試合結果とシーズン成績
最終節、アウェイのサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリードと対戦し、4-2で敗北を喫した。アスレティック・ビルバオは欧州カップ戦出場権の獲得を逃し、勝ち点45の12位でシーズンを終えた。降格圏からはわずか3ポイント差という薄氷を踏む結果となった。今季はリーグ戦38試合で19敗を喫しており、これはクラブ史上ワースト記録である。引き分けが極端に少なく、勝つか負けるかという極端な結果を繰り返したことで、バルセロナ、レアル・マドリードと並び、2部降格を経験したことのない3クラブとしての歴史的地位をかろうじて死守した。試合は前半13分と41分に失点したが、前半アディショナルタイム(46+1分)にイニャキ・ウィリアムスの正確なクロスからゴルカ・グルセタがダイレクトボレーで1点を返した。後半開始早々にも失点して突き放されたが、後半アディショナルタイム(91分)には再びイニャキ・ウィリアムスのアシストからウルコ・イセタが見事なゴールを決めて意地を見せた。しかし反撃は及ばず、3シーズン連続で欧州カップ戦に出場するチャンスを逃す結果となった。得失点差はマイナス15に終わり、昨季はナポリと並び欧州5大リーグで最高の守備を誇っていたチームにとって、不運で苦しいシーズンを象徴するデータとなった。(via ElDesmarque)
エルネスト・バルベルデ監督の退任とコメント
3期にわたり、クラブ史上最多となる公式戦504試合で指揮を執ったエルネスト・バルベルデ監督が、この試合を最後に退任した。来季の指揮を執らないことを既に明言しており、試合前には『想像もつかないだろう。いつものルーティンを続け、トレーニングをして試合に集中する。しかし、長年過ごした後、もう続けないのだと考える瞬間はある。穏やかに受け止めている』と心境を語っていた。
試合後の会見では万感の思いを口にしている。『504試合というのは大きな意味があり、人々の愛情を見られるのは満足だが、少し圧倒される。今日、私たちは皆別れを告げた。感動的だったし、キャプテンたちと私が話をして、そこで皆少し感傷的になった。これが最後だったし、意味のあるスタジアムでのことだった』。
不本意なシーズンを振り返り、『チャンピオンズリーグやコパ・デル・レイ準決勝を除けば、期待通りのシーズンではなかった。もっと上を期待していたが、いくつかの困難を乗り越えられず、それが私たちの借金となっている。リーグ戦は私たちにとっても、他の多くのチームにとっても良いものではなかった。終わることにとても感動しているし、去って一人のファンになる時が来たと思う』と総括した。
試合展開については、『暑さのせいでリズムがあまりなかった。彼らはすぐにリードを奪ったが、ハーフタイムには2-1で追いつくチャンスもあった。しかしその後、彼らは多くのクオリティを発揮し、ムバッペはどんな状況からでもゴールを決める。試合が終わった時、少し怒っていた。私たちが少しコントロールを失い、マドリーはふざけたことはしないからだ。敵陣にいてボールを持っているように見える時こそ、ボールを失い始める時だと話していたのだが』と分析し、『すべては色々なことの集大成だ。サッカーで勝つことは常に安心感を与えるし、負けた時は内面に苦さを抱え、慣れることがないためどんどん悪化する。常に最善を期待し、最悪の事態にも備える。それがサッカーだ』と締めくくった。
また、後任となるドイツ人指揮官エディン・テルジッチへのアドバイスを求められると、『私の言うことは聞かないことだ。私はあまり良いアドバイスはできないから。一番良いのは、このクラブが特別だということ。そして彼は到着した瞬間からそれに気づくはずだ』とエールを送った。
さらに、相手のダニ・カルバハルの交代時にビルバオの選手もパシージョ(花道)を作って敬意を示したことについては、『両チーム間で事前に話し合われていたわけではないが、ライバル関係があっても選手間には常にリスペクトがある。削り合いはあっても、リスペクトは常にそこに存在する』と称賛した。(via MARCA)
選手スタッツ・大記録達成
