ジェイドン・サンチョ ヘタフェのオファーを断り中東へ
イングランド国籍でウイングを務めるジェイドン・サンチョは、無所属の立場からヘタフェCFへの移籍に向けた交渉が進んでいたものの、最終的にこれを辞退してサウジアラビアへ渡る決断を下した。攻撃陣の層の薄さに悩むヘタフェが公式オファーを提示して獲得を試みたものの、条件面での隔たりが大きく破談に至ったことで、ラ・リーガ参戦の可能性は完全に消滅した段階にある。
ヘタフェを率いるホセ・ボルダラス監督は、3つの大会を戦う上で手薄な前線の枚数を補うべく、純粋なウイングの獲得をクラブ幹部に強く求めていた。クラブの会長を務めるアンヘル・トーレスとスポーツディレクターのトニ・ムニョスは、ダニ・カルバハルを獲得した勢いそのままに、フリー市場で大物攻撃手の獲得に動いた。かつてマンチェスター・ユナイテッドやボルシア・ドルトムント、チェルシー、アストン・ヴィラでプレーした実績を持つ彼に対し、ヘタフェ側は熱心なアプローチを続けていた。
移籍金が発生しないフリー移籍の交渉において、焦点となったのは今シーズン終了までの契約期間と給与条件であった。DAZNのジャーナリストであるマッテオ・モレット氏の報道によれば、ヘタフェは今シーズン終了までの契約として総額50万ユーロの公式オファーを提出し、選手側からの最終的な回答を待つ状態にあると伝えられていた。しかしMARCA紙の取材によると、本人は今季終了までに手取り300万ユーロの年俸を要求していたという。イギリスメディアで報じられた40万ユーロの打診に対し、ヘタフェ側はそれを上回る金額を用意して交渉に臨んだものの、選手の要求額とは大きな隔たりが存在していた。
そうした中で、中東のサウジアラビアから彼の要求を満たす巨額の提示が舞い込み、事態は急速に収束へと向かった。代理人を通じて中東クラブとの契約交渉を進めていた彼は、アンヘル・トーレス会長に対してヘタフェでプレーしない意向を正式に伝えた。欧州を離れることに伴う高額な報酬を受け入れる形で、スペイン挑戦の選択肢を自ら排除した格好だ。
大物補強の夢が潰えたヘタフェは、現在の選手登録枠に2つの空きを残したまま、秋口の補強作業を終了せざるを得なくなった。アンヘル・トーレス会長は、よほどの好条件が浮上しない限り、来年1月2日に冬の移籍市場が開幕するまで新たな補強を行わない方針を固めている。
この一連の動きが示すのは、資金力で勝る中東勢の存在が、ラ・リーガの中小クラブにおけるフリー選手獲得のハードルを一段と引き上げている現実である。ヘタフェにとっては前線の補強が先送りとなり、現有戦力で冬まで持ちこたえねばならない厳しい状況となった。次の注目点は、1月2日の冬の移籍市場開幕に向けてヘタフェがどのようなターゲットをリストアップするかだ。(via ElDesmarque / MARCA)
