カリム・アデイェミ獲得劇の全貌
アントニー・ゴードンに続く今夏2人目の補強として、ボルシア・ドルトムントからカリム・アデイェミの獲得が決定しました。移籍金は固定2200万ユーロに加え、バルサのスポーツ面での目標達成といった容易な条件によるインセンティブ700万ユーロとなります。さらに、ドルトムントは将来の売却益の20%を保有する権利を確保しました。契約期間は2031年6月までの5年契約です。
このスピーディーな移籍劇の裏には、ハンジ・フリック監督の説得がありました。フリック監督はアデイェミにバルサのスポーツプロジェクトとチームでの役割を直接説明し、アメリカで休暇中だった選手本人はドルトムントに自ら電話をかけ、バルサ以外のオファーは聞かないと伝えたとのことです。
アデイェミは水曜日の16時30分頃にプライベートジェットでバルセロナに到着しました。木曜日の朝にバルセロナ病院とシウタ・エスポルティバでメディカルチェックを受け、金曜日の朝にはフリック監督のもとで初練習に参加する予定です。ジョアン・ラポルタ会長とデコSDがワールドカップ視察から戻る来週に、正式なプレゼンテーションと記者会見が予定されています。(via SPORT, Mundo Deportivo)
フレンキー・デ・ヨングの負傷状況とカンテラーノの去就
ワールドカップから帰還したフレンキー・デ・ヨングの膝の負傷について、水曜日に実施された精密検査の結果、恐れられていた十字靭帯断裂は免れたことが判明しました。クラブと選手は今後、手術を行うか保存療法を選択するかを協議しますが、保存療法が有力視されており、離脱期間は最悪の想定だった半年より短く、4ヶ月程度に収まる見込みです。
この負傷にもかかわらず、デコSDの移籍市場での計画は変更されず、マルク・カサドの放出の扉は開かれたままです。カサドにはサウジアラビアや欧州のクラブから関心が寄せられており、ジョルジュ・メンデス代理人が新天地を探しています。本人はバルサへの忠誠を誓っていますが、フリック監督からの構想外通告があれば退団を受け入れる構えです。
一方で、ジローナへの移籍(移籍金150万ユーロ弱、バルサが保有権の50%を残す形式)が目前に迫っていた20歳のブリアン・ファリーニャスについては、フリック監督が放出をストップしました。ジュリアーノ・ベレッチ監督のもと、昨季バルサ・アトレティクで33試合に出場し5ゴール7アシストと活躍し、ユースリーグ優勝にも貢献した同選手のポテンシャルを、プレシーズンで自ら確認してから最終的な決断を下す方針です。また、19歳のトミー・マルケスやギリェ・フェルナンデスも、デ・ヨング離脱中のオプションとして期待されています。(via SPORT, MARCA, Mundo Deportivo)
テア・シュテーゲンのアヤックスへのレンタル移籍
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンのアヤックスへのレンタル移籍が最終段階に入っています。水曜日のシウタ・エスポルティバでの練習を欠席したドイツ人GKは、アムステルダムへ向けて出発する予定です。
契約期間は1年間で、給与の大部分はアヤックスが負担し、出場試合数に応じたバルサへの支払い額もすでに合意に達しています。昨季のジローナへのレンタルは、ポジションを掴みかけた矢先の負傷により数ヶ月の離脱を余儀なくされ、不本意な結果に終わっていました。
今回のアヤックス移籍は、ジローナ時代にも指導し、現在アヤックスの指揮を執るミチェル監督と、ジョルディ・クライフSDの強い要望によって実現しました。数時間以内にメディカルチェックを通過し、手続きが完了すれば、7月23日に控えるカンファレンスリーグの公式戦から出場する可能性があります。(via SPORT, Mundo Deportivo)
クティ・ロメロとアイメリク・ラポルテのCB補強の噂
攻撃陣の補強を進めるバルサですが、ワールドカップ決勝の舞台に立つ2人のセンターバックが補強候補として浮上しています。
1人目はトッテナムのアルゼンチン代表、クリスティアン・"クティ"・ロメロです。昨季のプレミアリーグでの降格争いや、W杯に向けた負傷離脱のタイミングでのクラブとの関係悪化から、本人はプレミアリーグを離れバルサ行きを熱望しています。トッテナムは移籍金として5000万ユーロを要求していますが、ロメロ自身が買取オプション付きのレンタル移籍をクラブに迫っており、インテルやアトレティコ・マドリードも関心を示す中、本人の第一希望はバルサです。
