトルは半坊主頭になり、フネス監督はタトゥーを入れ、高所恐怖症のラルビアはスカイダイビングを約束している。(via MARCA)
ラシン・サンタンデール
見事に1部へ昇格したラシン・サンタンデールは、メキシコのモンテレイからMFセルヒオ・カナレスをフリーで獲得した。16年ぶりの古巣復帰となる35歳のベテランは、2028年6月までの契約を結んだ。ラ・リーガで384試合出場の経験を持つカナレスの加入は、1部定着に向けた最大の起爆剤となる。一方で、昇格決定となったバジャドリード戦後のピッチ乱入や発煙筒の使用、過収容による転倒事故などにより、反暴力委員会からエル・サルディネロ・スタジアムの2ヶ月閉鎖と20万ユーロの罰金処分が提案された。(via Estadio Deportivo)
デポルティーボ・ラ・コルーニャ
8年ぶりの1部復帰を果たしたデポルティーボは、フェルナンド・ソリアーノSDとアントニオ・イダルゴ監督のもと、オランダ人MFトゥーン・ハイセルハルトを皮切りに計8名の新戦力獲得を目指している。左SBや守備的MF、右ウイングなどを優先的に補強する方針だ。これに伴い、ホセ・アンヘルはカディスやセウタへの移籍が濃厚となっている。マッシモ・ベナッシGMは『トップチームの25%はカンテラ出身、50%は26歳以下』という哲学を掲げ、レアル・ソシエダをモデルにしていると語った。プレシーズンにはフィオレンティーナ、ジェノア、オビエドとの対戦が組まれている。なお、昇格祝賀会でのピッチ乱入やドローンの無許可飛行、選手がウルトラスと祝った行為により、反暴力委員会からリアソール・スタジアムの1ヶ月閉鎖と8万ユーロの罰金が提案されている。(via ElDesmarque)
その他のセグンダ所属クラブ
・エイバル: ホキン・アランバリ新監督のもと、コルパスを獲得。一方でヘフテやジョゴが退団し、バルサBのキム・ジュニェントらに興味を示している。
・ブルゴスCF: セルヒオ・フランシスコ新監督が就任。ルイス・ミゲル・ラミス前監督はオサスナへ。
・コルドバCF: イバン・アニア監督が続投。ハコボ・ゴンサレス、アルベルト・デル・モラルらを獲得。
・グラナダCF: パチェタ監督が続投。イサン・ゴンサレスらを獲得し、セルヒオ・ルイス(ラス・パルマスへ)やアレックス・ソラらが退団。
・レアル・バジャドリード: フラン・エスクリバ監督が指揮を執る。
・アルバセテ: アルベルト・ゴンサレス監督が続投。
・サバデル: フェラン・コスタ監督のもと2部へ昇格。シャビ・モレノが退団。
・セルタ・フォルトゥナ(Bチーム): フレディ・アルバレス新監督のもとで2部に昇格。
(via MARCA)
【本日の総括】
マラガ、ラシン、デポルティーボという歴史あるクラブが長年の苦闘を経て1部への昇格を果たし、それぞれがセルヒオ・カナレスの帰還やカンテラ主体の哲学で新たな時代を迎えようとしている。一方で1部から降格したマジョルカやジローナは、指揮官の引き抜きという困難に直面しながらも内部昇格や実績ある監督の招聘で即時復帰を狙う。さらに、昇格の熱狂が引き起こしたピッチ乱入により複数のクラブがスタジアム閉鎖の危機に直面するなど、ピッチ内外で激しい動きが交錯している。経験豊富なベテラン監督たちと初挑戦の若手指揮官たちが入り乱れる来季の2部は、かつてないほどの激戦が予想される。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
今季のセグンダは、昇格組の勢いと降格組の再建策が複雑に絡み合う構造です。特に注目すべきは、マジョルカやジローナといった降格組が、監督の引き抜きという不測の事態に対し、内部昇格やリーグを熟知した指揮官の招聘でどう適応するかという点です。戦術的には、セルベラ監督のような経験豊富なベテランと、ラルカモンやフレディ・アルバレスといった新顔の対比が興味深く、リーグ全体の強度や戦術トレンドが大きく変化する予兆を感じさせます。各クラブが昇格という明確な目標に向け、どのような配置の噛み合わせを構築するのか、プレシーズンの動向から目が離せません。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
昇格の熱狂がスタジアム閉鎖処分という形でクラブに影を落としている点は、非常に憂慮すべき事態です。マラガやラシン、デポルティーボといった名門が1部復帰を果たしたことは喜ばしい一方、祝賀のあり方が問われています。また、マジョルカのファンが監督の引き抜きに怒りを露わにするなど、クラブとサポーターの信頼関係が試される場面も目立ちます。フロントには、単なる補強だけでなく、クラブの品格を保ちつつ、いかにして熱狂を健全なエネルギーへと昇華させるかという、組織としてのマネジメント能力が強く求められています。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
移籍市場では、セルヒオ・カナレスのラシン復帰のような象徴的な動きがある一方で、各クラブの編成方針には明確な差が出ています。デポルティーボが掲げる「カンテラ25%、26歳以下50%」というモデルは、持続可能な経営を目指すセグンダの新たな潮流となるでしょう。一方で、サラゴサの交渉難航やアルメリアの若手引き抜きに見られるように、契約解除条項や昇格条件付きの支払いが編成の鍵を握っています。限られた予算内でいかに戦力を最適化するか、各SDの交渉術が来季の順位を左右することになるはずです。