チームキャプテンのイニャキ・ウィリアムスは、このレアル・マドリード戦で公式戦通算510試合出場に到達した。これにより、ボーンマスの監督としても知られるレジェンド、アンドニ・イラオラのクラブ出場記録に肩を並べた。試合ではキャプテンとして献身的に汗をかき、グルセタへの1点目、そしてイセタへの2点目と、チームの全2ゴールをアシストする活躍を見せた。ペナルティエリアへのパスの精度を欠く場面もあったが、確かな足跡を残した。
また、ストライカーのゴルカ・グルセタは前半アディショナルタイムに素晴らしいボレーシュートでリーグ戦10得点目をマークした。これで今季公式戦合計17ゴールとし、チームのトップスコアラーとしてシーズンを締めくくっている。(via ElDesmarque)
新ユニフォームを巡る政治的論争
来季(2026-27シーズン)に着用するイギリスのブランドCastore社製の新ユニフォームが、ベルナベウでの最終戦で初披露された。しかし、首の後ろにデザインされたイクリニャ(バスク国旗)と、7つの県が含まれるバスク国(エウスカル・エリア)の地図のモチーフが、激しい政治的な大論争を巻き起こした。この地図にはナバラ県やカンタブリア、ブルゴスの一部も含まれているとして、UPN(ナバラ住民連合)やPP、Voxなどの右派政党から猛反発を受けた。UPNからは3通の手紙が送られ、撤回や法的手続きの警告がなされた。
それでもクラブは怯むことなく、予定通りこの新ユニフォームを着用してピッチに立った。元ビルバオのDFイニゴ・マルティネスもSNSで、この新ユニフォームと『サスピアク・バト(7つは1つ)』のモットーへの『誇り』を公言し、支持を表明した。この騒動により、一部のメディアやSNSでの批判とは裏腹に、実店舗およびオンラインでのユニフォームの売上は強力に後押しされると見込まれている。(via ElDesmarque)
怪我人・負傷情報
シーズンを通じて負傷者に苦しめられたビルバオだが、最終戦でも野戦病院状態は改善されなかった。ニコ・ウィリアムス、オイハン・サンセト、アレックス・ベレンゲルが筋肉系のトラブルで欠場した。さらに、若手センターバックのウナイ・エギルスは1年未満で2度目となる右膝十字靭帯断裂という悲劇的な大怪我を負っている。
試合中もアクシデントが発生し、スタメン出場したジェライが前半18分にジュード・ベリンガムから激しいタックルを受けて足首を捻挫した。給水タイムにテーピングを巻いてプレーを続行したものの、ハーフタイムでアンドニ・ゴロサベルとの交代を余儀なくされた。また、ストライカーのゴルカ・グルセタも足首に違和感を覚え、73分にウルコ・イセタと交代している。(via ElDesmarque)
選手評価・個別パフォーマンス
ウナイ・シモンはベンチに温存され、コパ・デル・レイで活躍したアレックス・パディージャが先発に抜擢された。パディージャは失点こそ重ねたものの、対応の難しいシュートが多く、62分には好セーブも見せた。右サイドバックにはダニ・ビビアンが入り、左サイドに流れるムバッペへの対応に奮闘したが、攻撃面での貢献は限られ、後半からは本来のセンターバックに戻ってプレーした。
出場停止のユーリ・ベルチチェの代役として左サイドバックに入ったアダマ・ボイロは集中したプレーを見せ、後半には強烈なシュートを放って存在感を示した。イニゴ・ルイス・デ・ガラレタやミケル・ハウレギサルは中盤で懸命に走り回り、トップ下に入ったウナイ・ゴメスもゴールを目指したが、ポゼッションの少なさに苦しんだ。アヨメリク・ラポルテを休ませて起用されたアイトール・パレデスは、ムバッペに対していくつか良いインターセプトを見せている。ニコ・ウィリアムスの代役を務めたロベルト・ナバーロはサイドから中に切り込む動きを見せたが、カーブをかけたシュート以外は見せ場が少なかった。
交代出場したイニゴ・レクエは見事なスラロームを見せた。彼にとってはサン・マメスで別れを告げられなかったため、これがクラブマンとしての最後の試合になる可能性が高い。将来が未定のユーリ・ベルチチェとともに、今後の去就が注目されている。(via ElDesmarque)
【本日の総括】
歴史的な19敗目を喫し、降格圏ギリギリの12位でシーズンを終えたアスレティック・ビルバオ。10シーズンにわたりチームを支えたバルベルデ監督の退任やイニャキの大記録達成、新ユニフォームを巡る政治的論争など、ピッチ内外で話題の絶えない最終節となりました。来季は新監督エディン・テルジッチの下、立て直しを図ります。