2人目はアスレティック・クラブのスペイン代表、アイメリク・ラポルテです。代理人から数週間前にバルサに売り込みがあり、フリック監督やデコSDも、左利きで経験豊富な彼のプロフィールを高く評価しています。しかし、契約が2028年まで残っており、年俸も高額な上、ニコ・ウィリアムズの一件でアスレティックとの関係が悪化しているため、交渉は極めて困難です。
現状、バルサにはパウ・クバルシ、ロナルド・アラウホ、アンドレアス・クリステンセン、ジェラール・マルティン、エリック・ガルシア、ジュール・クンデとCBが飽和状態にあります。アラウホ、クンデ、アレハンドロ・バルデらが退団を拒否しているため、守備陣から退団者が出ない限り、新たなCBの補強は行われません。(via SPORT, Estadio Deportivo, ElDesmarque, Mundo Deportivo)
フリアン・アルバレス獲得交渉におけるアトレティコからの理不尽な要求
フリアン・アルバレスは、バルサへの移籍という夢を叶えるためにアトレティコ・マドリードからの退団を希望しています。しかし、アトレティコは国内のライバルであるバルサへの売却を断固として拒んでおり、交渉の席で移籍金1億2000万ユーロに加えて、カンテラ期待の星であるマルク・ベルナルの譲渡を要求しました。バルサはこの理不尽な要求を即座に拒否しています。
この状況を利用しようと動いているのがアーセナルです。アーセナルのミケル・アルテタ監督の強い希望と、元アトレティコで現在アーセナルのSDを務めるアンドレア・ベルタの存在が背景にあります。アーセナルは1年前にも1億ユーロ+変動2000万ユーロのオファーを出しており、今夏も本格的な攻勢を準備しています。
それでも、アルバレス本人はプレミアリーグへの復帰を望んでおらず、バルサ移籍のみを考えています。ラポルタ会長は交渉戦略として『オファーには有効期限がある』と発言し、アトレティコにプレッシャーをかけています。(via SPORT)
フェラン・トーレスのPSG移籍の可能性
パリ・サンジェルマンのルイス・エンリケ監督が、愛弟子であるフェラン・トーレスの獲得を熱望しています。ゴンサロ・ラモスのACミラン移籍に伴い、ビッグマッチで15分から25分出場し流れを変えることができるローテーション要員として、フェランを完璧なプロフィールと考えているためです。
PSGはすでに選手の代理人と接触し、プロジェクトにおける役割を提示しています。バルサの評価額は5000万ユーロとされていますが、PSGはそこまで支払うつもりはありません。
フリック監督は、ロベルト・レヴァンドフスキ退団後を見据え、フェランを重要な選手と見なしていますが、絶対的なスタメンとは考えていません。また、フェランがバルサと契約延長した場合、マンチェスター・シティへ800万ユーロの追加支払いが発生する条項が存在することも、クラブが移籍を容認する要因となっています。選手本人の決断が今後の交渉の鍵を握ります。(via SPORT)
アンドレス・クエンカのコモ完全移籍
19歳の左利きセンターバック、アンドレス・クエンカが、セスク・ファブレガス監督率いるイタリア・セリエAのコモへ完全移籍することが決定しました。木曜日にイタリアへ渡り、長期契約にサインする予定です。移籍金は70万ユーロで、バルサは将来の売却益の20%を確保する条項を盛り込みました。
この移籍は冬の市場の時点で基本合意に達していましたが、コモ側がスペインのプロサッカーでの経験を積ませることを条件としたため、後半戦はスポルティング・ヒホンへレンタルされていました。ヒホンでは筋肉系の負傷で出遅れたものの、終盤にはスタメンに定着し、プロの舞台で好印象を残しました。
クエンカはSNSで、7年間過ごしたラ・マシアやバルサへの感謝のメッセージを綴っています。(via SPORT, MARCA)
カンテラ動向:ペドロラの移籍益、トニ18歳の誕生日、16歳ゴレンの抜擢
サンプドリアに所属するエスタニス・ペドロラのレアル・オビエドへの完全移籍が迫っています。マジョルカやラス・パルマスも関心を示していましたが、現在オビエドが争奪戦を一歩リードしています。バルサはペドロラの将来の移籍金の50%を受け取る権利を保有しており、移籍金が100万から150万ユーロで決着した場合、その半額がバルサの金庫に入ることになります。
また、水曜日に18歳の誕生日を迎えたトニ・フェルナンデスは、シウタ・エスポルティバでいとこのギジェ・フェルナンデスからケーキのサプライズを受けました。練習前にはフリック監督の促しで、トップチームの選手たちから恒例の祝福の首根っこ叩きを受けています。ギジェはSNSで『一生バカなままだな』と愛のあるメッセージを送りました。
さらに、16歳のオリアン・ゴレンがトップチームのプレシーズンに抜擢されました。2009年生まれのイスラエルU-19代表であるゴレンは、昨年マカビ・ペタクから加入し、主にフベニールAでプレーしていました。本職のインテリオールだけでなく、アンカーや偽ウイングもこなせる戦術理解度と、ミドルシュートなどの得点力が評価されています。(via SPORT, Mundo Deportivo)
施設拡充、プレシーズン中継、新カンプノウの進捗とW杯補償金
シウタ・エスポルティバでは、トレーニングピッチのコーナー部分に第3の新しいジムを建設中です。数週間前から着工しており、リーグ開幕までの完成を目指しています。ピッチでの練習と並行して筋力トレーニングやリカバリーを行えるようになり、最新鋭の機器が導入されます。将来的にはデコSDの推進で、選手向けの最新鋭レジデンス建設も検討されています。
プレシーズンマッチのうち、7月31日のバーミンガム・シティ戦と8月19日のジョアン・ガンペール杯(アル・アハリ戦)が、新たな公式アプリ『Barça Play』とYouTube Pack Premium Members向けに生中継されることが発表されました。
新スポティファイ・カンプノウでは、ガンペール杯の開催に向けて、第3層の構造が完成し、屋根を支える金属要素の設置が完了しました。ピッチでは、天然芝と人工芝を組み合わせたハイブリッド芝の張り替え作業が急ピッチで進められています。
なお、ワールドカップで決勝に進出したスペイン代表には、ジョアン・ガルシア、パウ・クバルシ、エリック・ガルシア、ペドリ、ガビ、ダニ・オルモ、ラミン・ヤマル、フェラン・トーレスの8人のバルサ所属選手が含まれており、FIFAからバルサに支払われる補償金は合計289万3533ユーロに上ります。(via SPORT, Mundo Deportivo, MARCA)
【本日の総括】
アデイェミの電撃加入やテア・シュテーゲンの退団など、チーム編成が加速しています。デ・ヨングの重傷回避は朗報ですが、放出候補の選手の動向や他クラブからの引き抜きなど、フロントの忙しい日々はまだまだ続きそうです。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
アデイェミの加入は、フリック監督が志向する縦への推進力と、前線での強度の高さを象徴する補強です。彼が加わることで、サイドからの仕掛けだけでなく、背後へのランニングが攻撃の選択肢として明確になります。一方で、CB陣の飽和状態は戦術的な整理を急務としており、特にアラウホやクンデといった主力級の立ち位置が不透明なままでは、守備組織の構築に遅れが生じかねません。プレシーズンでカンテラーノを積極的に試す姿勢は評価できますが、戦術的な一貫性を保つためには、まずは余剰戦力の整理による配置の最適化が不可欠です。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
クラブ全体が大きな転換期にあることを強く感じさせます。テア・シュテーゲンのレンタルやフェラン・トーレスの去就など、ベテランから中堅層にかけての入れ替えは、ラポルタ会長とデコSDが描く新体制への強い意志の表れでしょう。特にフリック監督が選手の説得に直接動く姿は、現場とフロントの結束を強調し、サポーターにポジティブなメッセージを送っています。ただし、アトレティコとの交渉に見られるような強硬な姿勢は、今後の他クラブとの関係性にも影響を及ぼす可能性があり、慎重な舵取りが求められます。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
アデイェミの獲得条件は、将来の売却益20%を付与しつつも、固定費を抑えた現実的な内容です。一方で、CB陣の補強噂については、現状の選手層とサラリーキャップを考慮すれば、放出が先行しない限り現実味は薄いと言わざるを得ません。特にフリアン・アルバレスを巡る交渉は、アトレティコ側の要求が極めて高く、編成バランスを崩してまで強行すべき案件か疑問が残ります。カンテラーノの活用や売却益の確保など、財務と戦力のバランスを重視した堅実な編成判断が、今夏の成功を左右する鍵となるでしょう。